(4)情勢に応じた的確な警衛・警護の実施 1)警衛  平成14年中,天皇皇后両陛下は,  ・  6月,第53回全国植樹祭(山形県)  ・ 10月,第57回国民体育大会秋季大会(高知県)  ・ 11月,第22回全国豊かな海づくり大会(長崎県) への御臨席を始め,  ・  5月,第26回国際内科学会議御臨席及び地方事情御視察(京都府・奈良県) のため行幸啓になった。  皇太子同妃両殿下は,第13回全国「みどりの愛護」のつどい(4月,新潟県)を始め,各種の式典・行事への御臨席のため,各地に行啓になった。  海外へは,天皇皇后両陛下が,国際親善のため,ポーランド国及びハンガリー国を御訪問(7月)になったほか,各皇族方が計9回御訪問になった。  高円宮殿下の薨(こう)去(11月)に伴い,天皇皇后両陛下が御弔問になったのを始め,各皇族方が御参列のなか,諸儀式が執り行われた。  これらに対し,極左暴力集団等は,御臨席される行事をとらえて,来県に反対する集会,デモ等に取り組んだ。  このような情勢のなかで,警察は,皇室と国民との間の親和に配意した警衛警備を実施し,御身辺の安全確保と歓送迎者の雑踏事故防止を図った。 行幸啓に伴う警衛警備(11月,長崎) 2)警護  14年中,小泉首相は,日朝首脳会談のため,北朝鮮を訪問したほか,同時多発テロ事件発生後1年を迎え,再びテロの危険性が高まる厳しい警護情勢のなか,米国を訪問した(9月)。  また,カナダでのカナナスキス・サミット(6月),南アフリカでのヨハネスブルグ・サミット(WSSD)(9月),デンマークでのアジア欧州会合(ASEM)首脳会合(9月),メキシコでのAPEC首脳会議(10月),カンボジアでのASEAN+3首脳会議(11月)等に出席した。  さらに,年間を通じ,警護警備を要する外国要人が多数来日した。  警察は,厳しい情勢のなか,銃器,爆発物に加え,生物・化学剤を使用したテロへの対応を念頭に置いた諸対策を推進し,国内外要人の身辺の安全を確保した。