おわりに

 「地下鉄サリン事件」の被害者及びご遺族の方々の身体的、精神的、社会的被害を把握する目的で実施したアンケートの結果、被害から3年を経過した調査時点(平成10年5月)でも約半数の方々が何らかの身体の異常を自覚しておられます。これらの方々は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)的症状を有し、「目が疲れやすい」「突然、事件の光景がよみがえる」「電車を利用する度に恐怖心を抱く」などの影響を受けていることが明らかとなっています。現在、警察では、犯罪被害者支援のための様々な施策を推進していますが、こうしたアンケート結果なども踏まえながら、自治体、医療機関、各種相談機関、民間ボランティア団体などとも連携を図っています。また、被害に遭われた方々への情報提供、精神的被害の回復への支援などにも積極的に取り組んでいます。
 オウム真理教は、このような爪痕を残しながら、一連の組織的違法事件に対し未だ何ら謝罪、反省も行っていない上、現在も依然として従前の教義を堅持しています。さらに、組織の再建を図り、財政基盤を整え、”復活”を企てているのです。
 警察は、平穏な生活を守り公共の安全を確保するとの立場から、警戒警備を強化するとともに、信者の違法行為については厳正に対処するなどして地域住民の方々の不安感の除去に努めています。今後とも皆様方のご理解とご協力をお願いします。

警察庁指定特別手配被疑者




  警察庁ホームページへ   目次へ   前ページへ