第2節 日本警察50年史 1 昭和20年代の日本警察  昭和20年代は、戦後の混乱期を経て経済が戦前の水準に回復した時代である。20年8月のポツダム宣言受諾後、連合国軍総司令部により民主化政策が進められ、21年に新憲法が公布された。24年に警察予備隊が創設され、25年6月には朝鮮戦争が勃発し、朝鮮特需が日本の復興を促進した。26年には対日講和条約及び日米安全保障条約が締結され、我が国は国際社会に復帰した。28年にはテレビの本放送が始まり、プロレスの試合中継に国民が熱狂した。  こうした中、戦争中減少していた犯罪が、敗戦による物質的窮乏と道徳観念の低下等を反映して急激に増加し、23年と24年には、刑法犯認知件数が160万件近くにも達した。20年代後半に入ると、経済の安定により財産犯は減少したが、粗暴犯は高い水準で推移し、殺人も29年には3,081件とピークを迎えた。 表2-1 昭和20年代の主な事件・事故