第1部 犯罪被害者等のための施策と進捗状況

第1章 犯罪被害者等施策の総合的かつ計画的な推進の枠組み


第1節  政府全体の推進体制の概略

(1) 犯罪被害者等施策推進会議

 犯罪被害者等のための施策は、相互に密接に関連しており、その実施を図るためには、犯罪被害者等の意見に随時耳を傾けつつ、犯罪被害者等のための施策全体の中における位置付けを認識し、府省庁間の連携を十分にとり、施策相互の実施状況を照らし合わせながら企画立案を行ったり、複数の施策を調和的に実行していくことが必要である。

 基本法施行に伴い、内閣府に、特別の機関として、犯罪被害者等施策推進会議が置かれた。推進会議の所掌や組織については、前述「我が国における犯罪被害者等施策の経緯等」第3章第1節2を参照

(2) 基本計画推進専門委員等会議

 基本計画策定後の平成18年4月、推進会議における基本計画の効果的な推進、並びに犯罪被害者等のための施策の実施の状況の検証、評価及び監視を補佐するため、推進会議の下に、会長である内閣官房長官が指名する委員及び専門委員から成る基本計画推進専門委員等会議(以下「専門委員等会議」という。)が設置された。

 専門委員等会議は、基本計画に盛り込まれた258の施策の実施状況及び検討状況の総合的な監視を行うとともに、基本計画の「V 重点課題に係る具体的施策」の「経済的支援を手厚くするための制度のあるべき姿及び財源に関する検討並びに施策の実施」(第1の2.(3))、「どの関係機関・団体等を起点としても、必要な情報提供・支援等を途切れることなく受けることのできる体制作りのための検討及び施策の実施」(第4の1.(3))、「民間の団体に対する財政的援助の在り方の検討及び施策の実施」(第4の3.(1))を実施するためにそれぞれ開催される「経済的支援に関する検討会」、「支援のための連携に関する検討会」及び「民間団体への援助に関する検討会」相互の連携及び議論の整合性を確保するための調査審議を束ねる役割を担っている。

(3) 犯罪被害者等施策関係省庁連絡会議

 いわゆる「地下鉄サリン事件」(平成7年3月に発生)等を契機として、犯罪被害者の受ける様々な被害、とりわけ精神的被害の深刻な実態について社会的な関心が高まったことから、平成11年11月、犯罪被害者対策に係る問題について、関係省庁の緊密な連携を確保し、政府として必要な対応を検討するため、「犯罪被害者対策関係省庁連絡会議」が設置された。

 平成12年3月30日、「犯罪被害者対策関係省庁連絡会議報告書~犯罪被害と当面の犯罪被害者対策について~」がとりまとめられ、その後も各省庁における犯罪被害者対策の取組状況についてフォローアップしてきた。

 平成16年12月に成立した基本法の施行と併せて、平成17年4月、犯罪被害者等施策に係る問題について、関係府省庁等の緊密な連携を確保するため、「犯罪被害者対策関係省庁連絡会議」に代わり、新たに「犯罪被害者等施策関係省庁連絡会議」(以下「関係省庁連絡会議」という。)を随時開催することが申し合わされ、基本計画に盛り込まれた施策を含め、犯罪被害者等施策に係る関係府省庁間の連絡調整等を担っている。



目次 << 前の項目に戻る 次の項目に進む >>