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政策Cross Talk~テロ資金供与対策~

   警察庁では、国境を越えて広がるテロの脅威に対処するため、テロ組織の資金源を断つべく政策立案作業を進め、「国際テロリスト財産凍結法」の制定及び「犯罪収益移転防止法」の改正という形で結実させました。今回は、その中心的役割を果たしてきた2人の職員に政策形成の舞台裏について振り返っていただきました。


司会:初めに、今回のテーマ「テロ資金供与対策」についてどのような背景から政策立案が行われたのかお聞かせください。

松下:私は、「国際テロリスト財産凍結法」の制定を担当しました。2001 年に発生した米国同時多発テロ事件以降、テロ資金供与対策は国際社会における重要な課題の一つとなっており、これまで国連安保理において、各国に対しテロリストの財産を凍結することを求める累次の決議が採択されてきました。我が国はこれまで外国為替及び外国貿易法によりテロリストの財産の凍結を行ってきましたが、同法は対外取引を対象としており、テロリストが国内にいた場合の財産を凍結できる法制が整備されていない旨の指摘を受けていたため、今回の制定に至ったのです。

尾嵜:私は犯罪収益移転防止法を改正し、新しいマネー・ローンダリング対策を講ずることによって、テロ資金供与対策に関わりました。マネー・ローンダリングを放置すると、犯罪による収益が、将来の犯罪活動や犯罪組織の強化、あるいはテロの資金源として利用されるのはもちろん、健全な経済活動に悪影響を及ぼすこともあります。日本も、これまで国際的な基準に沿う形でマネー・ローンダリング対策を講じてきたのですが、一部に不十分な部分があったため、今回改正することになりました。

司会:今回の政策を実現するまでどのような困難があったのでしょうか。

尾嵜:現行の犯罪収益移転防止法では、金融機関等が取引を通じて収受した財産が犯罪収益である疑いがあったときは、これを「疑わしい取引」として所管官庁に届け出る必要があるのですが、今回の改正では、その際の金融機関等の判断の方法について新たに規定するため、現行法のどの部分に問題があるかを検討して、何度も条文案を書き直したり、銀行業界へ改正内容を説明するために何度も足を運んだりしました。また、外国の商慣行や規制は日本とは異なる部分も多く、国際的に整合性のあるマネー・ローンダリング対策を講ずる上では海外の文献等の資料を読み込む必要があったのですが、これには大変苦労しました。

松下:私も尾嵜君と同様、外国の制度をどのように日本に導入するかという点では非常に苦労しましたね。国際テロリスト財産凍結法は安保理決議の履行法という性質をもっていますが、国内にある財産を凍結する法制度は今まで存在しなかったんです。そのため、単に安保理決議を条文化するという作業ではなく、我が国の憲法や他法令との整合を図りつつ、国際社会が求める基準を満たし、かつ実効性を担保する必要がありました。

司会:政策が実行されることにより、社会に対してどのような影響やメリットが生じるとお考えでしょうか。

尾嵜:今回の犯罪収益移転防止法の改正により、金融機関や警察によるマネー・ローンダリング対策が推進され、暴力団やテロ組織の実態を解明したり、その資金源を断ったりする効果が一層上がると考えています。また、犯罪収益の隠匿が難しくなるということは、テロ資金供与対策という観点のみならず、私たちに身近な特殊詐欺やヤミ金融事犯の防止にも大きく役立つものでしょうね。

松下:あと、忘れてはならないのは2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会ですね。テロ対策はオリンピックを開催する上でも最重要課題の一つであり、あらゆる角度から対策を講じておくことで、円滑な大会運営ができるよう、万全を期す必要があります。

司会:政策が実現するに至った際の気持ちや達成感についてお聞かせください。

松下:検討を始めてから国会に提出するまで約2年もの期間を要しましたが、政府として法案を国会に提出することができたとき、また、国会において成立したときは、本当にうれしかったです。政府として長年の課題であり、これまでに前例のなかった法律ですからね。

尾嵜:私も実際に国会審議を本会議場で傍聴し、自分たちが条文作成等を担当した法案が目の前で可決される場面を見たときは、やはり感動しましたよ。一方、これから改正法の施行に向けて、やるべきことも山積しており、その意味では改めて身が引き締まる思いでもありました。

司会:今後の展望及び課題についてお聞かせください。

尾嵜:今回の法改正が、国際的に協調したマネー・ローンダリング対策の一環としてなされたことを踏まえれば、まずは国際社会に対して改正法の内容や日本の取組について十分に説明を行っていく必要がありますね。

松下:然のことながら、法律は作って終わりではなく、どのように運用するかも重要です。本法を活用するためにも、外国の治安情報機関や国内の関係機関と連携してテロ関連情報の収集・分析に努める必要もあります。

司会:最後に、今回の政策立案を振り返り、改めて警察庁における政策立案の特長について、どのようにお考えですか。

尾嵜:法律を立案するだけでなく、執行する現場での勤務も経験できることが大きな特徴だと思います。私も県警察で勤務しているときにマネー・ローンダリングの捜査に携わったり、銀行業界の方に捜査への協力を求めたりする中で、マネー・ローンダリング対策への問題意識は持っていましたが、今回の法改正ではその経験が生き、地に足の着いた政策立案ができたと思っています。

松下:今回の法制定に携わる以前にも幾度か法律改正の仕事を経験し、そのたびに感じてきたことですが、警察庁は、若手であってもこうした制度立案において自由に意見を言うことができ、その意見を受け入れてくれる組織です。また、警察庁で政策立案する際、一番大切なのは我が国の治安を守りたいという素朴で純粋な気持ちです。だからこそ、警察庁の政策は国民に支持され、目標を達成することができるのだと考えています。

警備局警備企画課理事官
松下 和彦
平成12年入庁
(役職は、平成27年4月当時のものです。)

組織犯罪対策部組織犯罪対策企画課課長補佐
尾嵜 亮太
平成17年入庁
(役職は、平成27年4月当時のものです。)



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