10 総合的な暴走族対策の推進
(1)暴走族の実態と動向
全国の暴走族構成員数、暴走族に関する110番通報件数共に前年と比較して減少しているが、依然として暴走族対策の強化を求める国民の要望は強い。
表3-5 暴走族構成員数及び暴走族に関する110番通報件数の推移(平成14~18年)
暴走族は、共同危険型(爆音を伴う暴走等を集団で行うもの)及び違法競走型(「ローリング族」等、山岳道路等でコーナリング等の運転技術を競うもの)に大別される。図3-23のとおり、違法競走型は全体の1割程度であり、暴走族の大半は共同危険型である。また、共同危険型の半数以上は少年であるが、近年、成人の占める割合が急増している。
また、近年、元暴走族構成員や暴走族構成員が中心となって、暴走族風に改造した旧型の自動二輪車等を連ねて大規模な集団走行を行う「旧車會」を結成し、一般通行車両等に迷惑を及ぼしている状況が各地で見られるようになってきた。
暴走族の引き起こす犯罪は、道路交通関係法令違反のほか、刑法犯、薬物犯罪等様々な罪種にわたっており、暴走族同士の対立抗争や一般人に対する殺人未遂事件等も発生している。さらに、一部には、暴力団の予備軍的な存在となっている集団も確認されている。
図3-23 共同危険型・違法競走型別暴走族構成員の状況(平成18年)
初日の出暴走に対する検問
表3-6 法令別検挙状況(平成18年)
(2)暴走族の取締り及び関係機関と連携した諸対策の推進
警察では、交通部門、少年部門、地域部門等が連携し、共同危険行為等の現場検挙を始め各種法令を適用した取締りを推進し、暴走族の解体や構成員の脱退を図っている。
また、地方公共団体における暴走族根絶条例の制定(平成18年末現在、23道府県157市町村において制定)及び運用に対して協力したり、また、中学校・高校において暴走族加入阻止教室を開催するほか、家庭、学校、保護司等と連携して暴走族から離脱させる措置をとるなど、総合的な暴走族対策を実施している。
暴走族追放キャンペーン