外事情報部
外事情報部(Foreign Affairs and Intelligence Department)は、平成16年4月、対外情報収集能力の強化と外国治安情報機関とのハイレベルな情報交換を行うことなどを目的に警察庁警備局内に設置された。「部」レベルの改廃を伴う組織改正は、平成6年7月に生活安全局等が設置されて以来、およそ10年ぶりであるが、その間、我が国を取り巻く外事情勢は、急激なまでのスピードとダイナミズムの中で、大きな変化を遂げてきた。平成13年9月11日に発生した米国における同時多発テロ事件は言うに及ばず、世界各地で多発するイスラム過激派を中心とする国際テロは、各国の治安にとって極めて深刻な脅威となっており、我が国を含め、それぞれの治安対策の有り様に大きな変革を迫っている。実際、我が国に対する脅威は、既に現実のものとなっており、数年前に世界を震撼させているテロ組織であるアル・カーイダの関係者が我が国への不法入国を繰り返していたことが確認されたほか、イラクにおける邦人被害に係る人質事件・殺害事件等、我が国の権益を直接対象としたテロ事件も発生している。他方、国内に目を転じてみると、平成14年9月17日に行われた第1回日朝首脳会談において、北朝鮮が拉致を認め、謝罪したことなどを契機に、北朝鮮による日本人拉致容疑事案の全容解明が極めて大きな国民的関心事となっているほか、最近も、中国やロシアによる我が国の先端科学技術の獲得を図った諜報(スパイ)活動が相次いで発覚するなど、依然として、国内で外国による諸工作が活発に行われている実態が明らかになった。
こうした情勢を踏まえ、警察庁では、外事情報部内に設置された外事課と国際テロリズム対策課が、それぞれの対応に当たっている。具体的には、外事課では、主に国内の外事的脅威への対応、すなわち、外国による諜報活動の発見・検挙、大量破壊兵器関連物資の不正輸出等による拡散の防止・検挙、外事対象の動向把握に係るインテリジェンス活動と分析等に加え、北朝鮮による日本人拉致容疑事案の捜査等を担当している。また、国際テロリズム対策課では、世界各国で発生している国際テロに関する情報収集・分析に加え、我が国における国際テロ対策の推進及び国際テロに関する取締り等に当たっている。こういった活動は、全国の都道府県警察外事担当部門の捜査官による地道な、それでいて堅強な活動や、外事情報部自身が国内外で行う外国治安情報機関との情報交換等によって成り立っている。 冷徹な知性とタフな精神力が要求されるこの世界も、常に柔軟で、熱い志を持った若者達の弛みない挑戦によって支えられている。我が国の外事警察を担わんとする、多くの方々の御参加を熱望する。 |