道路使用許可に係る好事例

【協議会の活用によって合意形成が円滑になされた事例】

○ 駅前の道路空間を活用したオープンカフェの実施

 本件は、主催者(民間団体)が協議会においてオープンカフェ開催についての話し合いを進めており、開催に当たっては歩行空間を確保することが共通認識であった。協議会には警察も参加していたが、以前から、開催場所周辺における放置自転車の状況がひどく、駅前商店街の方々の悩みの種になっていたことを知っていたこともあり、開催場所周辺の放置自転車を撤去さえできれば、必要な空間が確保でき、円滑に通行することができるのではないかと助言を行った。これにより、許可手続の方針が明確となったことで開催に向けた取組が円滑となり、実際の対策を推進する市も参加していたことから、放置自転車の解消に向けた取組がスムーズに行われるとともに、同協議会の構成員であった商店街連合会も、その解消がなされるのであればということで合意形成に向けた一つのきっかけになったことにより、迅速・円滑に合意形成を行うことができた。

○ 9町村にまたがる長距離コースからなるトライアスロン大会の実施

 当初、本件開催に当たっての調整は、主催者が、関係者それぞれに協力依頼や要望聴取を行う形で実施されていた。しかし、関係者が多いため個別調整には相当な期間を要することが予想され、また、9町村にまたがるコースの構造上、それらの町村が交通の安全・円滑について共通認識をもち、協力し合うことが不可欠ということもあって、警察から主催者に対して、関係者を構成員とする協議会の設置を助言した。

 協議会の開催により、関係者間において問題意識が共有され、主催者が要望を集約して聴取することが可能になるとともに、警察としても効率的に交通の安全・円滑についての助言を行うことができた結果、合意形成の期間が大幅に短縮されることとなった。

 また、協議会には、警備会社も参加しており、関係者からの要望や警察からの助言を直接聞いていたこともあって、それらを反映した実効性のある警備や交通整理が行われることとなった。

○ 自動車専用道路を活用した国際サイクリング大会の実施

 本件は、複数の地方公共団体が関係するものであり、かつ、島部をつなぐ自動車専用道路をコースとしていたため交通規制を行った場合の島部住民に与える影響が大きいことから、合意形成に時間を要することが想定され、警察から主催者に対して、関係者を構成員とする協議会の設置を助言した。

 協議会において、交通規制による影響の大きさや代替手段確保の必要性に関する認識が共有された結果、同協議会に参加していた県を通じて旅客船協会の協力を求め、フェリーの大幅な増便による対策が講じられることとなるとともに、代替交通手段の問題が解消したことで、同自動車専用道路の交通規制を行うことについての合意形成が円滑に進んだ。