第4章 安全かつ快適な交通の確保

10 交通指導取締り

(1)悪質性、危険性、迷惑性の高い運転行為への対策の強化
 警察では、街頭における機動的な交通指導取締りを推進し、違法行為の未然防止に努めるとともに、無免許運転、飲酒運転、著しい速度超過、信号無視等交通事故に直結する悪質性、危険性の高い違反及び迷惑性が高く住民からの取締り要望の多い違反に重点を置いた取締りに努めている。平成17年中は893万9,678件の道路交通法違反を取り締まった。
 特に死亡事故等重大事故に直結する飲酒運転に対しては、14年6月の改正道路交通法令の施行により、罰則等の引上げ、罰則の対象となる酒気帯び運転の基準値の引下げ(呼気中アルコール0.25mg/lから0.15mg/lへ引下げ)が行われたことや、16年11月に施行された改正道路交通法による飲酒検知拒否罪の罰則の引上げも踏まえ、厳正な取締りを推進している。
 
 図4-23 主な道路交通法違反の取締状況(平成17年)
図4-23 主な道路交通法違反の取締状況(平成17年)
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 白バイの活動
写真 白バイの活動

(2)使用者等の背後責任追及等
 事業活動に関して行われた放置駐車、過積載運転、過労運転、最高速度等の違反やこれらに起因する事故事件について、運転者の取締りにとどまらず、使用者に対する指示(注1)及び自動車の使用制限命令を行っているほか、これらの行為を下命・容認していた使用者等(注2)を検挙するなど、その背後責任の追及に努めている。
 また、タクシーやトラック等の事業用自動車の運転者が、その業務に関して行った道路交通法等に違反する行為については、運輸支局等に通知し、所要の行政処分等を促し、事業用自動車による交通事故防止に努めている。
 さらに、自動車メーカー等による車両の不正改造など、企業による車両の安全性を脅かす犯罪に対しても、取締りを推進している。

注1:平成18年6月1日、改正道路交通法により新たな違法駐車対策法制が施行されたことに伴い、放置駐車違反に関する車両の使用者に対する指示は廃止された。
 2:使用者のほか、安全運転管理者その他自動車の運行を直接管理する地位にある者も含む。


 
 図4-24 使用者等の下命容認の内訳(平成17年)
図4-24 使用者等の下命容認の内訳(平成17年)
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 図4-25 平成18年6月1日改正道路交通法施行後のフロー
図4-25 平成18年6月1日改正道路交通法施行後のフロー

事例1
 居眠り運転により、大型貨物自動車が信号待ちをしていた普通貨物自動車に追突するなどして、2人が死亡し、2人が負傷した交通事故を端緒として、この大型貨物自動車の運転者の過労運転を容認していた運送会社の配車係(46)等を、17年8月までに、道路交通法違反(過労運転容認)で検挙した(愛知)。

事例2
 道路交通法違反(最高速度違反)を行った、二輪車を使用する貨物軽自動車運送事業者の運転者の検挙を端緒として、最高速度違反を容認した貨物軽自動車運送事業者8法人8人を、17年5月までに、道路交通法違反(最高速度違反下命・容認)で検挙した(兵庫)。

事例3
 大手機械メーカー等が、普通免許で運転することができない車両総重量8トン以上の自動車について、一部の装置を装備せず、又は取り外すなどして、普通免許で運転可能な車両総重量として不正に登録した事件について、同メーカー等の部長(61)ら19人を、17年9月までに電磁的公正証書原本不実記録罪、同供用罪及び道路運送車両法違反(不正登録)で検挙した(石川)。

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