●内ゲバで血塗られた党史

 革命勢力各派には、共通して、自派の革命理論、戦術方針こそが唯一正しく(革命唯一党)、他派は革命を妨げ、混乱させる有害な勢力(反革命勢力)であるとする考えがあります。内ゲバは、このような考えに根ざす党派闘争が暴力抗争の形態をとったものと言えます。
 革マル派においても、昭和30年代後半から他党派との間で内ゲバを繰り広げ、多数の死傷者を出しています。内ゲバ等を行うための非公然部門が組織されており、これまでにも、「特別行動隊(特行)」という名称が使用された経緯があります。同派による特異な内ゲバ事件として、中核派書記長・本多延嘉殺人事件(50年3月14日発生)、革労協書記長・笠原正義殺人事件(52年2月11日発生)が挙げられます。
 両事件は、ともに対立する中核派及び革労協の最高幹部をねらったものであり、両派に致命的な打撃を与えています。しかも、その犯行手口は、複数の者で襲撃し、相手の頭を斧や鉄パイプ等でめった打ちして確実に命をねらうという残忍極まりないものでした。
 革命勢力各派では、外でこうした残忍な内ゲバ事件やゲリラ事件を引き起こす一方、内では鉄の規律と言われる程厳しい統制が行われています。 革マル派においても、中央方針(黒田方針)に反発したり、批判的な言動を行う活動家に対して、厳しい粛清が行われるという事件も発生しています。

イメージ



  警察庁ホームページへ   目次へ   前ページへ   次ページへ