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1 概要 平成14年9月に平壌(ピョンヤン)で行われた日朝首脳会談で、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長は、これまで一貫して否定し続けてきた日本人拉致容疑事案について、「(日本人拉致は、)特殊機関の一部の妄動主義者らが、英雄主義に走ってかかる行為を行ってきたと考えている」との認識を示した上でこれを謝罪しました。その後、北朝鮮から生存と伝えられた5人の拉致被害者が帰国し、24年ぶりに家族との再会を果たしました。 警察では、現時点、北朝鮮による拉致容疑事案は、10件15人としています。これらの拉致容疑事案の発生時期は、昭和52年が2件、53年が5件、55年が2件、58年が1件となっています。 |
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2 拉致の目的 北朝鮮による日本人拉致容疑事案について、その目的は必ずしも明らかではありませんが、金正日国防委員長は、日朝首脳会談の席上、日本人拉致の目的について「一つ目は特殊機関で日本語の学習ができるようにするため、二つ目は他人の身分を利用して南(韓国)に入るためである」と説明しました。 また、よど号犯人の元妻は、金日成(キム・イルソン)主席から「革命のためには、日本で指導的な役割を果たす党を創建せよ。党の創建には、革命の中核となる日本人を発掘、獲得、育成しなければならない」との教示を受けた田宮高麿から日本人獲得を指示されたと証言しており、日本人拉致の背景には、金日成主義に基づく日本革命を行うための人材獲得という目的もあったものとみられています。 |
1 韓国大統領官邸(青瓦台)襲撃未遂事件(昭和43年1月) 韓国軍人に偽装して同国に潜入した北朝鮮の武装ゲリラ31人が、朴正熙(パク・チョンヒ)・韓国大統領ら韓国要人の暗殺を企図して、韓国大統領官邸(青瓦台)から数百メートルの路上で、民間人5人と警察官1人を射殺しました。 韓国当局により、武装ゲリラ31人のうち30人が射殺され、1人が逮捕されました。 本事件は、朝鮮人民軍偵察局による犯行とみられています。 |
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2 朴韓国大統領狙撃事件(昭和49年8月) ソウル市内にある国立劇場で開催された光復節式典会場において、在日韓国人の文世光(ムン・セグァン)が、演説中の朴正熙大統領にけん銃を発射し、陪席していた陸英修(ユク・ヨンス)同大統領夫人を射殺しました。 同人は、大阪府警察の派出所からけん銃を窃取し、日本人名義の旅券を不正に入手して渡韓し犯行に及んだもので、韓国当局は、事件には、北朝鮮及び朝鮮総聯の関与があったと発表したほか、文自身も韓国における裁判でこれを認めています。 |
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3 ラングーン爆弾テロ事件(昭和58年10月) 北朝鮮貨物船の船員に偽装してビルマ(現ミャンマー)に潜入した北朝鮮の武装ゲリラ3人が、同国を親善訪問中であった全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領を始めとする韓国政府要人の暗殺を企図して、同大統領一行の訪問地である「アウンサン廟」において爆弾テロを引き起こし、韓国外務部長官等21人を死亡させ、47人を負傷させました。 ビルマ当局により、武装ゲリラ3人のうち1人が射殺され、2人が逮捕されました。 本事件は、朝鮮人民軍偵察局による犯行とみられています。 |
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4 大韓航空機爆破事件(昭和62年11月) 日本人名義の偽造旅券を所持して日本人になりすました北朝鮮工作員の金勝一(キム・スンイル)と金賢姫(キム・ヒョンヒ)が、バグダッド発アブダビ、バンコク経由ソウル行きの大韓航空機858便に時限爆弾を仕掛け、アブダビからバンコクへ向かう途中のビルマ南方アンダマン海域上空で爆破させて乗員・乗客115人全員を死亡させました。 バーレーン当局により、2人は身柄を拘束されましたが、両名は服毒自殺を図り、金勝一は死亡しました。 金賢姫の供述等から、同人らは朝鮮労働党対外情報調査部に所属し、北朝鮮において「ソウル・オリンピック(63年9月)を妨害するため大韓航空機を爆破せよ」との指令を受けたことが判明しました。 |
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