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コラム6 犯罪被害者支援要綱について

1 犯罪被害者支援要綱の制定経緯

警察庁では、第2次犯罪被害者等基本計画(以下「第2次基本計画」という。)が閣議決定されたことを機に、平成8年2月に制定した被害者対策要綱(以下「対策要綱」という。)を見直し、第2次基本計画に盛り込まれた警察関係施策の推進要領を中心として、警察独自の施策の推進要領を加え、23年7月7日、犯罪被害者支援要綱(以下「支援要綱」という。)を制定しました。

2 支援要綱の概要

支援要綱の「第1総則」として、目的、基本理念、犯罪被害者支援の重点、推進体制及び犯罪被害者支援推進計画の策定について規定したほか、「第2 具体的な施策」として、第2次基本計画の「5つの重点課題」に沿って項目を立て、警察が行う犯罪被害者支援施策の具体的推進要領を規定しました。これは、第2次基本計画との関係において、警察の行う犯罪被害者支援の内容をより分かりやすい形に整理したものです。

(1) 目的

支援要綱は、第2次基本計画を踏まえ、警察による犯罪被害者支援を一層充実させるため、第2次基本計画の計画期間である平成27年度末までのおおむね5年間において、特に講ずべき具体的施策を示すことなどを目的としており、今後新たな犯罪被害者等基本計画の策定と併せ、支援要綱の内容を見直すことにしています。

(2) 犯罪被害者支援の重点

対策要綱や現在推進している犯罪被害者支援の現状等を踏まえ、警察が行う犯罪被害者支援の重点的な対象を性犯罪、殺人、傷害致死及び重大な交通事故事件に係る犯罪被害者としたほか、その後の健全育成の観点から犯罪被害を受けた少年についても支援の重点的な対象として規定しました。

なお、支援要綱では、「犯罪被害者」を「犯罪(刑事事件として立件されていない犯罪及び犯罪に類する行為を含む。)による被害を受けた者又はその遺族」と規定していますが、施策の内容に応じ、「被害を受けた者の家族」に対する支援についても積極的に行うこととしています。

(3) 犯罪被害者支援推進計画の策定

警察庁において、支援施策の効果を点検し、必要に応じて施策の見直しを行い、毎年度犯罪被害者支援推進計画を策定することを規定したほか、都道府県警察においても、警察庁の計画を踏まえ、都道府県の実情に応じた計画を策定することを規定しました。

なお、警察庁では、9年度から被害者対策推進計画(平成21年度計画から「被害者支援推進計画」に、23年度計画から「警察庁犯罪被害者支援推進計画」に題名変更)を策定しているほか、各都道府県警察においてもそれぞれ独自の計画を策定しています。

犯罪被害者支援要綱と警察庁犯罪被害者支援推進計画の位置付け

3 具体的な施策

(1) 損害回復・経済的支援への取組

犯罪被害者が直面している経済的困難を打開するため、犯罪被害者の損害の回復や経済的に支援するための取組として

  • 損害賠償請求制度等に関する情報提供の充実
  • 暴力団犯罪による被害の回復の支援の充実
  • 犯罪被害給付制度の運用改善
  • 医療費等の負担軽減

などの施策を掲げ、その推進要領を規定しました。

(2) 精神的・身体的被害の回復・防止への取組

犯罪被害者の精神的・身体的な被害に対して、これを回復・軽減し、又は防止するための取組として

  • 性犯罪被害者に対するカウンセリングの充実
  • 被害少年が受ける精神的打撃軽減のための継続的支援の推進
  • 子どもを対象とする暴力的性犯罪の再犯防止
  • 再被害防止措置の推進
  • 保護対策の推進
  • 再被害防止に向けた関係機関との連携の充実
  • 女性警察官の配置等

などの施策を掲げ、その推進要領を規定しました。

(3) 刑事手続への関与拡充への取組

事件の当事者である犯罪被害者が、刑事に関する手続や少年保護事件に関する手続に適切に関与できるようにするための取組として

  • 医療機関における性犯罪被害者からの証拠採取等の促進
  • 刑事手続等に関する情報提供の充実
  • 捜査に関する適切な情報提供等
  • 交通事故事件捜査の体制強化等

の施策を掲げ、その推進要領を規定しました。

(4) 支援等のための体制整備への取組

被害直後から様々な困難に直面する犯罪被害者が、再び平穏な生活を営むことができるよう、継ぎ目のない支援体制を構築するための取組として

  • 指定被害者支援要員制度の活用
  • 相談体制の充実等
  • 地域警察官による犯罪被害者への訪問・連絡活動の推進
  • ストーカー事案、配偶者からの暴力事案への適切な対応
  • 関係機関・団体との連携の強化等
  • 被害者支援連絡協議会及び被害者支援地域ネットワークにおける連携の推進

などの施策を掲げ、その推進要領を規定しました。

(5) 国民の理解の増進と配慮・協力確保への取組

犯罪被害者が置かれた状況、犯罪被害者の名誉又は生活の平穏への配慮の重要性等についての国民の理解を深め、犯罪被害者への配慮と犯罪被害者のための施策への協力を確保するための取組として

  • 中学生・高校生を対象とした「命の大切さを学ぶ教室」の開催等
  • 様々な広報媒体を通じた犯罪被害者支援施策に関する広報の実施
  • 交通事故被害者の声を反映した国民の理解増進
  • 犯罪被害者の個人情報の保護に配慮した犯罪発生状況等の情報提供の実施

の施策を掲げ、その推進要領を規定しました。

4 警察庁ホームページへの掲載

支援要綱及び24年度警察庁犯罪被害者支援推進計画は、対策要綱とともに、警察庁ホームページ(警察による犯罪被害者支援ホームページ)に掲載していますので、ご覧ください。

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