我が国における犯罪被害者等施策の経緯等 -年次報告書の第1回の作成に当たって-

第1章 基本法制定以前の取組


○ 昭和20年代後半から昭和30年代前半にかけて、刑事訴訟法の改正、自動車損害賠償保障法の制定、刑法の改正。

○ 昭和49年8月30日に発生した、いわゆる三菱重工ビル爆破事件を契機とし、犯罪被害者等に対する補償制度を求める議論が高まり、昭和55年5月1日、犯罪被害者等給付金支給法を制定。「犯罪被害者等のため」という視点を正面に据えた施策として、新たな性格。

○ 平成8年2月1日、警察庁による「被害者対策要綱」の制定。また、平成11年4月には、検察庁において、全国統一の制度として被害者等通知制度を実施。

○ 平成8年11月、政府に「犯罪被害者対策関係省庁連絡会議」が設置され、平成12年3月30日、「犯罪被害者対策関係省庁連絡会議報告書~犯罪被害と当面の犯罪被害者対策について~」をとりまとめ。

○ 平成12年5月12日、いわゆる犯罪被害者等保護二法として、刑事訴訟法及び検察審査会法の一部改正と、犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律の制定。刑事手続の中で犯罪被害者等の心情などに適切に配慮するとともに、その被害の回復に役立つ措置を導入することを内容とするもの。また、同年11月に、少年法等の一部を改正する法律が成立、少年保護事件に被害者等の申出による意見の聴取の制度などを導入。

○ 平成13年4月6日、犯罪被害者等給付金支給法の一部を改正する法律が成立し、犯罪被害給付制度の拡充のほか、警察本部長等の被害者等に対する援助措置や犯罪被害者等早期援助団体の指定の新設。

○ 1990年代以降、犯罪被害者等のための施策は新たな分野に拡大し、飛躍的に展開が進み、犯罪被害者等から一定の評価を得た一方、その後も依然として犯罪被害者等に対する支援の不足が指摘され、刑事司法における犯罪被害者等が置かれている立場に対する不満が表明されるなど、更なる施策の進展へのニーズが存在。



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