警察活動と情報通信 (1)危機管理を支える警察情報通信  警察では,事件,事故及び災害がどこでどのような形態で発生しても即座に対応できるように,警察の神経系統である各種情報通信システムを独自に開発し,全国的整備を行うとともに,システムの高度化に努めている(主要な警察の情報通信システムは,表9-5参照)。 表9-5 主要な警察の情報通信システム  また,各都道府県単位に国の機関である通信部を設置し,各種情報通信システムの間断ない管理・運営を行っている。管区警察局には情報通信部を設置して,広域・重大事案発生時の通信施設の運用等に関する指導調整等の業務を行っている。  警察の情報通信基盤は,自営の無線多重回線,衛星通信回線,電気通信事業者の専用回線等により構成されており,これらを活用して,警察庁から警察本部はもちろん,第一線の警察署や交番に及ぶ全国的な各種ネットワークを構築し,警察業務を遂行する上で不可欠な情報伝達を行っている(図9-8)。 図9-8 警察の情報通信基盤