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第4節 生活上の問題

犯罪被害者等は,犯罪等に遭ったその時点で受ける損害だけでなく,働き手を失ったことによる収入の途絶や長期の療養や介護のための費用負担などにより,様々な経済的負担を負う。また,自宅が事件現場になるなどして,住居を移す必要が生じたり,犯罪被害後に被害者等が置かれている状況等についての無理解等から,雇用関係の維持に困難を来すことも少なくない。

ここでは,犯罪被害者等が再び平穏な生活を営むことができるようになる過程で生じる,生活上の様々な問題解決に資するものとして,社会福祉一般,雇用に関する問題,公営住宅への優先入居等,経済的な問題に関する主な相談先を紹介する。

1 社会福祉一般

○ 一般的な相談

【相談先整理番号36】

福祉事務所(社会福祉法に基づき都道府県及び市(特別区を含む。)が設置。町村は任意で設置)又は町村の社会福祉担当課が,生活困窮者,児童,高齢者,身体・知的・精神障害者等の福祉に関する相談に応じている。

  • 福祉事務所(http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/fukusijimusyo-ichiran.html)
  • 町村の社会福祉担当課(福祉事務所が設置されていない場合)

○ 民生委員・児童委員に関する相談

【相談先整理番号37】

地域の民生委員・児童委員の連絡先は,各市区町村の民生委員・児童委員担当課に問い合わせることができる。

高齢者や障害者への支援が必要なとき,子育てや介護での心配や不安といった困ったことがあるときは,地域の民生委員・児童委員(民生委員は,民生委員法に基づいて厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員。また,全ての民生委員は児童福祉法によって児童委員も兼ねている。)が相談に応じており,必要であれば福祉制度や子育て支援サービスを受けられるように関係機関へつなぐ役割を果たしている。

  • 市区町村の民生委員・児童委員担当課
民生委員・児童委員の具体的な活動内容
機能 実例
社会調査 K市の民生委員・児童委員協議会では,配食サービスの協力や声かけ,安否確認などの活動を通して住民の実態やニーズを日常的に把握するよう取り組んでいる。
相談 その中で,民生委員・児童委員のEさんは,ある90歳の方のお宅を訪問した際,家族から,自宅で介護を続けたいが心身ともに疲労しているので何とかしたいと相談があり,ゆっくり話を聞いた。
情報提供 家族の希望にそって,介護保険制度で利用できるホームヘルプサービスやショートステイ等のサービスについて情報提供した。
連絡通報 その後,Eさんは,本人と家族の申し出により市の窓口に連絡し,サービスを受けるために必要な対応を依頼した。
調整 また,介護保険制度にはない通院の送迎などのニーズに対し,サービスを利用できるよう社会福祉協議会の事業やボランティア活動利用の調整をした。
生活支援 家族が外出する時には,近所やボランティアグループと連携して留守中の見守りを行うなど,自らも支援するとともに,家族だけでは対応しきれない事柄に対して,解決に取り組んだ。
意見具申 市の民生委員・児童委員協議会では,各委員の訪問活動を通じて,在宅で介護している家族への支援の必要性を知り,問題点を取りまとめるとともに,家族がゆっくり休めるようなプログラムを行政,社会福祉協議会,ボランティア,民生委員・児童委員協議会等が協力して実施してはという意見を市に提起した。
提供:厚生労働省

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