第1部 犯罪被害者等のための施策と進捗状況

第2章 犯罪被害者等のための具体的施策



(40) 犯罪の発生直後からの総合的・横断的な支援活動の展開

 警察において、指定された警察職員が事件発生直後から犯罪被害者等に付き添う等するとともに携帯電話等により当該犯罪被害者等からの相談等に対応する「指定被害者支援要員制度」の積極的運用、部内のカウンセラー等による相談・精神的ケアや部外の精神科医等への紹介、犯罪被害者等早期援助団体が積極的に介入することを可能にするための当該団体への情報提供、及び生活・医療・裁判等多岐にわたる分野の関係機関・団体等による横断的な支援活動を実施するための被害者支援連絡協議会の活用等により、犯罪の発生直後から、被害の回復・軽減、再発防止等のための支援活動が総合的・横断的かつ充実して展開されるよう努めることとされた。

 犯罪被害者等早期援助団体や被害者支援連絡協議会を始めとする関係機関・団体、関係府省庁等との連携を図り、犯罪の発生直後から、被害の回復・軽減、再発防止等のための支援活動が総合的・横断的かつ充実して展開されるよう努めている。

(41) 犯罪被害者等である児童生徒が不登校になった場合における継続的支援の促進

 文部科学省において、犯罪被害者等である児童生徒が不登校になった場合、当該児童生徒に対し、教育委員会が設置する教育支援センター(適応指導教室)がカウンセリングや学習指導等を行い、学校復帰等のための継続的な支援を促進することとされた。

 平成15年度から「スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業」を実施し、教育支援センター(適応指導教室)等の中核的機能の整備を実施するとともに、不登校に関する全国的な情報交換や講演を行う「全国不登校フォーラム」及び「スクーリング・サポート・センター全国協議会」を開催し、教育支援センター(適応指導教室)等が不登校になった児童生徒に対し適切に支援していけるよう必要な情報提供を行っている。

(42) 犯罪被害者等である児童生徒が問題を抱えるに至った場合における継続的支援の促進

 文部科学省において、犯罪被害者等である児童生徒が問題を抱えるに至った場合、当該児童生徒に対し、学校、教育委員会、警察署、児童相談所、保健所等の関係機関の実務担当者がサポートチームを形成する等連携して継続的に行う対応を促進することとされた。

 平成16年度から「問題行動に対する地域における行動連携推進事業」を実施し、問題行動を起こす個々の児童生徒に着目して的確な対応を行うため、学校、教育委員会、関係機関から成るサポートチームの組織化等、地域における支援システム作りを行っている。さらに、警察庁と共催により「問題行動に対する連携ブロック協議会」を開催し、同事業の普及を促進している。

(43) 日本司法支援センターによる長期的支援

 日本司法支援センターにおいて、総合法律支援法(平成16年法律第74号)に基づき、被害を受けたときからの時間経過の長短を問わず、犯罪被害者等の支援に精通した弁護士の紹介等も含めた様々な情報等の提供を通じた支援を行うこととしている。

 なお、平成18年4月10日に日本司法支援センターを設立し、同年10月2日から業務を開始している(日本司法支援センターホームページ:http://www.houterasu.or.jp/)。

(44) 海外における邦人の犯罪被害者等に対する情報提供について周知

 外務省において、海外で邦人が犯罪等による被害に遭った場合、邦人犯罪被害者等の要望を踏まえ、在外公館(大使館、総領事館)が現地における弁護士や通訳・翻訳者等に関する情報の提供を行っていることについて、更に周知することとされた。

 海外にて邦人が犯罪被害者になった場合には、従来より、在外公館において、現地における弁護士や通訳・翻訳者等に関する情報を提供している。また、上記に加え、被害の状況及び邦人犯罪被害者等の要望に応じて、以下の案内・助言や支援を行っている。

 《1》 現地警察への被害届出手続

 《2》 現地の医療機関情報(日本人がよく利用する病院や日本語の通じる医師の紹介等)

 《3》 保険会社、緊急移送等にかかわる業者の連絡先・手続

 《4》 盗難・紛失等により所持金を失った場合の手続

 《5》 家族への連絡(重傷等で被害者本人が連絡できない場合)

 《6》 海外で行方不明になった場合の捜査・捜索等現地警察等への届出手続

 《7》 家族が現地に向かう場合の旅券の緊急発給

 《8》 死亡事件・事故の場合、死亡に関する諸手続、遺体の確認、葬儀、遺体の搬送等

 犯罪被害者等基本計画の決定を踏まえ、海外において邦人が犯罪被害者となった場合に在外公館が提供している情報及び支援を、国民に対し更に周知するよう、同情報が掲載されているパンフレットや映像媒体等の改訂・更新にあわせて、同情報を見やすく、分かりやすくするよう努めている。

 平成18年3月には、「海外で困ったら~大使館・総領事館のできること~」の増刷に際し、一部記載及び構成を変更するとともに、新パンフレットを海外安全ホームページ(外務省ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_02.html)に掲載した。

▼海外で困ったら ~大使館・総領事館のできること~

海外で困ったら ~大使館・総領事館のできること~

出典:外務省ホームページ



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