犯罪収益移転防止法の概要

(犯罪による収益の移転防止に関する法律)

犯罪収益移転防止法が平成19年3月に制定され、平成20年3月1日に施行されます。

1 この法律の目的(第1条関係)

  この法律は、犯罪により得た収益をはく奪することや、被害の回復を図ることが重要であることから、犯罪による収益の移転防止を図るとともに、テロ行為などへの資金  の供与防止を確保するなどにより、国民生活の安全と平穏を確保し、経済活動の健全な発展に寄与するために制定されたものです。

2 この法律にいう特定事業者(第2条第2項関係)

  この法律では、特定事業者とは、金融機関、ファイナンスリース業者、クレジットカード業者、宅地建物取引業者、貴金属等取引業者、郵便物受取・電話受付サービス業者、弁護士、司法書士、行政書士、公認会計士、税理士等をいうと定められました。

 特定事業者による措置

 (1)  特定事業者(弁護士及び弁護士法人を除く。以下同じ)は、一定の取引について顧客等の本人特定事項の確認を行うことが義務づけられたとともに、その記録を7年間保存することが義務づけられました。(第4条~第6条関係)

 (2) 特定事業者は、取引記録を7年間保存することが義務づけられました。(第7条関係)

 (3) 特定事業者(司法書士、行政書士、公認会計士及び税理士を除く。)は、その業務において収受した財産が犯罪による収益である疑いがある場合等には、一定の事項を監督官庁に届け出ることが義務づけられました。監督官庁は、当該届出に係る事項を国家公安委員会に通知することが定められました。(第9条関係)

 (4) 特定事業者(業として為替取引を行う者に限る。)は、外国為替取引を行うときは、顧客の本人特定事項等を通知して行わなければならないことが義務づけられましたした。(第10条関係)

4 弁護士及び弁護士法人による措置(第8条関係)

  弁護士及び弁護士法人による本人確認、本人確認記録の作成及び保存並びに取引記録等の作成及び保存に相当する措置については、この法律に定める司法書士等の例に準じて日本弁護士連合会の会則の定めるところによると定められました。

5 疑わしい取引の届出に関する情報の提供(第11条・第12条関係)

  国家公安委員会は、捜査機関等及び外国の相当機関(FIU)に対し、疑わしい取引の届出に関する情報を提供することが定められました。

注) 特定事業者に係る義務規定などは、平成20年3月1日から施行されます。

   今まで金融機関等に本人確認の義務を課していた金融機関本人確認法や、疑わしい取引の届出の根拠となっていた組織犯罪処罰法第5章の規程は廃止され、新たにこの法律により本人確認や取引記録の保存、疑わしい取引の届出義務が適用されることになります。