第1章 組織犯罪との闘い 

2 深刻化する組織犯罪の脅威と取締り戦略

 組織犯罪は,国民生活の安全を脅かし,行政や経済を蝕み,我が国社会の健全な発展を阻害する大きな要因となっている。暴力団を始めとする各種の犯罪組織は巨額の不法収益をめぐって相互の結び付きを深めており,それが犯罪組織全体の勢力の一層の拡大につながっている。
 このような我が国社会が直面する組織犯罪の脅威に対処するためには,あらゆる関連情報を集約し,警察の関係部門はもちろん,関係各機関や関係各国が緊密に連携を図ることが必要である。その上で,統一的な戦略の下,組織構成員を検挙し,不法収益をはく奪し,禁制品を押収しなければ,犯罪組織を壊滅させることはできない。
 今後,戦略的な取組みを徹底するためには,警察が,従来の部門の枠にとらわれることなく,体制の整備等を進めていく必要がある。

 

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