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第3章 刑事手続への関与拡充への取組

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1 刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備等(基本法第18条関係)

トピックス 「被害者参加制度」の利用状況について

被害者参加制度は、「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律」により創設された。

同制度は、平成20年12月1日から施行され、30年12月にその施行から10年を迎えた。

そこで、このトピックスでは、同制度のこれまでの利用状況を紹介する(別表参照)。

○ 被害者参加制度の利用数について

被害者参加制度の利用者数は、30年末までで累計1万1,471名(ただし、30年の人員数については速報値。以下同じ。)となっている。各年の推移をみると、21年の利用者数は、560名であったが、その後、25年頃まで利用者数は増加していき、26年には一旦減少したものの、27年以降は概ね1,400名前後の利用数となっている。

○ 被害者参加弁護士の選定状況について

被害者参加人の委託を受けた弁護士(被害者参加弁護士)は、刑事訴訟法第316条の34ないし同法第316条の38に定める種々の行為について、その委託を受けた範囲でこれを行うことができる。

そして、被害者参加人は、犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第11条1項に定める要件を満たす場合、当該被告事件の係属する裁判所に対し、被害者参加弁護士を選定することを請求することができることとされている(国選被害者参加弁護士)。

このような、国選被害者参加弁護士を含めた弁護士委託をした被害者参加人の人員数は、30年末までで累計8,484名となっており、このうち、国選被害者参加弁護士が選定された被害者参加人の人員数は、累計4,189名となっている。弁護士委託をした被害者参加人の人員数は、21年は367名であったが、28年に1,102名となるまで年々増加し、その後は概ね1,100名前後となっている。また、国選被害者参加弁護士が選定された被害者参加人の人員数については、21年には131名であったが、28年には580名となり、その後は概ね600名前後となっている。

○ その他の制度の利用数について

  • 以上のほか、被害者参加人のうち、30年末までで、証人尋問をした人員数は、累計2,148名となっており、被告人質問をした人員数は、累計5,343名となっている。前者については、21年については130名であったが、22年以降は176名から269名の間で推移している。後者については、21年には344名、22年には484名であったが、25年以降は概ね600名前後で推移している。
  • また、刑事訴訟法第316条の38に定める被害者参加人等による弁論としての意見の陳述をした被害者参加人は、30年末までで累計5,610名となっており、被害者参加人のうち、刑事訴訟法第292条の2に定める被害者等の意見の陳述をした人員数は、30年末までで累計7,790名となっている(なお、前者の意見の陳述は、事実又は法律の適用についての意見を、後者の意見の陳述は、被害に関する心情その他の被告事件に関する意見の陳述をするものとされている。)。
  • 被害者参加人については、刑事訴訟法第316条の39に定める要件を満たす場合、付添いの措置や遮へいの措置をとることができるとされている。30年末まででこれらの措置がとられた人員数については、前者が累計730名、後者が累計1,851名となっている。

(別表)

通常第一審において被害者参加の申出があった事件の状況
(地・簡裁総数)
終局人員数  
参加を申し出た被害者等  
うち参加を許可された被害者等 うち弁護士委託の届出があった被害者等   うち証人尋問をした被害者等 うち被告人質問をした被害者等 うち刑訴法316条の38の意見陳述をした被害者等 うち刑訴法292条の2の意見陳述をした被害者等 うち付添いの措置がとられた被害者等 うち遮へいの措置がとられた被害者等
うち国選弁護士への委託がされた被害者等
平成21年 403 571 560 367 131 130 344 288 359 24 50
平成22年 588 849 839 557 272 217 484 428 522 40 115
平成23年 586 914 902 632 275 176 459 454 591 30 104
平成24年 660 1,023 1,002 677 324 193 475 479 639 38 95
平成25年 811 1,306 1,297 873 410 257 596 605 833 47 147
平成26年 821 1,241 1,227 951 462 261 587 596 804 93 195
平成27年 916 1,393 1,379 1,081 533 269 604 687 938 87 249
平成28年 982 1,417 1,400 1,102 580 228 629 708 1,010 107 258
平成29年 908 1,389 1,380 1,060 553 196 560 667 1,020 115 276
平成30年 1,022 1,490 1,485 1,184 649 221 605 698 1,074 149 362
(注)
1 「終局人員数」は、終局した被告人の人員数であり、実人員である。
2 被害者等の数は、延べ人員である。
3 平成30年の数値は、速報値である。

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