第5節 今後の被害者対策の方向性

 平成8年の被害者対策の組織的推進の開始以降、警察においては、これまで述べてきたような種々の施策を実施してきた。これらの施策の多くは、開始後まだ2年あまりしか経過していないため、今後は更に被害者の要望に沿ったものとなるよう、各種施策の検証を行いつつ、継続的かつ着実な推進に努めることが不可欠であり、警察においては、次のような施策を重点として進めていくこととしている。
○ 各種施策の定着化
 すべての警察職員が被害者対策について適切な理解を有することとなるよう、引き続き、被害者対策についての教育訓練を行っていくほか、各分野において直接に被害者対策を担当する職員については、その専門的な知識、技能を充実させるための諸施策を推進する。
○ 被害者ニーズの把握等
 現在、警察が行っている被害者対策を一層きめ細かく効果的なものとするために、今後も継続的に警察に対する被害者の要望の把握を行うほか、先進的な取組みを行っている諸外国の施策の分析等も行っていく。
○ 施設等の整備・改善
 被害者の心情等に配慮した捜査等が行えるよう、施設、装備・資機材の整備、改善に努める。
○ 関係機関・団体等との連携の強化
 被害者の要望は多様であり、警察だけで対応できるものではないことから、現在、警察及び各種の機関・団体が行っている被害者対策を更に幅広い、効果の高いものとし、被害者に対して総合的な支援を行えるよう、各機関相互の情報交換を進め、一層の連携強化を推進する。


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