日 時
平成17年12月6日(火)午後4時~午後6時10分
場 所
法務省第1会議室(20階)
出席者
〔委 員〕
(座長) 博 方 大宮法科大学院大学教授,一橋大学名誉教授
井 嶋一 友 弁護士,元最高裁判所判事
江 川紹 子 ジャーナリスト
葛 西敬 之 東海旅客鉄道株式会社代表取締役会長
菊 田幸 一 弁護士,明治大学法学部名誉教授
久保井一 匡 弁護士,元日本弁護士連合会会長
佐 藤英 彦 警察共済組合理事長,前警察庁長官
瀬 川  晃 同志社大学法学部・大学院司法研究科教授
成 田頼 明 日本エネルギー法研究所理事長,横浜国立大学名誉教授
(敬称略,五十音順)
〔事務局・法務省〕
樋 渡利 秋 法務事務次官
小 津博 司 官房長
小 貫芳 信 矯正局長
三 浦  守 官房審議官(刑事担当)
山 下  進 官房審議官(矯正担当)
林  眞 琴 矯正局総務課長
〔事務局・警察庁〕
漆 間  巌 警察庁長官
安 藤隆 春 官房長
片 桐  裕 官房総括審議官
岩 瀬充 明 官房総務課長
福 田守 雄 官房総務課留置管理室長
配布資料
 法務省 PDF  警察庁 PDF  日本弁護士連合会 PDF
議事経過
法務事務次官挨拶
  警察庁長官挨拶
座長選出
座長挨拶
議事の公開方法について
プレゼンテーション
 法務省説明
 警察庁説明
 日本弁護士連合会説明
今後の日程
法務事務次官挨拶
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【樋渡事務次官】法務省の事務次官の樋渡でございます。
会議の開催に当たりまして一言御挨拶申し上げます。
本日,「未決拘禁者の処遇等に関する有識者会議」の第1回の会合を開催できる運びとなりました。まず,委員の皆様方には,お忙しい中この委員を引き受けていただきましたことに深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
明治41年に制定されました監獄法の改正は,長年にわたりまして大きな課題でございましたが,行刑改革会議で熱心に御議論いただき,御提言いただきましたことが大きな推進力となりまして,本年5月に「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律」が成立いたしました。この法律によりまして,受刑者の処遇等に関する部分については,法整備ができたわけでございますが,この法律は,未決拘禁者の処遇等に関しては対象としておりませんことから,これらの部分に関しましても,今後,法整備をする必要があると強く感じているところでございます。
そこで,法務省と警察庁は,来年の通常国会に法案を提出するべく,日本弁護士連合会と三者協議会を開催いたしまして,代用監獄制度の在り方等を含めた未決拘禁者の処遇等につきまして,協議を重ねているわけでございますが,いわゆる代用監獄制度の在り方につきましては,依然として意見の隔たりが多いところでございます。
このような状況を背景といたしまして,日本弁護士連合会から,未決拘禁者の処遇等に関する法整備を検討するに当たっては,有識者の方々の意見をお聞きする機会を設けるべきであるとの提案がなされました。未決拘禁者の処遇の在り方につきましても,行刑改革のあるべき姿をお示しいただいた行刑改革会議の委員の方々の御意見をお伺いすることには大きな意義がありますし,代用監獄制度の在り方等につきましては,行刑改革会議における議論の対象外でありましたので,三者で相応の検討・協議を行った現段階で,今回,皆様方にお願いいたしまして,「未決拘禁者の処遇等に関する有識者会議」を設けさせていただいた次第でございます。委員の皆様方におかれましては,その御経験や御見識に基づき,これらの問題に関し,忌憚のない御意見をいただけるようにお願い申し上げます。
なお,残されました法改正事項といたしましては,死刑確定者の処遇に関する事項もございますけれども,この会議におきましては,今申し上げましたようなこの会議を開いていただく趣旨からも,未決拘禁者の処遇等に関する事項に限って御議論いただければと思っております。
法務省といたしましては,警察庁とともに,この会議において,充実した深い議論が行われますよう,事務局の立場として,会議の御要望に従い,必要な検討・調査及びこれらに基づく情報提供を行いたいと考えているところでございます。
そして,できれば来年2月ごろを目途に御提言をいただき,これを踏まえまして,法整備に向けて取り組んでまいりたいと考えております。くれぐれもよろしくお願い申し上げます。

警察庁長官挨拶
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【漆間警察庁長官】警察庁長官の漆間でございます。
この有識者会議設置の機縁につきましては,ただ今の樋渡法務事務次官の説明にあったとおりでございます。
警察としましては,昭和55年以来,捜査部門と留置部門を分離いたしまして,留置部門の担当官は,最近の恒常的な過剰収容という状況の中にありながら,被留置者の処遇に万全を期すべく努力しているところでありますし,また,都道府県の財政事情が余りよくない中にあって,被留置者の処遇の低下を招かないように,収容能力の増強,あるいは施設の改善等,いろいろな意味で努力しているところであります。
本日から始まるこの有識者会議での御議論を踏まえまして,法務省と一緒になりまして,未決拘禁者の処遇等の法案の立案に向けて警察庁としても真摯に努力を続けていきたいと思っておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。

座長選出
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委員の互選の結果,南博方委員が座長に選出された。
座長挨拶

【南座長】御指名がございましたので,大変僣越ではございますが,私が座長として議事進行役を務めさせていただきます。
私は,行刑改革会議の委員として行刑の問題にかかわらせていただきました。そこでの議論を通じまして,監獄法の全面改正は,是非とも早急に成し遂げるべき問題だとの思いを強くしたのであります。
未決拘禁者の処遇等に関する問題は,刑事訴訟手続とも密接に関連する部分を含むものでありますが,この会議に託されました役割を踏まえつつ,慎重に議論し,検討していく必要があろうかと思います。また,先ほどの法務省の事務次官の御挨拶にもありましたように,来年2月ごろには,提言をまとめる必要があります。この会議において,議論する時間も限られていることからいたしますと,議事を円滑に進めることが大切であると考えます。
座長といたしまして,誠心誠意会議を運営してまいりたいと存じますので,皆様の御支援と御協力のほどを切によろしくお願い申し上げる次第でございます。

議事の公開
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会議については,別室に設置したモニターにより報道関係者に公開するとともに,発言者の氏名を明らかにした議事録を公開することが決定された。
プレゼンテーション

【南座長】それでは,これから議事に入りたいと思いますが,未決拘禁者の処遇等に関する具体的な論点がどういうことにあるのかを把握するために,まず最初に法務省,警察庁,それから日本弁護士連合会の方にも御出席いただいているようですので,日本弁護士連合会からも未決拘禁者の処遇等に関する基本的な考え方について,それぞれ御説明をいただくのがよろしいかと思いますが,いかがでしょうか。
よろしゅうございますね。

法務省説明
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【南座長】それでは,まず最初に法務省からよろしくお願いいたします。
なお,それぞれの説明に対する御質問や御意見等につきましては,最後にまとめて御発言の機会を設けたいと思います。
【小貫矯正局長】それでは,法務省から御説明させていただきます。プロジェクターを使いながら説明させていただきます。
まず,未決拘禁者の処遇等に関する法整備をめぐる状況等について,その概要から説明申し上げます。
御案内のとおり,現行の監獄法は,明治41年に制定されまして,その後,実質的な改正がなされてこなかったため,被収容者の権利義務関係や職員の権限が明確ではないなど,今日では極めて不十分なものとなっていると認識しております。
法務省は,戦前からでございますが,累次にわたって監獄法の全面改正に向けた作業を行ってきたところでありまして,昭和55年11月には法制審議会から「監獄法改正の骨子となる要綱」の答申を受けまして,これに基づいて昭和57年,62年,平成3年の三度にわたりまして,監獄法を全面的に改正する刑事施設法案を国会に提出したところでございます。しかし,この法案は,いわゆる代用監獄制度に関する意見の対立などを背景として成立するに至らず,この改正作業は頓挫しておりました。
こうした中,平成15年12月に行刑改革会議において,様々な提言がなされますとともに,行刑改革の実現に不可欠なものとして,監獄法を全面的に改正することが強く求められたわけでございます。
そこで,法務省では,改めて監獄法の全面改正に向けた作業に取りかかりまして,平成16年7月からは,警察庁,日本弁護士連合会との三者で法改正の枠組みについて協議を行うなどしたところでありますが,依然として代用監獄制度に関して意見の隔たりがありました。
他方で,治安情勢の悪化を受けて,国民が安心して暮らせる安全な社会の実現が強く求められている状況下において,喫緊の課題として矯正処遇を中心とする受刑者処遇の充実を図る必要があると考えられたことなどから,まずは受刑者の処遇に関する事項を中心とする法改正を行うこととしました。
こうして,本年5月,「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律」が成立したところであります。しかし,代用監獄制度を含む未決拘禁者の処遇に関する事柄については,この法律の対象外でありまして,依然として,先ほど御説明したような問題点が残されております。
このため,法務省といたしましては,残された未決拘禁者の処遇等に関しまして,早急に法整備を行う必要があると考えているところでございます。
未決拘禁者の処遇等に関し,法整備の必要があると考えられる主な事項について,まず御説明申し上げます。
大きなテーマの一つ目としては,「未決拘禁者等の権利義務と職員の権限の明確化」があります。
具体的には,宗教に関する事項などについて,法整備を行う必要があると考えております。その一つの例といたしまして,書籍等の閲覧について説明いたします。書籍等の閲覧については,現行法では「被収容者文書,図画ノ閲読ヲ請フトキハ之ヲ許ス」と規定されているのみでありまして,いかなる場合にこれを制限することができるかは,法律に全く規定はございませんで,省令,訓令,通達で定められております。被収容者の権利義務に関わる事柄につきましては,基本的には法律で明確に規定すべきものと考えられますことから,改正法では,書籍等の閲覧を権利として保障し,その内容による制限要件を規定する必要があると考えているところであります。
大きなテーマの二つ目としては,「外部交通の保障と拡充」があります。現行法では,例えば未決拘禁者の接見につきましては「被収容者ニ接見センコトヲ請フ者アルトキハ之ヲ許ス」と規定されているのみでありまして,発言内容等による制限については,大幅に運用にゆだねられているところであります。改正法では,弁護人等以外の者との接見における発言内容等による制限要件を法律において明確に規定するほか,弁護人等との接見に関しましても,接見の日時等について,管理運営上必要な制限は行うこととしつつも,その重要性にかんがみて例外を考慮することにより,未決拘禁者の防御権の保障を強めることを予定しているところであります。
さらに,「不服申立制度の整備」に関しましても,現行法では,請願の一種とされておりまして,裁決義務がないとされている「情願」が規定されているのみでありますが,刑事施設の長の一定の措置を対象とする「審査の申請及び再審査の申請」,職員の行為に対する「事実の申告」,一切の処遇を対象とする「苦情の申出」という三類型の制度を設けまして,裁決義務等を規定するなどの法整備をすることが適当であると考えております。
このように未決拘禁者の処遇等に関する現行法は,不十分なものでありますけれども,そればかりではなく,ただ今申し上げた法改正の方向性は,既に受刑者については実現しておりまして,受刑者との間で不均衡も生じているところでありまして,未決拘禁者の処遇等に関しても早急に法整備を行う必要があることは多言を要しないところであると考えております。
そこで,法務省は,本年6月から警察庁,日本弁護士連合会との三者協議を再開いたしまして,法整備に向けて,代用監獄制度の在り方,未決拘禁者の外部交通を含めた処遇の在り方等につきまして議論を行ってきました。
三者協議会におきましては,様々な観点から問題提起がなされておりますけれども,主要な論点は,代用監獄制度と外部交通の在り方にありますので,これらの点について,現状と法務省としての基本的な考え方などを御説明申し上げます。
まず,いわゆる代用監獄制度についてであります。
代用監獄とは,御案内のとおり「警察官署ニ附属スル留置場ハ之ヲ監獄ニ代用スルコトヲ得」とする監獄法1条3項の規定に基づきまして,被勾留者や受刑者を収容する警察の留置場のことをいうわけです。
ここで,刑事手続により被疑者等の身柄を拘束する場合の流れをごくごく簡単に説明しておきます。
まず,逮捕した被疑者について,留置の必要がある場合には,警察官は48時間以内に検察官に送致しなければなりません。身柄を受け取った検察官は,更に留置の必要がある場合には,24時間以内に勾留を請求することになります。検察官の請求に基づいて裁判官が勾留を決定した場合には,最大20日間,勾留されることになりまして,その後,被疑者が起訴された場合には,被告人としての勾留となります。
身柄の流れは以上のとおりですが,逮捕後,勾留されるまでの間の身柄拘束の場所として,通常用いられている場所は,警察の留置施設であり,特捜事件など検察官が逮捕した場合などは,通常,法務省の所管である刑事施設に留置されることになります。そして,その後の勾留の場所としては,刑事訴訟法では刑事施設と規定されておりますけれども,監獄法1条3項の規定によりまして,警察の留置施設は監獄に代用することができるとされておりますことから,被疑者を警察の留置施設に勾留することも可能となりまして,現実にも,勾留された被疑者のほとんどが警察の留置施設に留置されている現状にあります。これが,代用監獄といわれている部分になります。その後,起訴された後は,被告人は代用監獄から刑事施設に身柄を移されることになります。
この代用監獄制度は,我が国の刑事司法の運用上,重要な機能を果たしてきているものでありますが,かねてから法律の適用関係があいまいであるために,刑事施設における被収容者の処遇との間に不均衡が生ずるおそれがあることなどが指摘されてきたところであります。さらに,日本弁護士連合会等からは,被疑者に対する自白強要等違法な捜査やえん罪の温床になるとの批判が加えられ,その廃止が主張されてきたところであります。
法制審議会においても,その存廃等をめぐっては種々の議論がなされてまいりました。そして,慎重な審議が行われました結果,答申においては,①受刑者や死刑確定者を収容の対象から除外すること,②刑事施設及び被勾留者に適用のある規定は,必要な読替えをした上で,刑事留置場について適用すること,③法務大臣は,刑事留置場の運営について必要な事項の通報を求め,刑事留置場における被勾留者の処遇について意見を述べることができることなどの制度的な改善を加えた上で,刑事留置場制度として存続することとされたところであります。
その理由は,まず一つに,代用監獄制度を廃止いたしまして,これに代わるべき多くの拘置所を新増設することは,巨額の費用を要するばかりでなく,施設用地の取得など現実問題としても著しい困難を伴うこと,また,我が国の現行の刑事訴訟制度においては,勾留期間中に被疑者の取調べを含めた捜査を行うことが予定されておりまして,現実にも欧米諸国等とは異なりまして,警察による被疑者の取調べを含めた捜査が重要な役割を果たしているところ,代用監獄制度はこれを迅速適正に行うことに役立っているばかりではなく,留置場の所在地が交通至便であるため,被勾留者及びその家族,弁護人等関係者の利益にも資することが少なくないこと等の理由によるものでありました。
ここで,裁判所,刑事施設,警察留置場の設置状況を御説明いたします。
未決拘禁者を収容している法務省所管の刑事施設は,支所を合わせて全国で154施設であります。
これに対して,警察留置場は1,286カ所でありまして,しかも全国の津々浦々に設けられております。一例としまして旭川地方を見ておきますが,旭川地裁の管内においては,裁判所は旭川地裁本庁のほか,名寄,稚内,紋別,留萌の各支部があり,更に四つの簡易裁判所が置かれております。
刑事施設は,旭川刑務所と名寄拘置支所の2施設しか置かれておりません。
これに対し,警察留置場は,裁判所の支部や簡易裁判所の近辺にあるのみならず,それらから離れた場所にも置かれておりまして,代用監獄として被勾留者を留置しております。仮に代用監獄を廃止することになりますと,稚内などにもそれぞれ刑事施設を造らざるを得なくなるわけでございますが,これが非現実的なものであることは,御理解いただけるのではないかと思います。
法務省といたしましては,現時点におきましても,法制審議会の答申における考え方,すなわち,一定の制度的な改善を加えた上で,被勾留者等について,刑事施設に収容することに代えて警察の留置施設に留置することができるとする制度を維持することが適当と考えております。
さらに,法制審議会の答申が出された昭和55年から,既に四半世紀が経過していますが,警察の留置施設が我が国の刑事司法において占める役割の重要性は,ますます高まっておりまして,これを廃止し,すべての被勾留者を刑事施設に収容するものとすることは,いよいよ非現実的なことになっていると言わざるを得ないと考えております。
それでは,被疑者の身分で拘置所に入所した人員の推移について,御説明いたしますと,昭和33年には7万人を超えていたその数は,その後,ほぼ一貫して減少を続けまして,近時では年間3千人程度となっております。また,勾留されている全被疑者のうち,拘置所に勾留されている被疑者の割合の推移を見ますと,その割合につきましても,昭和46年には18.5%でありましたものが,同様にほぼ一貫して減少を続けまして,平成16年には1.7%となっております。すなわち,被疑者として身柄を拘束される被勾留者のうち,警察の留置場に収容される者の比率は上昇を続け,近時では,そのほとんどが警察の留置場に収容されているわけであります。被疑者の勾留場所は,そもそも裁判官が個々の事件ごとに諸事情を勘案して,健全な裁量判断により指定しているものでありますけれども,このように大多数の事件について,警察留置場が勾留場所として指定されていることは,司法判断においても,代用監獄制度が是認されているという事実を端的に示しているものと思われます。
このような状況に照らしますと,刑事司法の運用上,代用監獄制度が占める割合の重要性は以前にも増して大きくなっているということができますし,将来的にせよ,これを廃止するとすることは,現実的なものとは考えられないと考えている次第であります。
ところで,代用監獄制度につきましては,依然として,それが自白強要の温床であるとして,具体的な弊害事例なるものが主張されることがありますけれども,それらの事例は,代用監獄制度自体に直接起因すると考えられるものではない上に,代用監獄における処遇が適正を欠くことのないよう,様々な配慮がなされるなど,代用監獄を取り巻く環境は,法制審議会当時と比較しましても,確実に改善されているものと考えられます。
警察におきましては,留置業務と捜査とを組織上明確に分離することにより,捜査の都合により留置業務が影響を受け,被収容者の処遇が悪化するとの批判を受けることのないよう十分な配慮をしているものと承知しておりますし,収容環境の向上のために留置場の設備の充実を図っているものと承知しております。
また,弁護人との接見の十分な実施によりましても,被疑者に対する捜査及び処遇の適正が担保されることになると考えられます。法務省刑事局が,代用監獄におけるものに限定したものではありませんけれども,昭和62年から平成10年にかけまして,被勾留被疑者に対する弁護人の接見状況について調査した結果について説明いたします。
この調査結果について説明するに先立ちまして,接見指定に関する通知書について説明しておきます。刑事訴訟法上,検察官には,捜査の必要から弁護人との接見を制限する権限が認められておりますが,そうした制限をすることが想定される場合,検察官は,事前に刑事施設の長に対して,接見の日時等を指定することがあり得ることを通知するのが一般的な運用であります。
まず,接見禁止の裁判を受けた被勾留被疑者のうち,この通知書を発した者の割合の変化を見てまいりますと,かつては接見禁止の裁判を受けた被勾留被疑者のほとんどについて,通知書が発せられておりました。しかし,現在では,それが大幅に減少しまして,通知書が発せられることは極めて少なくなっております。通知書を発しない事件におきましては,弁護人の接見について,日時や時間を指定することはほとんどないことから,現在,捜査上,特に必要な事件を除いては,弁護人の接見を制限することが少なくなっているということができます。
次に,通知書が発せられた事件等において,実際に弁護人が接見した回数の変化を見てまいりますと,1回,あるいは2回しか接見していない事件の割合が減少して,5回以上の接見をしている事件の割合が大幅に増えるなど,接見回数が増加している傾向が顕著にうかがえるところです。
次に,通知書が発せられた事件等において,実際に弁護人が接見した1回当たりの時間の変化を見ますと,グラフは右側にいくほど1回当たりの接見時間が長くなっていることを示しておりますが,分布のピークは,年ごとに右側に移動いたしまして,1回当たりの接見時間が長くなっている傾向がうかがえます。
次に,通知書が発せられた事件等において,執務時間外に接見を認めたものの割合の変化を見ますと,平成10年には,執務開始前にも接見を認めたものがあるほか,執務終了後及び休日に接見を認めたものの割合も極めて高くなっております。
以上の調査結果から明らかなように,捜査段階における弁護人接見につきましては,防御権の保障に配慮した運用を行うといった傾向が顕著となっているところでありまして,この点からも,代用監獄制度のもとにおける捜査・処遇の適正さの担保に大きく資することになっているものと考えております。
このような運用上の改善を経て,代用監獄をめぐる環境は,確実に改善されてきているものと思われます。
以上,代用監獄制度について御説明いたしましたが,次に未決拘禁者の外部交通について御説明いたします。
まず,拘置所における未決拘禁者の外部交通の現状について,本年9月に調査した結果を御説明いたします。
この表は,未決拘禁者の外部交通の件数を取りまとめたものであります。それぞれの欄の下段の括弧内は,休日におけるものを示したものですが,一般人との接見は,休日には認めていないということでゼロとなっています。
1回当たりの接見時間の分布を弁護人等と一般の別に見ますと,ご覧のとおりの状況になっております。まず,弁護人等につきましては,検察官によって接見時間を指定されない限り,時間を制限することがないため,20分以内のものが約41%であるのに対して,1時間を超える接見も相当多く行われております。一方,一般人との接見の場合には,20分以内のものが約96%を占めております。これは,監獄法施行規則で一般人等との接見は原則30分以内とされておりまして,しかも接見室の数等による管理運営上の制約を理由として,施設ごとに更に時間を制限することがあるためにこのような結果になっているわけですが,面会人が遠方から来ているとか,複雑な用件について話し合う必要があるなどといった特別な事情があるような場合には,申請によってその延長を認めているところでございます。
未決拘禁者の外部交通に関しましては,三者協議会において,日弁連から拘置所における夜間・休日接見の実施,弁護人等との電話による外部交通の実施などが主張されているところであります。
法務省といたしましても,短期間での連日的・集中的な公判審理の必要性が格段に高い裁判員制度の実施等を控えて,未決拘禁者の防御権を実質的に保障することは,これまで以上に重要なことであると考えているところでありまして,そのためにも未決拘禁者の外部交通を充実させることが必要であると考えております。
もっとも,その一方で,不適切な外部交通によって罪証隠滅が行われるなどの勾留目的を阻害するような事態は避けなければなりませんし,また拘置所の人的物的体制の制約がありますので,拡充の必要性の程度も勘案しながら,可能な限りで外部交通の拡充を図るという現実的な対応をしなければならないと考えております。
以上をもちまして,法務省からの説明とさせていただきますが,今後,会議におきまして,更に詳細な説明あるいは必要な資料等が生じましたら,適切な対応をさせていただきたいと考えております。

警察庁説明
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【南座長】それでは,次に,警察庁の方,よろしくお願いいたします。
【片桐官房総括審議官】警察庁総括審議官の片桐でございます。
今日は,私どもの方からは,警察留置場をめぐる最近の状況と,主に代用監獄問題についての警察庁の考え方について御説明を申し上げたいと思います。パワーポイントに従って御説明を申し上げます。
留置場の説明に入ります前に,最近の治安情勢,犯罪情勢について御説明をいたしたいと思います。
刑法犯の認知件数でございますが,そのグラフの赤い棒グラフの部分でございますけれども,昭和50年代後半ぐらいから徐々に増えはじめてまいりまして,特に平成8年から大変に急増し,毎年,戦後最高という数字を更新していったということでございまして,ピーク時は,平成14年の285万件という数字でございます。ただ,その後,私どもも努力をしたということもございますけれども,徐々に認知件数は減りつつあるという状況にございます。
その次は検挙でございますが,緑色の棒グラフが検挙件数で,黄色の折れ線グラフが検挙人員でございますけれども,これが平成に入ってがくんと落ちておりますけれども,その後,さほど大きな変化はなかったのでございますけれども,平成13年に至って,検挙件数は,最低になったということでございます。検挙率も相当に落ち込んで20%を切ったということでございますけれども,その後,やや持ち直しまして,現在は検挙率が26.1%というところまで持ち直しております。ただ,そうは申しましても,この認知件数は,依然として昭和期の安定していた時期に比べると約2倍のレベル,水準にあるということで,まだまだ治安情勢は予断を許さない状況にあるということでございます。
こういう情勢を受けて,では留置場の被収容者がどうなっているのかということでございますが,緑色の棒グラフが留置延べ人員の推移でございます。留置延べ人員は,今申し上げた刑法犯のほかに,薬物事犯等の特別法犯ももちろん含んだ数字でございますけれども,平成3年が199万人であったのに対しまして,平成16年には544万人にまで増えておりまして,約2.7倍に増えているという大変な急増ぶりであるわけでございます。
その下に青い折れ線と赤い折れ線がありますけれども,これは外国人の被留置者と女性の被留置者を取ったものでございますけれども,これを細かく見てみます。
これは指数で取ってあるのでございますけれども,緑色のグラフの部分が外国人でございまして,指数で申し上げますと,平成3年を100としますと,平成16年は873でございます。
なお,申し遅れましたが,平成3年をなぜ始点として取ったかということでございますけれども,これは留置施設法案を最後に出した年,結果的にそれは廃案になりましたけれども,そういう年であるということで平成3年を起点に取って説明をさせていただいております。
あと,女性でありますが,赤い折れ線グラフでございますけれども,これも約3.8倍ぐらいになっているということでありまして,全体の伸び率が青い折れ線でありまして2.7倍強でございますので,これを上回る状況になっているということであります。
なお,ちなみに青い折れ線グラフ,2.7倍と申し上げましたのは,留置延べ人員でございますが,実人員ベースで申し上げますと1.62倍でございまして,したがって1人当たりの留置日数が増えているということになるわけでございます。
そこで,1人当たりの留置日数の平均を取ってみた数字でございますけれども,平成3年を100としますと,平成16年には1.7倍ぐらいになっているということでございます。日数にして,平均で28.8日,留置場にとどまっているということでございます。
では,なぜこういうふうに1人当たりの留置日数が増えているのかということでございますけれども,下に小さな字で大変恐縮でございますが,その理由として書いてございますけれども,1つには犯罪の広域化,複雑化,多様化,あと特に来日外国人犯罪の増加によって捜査が長期化しているということ,これに伴って留置期間も長期化しているということが一つございます。
もう一つは,私どもの捜査が終わった後に拘置所の方に移監をしてくださいということをお願いをするわけでございますけれども,何せその拘置所が一杯,なおかつ,拘置所の先の刑務所も一杯ということで,なかなか拘置所に移監が進まないという実態がございまして,そういった拘置所の移監を待っている人たちも大分増えているということがその背景として挙げられるわけでございます。
そこで次に,留置場における被留置者の収容状況の推移でございますけれども,青い棒グラフが収容基準人員といっておりますけれども,ありていに申し上げますれば,留置場の定員でございます。それがそのグラフを見ていただいてもお分かりのように,余り大きくは増えてはいないということでございます。もちろん厳しい財政下にあって,各都道府県警察は大変に努力をしておりまして,この収容基準人員は,平成3年に比べると1.15倍ぐらいになって増えてきておるのでございますが,それよりもずっと一日平均被留置者数の方が増えてきているということで,その黄色い棒グラフでございますけれども,増えてきておりまして,赤い折れ線グラフが収容率でございますが,平成3年には32.4%ということで,大分余裕があったのでございますけれども,平成16年になりますと,これが77%ということになっております。77%というと,まだ隙があるではないかというふうにおっしゃられるかもしれませんが,ただ,現実問題としては,例えば少年と成人は分けなければいけない。これは当然でございますけれども。また,男性と女性も分けなければいけない。また,共犯関係による人間も分けなければいけないということになりますと,結局,単独で留置しなければいけないというケースも増えてまいりますので,我々としては70~80%ぐらいになった段階で,留置場は限界にきているというふうに考えておりますので,もう既に77%というのは,限界に来ているというふうに言わざるを得ないということでございます。
77%というのは,全国平均なのでございますが,このグラフは大都市について見てみたものでございますけれども,愛知,東京,大阪,静岡といったところは,既に基準定員を超えておりまして,100%を超えております。千葉,兵庫,埼玉で90%を超え,神奈川,京都でも80%を超えるということで,極めて逼迫した過剰収容状態が続いているということでございます。
こうした中で,各留置場の看守勤務員というのは,被留置者の監視をするだけではなくて,食事の世話,入浴の世話,接見の世話,差入れの世話,また就寝の際の布団の出し入れ,そしてまた衣類の洗濯等々留置人の世話で,今,大変過重な勤務を強いられているという実態にございます。
また,各県,今申し上げましたように,収容能力の向上ということで新しい施設を造りつつありますけれども,なかなか財政状況厳しい折から,それが思うようには進まないということでございます。
こういった過剰収容,極めて逼迫した状態にあるわけでございますが,こういった状況を背景として,なおかつ代用監獄を少なくせよとか,また廃止せよというふうな御議論は全く非現実的と言わざるを得ないと考えております。
次に,では留置場には一体どういう人が入っているのか,その内訳でございますが,青い部分が逮捕以後72時間以内の被疑者でございます。6%でございます。
紫色の部分が勾留中の被疑者でございまして,37%。
起訴された後の被告人が57%。
受刑者が0.1%ほどいるということでございます。
起訴後の被告人の数が大変多いのでございますけれども,これは今申し上げましたように,この中には捜査を終了して拘置所への移監を待っているといった者も大分含まれておりまして,最近のある時点をとらえて,その移監待機の人がどれぐらいいるのかということを調べてみましたら,これは実人員ベースでのお話なのでございますが,おおむね全体の2割は移監待機をしている人たちであるということが判明しております。
以上が留置場の現状でございます。
以下,代用刑事施設,代用監獄制度についての私どもの考え方について,お話を申し上げたいと思います。
条文上の根拠は,今,矯正局長からお話があったとおりでございますので,るる申し上げませんが,この規定自体は,明治41年に規定されて以降,ずっと現在まで生きております。新しい憲法が制定され,そしてまた新しい刑事訴訟法が制定された以後も40年近くずっとこの規定で運用しているということでございます。
代用刑事施設には,主として,捜査を終了していない起訴前の被勾留者を収容し,捜査が終了した時点で順次,拘置所に移監するという運用がなされているところでございます。
今,矯正局長からもお話がございましたけれども,最近の被勾留者のうち,ほとんどが代用監獄に収容されるという現実に今あるわけでございますけれども,これはむしろ代用監獄が被勾留者の収容場所として,実務上はむしろ原則として定着しつつある,ということをあらわしているということができようかと思います。
では,なぜそういった形で代用監獄に被勾留者のほとんどが留置されるのか,ということでございますけれども,1つには年々その比率が高まっておりますので,かつてと比べますと,私どもの施設も相当改善が進んでおりますし,また運用の改善も進んでいるということで,代用刑事施設に対する信頼性が高まっているということが言えようかと思いますけれども,捜査上の関係から申し上げますと,我が国では逮捕から起訴までの期間,後でも申し上げますけれども,国際的に見れば極めて短期間でございます。そういった極めて短期間の間に逮捕から起訴まで行うということで,そういう制約の中で私どもは捜査を行っているということがございます。こういった制約の中で日本警察が効率的に捜査を進めていくためには,そこにも書いてございますように,まずやはり捜査機関と勾留場所,身柄の拘束場所というものが近くなければいけないということがあります。
また,二つ目には,その身柄を拘束している場所,拘置所でもよろしいのでございますけれども,そこに取調室等の施設が十分に整備されていなければならない。
こういった二つの条件が,やはりどうしても満たされていなければいけない。そうでなければ,私どもは短期間のうちに適正な捜査を行うことができないという実態にあるわけでございますが,現段階でと申しますか,戦後ずっとそうだったわけでございますが,こういった条件を満たす施設は警察留置場だけであったわけでございまして,また今後もこの代用刑事施設制度というものは不可欠である,というふうに私どもは考えているところでございます。
今,近接性,すなわち近くなければいけないと申し上げましたが,具体的にその辺を申し上げますと,この図は警察署から最寄りの拘置所までの往復時間を調べた結果でございます。
仮に,被疑者を拘置所に勾留するという場合を想定いたしますと,警察署との往復時間でございますけれども,1時間以上かかるところが全体の72%になっております。赤と黄色と青の部分でございます。2時間以上というものも黄色と青の部分でございますが,25%という形になっています。
拘置所に取調室があればよろしいのでございますけれども,後でもちょっと申し上げますが,それが非常に不十分な状況でございますので,結果として警察官が拘置所に被疑者を迎えに行って,その被疑者を警察署に連れて帰って,そこで調べて,またその被疑者を拘置所に送り返して,また警察官が帰ってくる。結果的に2往復しなければいけないということで,大変な時間的なロスになってしまうということになるわけでございます。
今申し上げましたが,では拘置所に十分な取調室があるのかということでございますけれども,警察留置場には取調室は現在,全国で約1万室ございます。そのうち面通し,これは取調べ中の被疑者が犯人かどうかを参考人に確認をしてもらうマジックミラーのある施設で,それ越しに確認してもらう,面通し施設といっていますけれども,そういったものを備えた施設は警察には約2,800ございますけれども,刑事施設には取調室が660あり,そのうち面通し施設を備えた取調室はないという実態でございますので,結果的に,今申し上げましたように,私どもの警察官が拘置所に被疑者を迎えに行き,また終わった段階で送り届けるという形にならざるを得ないというのが実態でございます。
まとめて申し上げますと,そういったことで,警察署と極めて近接した場所に身柄拘置施設がなければいけない。また,その拘置施設にこういった取調べ施設がなければいけないということを考えますと,やはり現在の代用監獄制度を維持する以外に方法はないというふうに我々は考えているところでございます。
そこで刑事訴訟法によるところの裁判実務上の運用でございますが,これはもう今,矯正局長からお話がございましたので重複は避けますけれども,刑事訴訟法の運用におきましては,拘置所と代用刑事施設との間に原則とか例外とかということはございませんで,裁判官の裁量によって適切な判断が行われている。その結果,代用刑事施設,警察留置場の方にほとんどの被疑者が留置をされているという実態になっているところでございます。
次に,日弁連さんから幾つか代用監獄制度につきまして御批判をいただいておりますので,それについての若干の見解を申し上げたいと存じます。
まず,一つの論点は,代用刑事施設は国際的に例を見ない制度であって廃止すべきであるという御見解でございます。すなわち,国際標準に合わないというふうな御見解でございます。ただ,申すまでもなく,各国の刑事司法制度というのは,それぞれ皆異なるわけでございまして一様ではございません。したがって,この代用監獄制度ということを議論する際には,そういった刑事司法制度全体の中との関係において議論がなされるべきでございまして,この代用監獄制度のみを取り出して御議論されるのは不適当ではないかというふうに考えております。
具体的に申し上げますと,例えば各国ではどうなっているかと申し上げますと,我が国では,第一次捜査権が警察にあるわけでございますが,これに対して,各国では,予審判事とか検察官が捜査の主たる担い手であるというところが多いということがあります。
それから,捜査機関に許容される時間の制限が,我が国では極めて厳しいとか,そこには書いてございませんが,証拠の収集手続とか立証方法も我が国では,極めて厳格でございますので,そういったこともございまして,こういった部分は,他国と我が国では大分異なるということがございます。
また,三つ目には,我が国では刑事司法制度の運用について,精密司法と言われる極めて厳しい立証を求められるということもあるわけでございます。したがって,この代用監獄制度が国際的標準に合わないと言われるのであれば,こういった刑事司法制度全体の中できちんと議論がなされるべきであって,代用監獄制度のみをとらえてこれを廃止すべきだという御議論は,私どもは不適当ではないかというふうに考えるところでございます。
では,具体的に身柄の拘束時間がどのようになっているのかということでございますが,今,矯正局長からもお話があったように,日本は一番上でございますけれども,逮捕から起訴までの間は,最高で23日間というふうに決められているわけであります。
それに対しまして,例えば,ドイツはどうかと申しますと,身柄拘束から起訴までは原則6カ月でございまして,なおかつ重大事件等では1年を超える勾留が可能となっています。1年を超えて身柄を勾留することもある。
次に,フランスでございますが,「警察留置」と書いてございますけれども,これは無令状でございます。逮捕状はなくて身柄拘束ができます。その期間は24時間,加えて検事正の許可があった場合にはプラス24時間,合計48時間可能であります。その下に「逮捕」とありますけれども,これは現行犯逮捕のことをいっていますけれども,手続的にはほぼ同様でございます。その後,予審判事のもとに連れていかれるわけでございますが,予審判事のもとでは軽い罪,軽罪の場合で原則4カ月,重罪の場合で原則1年の身柄拘束が可能ということでございますが,これもただ,それ以後,延長が可能ということになっております。
オーストリアでございますが,「仮勾留」と書いてございます。これは,日本の逮捕に相当いたしますが,まず48時間拘束して,その後,予審判事のもとにいくわけでございますが,予審判事のもとで正式勾留になるわけでございますけれども,罪証隠滅のおそれを理由とする場合についても,2カ月の拘束が可能である。また,逃走防止等のためには6カ月,なおかつ加えて,それも延長可能ということになっているわけでございまして,我が国のように,23日間の間に捜査を遂げて起訴までこぎつけるというふうな厳しい制約の下にある国というのは国際的にも極めて珍しい,例を見ない制度でございます。
こういった短い期間の間に処理が終わるということは,被疑者にとっても極めて有利であるというふうに言えるわけでございますが,ただ,こういった短期間の間に適正な捜査を遂げるためには,やはり代用監獄制度が不可欠であるというふうに我々は考えているところでございます。
次の論点は,代用監獄はえん罪と人権侵害の温床である,という見解でございます。要するに,捜査の主体が同時に身柄の拘束の主体であることによって,身柄の拘束が取調べ等の捜査に利用され,自白の強要,誘導につながるという御見解であろうというふうに思っているわけでございますが,そういった御批判にこたえるために,現在,警察では,捜査の主体と留置の主体を分離・峻別をしております。
左側が昔の制度でございまして,昔は刑事部門が捜査を行うとともに身柄の留置も行うという形になっていたのでございますが,昭和55年にこれを全国的に一斉に組織的に改めまして,右側でございますけれども,捜査の主体と留置の管理の主体を完全に分離をしております。
留置の管理主体というのは,いわゆる総務部門でございまして,捜査を行わない部門が留置の管理を行うという形になっております。したがって,こういったことが行われて以後,被疑者の処遇を取調べ等の捜査に利用するということはないという運用がなされているところでございます。
また,我が国の代用監獄制度はえん罪の温床とおっしゃられるわけでございますけれども,我が国でえん罪の数が国際的に見て多い,えん罪率が高いということは,私ども承知をしていないところでございます。
次に,御批判の三つ目でございますけれども,代用監獄制度を廃止する方法として,全国に拘置所を新増設し,拘置所の収容力を増強すべきであるという御見解でございます。
私どもの考え方は,先ほども申し上げましたように,もしそうするのであれば,捜査機関と近い場所にぜひ置いていただきたい。加えて,取調室等の設備を十分に整備していただきたいということになるわけでございますが,では,現実問題として,そういった施設に適切な立地場所を確保し,そしてまたそこに施設を建てる,造るということが,現下のこの財政状況のもとで可能かどうかというと,これはもうほとんど不可能に近いというふうに言わざるを得ないわけでございまして,他方で代用監獄制度については,今申し上げましたような施設,また運用等の改善にも努めているところでございまして,そういったことを考えあわせれば,やはり今の代用監獄制度,代用刑事施設制度というものを残すということがベストな選択でありまして,これを減らすとか廃止するというふうな御議論にはくみすることができないということでございます。
以上,代用監獄制度について,主に申し上げましたけれども,このほかに外部交通の問題とか種々論点がございますが,これらについては,また追って順次御説明申し上げることにいたしたいと思っております。

日本弁護士連合会説明
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【南座長】それでは次に,日本弁護士連合会の方,よろしくお願いいたします。
【西嶋勝彦弁護士】私は,日弁連の刑事拘禁制度改革実現本部本部長代行の西嶋でございます。
お手元にあります日弁連の「有識者会議に期待する」というプレゼンテーションの骨子に基づいてお話をしたいと思います。スクリーンの方にどうぞ,目を移してください。
まず,「はじめに―受刑者処遇法の成立と次の課題」について述べたいと思います。
行刑改革会議の提言は,受刑者の人権を尊重し,受刑者が真の意味で改善更生し,人間としての自信と誇りをもって社会に復帰することが最終的には国民全体の利益になるとの理念のもと,行刑の現状を改革する視点からまとめられたものとして,日弁連はこれを高く評価しました。
これを受けて,本年5月に成立しました受刑者処遇法は,刑事施設視察委員会という第三者機関を設置して透明化を図る,電話の使用を認める,面会での職員の立会いを原則化しない,信書の検閲も原則化しないなど,いくつかの現状改善策を講じております。
行刑改革会議では,審議期間に制約があり,未決についての審議が不十分でありましたので,日弁連は,未決についても行刑改革会議のような審議機関をつくって,そこで審議して,これを受けて立法化すべきであると要望しました。長い準備期間がありましたけれども,この要望がようやく実現したことはまことに喜ばしいことと心から歓迎いたします。
その未決拘禁制度におきましては,代用監獄問題を含めて一から議論することが法務省,警察庁,日弁連の三者の間で確認されております。
衆・参両議院法務委員会の附帯決議におきましても,日弁連との協議を迅速に進めて,早期の法整備の実現に努力するよう求めております。
この会議も,これらを受けまして,未決拘禁制度の抜本的改革を審議していただくよう冒頭にお願いしておきたいと思います。
2番目に「今次未決拘禁制度改革の視点」についてであります。
第1に強調しておきたいことは,この「有識者会議は行刑改革会議の未決版」であるということであります。行刑改革会議の提言を踏まえて,その改革の理念を未決拘禁制度においても実現することが期待されているのであります。明治時代に生まれた監獄法の未決部分を改正するに当たりましては,21世紀の国際社会にふさわしい制度改革がなされなければならないと思っております。
受刑者処遇法成立後,三者協議が今年の6月から再開されておりますが,そして,適宜,法務省と日弁連,警察庁と日弁連という二者で協議も進めてまいりました。しかしながら,残念なことですが,現在までのところ,双方の意見は,代用監獄問題を始めといたしまして,かなりの部分で平行線のままという状況であります。その大きな要因は,当局が三度廃案になった刑事施設法案や留置施設法案の発想から抜け出していないということであります。委員の皆様におかれましては,常に改革の視点を持って審議していただくことを切に要望いたします。
次は,「身体拘束は例外,最小限度に」という第二の視点についてであります。
あらゆる基本的人権の前提となるのは,人身の自由であります。未決拘禁は,この人身の自由を剥奪する重大な処分です。未決拘禁は,身体を留置場や拘置所に留め置くというにとどまらず,彼らが享受していた様々な自由や権利,家族や社会とのつながりを断絶させ,権力機関の監視のもとで収容生活を余儀なくし,さらにこの拘禁状態を日本では捜査当局が取調べに利用している現実があります。その最たるものが代用監獄という装置です。こうして,市民として保障されるべき人権や訴訟主体として保障されるべき防御権が阻害されているのです。
未決拘禁者が置かれているこのような現実に着目するとき,被疑者・被告人は身体不拘束を原則とすべきこと,したがって未決拘禁は例外的であり,しかも必要最小限度の制約を課すものでなければならないことが容易に導かれると思います。
国際人権規約第9条3項も,裁判に付される者を抑留することが原則であってはならないと規定しているところです。逮捕・勾留が原則的であるかのように運用され,保釈もままならない逆転した現状をいかに処遇面で改革していくか,この第2の視点が極めて重要だと考えます。
第3の視点は,「無罪推定を処遇原則に」するということであります。
未決拘禁者は,無罪の推定を受けており,可能な限り,一般市民と同様に取り扱う必要があります。したがって,未決拘禁制度においては,被疑者・被告人の防御権の保障という視点とともに無罪の推定が処遇原則として貫かれる必要があります。このことを明確に述べるのが『国際準則からみた刑務所管理ハンドブック』であります。そこには,「未決被収容者の管理上,最も重要な原則は,彼らが常に無罪の推定を受けているということである,既決被収容者とは異なり,彼らは刑罰として刑務所に収容されているのではない,刑務所当局は,彼らのこの法的な地位が処遇や管理に反映されるよう努めなければならない」とあります。未決拘禁者に懲罰が行われてはならないということも,ここから出てくるところであります。
第4の視点は,「国際水準に合致するように」するということです。
1979年,日本政府は国際人権規約を批准しました。そして,同条約の実施状況に関する政府報告書が国際人権規約委員会で審査され,厳しい批判にさらされました。代用監獄の廃止を始めとして,二度にわたり改善勧告を受けているのであります。1998年の第4回の政府報告書の審査及び勧告の内容については,お配りした資料5がありますので,御参照していただきたいと思います。
日本政府には,同委員会の勧告に従って国内制度を改革する責務があります。2003年に提出されるべき第5回政府報告書は,期限から2年がたった今もまだ提出されておりません。
今年7月初め,法務省,警察庁,日弁連の三者がオーストリア,イタリアの未決拘禁施設を調査しました。お手元の三者合同調査報告書を後で見ていただきたいと思います。
もちろん,代用監獄はありませんでした。一定の制約はあるものの,施設の中から外へ電話がかけられます。弁護人との面会室に日本のような仕切板はありませんでした。居室への私物の持込みも緩やかでした。取調べの録音・録画もされています。これらは平均的先進国の未決拘禁の姿です。隣の韓国でも同様な状態となっています。
憲法98条2項も条約及び確立された国際法規の遵守を要求しております。未決拘禁の国際水準もこれに準ずるべきでしょう。米国に次ぐ経済大国の日本で,人的体制の問題や予算不足を聞くのは恥ずかしい限りです。
3番目に「日弁連の求める未決拘禁制度改革の内容」について述べます。
日弁連は,今年5月の日弁連定期総会において,未決拘禁制度の抜本的改革と代用監獄の廃止を求める決議を採択して,日弁連の基本的立場を定めました。資料2です。
再開された三者協議会で日弁連がこの定期総会決議に基づいて見解を述べ,これに対する両省庁の反論,再反論などのやりとりを踏まえて,今年の9月に未決拘禁制度の抜本的改革を目指す日弁連の提言をまとめました。資料1です。
本日は,時間の関係もあり,多くの論点に触れることができませんが,委員の皆様には,ぜひこの意見書をお読みいただきたいと思います。
なぜ,未決拘禁制度を改革しなければならないか。それは,日本の制度が諸外国と比べて余りにも遅れているからであります。アメリカは治安が悪化しております。しかし,未決拘禁者の処遇は,日本よりもはるかに進んでおります。
改革のその1は,代用監獄の廃止です。日本の代用監獄システムは,世界に例がありません。その理由は明白です。代用監獄のような制度は,国際人権法上,許されないからであります。
第1に,逮捕された被疑者は,速やかに裁判官のもとへ引致され,その後,被疑者の身体拘束場所は,警察の施設であってはならず,拘置所でなくてはありません。警察拘禁が48時間でも長すぎるというのがヨーロッパの基本的スタンスです。
第2に,被疑者の捜査を担当する機関と身体拘束に責任を負う機関は,明確に分離していなければならず,警察機関内の異なる部局による管理ではこの要件を満たしておりません。国際人権規約委員会は,代用監獄を廃止するようにという勧告を,1993年の第3回政府報告書の審理,1998年の第4回政府報告書の審理の2回にわたって出していますが,その中で代用監獄制度が捜査を担当しない警察の部局の管理下にあるものの,分離された当局の管理下にないことに懸念を有すると明言しております。
第3に,被疑者が警察機関にとどめ置かれ,継続的に取調べの対象とされることによって,自白の強要など人権侵害の危険が高まっております。取調べをする警察の手元に被疑者を24時間留め置いて,深夜まで取調官が自由に取り調べる。それが何日も何日も続く。こんな状態で23日間も取り調べられ,苦し紛れにうその自白をしてしまう。余罪を口実とする再逮捕が繰り返されれば,この期間は数カ月に及ぶ場合もあります。
つい最近,再審開始決定が出された布川事件では,被疑者は,別件逮捕されて代用監獄に収容され,本件について自白を強要されました。その後,拘置所に送られたところ,検事の取調べがあり,本件について否認したので,代用監獄に戻されて再び自白を強要されました。こうして自白調書が再度作られ,それをもとに起訴されました。典型的な代用監獄の弊害事例です。そういう例が現在もたくさんあります。添付資料の代用監獄の弊害事例集並びに資料3の『自由と正義』にあります三つの事件の弁護人の報告をご覧いただきたいと思います。1994年以降,日弁連が把握しているだけでも,虚偽自白を強要された事例は42件あり,そのうち無罪若しくは少年として不処分となった事例が合計20件もあります。代用監獄はえん罪の温床と言われるゆえんだと思います。
警察は,1980年に捜査と留置業務を分離したから,それ以降は代用監獄の弊害はなくなったと主張されていますが,そんなことはありません。警察の取調官が被疑者を検事のところまで連れていって,検事の取調べに立ち会うという例まで報告されています。捜査官が留置業務までやっていることがあるのです。
また,留置よりも捜査が優先して,相変わらず深夜までの取調べが横行しているのが実態です。警察の内部でいくら分離したといっても,所詮内部的な区別に過ぎず,代用監獄の弊害を除去するものにはなっていないのです。
第4に,代用監獄には常勤はおろか,非常勤の医療スタッフすらおらず,医療体制が整っていないため,病気の発見や治療の遅れによる死亡事案も発生しています。
第5に,男性職員による女性被拘禁者に対するわいせつ行為が後を絶ちません。
第6に,拘置所のような保護室が設置されていないため,極めて危険な防声具が使用され,昨年には死亡事故が発生しております。
このように,違法性と深刻な弊害が明らかにあるにもかかわらず,警察庁は代用監獄制度の存続が必要だと明言されています。それどころか,東京都が原宿警察署の建替えに伴い大規模留置場の建設を予定するなど,各地方自治体では大規模留置場や独立留置場を建設する動きが続いています。
また,被収容者の食費などを法務省から償還している費用償還制度を廃止して,これを警察庁予算としようとする動きがあります。これは,法務省予算を通じて代用監獄をつなぎとめていた細い糸を断ち切って,独立施設に向かうことを意味しております。あるべき姿からますます離れ,代用監獄を恒久化しようとしているのです。
その上,拘置所では廃止された防声具の使用継続にこだわり,留置施設法案にすらなかった留置場内の懲罰制度の新設も検討するなど,着々と管理強化に向けた準備をしているのが現状です。
こうして代用監獄を恒久化しようとする動きは,四半世紀にわたって進められてきた結果,代用監獄の廃止は極めて困難な課題と受け止められがちであります。しかしながら,本来,大規模施設や独立施設は拘置所として建設されるべきでありまして,また,建設済みの警察留置場を法務省所管とすれば解決するのです。そして何より,困難だということを理由にして,違法性が明らかな代用監獄制度を承認してしまうことは,決して許されることではないと思います。代用監獄制度の廃止という英断が,この有識者会議に求められる最大の課題であることは間違いないと思います。
その2の改革は,外部交通です。
まずは,夜間・休日接見です。
連日開廷の裁判員制度の導入を契機に拘置所における夜間・休日接見は,ようやく実現することになるでありましょう。しかしながら,まだ具体的な検討結果は,示されておりませんので,どこまで夜間・休日接見を拡大することになるのか,予断は許さないと思います。
次に,電話であります。
文明社会において,電話は極めて重要なコミュニケーション手段です。とりわけ身体を拘束された被疑者・被告人にとって,必要なときに適切な法的援助を受けるため,電話の利用は不可欠です。また,弁護士にとっても電話は切実な連絡手段と位置づけられています。添付しておきました全国の弁護士にアンケートを取った結果をご覧ください。
三者で視察しましたオーストリア,イタリアを始め,諸外国では,弁護人との電話の使用は当然のごとく認められています。お隣の韓国では,すべての警察留置場や拘置所にインターネット回線とパソコンを利用したテレビ電話が導入されています。 
また,被拘禁者の社会復帰を実現する基本は,帰るべき家族がいることと仕事があることです。その家族の維持と仕事の維持にとって,電話は極めて重要な役割を果たします。とりわけ未決段階,そのうちでも逮捕・勾留の初期段階が貴重な役割を果たします。
では,日本でなぜ今まで電話の使用が認められなかったのか。当局は,金がない,人員体制が取れないの一点張りです。しかし,被疑者・被告人の防御権が憲法で保障されている以上,電話やファックスの導入に向けて大きな第一歩が踏み出されなければなりません。
信書の検査につきましては,受刑者処遇法では原則化しないことになったことについては冒頭申し上げました。ケース・バイ・ケースでよいということです。これは,未決拘禁についても当然当てはまります。同時に,被疑者・被告人の防御権から見たとき,弁護人との秘密のコミュニケーションは絶対に保障されなければならないと思います。
その3の改革は,未決拘禁制度の抜本的な改革と刑事司法制度の改革についてであります。
未決拘禁は,刑事訴訟法が規定する逮捕・勾留手続の一環です。したがって,本来,裁判官が指揮すべき逮捕・勾留の一環であるべきです。それゆえ,国際人権法も被疑者の身体拘束が司法的コントロール,すなわち裁判所の管理下に置かれることを要求しているのです。実際,三者で未決拘禁の諸問題について協議を進める中で,最終的には刑事訴訟法を改正しなければならないという項目に随分ぶつかります。
代用監獄制度は,自白偏重を招く日本の刑事司法制度,その刑事手続構造を支える根幹なのであります。その意味で代用監獄の廃止は,日本の刑事司法制度の改革,刑事訴訟法の改正という課題と密接に結びついています。
日弁連は,この日本の刑事司法制度の根本的改革に向けて様々な活動を展開してまいりました。御承知のように,今,日本は司法改革の渦中にあります。刑事司法改革もその中心的テーマです。
2009年には裁判員制度が実施されます。これまでの調書裁判から直接主義・口頭主義を実質化した公判中心裁判に転換しなければなりません。精密司法から核心司法への転換が迫られているのです。それとの関連で取調べの全過程に録画・録音を導入する「取調べの可視化」を求める動きが強まっています。既に日弁連が調査しただけでもイギリス,オーストラリア,イタリア,台湾,韓国などでは「取調べの可視化」は実現しています。オーストリアも準備中です。
今年7月,法務省のもとで「更生保護のあり方を考える有識者会議」が設置されました。刑務所を出た後の更生保護についても改革しようというものです。警察留置場や刑事施設の入り口から出口までのところで,出口までどころか,出た後も視野に入れた刑事司法のトータルな改革が今展望されているのです。
2009年に開始される裁判員制度をてこにして,刑事訴訟法の改革と代用監獄の廃止を実現しなければならないと思います。今回の未決拘禁の立法改革は,そのための重要なステップになると思います。
最後に,「100年先を見据えた改革」ということであります。
今次の未決拘禁制度の改革は100年ぶりの改革です。このことは,向こう100年の大計であることを意味しております。時間的制約や様々な抵抗から,小幅な一部の改善でお茶を濁す結果にしてほしくないのです。私たちが繰り返し改革の視点を求めるゆえんであります。
この有識者会議が,冒頭に申しました行刑改革会議の改革提言の一環であるということを改めて強調しておきます。
未決拘禁制度の抜本的改革と代用監獄の廃止に向かって大いに前進する改革提言をまとめられることを切望します。そして,国際社会に恥ずかしくない我が国刑事司法制度の構築に向けて,この有識者会議が30年近く前の法制審議会の議論を乗り越えて,その英知を結集して実りある審議をされ,有意義な成果を上げられることを切に期待するものであります。
以上をもちまして,日弁連のプレゼンテーションとさせていただきます。

今後の日程
議事経過へ

【南座長】本日は,法務省,警察庁,それから日弁連,三者のプレゼンテーションに対する質疑あるいは御意見を伺う予定でありましたが,予定の終了時間を既に過ぎてしまいました。
そこで,次回会議の冒頭におきまして,プレゼンテーションに対する質疑等を行うことにしたいと思います。
その上で,次回以降の進め方についてお諮りしたいと存じます。
まず,御提案ですが,行刑改革会議では,各地の行刑施設を視察することによって委員の認識を共通にし,充実した議論を行うことができたと考えております。この中には,私も含めまして,拘置所や警察署の留置場を見たことがない方もいらっしゃると思いますので,一度この会議で視察を実施しまして議論の前提にしたいと考えておりますが,いかがでございますか。
(「異議なし」の声あり)
特に御異論がないようですから,拘置所と警察署の留置場を実際に視察し,これを踏まえて議論をしたいと思いますので,事務局によろしくお取り計らいをお願いいたします。
それから,視察後の議論の順序でありますが,本日の三者からのプレゼンテーションを踏まえますと,この会議で扱うべきテーマは大きく分けまして,外部交通の在り方を中心とする未決拘禁者の処遇の在り方,もう一つは,いわゆる代用監獄制度に関する問題の二つに分けることができると思います。
そこで,まず次回の会議におきましては,拘置所における夜間・休日の接見の問題,未決拘禁者と外部の者との電話による通信の問題,未決拘禁者の発する信書の検査の問題を中心に,未決拘禁者の処遇の在り方について御議論をいただきたいと思います。そして,次々回には,いわゆる代用監獄制度に関する諸問題について御議論をいただきたいと考えます。
事務当局の方で次回以降の日程等について,どのようにお考えでしょうか。
【小貫矯正局長】まずは,視察の関係でございますが,来週,13日の午後,警視庁綾瀬警察署留置場と東京拘置所を御視察いただけるように準備したいと考えております。
また,会議の日程は,12月22日木曜日の午後2時から午後5時まで,法務省地下1階にございます大会議室を準備いたしております。
【南座長】それでは,次回は来週13日火曜日,警視庁綾瀬警察署留置場及び東京拘置所の視察を行いまして,その翌週22日木曜日,午後2時から午後5時ごろまで法務省大会議室において会議を開きたいと思います。