治安再生に向けた7つの重点(平成18年8月警察庁)
 
 
はじめに
 
 刑法犯の認知件数が、平成8年から平成14年にかけて、7年連続して戦後最多を更新し続けるなど危険水域に達した治安情勢の下、犯罪の増加の基調に早急に歯止めを掛け、国民の不安を解消するため、警察庁では、平成15年8月、緊急かつ重点的に取り組んでいく治安対策のプログラムとして、「緊急治安対策プログラム」を策定した。以来、警察では、国民が安心して暮らせる安全な社会の確立を目指し、同プログラムに記載された施策の実現に向けた取組みを進めてきたが、今夏で同プログラムの策定以来3年が経過する。
 この間、平成14年に戦後最多の約285万件に達した刑法犯認知件数は、平成15年以降減少して平成17年には226万9,293件となり、また、平成13年に約166万件に達した主な街頭犯罪の認知件数は平成17年には108万6,497件に、平成15年に約38万件に達した主な侵入犯罪の認知件数は平成17年には28万1,499件にまで減少した。さらに、内閣府が実施した「社会意識に関する世論調査」によれば、治安はいまだ「悪い方向に向かっている分野」の第一位であるものの、このように考える者の割合は、本年の調査結果では38.3%と、平成17年の47.9%から9.6ポイント改善した。こうしたことなどから、徐々にではあるが、我が国では治安再生の曙(しょ)光が見え始めていると考えられる。
 しかしながら、刑法犯認知件数は、減少したとはいえ、いまだ昭和40年代の2倍近くの水準にあることに変わりはなく、また、子どもが被害者となる事件や少年による社会を震撼(かん)させる事件が相次いで発生している。暴力団については、暴力団対策法施行以来、一時その構成員等の数は8万人を切るに至ったが、最近では徐々にその勢力を回復させ、その活動や組織の実態をますます不透明化させるとともに、国際犯罪組織との連携を強めている。さらに、多発する振り込め詐欺等の匿名性の高い知能犯罪が国民の不安を増幅させている。このように我が国の治安情勢は依然として厳しい情勢にあるが、治安再生への道筋を確実なものとするためには、正に治安再生の曙光が見え始めた今こそ、「緊急治安対策プログラム」に基づく施策を引き続き着実に実施するとともに、同プログラムを補完・加速化して、犯罪の発生を抑止し、犯罪を検挙する取組みを推進していかなければならない。
 そこで、今般、「緊急治安対策プログラム」策定当時からの情勢の変化を踏まえて追加して実施すべき施策及び同プログラムに盛り込まれた施策を更に深化させて実施する施策を「治安再生に向けた7つの重点」として取りまとめた。
 警察としては、引き続き「緊急治安対策プログラム」に盛り込まれた施策を着実に実施するとともに、平成19年度末を目途に、この「治安再生に向けた7つの重点」に盛り込まれた施策の実現を図り、治安再生に向けた取組みを強力に推進することとする。
 
 
1 安全・安心なまちづくり
<緊急治安対策プログラムに基づき継続して実施する取組み>
 今後とも、緊急治安対策プログラムに基づき、「1 犯罪抑止のための総合対策」「(1)街頭犯罪・侵入犯罪抑止総合対策の推進」として、次の取組みを継続していく。
 ○犯罪抑止のための犯罪情勢の分析、情報提供の推進
  ・ 犯罪発生情報、防犯情報等の積極的な発信による自主防犯意識の一層の高揚
  ・ 情報提供の取組みを進めるに当たっての担当責任者の明確な配置
 ○交番機能の強化
  ・ 交番勤務員の増員及び交番の配置見直しによるいわゆる「空き交番」の解消
  ・ 交番相談員や警ら用無線自動車の活用による交番に対する支援機能の充実
 ○地域警察官による街頭活動の一層の強化
  ・ 地域警察官の街頭における職務質問による検挙その他の取締り活動の一層の推進
 ○「安全・安心まちづくり」のためのスーパー防犯灯の整備等
  ・ 街頭緊急通報システム及び子ども緊急通報装置の整備及び広報啓発
  ・ 防犯性能の高い建物部品の普及促進
 ○地方公共団体、ボランティア等との連携
  ・ 地方公共団体との連携強化
  ・ 防犯ボランティアに対する情報提供及び防犯ボランティアリーダーを養成するための研修の実施による防犯ボランティアとの連携・協力態勢の構築
  ・ 防犯設備士との連携・協力態勢の構築
 ○警備業の育成と活用 
  ・ 検定合格警備員の配置の促進等による警備業を活用した犯罪抑止
 また、「(2)深刻化する少年犯罪への対応」として、次の取組みを継続していく。
 ○非行集団対策の推進
  ・ 生活安全、刑事、交通の各部門が一体となった事件検挙の強化、背後の暴力団の取締り
  ・ 関係機関やボランティアと連携した少年の非行集団への加入阻止、構成員の離脱支援及び立ち直り支援による非行集団の解体補導
 ○関係機関等と連携した少年サポートチームの普及促進
  ・ 学校、児童相談所、保護観察所等の関係機関及びボランティアと連携した少年サポートチームの普及促進
 ○出会い系サイト対策の推進
  ・ 出会い系サイトに関係した事件の検挙
  ・ 非行防止教室等を活用したフィルタリング・システムの普及啓発
  ・ 出会い系サイトに係る犯罪被害の防止、少年の規範意識の向上等
 ○少年問題に関する共同研究
  ・ 学校、児童相談所等との情報共有による、諸対策や地域社会への情報還元に資する仕組みづくりの更なる検討
 
 近年、子どもをねらった凶悪犯罪や少年による社会を震撼させる事件が続発しているほか、繁華街・歓楽街では、風俗店の違法営業が横行し、街が犯罪組織の活動拠点ともなっている。
(1) 子どもを犯罪被害から守り、少年の非行を防止するための対策
 子どもが犯罪に巻き込まれる悲惨な事件も後を絶たず、また、少年による社会を震撼させる重大事件が続発していることから、次世代を担う子どもを犯罪被害から守り、少年の非行を防止するため、学校等関係機関と連携し、次の取組みを進める。
ア 子どもを犯罪被害から守るための取組み
○登下校時の安全確保対策の推進
  子どもの安全確保に取り組んでいる団体を中心に、他の団体の模範となり得る防犯ボランティア団体に対してパトロールに必要な物品の無償貸与等の支援を行う「子どもを守る「地域安全安心ステーション」推進事業」を実施するなどして、子どもの登下校時の安全確保を図る。
○学校内等における安全確保対策の推進
  退職警察官や子どもの安全確保について専門知識を有する者のスクールサポーターとしての警察署への配置を促進し、学校内等における子どもの安全確保対策を強化する。
○子どもを犯罪に巻き込むおそれのあるインターネット環境対策の充実強化
  平成18年6月に運用を開始した、インターネット利用者からインターネット上の違法・有害情報に関する通報を受け付け、警察やプロバイダに対応を依頼する「ホットライン」等を通じて、子どもの犯罪被害等を助長するおそれのあるインターネット上の違法・有害情報の実態等について把握した上で、講習会等を通じた子どもや保護者等に対する情報モラル教育の充実、事業者等による自主的取組みの促進等を図る。
イ 少年の非行を防止するための取組み
○少年の立ち直り支援の充実強化
  様々な事情を抱えて社会的に孤立した非行少年等の再非行化の未然防止等に関する効果的方策等について検討し、ボランティア等による立ち直り支援を充実強化するための取組みを進める。
○学校における少年の問題行動等への対応の強化
  スクールサポーターの警察署への配置を促進し、学校における少年の問題行動等への対応等を強化する。
(2) 防犯ボランティア活動の活性化方策
 近年、地域の治安の悪化について強く懸念する住民等によって、多くの防犯ボランティア団体が結成されているところ、防犯ボランティア活動を国民全体に広く根付かせるため、次の取組みを進める。
○防犯ボランティア団体のネットワーク化等の促進
  警察庁の防犯ボランティア活動支援サイトの充実を図り、防犯ボランティア団体相互間の情報交換を促進するとともに、防犯ボランティア活動への国民の参加の促進を図る。
○安全・安心なまちづくりの国民的な機運の醸成
  関係機関・団体と連携し、先進的な取組みを行っているものとして全国から選抜された防犯ボランティア団体及び安全・安心まちづくりに積極的な取組みを行っているものとして全国から選抜された地方公共団体がその具体的な活動内容について全国に発信する大会を開催するとともに、また、安全・安心なまちづくりに功労のあった個人及び団体として都道府県警察又は関係省庁から推薦を受けた者の内閣総理大臣表彰を実施することなどにより、防犯ボランティア団体の活性化を図る。
(3) 繁華街・歓楽街における安全・安心の確保
 繁華街・歓楽街は、依然として、暴力団や来日外国人犯罪組織による資金の獲得や謀議、情報交換の拠点となっており、また、いかがわしい広告や悪質な客引き行為が後を絶たず、風俗環境が害されているなど憂慮すべき状況にあることから、健全で魅力あふれる繁華街・歓楽街の再生のため、次の取組みを進める。
○官民協働体制の確立
  自治体、地域住民、警察等のまちづくりの関係者が目標を共有し、連携して活動するための協議会等の設置に向けた働き掛けを行うなどして、繁華街・歓楽街の再生に向けた官民協働体制を確立する。
○繁華街・歓楽街における犯罪対策の強化
  繁華街・歓楽街を再生し、健全で魅力あふれる賑(にぎ)わいを創出するため、平成17年11月に改正された風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)を活用するなどして、違法性風俗店及び犯罪組織に対する取締りを強化する。
  また、同年7月に新設された人身売買罪等を適用して、人身取引事犯の取締り及び被害者の適切な保護を図る。
○繁華街・歓楽街における交通対策の推進
  違法駐車取締りに関する新制度の下、繁華街・歓楽街において、メリハリを付けた取締りの推進、駐車監視員による確認事務の適切かつ円滑な運用、違法駐車に係る使用者及び悪質な運転者の責任追及を徹底する。
  また、まちの活性化を図るための屋外イベント等が開催される際には、実施主体、地域住民、道路利用者及び警察との調整を図るため、必要に応じ協議会の設置を求めるほか、適切な助言、情報提供等を行い、道路の使用許可手続の円滑化を推進する。
○繁華街・歓楽街の安全・安心のための「まちづくり交付金」制度の活用の促進
  繁華街・歓楽街における安全・安心なまちづくりへの「まちづくり交付金」の活用に係る検討に参画し、その積極的かつ有効な活用を市町村に働き掛ける。
(4) 我が国に滞在する外国人との共生
 我が国に滞在する外国人について、日本語能力が十分でないこと等から、地域社会との間で軋轢(あつれき)及び摩擦が生じるとともに、子弟の教育、社会保障、労働環境、住宅環境等の中で、生活者としての問題が生じていることを踏まえ、次の取組みを進める。
○「生活者としての外国人」問題への対応
  我が国に滞在する外国人に係る生活者としての問題について現状を分析し及び必要な対策についての検討に貢献するため、外国人労働者問題関係省庁連絡会議に積極的に参画する。
 
2 重要犯罪等に対する捜査の強化
<緊急治安対策プログラムに基づき継続して実施する取組み>
 今後とも、緊急治安対策プログラムに基づき、「1 犯罪抑止のための総合対策」「(3)重要犯罪等に対する捜査の強化」として、次の取組みを継続していく。
 ○自動車ナンバー自動読取システム等の整備等
  ・ 自動車ナンバー自動読取システムの更なる整備
  ・ 「自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム」における自動車ナンバープレートの盗難及び悪用防止に係る関係機関への働き掛けの強化
 ○高度な捜査力を有する部隊の広域的展開等の推進
  ・ 特殊班派遣部隊用の装備資機材の整備
  ・ 三次元顔画像識別システムの活用
 ○高度なDNA型鑑定の導入及び積極的活用
  ・ 高度なDNA型鑑定の積極的活用
 ○プロファイリング(犯人像等の推定)の導入
  ・ 現行のプロファイリングの活用
 ○ヤミ金融事犯の取締りの強化等
  ・ 巧妙化するヤミ金融事犯に対処するための有効な取締り手法の指導等
  ・ 知的財産権侵害事犯等に係る更なる法制及び運用の改善のための関係省庁との連携
  ・ 知的財産権侵害事犯が生じない環境の醸成
 
 平成17年の重要犯罪(殺人、強盗、放火、強姦(かん)、略取・誘拐、強制わいせつ)の認知件数は10年前の約1.8倍であり、その検挙率は56.0%と10年間で31.9ポイント減少するなどしている。
 一方、犯罪の広域化・巧妙化が進み、また、「物からの捜査」等従来型手法による検挙が困難化するなど、捜査を取り巻く環境が悪化している。さらに、一連の刑事司法制度改革に的確に対応することが求められる。
 以上の情勢を踏まえ、真の治安再生に向けて、捜査力を強化し、重要犯罪等の検挙を徹底するため、次の取組みを進める。
○公的懸賞金制度等の導入及び国民からの情報提供を促進するための制度の検討
  広く国民から重要凶悪犯罪の被疑者検挙に資する情報の提供を受けるため、平成19年度から公的懸賞金制度の導入を図る。
  また、都道府県警察のウェブサイトを活用し、警察から重要事件に関する情報や謝礼提供について説明した上で情報提供を呼び掛ける仕組みを導入する。
  さらに、福祉犯や人身取引による被害の潜在化や拡大を防止するため、警察の外部に通報窓口を設け、捜査の端緒となる情報の提供を匿名で受け付ける「子ども等を守るための匿名通報モデル事業」(仮称)を平成19年度から試験的に導入を図るとともに、このような制度の在り方について検討を進める。
○捜査の効率化・高度化の推進
  犯罪統計、犯罪手口等の情報を地図上に表示し、他の様々な情報と組み合わせるなどして、犯罪発生場所、時間帯、被疑者の特徴等を分析し、よう撃捜査等を支援する情報分析支援システム(CIS-CATS)(仮称)の整備等、捜査の効率化・高度化を推進する。
  また、高性能のDNA型自動分析装置及びDNA上の検査部位を増やすための資機材の整備、DNA型鑑定にかかわる人材の育成等、効率的かつ効果的なDNA型鑑定を行うための取組みを進めるとともに、DNA型データベースのオンライン化に向けた検討を進める。
  さらに、自動車ナンバー自動読取システムの拡充により、GIS機能を追加し、経路検索等の分析能力を高めるなど、広域化・スピード化する重要凶悪犯罪等に的確に対応するとともに、検視に係る都道府県警察に対する指導体制の強化等により、第一線における検視の的確な実施を確保するための取組みを進める。
○振り込め詐欺等匿名性の高い知能犯罪対策の推進
  広域知能犯罪捜査の指導調整に係る体制及び第一線の捜査体制の強化並びに被疑者の氏名、犯行手口等の捜査情報を一元的に集約するデータベースの構築を図るなどして、振り込め詐欺等匿名性の高い知能犯罪の捜査活動及び予防活動の強化を図る。
○刑事司法制度改革に的確に対応した捜査の推進
  裁判員制度、即決裁判手続の導入等一連の刑事司法制度改革に伴い、裁判員に分かりやすい立証等に資する捜査を推進するため、第一線における捜査の現状を踏まえつつ、客観的証拠の収集の徹底等捜査の在り方について必要な検討を行い、その結果を踏まえて、第一線警察に対する指導を徹底する。
○捜査幹部の資質の更なる向上
  警察の捜査を取り巻く環境の変化を踏まえ、警察幹部によるより的確な捜査指揮及び捜査管理のための教育を充実する。
○通訳体制の確立
  多様な言語に対応した通訳担当職員の育成、有能な民間通訳人の確保等を推進する。
 
3 組織犯罪対策・来日外国人犯罪対策
<緊急治安対策プログラムに基づき継続して実施する取組み>
 今後とも、緊急治安対策プログラムに基づき、「2 組織犯罪対策と来日外国人犯罪対策」として、次の取組みを継続していく。
 ○組織犯罪情報の集約と共有、戦略的な捜査調整
  ・ 犯罪組織に関する情報の集約、分析及び共有の推進
  ・ 集約された情報に基づく戦略的な捜査調整
 ○新たな捜査手法の検討
  ・ 警察大学校等における専科の実施等
 ○入国管理局等と連携した諸対策の推進
  ・ 入国管理局や地方公共団体と連携した重点的な取締り等
 ○中国公安部との協力による犯罪対策
  ・ 国際犯罪組織の共同摘発
  ・ 中国に逃亡した被疑者に対する国外犯規定の積極的活用等個別の犯罪捜査における協力
 
 警察の取締りが強化され、国民の間でも暴力団等反社会的勢力を排除しようとする機運が高まる中、暴力団等による資金獲得活動は多様化・巧妙化している。また、来日外国人による組織犯罪も深刻化しており、市民生活の大きな脅威となっている。
(1) 犯罪収益流通防止対策
 警察庁によるFATF(金融活動作業部会)勧告実施法案の策定及び平成19年中に金融庁から国家公安委員会へのFIU(資金情報機関)の移管が決定されたことを踏まえ、マネー・ローンダリング対策及びテロ資金対策を更に拡充するため、関係機関と連携しつつ、次の取組みを進める。
○FATF勧告を実施するための新法の制定等
  正当な社会経済活動が犯罪収益の流通に利用されることを防止すること、FATF勧告を的確に履行すること等を目的とする「犯罪収益流通防止法案」(仮称)の平成19年通常国会への提出、国際水準を満たしたFIUの体制整備、疑わしい取引の届出情報を蓄積し、分析するためのデータベースの整備、FATF、アジア太平洋マネー・ローンダリング対策グループ(APG)等への積極的参画による国際基準策定への取組み、他国FIUへの警察庁職員の派遣等による資金情報の交換等を通じ、マネー・ローンダリング対策及びテロ資金対策を更に拡充する。
(2) 暴力団資金源等総合対策
 暴力団等反社会的勢力は、薬物、銃器の不正取引はもとより、暴力団の存在を許容又は利用する土壌とあいまって公共事業や企業活動に進出し、証券・金融取引等を舞台に暗躍するなど、社会経済情勢の変化に対応して、様々な分野において資金獲得活動を行っている。
 国民の間ではその排除に向けた機運が高まっているところ、暴力団等の存在と暴力団等を利用する土壌の存在を許さない社会を実現するため、次の取組みを進める。
○証券・金融等をめぐる企業活動等からの暴力団等反社会的勢力排除の一層の推進
  犯罪対策閣僚会議の下に設置された暴力団資金源等総合対策ワーキングチームに積極的に参画し、関係省庁や経済界と連携して、金融業、証券業等の企業活動等から暴力団等反社会的勢力を効果的に排除する仕組みを構築するとともに、暴力団等の排除のために事業者等と暴力団情報を共有するより効果的な仕組みや暴力団等の排除に立ち上がる国民の保護を強化するための施策について検討を進める。
○証券・金融事犯等新たな資金獲得犯罪の取締りと犯罪収益等の剥(はく)奪の推進
  各都道府県警察が保有する組織犯罪情報を相互に検索できるようにするための組織犯罪情報検索システム(O-サーチ)(仮称)の構築に向けた取組み、実効的課税に向けた国税庁との更なる連携強化、通信傍受、コントロールド・デリバリー、譲受け捜査といった捜査手法等の活用、FIUの移管とあいまった組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成11年法律第136号)及び国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成3年法律第94号)の効果的適用を含む資金獲得犯罪の取締り及び犯罪収益等の剥奪のための対策を推進する。
(3) 実効的な水際対策・在留管理の推進
 来日外国人犯罪は、平成17年の検挙件数が過去最多を更新するなど、依然として厳しい状況にあり、外国人の受入れをめぐる議論が、在留管理の在り方を含め、政府内外において様々な視点から行われているところ、関係省庁と連携した実効的な水際対策・在留管理を推進するため、次の取組みを進める。
○効率的な来日外国人犯罪捜査の推進
  平成18年の出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)の改正を踏まえ、航空機の旅客情報を取得する入国管理局に対し指名手配被疑者等に関する情報を照会等するための事前旅客情報システム(APIS)の改修、入国審査時に指紋情報等を取得する法務省に対し指名手配被疑者等の指紋情報等を照会等するための外国人生体情報システム(BICS)の整備等を通じ、法務省等と円滑かつ適切な情報交換を進め、指名手配被疑者等の逮捕等の措置を徹底する。
○実効性ある在留管理システムの構築
  日系人を含む外国人の居住、就労状況等、外国人の在留に関する情報を、外国人の利便性に配意しつつ、正確に把握し、総合的に管理する仕組みづくりに貢献するため、犯罪対策閣僚会議の下に設置された外国人の在留管理に関するワーキングチームに積極的に参画する。
 
4 テロ対策と諜(ちょう)報事案対策
<緊急治安対策プログラムに基づき継続して実施する取組み>
 今後とも、緊急治安対策プログラムに基づき、「3 テロ対策とカウンターインテリジェンス(諜報事案対策)」「(1)情報収集・分析機能の強化」として、次の取組みを継続していく。
 ○外国治安情報機関等とのハイレベルの緊密な関係の構築
  ・ 各国治安情報機関等との間のハイレベルの緊密な関係構築及び外国における当該国の治安情報機関等と緊密な情報交換を行うための態勢整備
 ○警備情報の収集・分析能力の強化
  ・ 国内におけるテロ関連情報の収集の強化
  ・ 情報収集衛星から得られる画像情報の活用
  ・ 分析に当たる担当官の分析能力の向上及び分析態勢の強化
  ・ 外国治安情報機関等との緊密な連携、国際テロ等に関する情報収集及び情報分析体制を強化
 また、「(2)事案対処態勢等の強化」として、次の取組みを継続していく。
 ○国際テロ特別機動展開部隊(仮称)の設置
  ・ 特殊部隊(SAT)、銃器対策部隊等の装備資機材の整備
 ○テロ対策に資する法制の研究
  ・ 海外のテロ法制及びその運用状況について研究を継続  
 
 平成13年の米国における同時多発テロ事件を契機に、国際テロの無差別化の傾向は一層顕著なものとなっており、平成18年8月にも英国における航空機同時多発爆破テロ計画事件が摘発されたところである。このような中、アル・カーイダ等のイスラム過激派は日本を攻撃対象国の一つと位置付け、中東や東南アジアで邦人が被害に遭うテロが発生するなど、日本は深刻な大規模・無差別テロ等の脅威に直面している。また、北朝鮮は日本人拉(ら)致問題や核開発問題をめぐって態度を硬化させ、弾道ミサイルの発射実験を敢行しているほか、ロシア、中国等による政官財界に対するアクティブ・メジャーズ(対日諸工作)や我が国の先端科学技術に対する諜報活動等の対日有害活動も依然として活発である。
(1) 平成20年主要国首脳会議(サミット)への対応
 主要国の首脳が一堂に会するサミットは、テロリストにとって格好の攻撃対象である。テロの脅威がかつてない高まりを見せている中、平成20年サミット開催の機会をねらって日本がテロの標的となる可能性がますます高まっている。政府、地方公共団体、事業者及び国民がそれぞれ果たすべき責務の自覚を促しつつ、警察としては、情報収集、追及検挙、警戒警備等を通じてテロ等の未然防止に万全を期し、サミット開催国としての治安責任を全うするため、次の取組みを進める。
○国際テロリストの発見、入国阻止等
  外国治安情報機関等との情報交換、情報分析体制の強化等により、我が国に入国しようとする国際テロリストを発見するとともに、その入国を阻止する。また、情報収集用の装備資機材の整備を進めるなどして、国内に潜伏する国際テロリスト等の追及検挙を徹底する。
○空間情報分析システムの導入等によるテロの未然防止等
  航空写真等を活用して緯度・経度・高度の三次元データを分析し、要人の移動経路等を銃器等で攻撃することが可能な地点を網羅的に把握するための空間情報分析システムの導入、空間情報分析のための人材の育成等により、警備実施の高度化を図るとともに、高性能の爆発物検知器等を整備するなどして、要人等に対するテロの未然防止を図る。
  また、海外治安情報機関等との情報交換、機動隊等の装備資機材の高度化、警備実施訓練の指導体制の強化等を進め、サミット開催地等で展開される反グローバリズム運動の大規模暴動への発展を防ぐ。
  さらに、関係省庁等と連携して、公共交通機関及び原子力関連施設の警備の強化を図る。
○テロの未然防止対策の基本方針等に関する法制に係る検討への参画等
  英国警察当局が、国内外の関係機関と連携して、平成18年8月に複数の航空機を飛行中に爆破するテロ計画の実行を未然に防止した事例等を踏まえ、諸外国の効果的なテロの未然防止対策の調査を一層進めるとともに、我が国の国情等に則し、国民の安全及び国の治安の確保に有効な対策の導入について検討を進める。
  こうした検討を踏まえつつ、テロの未然防止対策の基本方針等に関する法制についての政府一体となった検討に積極的に参画する。
(2) 緊急事態発生時の対処能力の向上
 大規模・無差別テロ等の緊急事態が発生した場合には、迅速かつ的確に事態の鎮圧、被害の最小化等に当たる必要がある。依然として厳しいテロ情勢等を踏まえ、緊急事態発生時の対処能力の強化を図るため、次の取組みを進める。
○機動隊等の緊急事態対処能力の向上
  装備資機材の充実、爆薬、化学剤等を使用した実践的訓練を実施するとともに、共同図上訓練で得られた成果等を踏まえて防衛庁と共に作成した「治安出動の際における武装工作員等事案への共同対処のための指針」に基づき、自衛隊との共同実動訓練を全国展開するほか、国内外の関係機関との共同実動訓練等を通じた機動隊等の緊急事態対処能力の向上を図る。
  また、国際テロリズム緊急展開班(TRT-2)が派遣先で使用する装備資機材の整備等によるTRT-2の班員の活動能力の向上を図る。
(3) グローバルな情報収集・分析機能の強化
 国民の安全及び国の治安の確保のため、諜報、大量破壊兵器の拡散、国際テロ等の未然防止等を図る。また、こうした国民の安全及び国の治安の確保に係る情報の関係省庁間での共有及び内閣への集約を図るため、我が国の情報関係機関全体を強力に牽(けん)引する役割を果たすとともに、政府全体の情報収集・分析機能の強化に貢献する。このため、次の取組みを進める。
○グローバルな情報収集・分析の推進
  東アジアを始めとする世界の各地域の情報収集・分析を推進する体制並びに渉外及び海外における情報収集活動に関する指導に係る体制の強化、職員が海外で使用する通信用機材等の整備等により、海外の情報収集活動及び収集した情報の分析を強化する。
(4) 北朝鮮による日本人拉致容疑事案その他の対日有害活動への対処の強化
 北朝鮮の弾道ミサイル発射を非難するなどする国際連合安全保障理事会決議第1695号等、北朝鮮に対する国際社会からの非難等を踏まえ、北朝鮮による日本人拉致問題の解決及び大量破壊兵器等の拡散防止を図るため、次の取組みを進める。
○北朝鮮による日本人拉致容疑事案等の解明等
  北朝鮮による拉致問題に取り組む体制の強化を進めるなどしつつ、平成18年4月に設置した拉致問題対策室を中心として、国内外の関係機関との連携の下、北朝鮮による日本人拉致容疑事案及び北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案の解明等を推進する。
  また、関係機関との連携を強化し、北朝鮮当局が関与する覚せい剤に係る事案、北朝鮮に係る偽札等の事案について、取締り等の対策を強化する。
○大量破壊兵器、弾道ミサイル等の拡散防止のための取組みの強化
  大量破壊兵器関連物資等の不正輸出事案の取締り体制の強化、PSI(拡散に関する安全保障構想)に関する合同阻止訓練等への積極的参加、先端科学技術を取り扱う企業及び関係団体に対する指導啓発の推進等、大量破壊兵器、弾道ミサイル等の拡散防止のための取組みを強化する。
 
5 サイバー空間の安全確保
<緊急治安対策プログラムに基づき継続して実施する取組み>
 今後とも、緊急治安対策プログラムに基づき、「4 サイバー犯罪及びサイバーテロ対策」として、次の取組みを継続していく。
 ○外国機関との連携の強化
  ・ 関係国の関係機関との連携強化
 ○サイバーテロ対策の強化
  ・ 重要インフラ事業者との連携強化等
 
 
 情報通信ネットワークが広く普及し、我が国の社会経済活動上、極めて重要となる中、サイバー空間における事象は、サイバー空間に止まらず、現実社会に様々な影響を及ぼしている。サイバー空間の安全確保は、我が国の治安を確保する上で放置できない課題であることから、インターネット上に氾(はん)濫する違法・有害情報及び巧妙化するサイバー犯罪から国民生活を守り、並びに脅威が現実のものとなっているサイバーテロから我が国の経済社会活動の基盤を防護するため、次の取組みを進める。
○「ホットライン」の活用による違法・有害情報対策等の推進
  平成18年6月から運用が開始された「ホットライン」の国民による利用を促進するとともに、国民から寄せられる様々な情報の分析を進めるなどして、違法・有害情報対策等を更に進める。
○効率的かつ効果的な捜査等の推進
  平成18年4月に設置した情報技術犯罪捜査指導官を中心とした捜査状況の的確な把握、都道府県警察のサイバー犯罪捜査体制の拡充及び能力の向上により、サイバー犯罪に係る効率的かつ効果的な広域捜査を推進する。
  また、電磁的記録の解析に係る知見の集約・体系化、外国関係機関、民間企業等との技術協力の実施等により、デジタルフォレンジック(犯罪の立証のための電磁的記録の解析技術及びその手続)の確立に向けた取組みを推進する。
○サイバー攻撃の早期検知及び分析の推進
  インターネットの定点観測等による情報収集を強化し、サイバー攻撃の早期検知及びその分析を更に進める。
○重要インフラ事業者等との共同訓練の実施
  サイバーテロ対処能力向上に向けた官民連携を深めるため、重要インフラ事業者等との共同訓練を行う。
 
6 政府目標達成に向けた重点的な交通安全対策
<緊急治安対策プログラムに基づき継続して実施する取組み>
 今後とも、緊急治安対策プログラムに基づき、「5 新たな政府目標の達成に向けた総合的な交通事故防止対策」として、次の取組みを継続していく。
 ○悪質・危険性、迷惑性の高い運転行為への対策の強化
  ・ 暴走行為等の悪質性、危険性及び迷惑性の高い運転行為に対する的確な指導取締りの推進
 ○アウトカム目標の達成に向けた交通安全施設等整備事業の推進
  ・ アウトカム目標の達成に向けた交通安全施設等整備事業
 
 
 悲惨な交通事故から国民の生命・身体を守るという警察の責務を果たし、平成15年に掲げられた「今後10年間で交通事故死者数を5,000人以下とし、世界一安全な道路交通の実現を目指す」との政府目標を達成するため、必要な道路交通法の改正の検討を含め、次の取組みを進める。
○高齢運転者対策及び自転車利用者対策の推進
  高齢運転者による交通事故を抑止するため、運転に必要となる記憶力、判断力等に関する検査の導入に向けた検討や高齢者講習の充実による安全運転の支援を行うとともに、高齢運転者標識の使用を促進する。
  また、自転車利用者の安全を確保するとともに、歩行者の安全を脅かし又はその円滑な通行を妨げる自転車への対策を強化するため、関係機関と連携し、生活道路事故抑止対策の推進、幼児用ヘルメット等の着用促進、自転車専用通行帯等による自転車の走行空間の確保、交通安全教育の推進、自転車利用者に対する指導取締りの強化等を行う。
○悪質・危険運転者対策等の推進
  悪質・危険運転者対策として、救護義務違反(ひき逃げ)の厳罰化について検討するとともに、運転免許証の偽造防止等を図るため、平成19年1月以降、運転免許証のICカード化を着実に進める。
  また、交通事故による被害軽減を図るため、後部座席シートベルトの着用の義務付けについて検討する。
○交通安全施設等整備事業の推進
  高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)の成立、現在実施中の社会資本整備重点計画の推進状況のフォローアップ等を踏まえ、関係機関と連携し、「あんしん歩行エリア」の整備を始めとする交通安全施設等整備事業を更に推進するとともに、次期社会資本整備重点計画の策定に向けた作業を進める。
 
7 治安基盤の強化
<緊急治安対策プログラムに基づき継続して実施する取組み>
 今後とも、緊急治安対策プログラムに基づき、「6 治安基盤の確立」「(2)留置施設の整備等」として、次の取組みを継続していく。
 ○留置施設の整備による過剰収容の解消
  ・ 過剰収容を解消するための警察署の新築等に伴う留置場の整備、単独留置場の建設等
 ○集中護送の推進等効率化の促進
  ・ 護送先の地検等の施設等諸条件が満たされている場合における集中護送車両の整備による集中護送
 また、「(3)治安関係機関との連携」として、次の取組みを継続していく。
 ○検察庁との連携による効率的な捜査運営等
  ・ 検察庁と連携した、司法制度改革に的確に対応するための捜査の在り方についての検討
 ○水際対策強化のための関係省庁との連携
  ・ 関係省庁との情報交換、共同捜査の推進等
  ・ 法務省、財務省、国土交通省、厚生労働省及び外務省との情報交換及び共同捜査の推進等
 ○自衛隊との連携強化
  ・ 自衛隊との共同図上訓練
 ○テロ防止のための関係省庁との連携等
  ・ 原子力関連施設、公共交通機関等の警備における国土交通省等との連携
 さらに、「(4)警察の業務の在り方の見直し等」として、次の取組みを継続していく。
 ○警察の業務の在り方の見直し
  ・ 捜査書類の作成に係る検討及びアウトソーシングの活用等の検討
 ○都道府県警察における関係機関との役割分担の確立
  ・ 都道府県及び市町村と連携した公共空間や住宅設備面での防犯対策の推進
  ・ 教育委員会との連携
  ・ 警察安全相談の充実に向けた関係機関等との連携強化
 ○ 国民に治安の確保のための協働について理解を求めるための施策
  ・ 犯罪捜査におけるインターネット、広報誌等各種広報媒体の活用
  ・ より積極的な広報啓発活動と内容の充実
 
 以上の対策を効果的に実施するためには、治安再生に向けた人的、物的及び制度的基盤の更なる整備が不可欠である。
(1) 人的基盤の整備
 警察活動は警察官を始めとする警察職員の人的資源にその基礎を置くものであり、依然厳しい犯罪情勢や国民の体感治安を踏まえ、次の取組みを進める。
○地方警察官の増員等
  1万人増員構想の確実な達成を図るとともに、警察庁職員等の所要の増員を図る。
  また、交番相談員、スクールサポーター等の配置を促進するとともに、交番相談員については、交番の勤務態勢に間隙(げき)を生じさせないよう配意しつつ、その職務範囲の拡大を検討するなど、質・量両面での非常勤職員の拡充を図る。
(2) 精強な第一線警察の構築
 職務執行を取り巻く環境がますます悪化しているとともに、本格的な大量退職時代の到来を間近に控えているなど、現場執行力の低下が懸念される情勢にあることから、精強な第一線警察を構築するため、次の取組みを進める。
○実践的教育等の充実強化
  資質の確保に配慮した新規採用に努めるとともに、指導体制の強化、実践的訓練に用いる資機材の整備等を図りつつ、採用時教育、昇任時教育等の警察学校での教育訓練及び警察署等の職場での教育訓練において、現場での対応及び捜査指揮に関する実践的教育を充実させる。
○装備資機材の開発、改善等
  改良型の警棒、伸縮式警杖(じょう)、防刃衣、防弾衣等の整備を進めるとともに、効果的かつ安全な職務執行を確保するための装備資機材の開発、改善等を更に進める。
(3) 被留置者の適正処遇環境の整備
 平成17年の被留置者の年間延べ人員は約547万人(1日平均約1万5,000人)と10年間で約2.0倍に増加し、過剰収容が深刻化している。こうした中、各留置施設では、留置担当官の制止に従わず大声や騒音を発するなどする被留置者が増加し、他の被留置者の適正な処遇の大きな妨げとなっていることから、次の取組みを進める。
○留置保護室の整備
  平成18年6月に改正された刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成17年法律第50号)に規定された留置保護室の整備等を通じ、留置担当官の制止に従わず、大声や騒音を発するなどする被留置者への対策を推進する。
(4) 情報セキュリティ対策の推進
 平成16年3月以降、相次いで複数の都道府県警察においてファイル共有ソフトを介した捜査資料等が流出したことを踏まえ、情報流出事案の絶無を期するため、次の取組みを進める。
○情報セキュリティ対策の推進
  高度なセキュリティを確保するための警察庁WANシステムの更新・拡充、外部記録媒体の自動暗号化の措置、情報セキュリティ対策の浸透状況、実効性等の不断の点検、平成19年度までに私有パソコンの公務使用を一掃するための都道府県警察と連携した取組みの推進等、情報セキュリティ対策の強化を図る。
(5) 国際社会との連携
 一国治安主義はもはや過去のものであり、相互依存を強める国際社会において犯罪やテロに対処するためには、関係国が協調して枠組みづくりを推進するとともに、相互に連携して対策を実施することが不可欠であることから、次の取組みを進める。
○G8司法内務閣僚会合等における国際的な枠組みづくり
  G8司法内務閣僚会合、G8ローマ/リヨン・グループ等における組織犯罪、テロ等の捜査及び防止に資する制度、官民協力による治安対策等の議論や治安関係条約等の締結交渉過程に主体的かつ戦略的に参画する。
○外国治安機関等との連携強化
  外国治安機関等との間で、実務者間の協議の開催、海外連絡担当官の派遣等の人的交流の促進、能力向上等を図るための国際協力、国際犯罪組織や国際テロ組織の摘発に向けた捜査協力等を推進するとともに、国際連合の統括等の下で行われる各種活動との連携に係る研究を更に進め、その在り方についての検討を深める。