自動運転の公道実証実験について

警察では、自動運転の早期実現を支援するため、各種取組を実施しています。
このページでは、道路において自動運転の実証実験を安全・円滑に実施できるよう、道路交通法に基づく必要な手続等について解説します。

0.自動運転の公道実証実験の基本~十分な安全の確保

道路交通法は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的としています。

歩行者・自転車利用者や子供、高齢者、障がい者等を含む一般の道路利用者が交通のために利用する公道において、いまだ実用化されていない自動走行システムを用いて車両を走行させることは、交通の安全と円滑の確保に支障を及ぼす場合があります。

道路において自動運転の実証実験を実施するに当たっては、道路交通法第77条に基づく道路使用許可を受けなければならない場合がありますが、道路使用許可の要否にかかわらず道路交通法を遵守し、十分な安全確保措置を講じてください。

他方で、道路外で自動運転の実証実験を実施する場合は、道路交通法の適用を受けず、道路使用許可も必要ありませんが、その場合であっても、同様に十分な安全確保措置を講じてください。

なお、実験場所が「道路」に該当するかどうかの判断については、実施場所を管轄する都道府県警察に相談してください。

◆「道路」の定義等について
 
◆都道府県警察への事前相談について

1.道路使用許可が必要となる場合

自動運転の公道実証実験は、道路において主として以下の行為を行おうとする場合に、所轄警察署長等による道路使用許可が必要となります。

<道路使用許可が必要となる実験例>

● 遠隔型自動運転システムの実証実験
● 通常のハンドル・ブレーキと異なる特別な装置で操作する自動車(特別装置自動車)の実証実験
● 歩道走行型ロボットなど、自動運転技術又は遠隔操作により通行させるロボットの実証実験
 

(1)遠隔型自動運転システムの実証実験及び特別装置自動車の実証実験について

警察庁では、遠隔型自動運転システム及び特別装置自動車の公道実証実験について、「自動運転の公道実証実験に係る道路使用許可基準(令和6年9月)」を公表し、許可に係る審査の基準や指導事項などを示しています。

自動運転の公道実証実験に係る道路使用許可基準

概要資料

● 主な内容
都道府県警察における許可申請に対する取扱いの基準について、下記の主な基本事項のほか、遠隔型自動運転システムと特別装置自動車についてそれぞれ満たすべき個別事項を整理。
 

・許可に係る審査の基準

・許可期間
※「2 許可期間」の趣旨
一般的に自動運転技術は季節による天候の変化、道路工事の実施等、実験場所の道路状況の変化等によってその作動状況等に影響を受ける可能性があるものであることから、許可期間を原則として最大6か月とするもの。ただし、行為の目的、場所、方法又は形態及び道路交通状況等を勘案し、6か月を超える許可期間を定めることも可能。
 

・許可に付する条件

・許可に係る指導事項

・許可に際しての一般的確認事項

 なお、同許可基準は、令和6年9月に改訂を行いました。

● 令和6年9月改訂のポイント

● 参考資料

・道路使用許可に基づき実施する公道実証実験の流れについて
 
・一般的な道路使用許可の概要、道路使用許可の申請手続等について
 
・道路運送車両法上の手続について
概要資料(国土交通省HP)
 

(2)歩道走行型ロボットの公道実証実験について

警察庁では、道路交通法により歩行者が通行すべき場所として規定されている場所(歩道等)において自動運転技術又は遠隔操作により通行させる歩道走行型ロボットを対象とした公道実証実験について、「歩道走行型ロボットの公道実証実験に係る道路使用許可基準(令和5年4月)」を公表し、許可に係る審査などを示しています。

歩道走行型ロボットの公道実証実験に係る道路使用許可基準

【参考】「歩道走行型ロボットの公道実証実験に係る留意事項」

● 主な内容
遠隔操作型小型車の遠隔操作による通行の届出の対象とならない、歩道走行型ロボットの公道実証実験について、許可に係る審査の基準など下記事項を整理
・許可に係る審査の基準
・許可期間
・許可に付する条件
・許可に係る指導事項
 
● 参考資料
・道路運送車両法上の手続について
概要資料(国土交通省HP)

2.道路使用許可が必要でない場合

現行法上、次の条件を満たせば、場所や時間にかかわらず、道路使用許可を受けずに道路での自動運転の実証実験を行うことが可能です。

●公道実証実験に用いる車両が道路運送車両の保安基準の規定に適合していること(基準緩和の認定を受けている場合を含む。)

◆道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)について

道路運送車両の保安基準等(国土交通省HP)

●運転者となる者が

‐ 公道実証実験に用いる車両の運転者席に乗車して、
‐ 常に周囲の道路交通状況や車両の状態を監視(モニター)し、
‐ 緊急時等には、安全を確保するために必要な操作を行うこと
 

●道路交通法をはじめとする関係法令を遵守して走行すること

自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン(平成28年5月)

警察庁では、「自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン(平成28年5月)」を公表し、特別の許可や届出なしに実施可能な公道実証実験の対象を明確化しています。

本文(PDF)

概要資料(PDF)

●主な内容

・具体的な安全確保措置の例

・実証実験に携わるテストドライバー(緊急時に必要な操作を行うために運転者席に乗車する者)の要件

※「6 テストドライバーに関連する自動走行システムの要件」の趣旨
本項の趣旨は、テストドライバーが、システムでは対応できない場面(緊急時、故障時及びシステムが機能限界に達する時等)において必要な操作を行うことを求めるものです。本ガイドラインでは、実験車両の自動走行システムが道路交通法をはじめとする関係法令を完全に遵守できることを前提としてはいません。
 

・交通事故の場合の措置等

・関係機関に対する事前連絡
※新規性の高い技術を用いた自動走行システムに関する公道実証実験や大規模な公道実証実験を実施する場合
 

都道府県警察への事前相談窓口(ページ下部)

3. 遠隔操作型小型車の通行の届出を行う場合

道路交通法の一部を改正する法律(令和4年法律第32号)が施行され、都道府県公安委員会への届出を行うことで、遠隔操作型小型車を遠隔操作により道路において通行させることが可能となりました。

使用者は、遠隔操作型小型車の道路における遠隔操作による通行を開始しようとする日の1週間前までに、通行場所を管轄する公安委員会に対して、必要事項を記載した届出書及び添付書類を提出する必要があります。

※ 通行場所が複数の都道府県の区域にわたるときは、通行場所を管轄する全ての公安委員会に届出が必要です。

令和4年改正道路交通法(遠隔操作型小型車の交通方法等)の概要

遠隔操作型小型車の通行の届出等の概要

●参考資料

遠隔操作型小型車の遠隔操作による通行の届出に関する解釈及び運用上の留意事項について(通達)

遠隔操作型小型車の遠隔操作を行う者に対する指示の基準等について(通達)

4. 都道府県警察への事前相談

都道府県警察への事前相談窓口

実施場所を管轄する警察(各都道府県警察本部交通部交通企画課(総務)課)

都道府県警察本部リンク(警察庁HP)

※ 新規性の高い技術を用いた自動運転システムにする公道実証実験や大規模な公道実証実験を行う場合、道路使用許可を必要とする公道実証実験を行う場合、実施場所が道路に当たるか否か判断できない場合等は、十分な時間的余裕を持って、相談してください。

なお、「1.道路使用許可が必要となる場合」に係る事前相談の際に確認させていただく主な事項は次のとおりです。

事前相談の際に確認させていただく主な事項(PDF)

※ 上記記載の事項が全て決まっていなかったとしても、御相談いただいて構いません。また、記載のない事項についても、道路使用許可の許可基準への適合を検討するために確認する場合があることを御承知置きください。

関連リンク

警察庁関連ページ