10 留置施設の管理運営
(1)留置施設の管理運営
平成19年4月1日現在、留置施設は全国で1,262施設設置されている。警察では、捜査業務と留置業務の分離を徹底しつつ、被留置者の人権に配慮した処遇及び施設の改善を推進しており、次のとおり、国際的な評価にも耐える適正な留置業務の運営を徹底している。
図5-24 適正な留置業務の運営
警察庁では、以上のような留置業務の運用面及び施設面での一層の改善に努めるほか、被留置者の処遇を全国的に斉一にするため、毎年すべての都道府県警察の留置施設に対する計画的な巡察を実施している。
留置施設における食事の例
女性専用留置施設(被留置者は模擬)
留置施設の内部
(2)被留置者の収容状況
〔1〕 留置施設の深刻な収容力不足
平成18年中の被留置者の年間延べ人員は約518万人(1日平均約1万4,200人)で、前年の0.95倍となっているが、10年前と比較して1.9倍に上っている。
表5-5 被留置者延べ人員の推移(平成9~18年)
留置施設の収容率(注1)は、19年5月20日現在、全国平均で65.2%である。留置施設では、少年と成人、女性と男性を一緒に留置できないなどの制約があることから、収容率が7割から8割に達した時点で実質的に収容力は限界に達するのが通例であり、特に大都市及びその周辺部を管轄する警察を中心とした一部地域では、過剰収容状況が厳しく、留置施設の収容力不足は深刻である。
図5-25 留置施設の過剰収容状況
<移送待機率(注2)の高い県警察(平成19年5月20日現在)>
〔2〕 留置施設の収容力確保のための施策
留置施設の過剰収容は、被留置者の処遇環境を悪化させ、また、円滑な捜査活動等を妨げるおそれがある。このため、警察では、警察署の新築・増改築時に十分な規模の留置施設を整備するとともに、被留置者を留置する専用施設の建設を推進し、収容力の確保を図っている。また、拘置所等刑事施設に対し、早期の移送を要請している。
図5-26 収容基準人員(全国)の推移