自然災害等の発生と警察の活動

  平成19年中の地震、大雨、台風等の自然災害により、死者・行方不明者30人、負傷者3,073人等の被害が発生しました。
 また、航空機火災等の航空機事故が発生しました。

1地震による被害

1平成19年(2007年)能登半島地震

 3月25日午前9時41分ころ、石川県能登半島沖を震源とするマグニチュード6.9の地震が発生し、同県七尾市、輪島市、穴水町で震度6強、志賀町、中能登町、能登町で震度6弱を記録しました。
 この地震により、石川県を中心に死者1人、負傷者356人等の被害が発生しました。
 石川県警察を始めとする関係県警察では、本部長を長とする総合警備本部等を設置し、被害情報の収集や被災者の安否確認等の活動を実施しました。
 警察庁では、警備局長を長とする災害警備本部を設置し、必要な措置を講じました。

能登半島地震において被災者の避難誘導を行う広域緊急援助隊(3月、石川)
能登半島地震において被災者の避難誘導を行う広域緊急援助隊(3月、石川)

2平成19年(2007年)新潟県中越沖地震

 7月16日午前10時13分ころ、新潟県上中越沖を震源とするマグニチュード6.8の地震が発生し、同県柏崎市、刈羽村、長岡市、長野県飯綱町で震度6強、新潟県上越市、小千谷市、出雲崎町で震度6弱を記録しました。
 この地震により、新潟県を中心に死者15人、負傷者2,345人等の被害が発生しました。
 新潟県警察を始めとする関係県警察では、本部長を長とする災害警備本部等を設置し、被害情報の収集や被害者の救出救助等の活動を実施しました。
 警察庁では、警備局長を長とする災害警備本部を設置し、必要な措置を講じました。
新潟県中越沖地震において救出救助活動を行う広域緊急援助隊(7月、新潟)
新潟県中越沖地震において救出救助活動を行う広域緊急援助隊(7月、新潟)

2大雨による被害

 7月上旬から中旬にかけて日本付近に停滞した梅雨前線により、九州地方から東海地方において大雨となり、死者1人等の被害が発生しました。
 また、9月中旬には、前線と台風第11号から変わった低気圧の影響で、東北地方が大雨となり、死者・行方不明者4人等の被害が発生しました。
 関係県警察では、災害警備本部等を設置して、被害情報の収集、住民の避難誘導や行方不明者の捜索等の活動を実施しました。
 警察庁及び関係管区警察局では、災害警備連絡室等を設置し、必要な措置を講じました。

3台風による被害

 19年中は24個の台風が発生し、うち3個が日本に上陸、12個が接近しました。これらの台風により、死者・行方不明者8人、負傷者207人等の被害が発生しました。
 関係都府県警察では、それぞれの台風の上陸等に伴い、災害警備本部等を設置して、被害情報の収集、被災者の救出救助や行方不明者の捜索等の災害警備活動を実施しました。
 警察庁及び関係管区警察局では、災害警備連絡室等を設置し、必要な措置を講じました。

4航空機事故による被害

 3月13日午前10時54分ころ、伊丹空港発、高知空港行きの全日空1603便が、故障により前輪が下りず、後輪のみで高知空港に胴体着陸しました。この事故による負傷者等はなく、人的被害の発生はありませんでした。
 また、8月20日午前10時35分ころ、台北空港発、那覇空港行きの中華航空120便が、那覇空港到着後、第2エンジンから出火し炎上しました。この事故により、乗員1人が負傷しました。
 高知県警察及び沖縄県警察では、それぞれの航空機事故に伴い、航空機事故警備本部等を設置し、被害情報の収集や、現場付近の規制警戒等を実施しました。
 警察庁では、警備連絡室を設置し、必要な措置を講じました。

5広域緊急援助隊特別救助班の活動

 警察庁では、17年4月、12都道府県警察(北海道、宮城、警視庁、埼玉、神奈川、静岡、愛知、大阪、兵庫、広島、香川、福岡)の広域緊急援助隊に、極めて高度な救出救助能力を持つ特別救助班(P-REX: Police Team of Rescue Experts)を設置しました。
 特別救助班は、19年中、能登半島地震、新潟県中越沖地震に出動し、被災者の救出救助等に当たりました。
 特別救助班は、廃屋等を活用した実践的訓練や関係機関との合同訓練等を行い、救出救助能力の向上に努めています。
実践的訓練に当たる特別救助班
実践的訓練に当たる特別救助班