第1章 組織犯罪との闘い 

5 暴力団と国際犯罪組織との重なり

 警察庁では,平成10年から14年までの間に暴力団員等と来日外国人が共犯関係等を構築して敢行し,警察に検挙された事件で,警察庁に報告のあったもののなかから,35件を抽出して,その実態に関する詳細な調査(以下「共犯事件に関する調査」という。)(注)を行った。
 その結果,暴力団員等と来日外国人との関係は,多種多様であるものの,次のような傾向が認められた。


(注)共犯事件に関する調査では,10年から14年までの間に全国の都道府県警察が検挙し,その概要が警察庁に報告された事件で,暴力団員等と来日外国人が共犯関係等何らかの関係を構築して敢行したと思われるもののうち,約百数十件の報告内容を精査し,それぞれの事件の捜査過程で,暴力団員と来日外国人の関係が比較的解明されているものを35件抽出した。さらに,その35件の事件について,警察庁職員が当該事件の捜査を担当した都道府県に赴き,捜査記録を閲覧するなどして,
 1)暴力団員等と来日外国人が接点を持ち,共犯関係を構築するに至った経緯
 2)暴力団員等と来日外国人の犯行時における役割分担
 3)犯罪収益の分配状況
等について,可能な限り詳細な調査を行った。

 

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