(2)右翼対策の推進 1)「テロ,ゲリラ」事件の未然防圧に向けた違法行為の徹底検挙  警察は,右翼による「テロ,ゲリラ」事件の未然防圧を図るため,右翼の動向に注意を払うとともに,銃器犯罪や資金獲得を目的とした犯罪を中心に,各種法令を駆使して,違法行為の徹底検挙に努めている。 〔銃器の押収〕  平成14年中,右翼及びその周辺者(以下「右翼等」という。)から49丁の銃器を押収した(前年比13丁減)。銃器の隠匿方法が一層巧妙化していることなどから,銃器押収数は減少したが,最近5年間に右翼等から押収した銃器のうち,暴力団と関係を有する右翼等からの押収が約7割を占めることから,銃器の多くは暴力団を通じて入手しているものとみられる(図6-7)。 図6-7 右翼等からの銃器押収状況(平成10~14年) 2)街頭宣伝車対策の推進  警察では,14年中,右翼の街頭宣伝車による暴騒音をとらえ,45の都府県において制定されている暴騒音規制条例に基づき,停止・中止命令(防止措置命令を含む。)162件,勧告379件,立入り91件を行ったほか,静穏保持法及び暴騒音規制条例違反で5件,6人を検挙した。  また,街頭宣伝車を使用した職務強要,名誉毀(き)損,恐喝等,街頭宣伝活動に伴う事件で,135件,213人を検挙し,法令を多角的に適用した事件検挙に努めた。 街頭宣伝活動を取り締まる警察官 事例1  14年7月,集会,集団行進及び集団示威運動に関する条例の許可を受けた自動車デモにより,長時間にわたる大渋滞を生じさせた事案で,同デモ煽動者を8月,指導者を9月,同条例違反(許可条件違反)で検挙した(警視庁)。 事例2  高速道路を街頭宣伝車で通行する際,威力を示して正規の通行料金の支払いを不法に免れた恐喝事件等で,3月から12月にかけ全国で7件,25人を検挙した(埼玉,大阪,兵庫,岡山,福岡)。