第1章 生活安全の確保と犯罪捜査活動 

第4節 少年の非行防止と健全育成

1 少年非行の概況

(1)少年非行情勢

 平成18年中の刑法犯少年の検挙人員は3年連続で減少した。また、刑法犯総検挙人員に占める少年の割合は9年連続で減少し、昭和47年以来34年ぶりの低い割合となった。しかしながら、同年齢層の人口1,000人当たりの刑法犯少年の検挙人員は成人の5.7倍で、いまだ高い水準にある。
 18年中の触法少年の補導人員は前年に比べ減少したものの、依然として高水準で推移している。不良行為少年の補導人員は前年に比べ増加し、14年以降100万人を超える状態が続いている。
 ・ 18年中の刑法犯少年の検挙人員・・・11万2,817人(前年比1万898人(8.8%)減)
 ・ 18年中の刑法犯総検挙人員に占める少年の割合・・・29.4%(前年比2.6ポイント減)
 ・ 18年中の同年齢層の人口1,000人当たりの刑法犯少年の検挙人員・・・14.8人(前年比1.1人減)
 
 図1-60 刑法犯少年の検挙人員、人口比の推移(昭和24~平成18年)
図1-60 刑法犯少年の検挙人員、人口比の推移(昭和24~平成18年)

 
 表1-24 触法少年(刑法)の補導人員の推移(平成9~18年)
表1-24 触法少年(刑法)の補導人員の推移(平成9~18年)
 
 表1-25 不良行為少年の補導人員の推移(平成9~18年)
表1-25 不良行為少年の補導人員の推移(平成9~18年)

(2)平成18年中の少年非行の主な特徴

〔1〕 刑法犯少年
 平成18年中に検挙した少年の数は表1-26のとおりであり、知能犯を除き、いずれも前年より減少した。一方、少年による重大な事件が続発し、社会の注目を集めた。
 
 表1-26 刑法犯少年の包括罪種別検挙人員の推移(平成9~18年)
表1-26 刑法犯少年の包括罪種別検挙人員の推移(平成9~18年)

事例1
  男子高校生(15)は、18年4月、ぱちんこ店の廃屋において、交際相手の女子中学生とトラブルになったことから、同女子中学生の頸部を絞め、頭部を棒で殴るなどして殺害した。同月、殺人罪で逮捕した(岐阜)。

事例2
  男子高校生(16)は、18年6月、家族を殺害しようと企て、自宅に放火して全焼させ、就寝中の家族3人を殺害した。同月、現住建造物等放火罪及び殺人罪で逮捕した(奈良)。

〔2〕 再犯者
 平成18年中の刑法犯少年の再犯者数は3年連続で減少した。また、再犯者の人口比(注)も同様に減少しているが、成人の再犯者の人口比の4.0倍となっている。

注:同年齢層の人口1,000人当たりの再犯者数

 
 図1-61 刑法犯少年の再犯者数及び再犯者の人口比の推移(平成9~18年)
図1-61 刑法犯少年の再犯者数及び再犯者の人口比の推移(平成9~18年)

 第4節 少年の非行防止と健全育成

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