
ICPOの沿革
1 国際刑事警察会議:1914年(大正3年)
ICPOの歴史は、1914年に始まる。同年、モナコ市において第1回国際刑事警察会議(Inter Police Congress)が開かれ、14 か国の警察官らが参加した。同会議では、世界の刑事警察の連携、犯罪情報と科学捜査技術の交流を図るための国際組織の創設等が討議された。
2 国際刑事警察委員会の創設:1923 年(大正12年)
1923年、ウィーンにおいて第2回国際刑事警察会議が開かれ、20 か国の警察の長が参加し、国際刑事警察委員会(ICPC-International Criminal Police Commission)の創設が決められた。ICPCは、本部をウィーンに置き、1938年(昭和13年)には、会員国が34か国となったが、第2次世界大戦中は活動が事実上中断された。
3 国際刑事警察委員会の活動再開:1946年(昭和21年)
1946年、ブリュッセルにおいて第15回ICPC総会が開催され、17か国が参加した。同総会では、新たな規約が採択され、本部をウィーンからパリに移して、ICPCの活動を再開することが決められた。新規約では、ICPCを各国の代表である正会員と総会が選出する特別会員により構成すること、参加国に国家中央事務局を常設し、国際犯罪者に関する情報の提供、偽造犯罪に関する情報の収集・提供等の任務を行うことが定められた。
4 国際刑事警察機構の発足:1956 年(昭和31年)
1956 年、ウィーンにおいて開かれた第25回ICPC総会は、新たな国際協力の要請に応えるため、ICPCを発展的に解消することとし、国際刑事警察機構(ICPO)設立の憲章を採択した。ICPOは、57か国・地域の警察機関を構成員として発足して以来、今日まで発展を続けており、2007年(平成19年)12月末現在の加盟国数は、186 か国・地域となっている。
5 他の国際機関等との関係
ICPOは、犯罪対策及び公共の安全の維持のため、国際連合を始めとする他の国際機関との協力を促進している。
(1) 国際連合との関係
ICPOは、従来は、国連経済社会理事会の諮問機関であったが、1971年(昭和46年)5月 の第1769回経済社会理事会本会議において、経済社会理事会とICPOとの間の特別協定が承認され、これにより、経済社会理事会及びその下部機構が招集する会議並びにICPOが主催する会議での相互のオブザーバー派遣等が行われるようになった。
また、1996年(平成8年)10月の第51回国連総会において、我が国やスウェーデンなどの共同提案により、ICPOの国連総会でのオブザーバー資格が認められることとなった。
さらに、1997年(平成9年)7月には、アナン国連事務総長(当時)と兼元ICPO総裁(当時)がニューヨークの国連本部において、国際犯罪に関してICPOと国連が相互に協力することを定めた協定に署名し、国際的な連携を強化することで合意した。
このほか、国連の下部機構である国連犯罪防止刑事司法委員会、国連薬物統制計画(UNDCP)、国際民間航空機関(ICAO)、国際電気通信連合(ITU)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、世界保健機関(WHO)等とも協力を行っており、協力協定の締結、専門性の高い分野での研修への相互参加等を行っている。また、2004年(平成16年)11月から国連へICPOの特別代表を派遣し、事務所を開設している。
(2) 他の国際機関との関係
ICPOは、世界税関機構(WCO)、欧州評議会 (CE)等の国連以外の国際機関や地域的な警察協力機構(ユーロポール、アセアナポール等)、さらに犯罪防止に関係する非政府機関との情報交換等の協力を行っている。
(3) フランスにおける本部協定
1982年(昭和57年)12月、ICPOとフランス政府との間の新本部協定を承認する法律がフランス議会を通過した。 新本部協定は、(1) ICPO本部の不可侵、(2) 機構の訴訟手続の免除、(3) 機構の内部規則の制定権、(4) 機構の文書の不可侵、(5) 事務総長に対する外交特権と免除、(6) 機構の職員の任務遂行中の行為に関する訴訟手続の免除等を定めており、これにより、ICPOは、フランス国内において政府間機関並みの特権及び免除を享受している。
なお、 事務総局の下部機関が置かれているタイ、アルゼンチン、エルサルバドル、コートジボアール、 ジンバブエ及びケニアからも、 ほぼ同様の特権及び免除が付与されている。
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