4 昭和50年代の日本警察  昭和50年代は、世界経済が低迷する中、日本がいち早く不況から脱出し、安定成長の軌道に乗った時代である。若者の間ではインベーダーゲーム(53年)やポータブルカセットプレイヤー(54年)が大流行し、57年に東北・上越新幹線が開通、58年に東京ディズニーランドがオープンした。政治では、第二次臨時行政調査会が56年に発足し、行政改革が重要な課題となった。57年にホテル・ニュージャパン火災、羽田沖日航機墜落事故が発生し、58年に三宅島が噴火した。  犯罪情勢をみると、窃盗犯が大幅に増加した結果、48年に底を打った刑法犯認知件数が増加基調に移行し、59年には終戦直後の水準にまで悪化した。また、三菱銀行北畠支店における強盗殺人及び人質立てこもり事件(54年)やいわゆるグリコ・森永事件(59年)等の凶悪事件が社会の耳目を集めた。 表2-4 昭和50年代の主な事件・事故