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コラム7 預保納付金を用いた犯罪被害者等の支援事業の開始について

振り込め詐欺救済法(※1)に基づく預保納付金(※2)の具体的使途については,金融庁,内閣府,財務省の3政務官で構成される「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム(以下「PT」)」の最終取りまとめ(「預保納付金の具体的な使途について」)において,<1>犯罪被害者等の子供に対する奨学金貸与,<2>犯罪被害者等支援団体に対する助成の両事業に支出することが決定されました(※3)。両事業の担い手については公募を実施し,PTにおいて,担い手の公募に参加した者の中から「公益財団法人 日本財団」を当該事業の担い手として決定し,平成24年12月18日より,両事業が開始されました。

ここでは,上記両事業の制度概要等について説明します。(両事業の詳細につきましては,「公益財団法人 日本財団」までお問い合わせください(※4)。)

1.犯罪被害者等の子供に対する奨学金貸与制度

犯罪被害者等に対して適用される既存の経済的支援制度としては,国による犯罪被害給付制度があり,被害者本人や遺族に対して一時金が支給されるほか,障害・遺族年金や生活保護等,犯罪被害者等に特化せず国民一般に適用される制度も存在しています。しかしながら,犯罪被害者本人が生計を担う者であった場合等は,これらの制度による支援を受けたとしても,日常の生活費に加え,十分な額の子供の教育費を支出することは,なお困難な場合があることも想定されることから,これらの方々の更なる支援のため,犯罪被害者等の子供に対する奨学金制度を創設しました。

具体的には,奨学金を受けた犯罪被害者の子供の社会的自立を促すという観点や,制度の持続的運用の観点等から,無利子での貸与方式(以下の金額を上限として,1 万円単位で自由に設定できます。)とし,返済期間は30年となっております。

・大学院に在学する奨学生

月額:10万円

入学一時金:30万円

・大学,高等専門学校4年以上の学年又は専修学校専門課程に在学する奨学生

月額:8万円

入学一時金:30万円

・高等学校,高等専門学校3年以下の学年又は専修学校高等課程に在学する奨学生,特別支援学校高等部に在学する奨学生

国立・公立の場合:月額3万円

私立の場合:月額5万円

国立・公立への入学一時金:6万円

私立への入学一時金:25万円

2.犯罪被害者等支援団体に対する団体助成制度

犯罪被害者等の支援ニーズは多岐にわたるため,実際の支援においては,国のみならず,被害者支援のノウハウが蓄積されている民間の犯罪被害者等支援団体による迅速かつ柔軟で,継続的な支援活動が必要です。

犯罪被害者等支援団体が行う支援の内容は,行政主導の公的な支援ばかりではなく,病院等への付き添いや自宅訪問など多岐にわたりますが,犯罪被害者等支援団体は非営利団体であるため,どうしても財政基盤が脆弱になりがちです。当該団体助成制度は,そのような財政基盤が脆弱なために犯罪被害者等支援を十分に行うことができない団体を中心に助成を行うものです。


※1 正式名称:犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律
※2 預保納付金とは,振り込め詐欺救済法の被害者救済手続を経ても,被害者からの返金申請がなされなかった等の理由により,被害者にお返しすることができなかった残金で,預金保険機構に納付されている金銭を指し,平成25年2月末時点において約53.5億円となっています。
※3 両事業の内容を盛り込んだ,「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律第二十条第一項に規定する割合及び支出について定める命令」が平成24年3月21日に公布,同年4月1日より全面施行されました。
※4 日本財団の問合せ先
公益ボランティア支援グループ 預保納付金事業チーム
電話番号:03-6229-5161
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