平成22年4月、普天間飛行場移設問題をめぐり、沖縄県読谷村(主催者発表約9万人)や鹿児島県徳之島(同約1万5千人)において、大規模な反対集会が行われました。5月の日米合意後も、辺野古移設に反対する団体は、沖縄県内を中心に「普天間基地の無条件撤去、県内移設反対」などと訴え、抗議集会やデモに取り組みました。

 23年も引き続き、国内外の諸情勢を敏感に捉え、在日米軍再編問題を中心に、多様な勢力を結集した運動が取り組まれるものとみられます。


県内移設反対集会(4月、沖縄)(時事)



 全国労働組合総連合(全労連)は、22年7月に開催した第25回定期大会において、「大企業中心社会からの転換、貧困と格差の解消、雇用の安定とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の確立、社会保障の拡充」等を運動方針として掲げるとともに、9月から毎月第3金曜日を「ディーセント・ワークデー」に設定し、労働者派遣法改正有期雇用規制強化を求める運動を行いました。

 全労連は、23年も、労働者派遣法の抜本改正、社会保障制度の拡充等を求める運動に取り組むとともに、他の労働組合や様々な市民団体との連携を図りながら、組織拡大を図っていくものとみられます。


 
最低賃金の引上げを求める取組み(8月、東京)(共同)

 


 22年6月、カナダ・トロントで開催されたG20サミットでは、労働組合や市民団体等約1万人が取り組んだデモに、反グローバリズムを掲げる勢力が押し掛け参加し、一部が暴徒化して警察部隊と衝突し、約900人が身柄を拘束されましたが、11月、韓国・ソウルで開催されたG20サミットでは、逮捕者はなく平穏に終了しました。

 また、11月に横浜で開催されたAPEC首脳会議においても、当初懸念された違法行為を伴う過激な抗議行動はなく、平穏に終了しました。


横浜APEC反対を訴える勢力(11月、神奈川)



 過激な環境保護団体「シー・シェパード」は、21年12月から行われた21年度の我が国の南極海調査捕鯨に対して、船舶を衝突させたりするなどの過激な妨害活動を行い、その際、捕鯨船に侵入した活動家が逮捕され、同団体の代表も国際指名手配されました。「シー・シェパード」は、今年度の南極海調査捕鯨に対しても、「妥協なき作戦」と称して、過激な妨害活動に取り組むことを表明しています。

 このほか、和歌山県太地町のイルカ漁をめぐり、活動家を同町に派遣して「監視活動」を行っています。


 
捕鯨船に対して放水などの妨害活動を行うシー・シェパード(時事)