第1節 損害回復・経済的支援等への取組


(7) 保険金支払いの適正化等

金融庁において、各保険会社における保険金支払管理態勢整備などの状況の検証を行っているほか、苦情・相談として寄せられる情報を活用して、保険会社の検査・監督を行っている。保険金の不払いが認められた保険会社に対しては業務停止命令などを発出するなど、保険会社側に問題があると認められる業務・運営については適切な対応を行っている。

国土交通省において、自賠責保険に関し、保険会社などへの立入検査や指示などにより、保険金支払の適正化を図っている。また、自賠責保険金の支払いなどに関する紛争処理のため、「自動車損害賠償保障法」(昭和30年法律第97号)に基づく指定紛争処理機関である財団法人自賠責保険・共済紛争処理機

構(http://www.jibai-adr.or.jp/)に対し、紛争処理業務に要する経費の一部を補助している。同機構では、自動車事故による被害者等の紛争処理申請に基づき、弁護士や医師などが支払内容を審査し、調停を行っている。平成14年度で161件あった紛争処理件数は、19年度では、656件となっている。

また、国土交通省においては、自動車事故による被害者等が適切な損害賠償を受けられるよう、自動車事故に関する法律相談、示談あっ旋事業などを無料で行う財団法人日弁連交通事故相談センター(http://www.n-tacc.or.jp/)に対して支援を行っている。平成19年度は、相談所を全国148か所(うち35か所で示談あっ旋を実施)、延べ8,335日開設し、3万4,780件の事故相談を受け付け、自動車事故の損害賠償問題の適正かつ迅速な解決への支援を行っている。

さらに、自賠責保険による損害賠償を受けることができないひき逃げや無保険車などによる事故の被害者に対しては、「自動車損害賠償保障法」に基づく政府保障事業によって、本来の賠償責任者である加害者などに代わり、政府が直接その損害のてん補を行っている(国土交通省ホームページ「自賠責保険ポータルサイト」:http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/accident/nopolicyholder.html)。

平成19年度の損害てん補件数は2,817件であった。


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