<<前へ
目次
次へ>>



 平成17年中は、台風、大雨、地震等の自然災害により、死者・行方不明者45人、負傷者1,543人等の被害が発生したほか、「JR西日本福知山線列車事故」により、死者107人、負傷者555人等の被害が発生しました。




1 福岡県西方沖地震

 3月20日午前10時53分ころ、福岡県西方沖を震源とするマグニチュード7.0の地震が発生し、同県福岡市及び前原市、佐賀県みやき町で震度6弱を記録しました。
 この地震により、福岡県を中心に死者1人、負傷者1,020人、住家全半壊453戸、一部損壊754戸等の被害が発生しました。
 福岡県警察等の関係県警察では、それぞれ災害警備本部を設置して、被害情報の収集、被災者の救出救助、避難誘導、被災地域の警戒警ら等の災害警備活動を実施しました。
 また、警察庁では、発災直後に警備局長を長とする災害警備本部を設置し、関連情報の収集、関係機関との連絡調整等の措置を講じました。

2 千葉県北西部を震源とする地震

 7月23日午後4時35分ころ、千葉県北西部を震源とするマグニチュード6.0の地震が発生し、東京都足立区で震度5強を記録しました。
 島しょ部を除く東京都内で震度5以上を記録したのは4年2月2日未明に東京湾を震源とするマグニチュード5.7の地震が発生し、大手町で震度5を記録して以来、約13年ぶりでした。
 この地震により、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県等で負傷者37人等の被害が発生したほか、鉄道が長時間停止したため、駅に大量の帰宅困難者等の滞留が生じました。
 警視庁等の関係都県警察では、それぞれ災害警備本部等を設置し、所要の災害警備活動を実施したほか、警察庁でも、発災直後に警備局長を長とする災害警備本部を設置して所要の措置を講じました。

3 宮城県沖を震源とする地震

 8月16日午前11時46分ころ、宮城県沖を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生し、宮城県川崎町で震度6弱を記録しました。
 この地震により、宮城県、岩手県、山形県、福島県、埼玉県等で負傷者99人、住家全壊1戸、一部損壊943戸等の被害が発生しました。
 宮城県警察等の関係県警察では、それぞれ災害警備本部等を設置し、所要の災害警備活動を実施したほか、警察庁でも、発災直後に警備局長を長とする災害警備本部を設置して所要の措置を講じました。


「福岡県西方沖地震」の土砂崩れ現場における広域緊急援助隊の活動状況(3月、福岡)



 17年中は、19個の台風が発生し、そのうち日本に3個が上陸、11個が接近しました。これらにより、全国で死者・行方不明者31人、負傷者213人、住家全半壊4,860戸、床上浸水4,511戸、床下浸水9,634戸等の被害が発生しました。
 関係都道府県警察では、台風の上陸等に伴い、災害警備本部等を設置して、被災者の救出救助、行方不明者の捜索等の災害警備活動を実施しました。また、警察庁では警備課長を長とする災害警備連絡室を設置するなどして、関連情報の収集、関係機関との連絡調整等の措置を講じました。
 台風第14号の上陸により、宮崎県では死者13人等の大きな被害を受けました。この被害に伴い、福岡県警察広域緊急援助隊(総員40人)が宮崎県に特別派遣されました。

 4月25日午前9時18分ころ、兵庫県尼崎市のJR西日本福知山線軌道敷地内において、7両編成の快速列車が急曲線区間を通過の際に第1車両から第5車両が脱線、うち前2両が列車進行方向左側のマンション1階部分に衝突しました。
  この事故により、死者107人、負傷者555人の被害が発生しました。
 兵庫県警察では、警察本部長を長とする突発重大事案対策本部を設置して、救出救助活動等を実施しました。
 警察庁では、発災直後に警備課長を長とする警備連絡室を設置し、同日中に警備局長を長とする対策本部に格上げして、関連情報の収集、関係機関との連絡調整等の措置を講じました。
 また、この事故に伴い、大阪府警察広域緊急援助隊特別救助班を始めとする5府県警察の広域緊急援助隊(総員171人)が兵庫県に特別派遣されました。
 救出救助現場においては、車両が複雑にマンションに食い込んでいたことから、マンションの崩落を防ぎながら車両を切断するなどして、迅速に被災者を救助する必要があり、現場活動は困難を極めました。

「JR西日本福知山線列車事故」現場における特別救助班等の活動状況(4月、兵庫)

 警察庁では、16年10月に発生した「新潟県中越地震」に対する災害警備活動の教訓等を踏まえ、大規模災害に即応する専門部隊の広域緊急援助隊の中に、極めて高度な救出救助能力を有する特別救助班を設置するなど、その運用を改善・強化しました。

 


<<前へ
目次
次へ>>