トピックス 

トピックスII 飲酒運転の根絶に向けた警察の取組み

 飲酒運転は、悪質・危険な違反です。国民一人一人の意識を高め、飲酒運転を根絶しましょう。

 警察では、飲酒運転を防止するため、従来から強力な取締り等を推進してきました。平成17年には、飲酒運転による交通事故件数は、過去10年間のピーク時と比較してほぼ半減するに至っています。しかしながら、最近も飲酒運転による悲惨な交通事故等の発生は後を絶たず、18年8月には、福岡県で飲酒運転により幼児3人が死亡する交通事故が発生したことなどから、飲酒運転が大きな社会問題に発展しています。
 飲酒運転は、重大事故に直結する悪質・危険な違反です。警察では、飲酒運転の根絶に向け、その危険性を周知するための交通安全教育を推進したり、関係機関や関係業界と連携して「飲酒運転を許さない社会環境づくり」を進めたり、また、全国一斉の飲酒運転取締強化週間を設けてその取締りを強化したりするなどの対策を進めています。
 これらの対策により、18年9月以降の飲酒運転による交通事故件数及び交通死亡事故件数は前年同期と比較して大幅に減少しました。しかしながら、飲酒運転はいまだに後を絶たないのが現状です。
 飲酒運転を根絶するためには何よりも国民一人一人の心掛けが重要です。悲惨な交通事故を無くすため、一人一人の意識を高め、飲酒運転を一日も早く根絶しましょう。
 
 飲酒運転撲滅総決起大会
飲酒運転撲滅総決起大会

(1)飲酒運転の危険性を周知するための交通安全教育

 警察では、飲酒運転の危険性の理解を促進するため、実際に飲酒した上でのテストコースの走行や運転シミュレーターの操作、「飲酒体験ゴーグル」を用いた酒酔い状態の疑似体験等による交通安全教育を推進しています。
 また、飲酒運転の危険性や飲酒運転による交通事故の実態についても積極的に広報し、その周知に努めています。
 
 飲酒体験ゴーグルを用いた交通安全教育
飲酒体験ゴーグルを用いた交通安全教育

(2)民間団体と連携した「飲酒運転を許さない社会環境づくり」

 警察では、「飲酒運転を許さない社会環境づくり」のため、民間団体等との連携に努めています。警察庁では、平成18年中に酒類の製造・販売業者、酒類提供飲食店、ホテル等の関係業界団体30団体に対し、運転者に対する酒類の提供を自粛することなど飲酒運転を抑止するための対策への協力を要請しました。また、都道府県警察では、個々の酒類提供飲食店等に対し、チラシやポスターを配布して飲酒運転防止のための取組みを働き掛けるほか、地域ボランティアや安全運転管理者を通じて、各地域、各職域における飲酒運転根絶機運の高揚を図っています。
 こうした警察の取組みや飲酒運転に対する社会的な関心の高まり等から、飲酒運転の根絶に向けた自主的な取組みが広がっています。
 
 酒類提供飲食店に対する働き掛け
酒類提供飲食店に対する働き掛け
 (財)全日本交通安全協会では、「ハンドルキーパー運動」(自動車によりグループで酒類提供飲食店に来た時には、その飲食店の協力を得て、グループ内で酒を飲まず、他の者を安全に自宅まで送る者(「ハンドルキーパー」)を決め、飲酒運転を根絶しようという運動)を展開しており、警察も広く国民に対してこの運動への参加を呼び掛けるなどしています。
 
 ハンドルキーパー運動ロゴマーク
ハンドルキーパー運動ロゴマーク

(3)飲酒運転の取締りの強化

 平成14年6月には、飲酒運転の罰則等の引上げ、罰則の対象となる酒気帯び運転の基準値の引下げ(呼気中アルコール0.25mg/lから0.15mg/lへの引下げ)が行われ、16年11月には飲酒検知拒否罪の罰則の引上げが行われたこと、また、飲酒運転が大きな社会問題となっていることを踏まえ、警察では厳正な取締りを推進しています。
 また、飲酒運転を検挙した際に教唆・幇助犯の存在が疑われる場合については、運転者の捜査にとどまることなく、飲酒場所、同乗者、飲酒の同席者等に対する捜査を推進し、飲酒運転を助長する行為についても積極的に検挙しています。

(4)飲酒運転の根絶に向けて

 平成18年8月以降、飲酒運転の取締りを格段に強化したことなどから、図II-1のとおり、飲酒運転による交通事故件数は減少していますが、飲酒運転はいまだに後を絶ちません。
 警察庁では、飲酒運転を行った者等に対する罰則の強化等を内容とする道路交通法の一部改正案を国会に提出するなど、飲酒運転の根絶に向けた取組みを継続しています。
 国民一人一人の意識を更に高め、飲酒運転を根絶しましょう。
 
 飲酒検問の状況
飲酒検問の状況
 
 図II-1 飲酒運転による月別交通死亡事故の発生状況(平成17、18年)
図II-1 飲酒運転による月別交通死亡事故の発生状況(平成17、18年)
 
 図II-2 飲酒運転による交通事故件数の年別推移(平成9~18年)
図II-2 飲酒運転による交通事故件数の年別推移(平成9~18年)

 II 飲酒運転の根絶に向けた警察の取組み

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