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犯罪被害者等施策
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犯罪被害者等基本計画検討会(第7回)議事録


(開催要領)

日時:平成17年8月2日(火)16時00分~17時48分
場所:合同庁舎4号館4階共用第2特別会議室
出席者:
  座長代理山上 皓東京医科歯科大学難治疾患研究所教授
  構成員井上 正仁東京大学大学院法学政治学研究科教授
  同大久保 恵美子社団法人被害者支援都民センター事務局長
  同岡村 勲全国犯罪被害者の会代表幹事
  同久保 潔読売新聞東京本社論説委員兼編集委員
  同中島 聡美国立精神・神経センター精神保健研究所成人精神保健部成人精神保健研究室長
  同山田 勝利弁護士
  同加地 隆治内閣府犯罪被害者等施策推進室長
  同片桐 裕警察庁長官官房総括審議官
  同荒木 慶司総務省大臣官房総括審議官
  同河村 博法務省大臣官房審議官
  同太田 俊明厚生労働省政策統括官(労働担当)
  代理出席瀧口 敬二国土交通省総合政策局政策課長
  協力者小田 公彦文部科学省大臣官房総括審議官

※ 村田吉隆犯罪被害者等施策担当大臣は、犯罪被害者等基本計画検討会の招集者として出席。


(議事次第)

 1. 開会

 2. 村田大臣あいさつ

 3.骨子案まとめの検討について

 4.今後の日程について

 5 その他

 6.閉会

<附属資料> ※資料のリストが別ウィンドウで開きます。






○事務局(加地内閣府犯罪被害者等施策推進室長) それでは、ただいまから第7回犯罪被害者等基本計画検討会を開催いたします。村田大臣からご挨拶をいただきます。お願いします。

○村田大臣 8月に入りましたけれども、今日も皆様方におかれましては、暑い中この検討会にご参加をいただきまして本当にありがとうございました。
 今回で7回目を迎えるわけでございますけれども、本日の会議では、来週中にも開催予定の犯罪被害者等施策推進会議に提出します骨子案について、これまで検討を重ねてきた結果をもとにご議論をいただきたいと思います。本当に短い期間で精力的に、皆様方もご自分の普段のお仕事をされながら、文書を読んでいただき、ご意見を出されて、この会議にご参加をいただいたことに対しまして厚く感謝を申し上げたいと思います。とりまとめたものは、座長代理から報告をしていただくということになると思いますが、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。いずれにしましても、この骨子案がこれまでの議論の成果になるわけでございますから、本日も皆様方からご意見をたくさんいただいて、より良いものにしたいと考えておりますので、どうかひとつよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

○事務局 本日は、小西構成員はご都合がつかないということでご欠席でございます。それから、構成員の異動がございましたので、ご紹介をいたします。皆様のお手元に構成員の名簿をお配りいたしております。ご覧いただきたいと思いますが、国土交通省の人事異動に伴いまして、構成員が交代をされました。平山構成員でございます。なお、本日付の異動でございまして、本日は代理出席ということでございます。
 それでは、本日も山上座長代理に司会をお願いいたしたいと思います。

○山上座長代理 宮澤座長にかわりまして司会を務めさせていただきます。それでは、これより議事に入ります。本日の検討課題等について、事務局から説明をお願いします。

○事務局 第7回検討会でございますが、4点ございます。
 1つは、骨子案(5)に関しまして、取りまとめの内容が留保されているものがございます。それから2番目に、前回ご議論をいただきました基本方針、重点課題、計画期間の骨子案(1)の確認をお願いしたいと思います。それから3点目でございますが、前回ご議論をいただきました「国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組」、「基本法の基本的施策に係る各条文のいずれかに整理することが適当でない事項」及び「推進体制」からなります骨子案(6)の確認をいただきたいと思います。4点目でございますが、第7回の課題でございます犯罪被害者等基本計画案(骨子)案全体の確認をお願いしたいと思います。これらあわせてご議論をいただければというふうに思います。

○山上座長代理 それでは、前回議論していただいた骨子案(5)の保留事項、骨子案(1)、骨子案(6)を含め、犯罪被害者等基本計画案(骨子)案全体について事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、お手元の資料、第7回検討会配布資料の資料1をご覧いただきたいと思います。囲みの中に構成員の皆様からいただきましたご意見を赤い字、あるいは緑の字で記載をいたしております。それから、事務局の考え方を青の字で記載をいたしております。さらに、構成員のご意見を踏まえました事務局の修正案がある場合、その場合にはその下に太字で書き加えてございます。構成員の皆様からいただきましたご意見と警察庁からのご質問に対する内閣府の回答も添付しております。ご参照願いたいと思います。
 それから、厚生労働省の方から追加修正意見が出ております。これは配布資料の資料5、厚生労働省意見の方に加えております。昨日の夜にメールで構成員の皆様に配信をさせていただいております。しかしながら、この追加修正意見については資料1に反映されておりませんので、それを前提にご議論いただきたいと思います。なお、後ほど厚生労働省の方から補足の説明をいただきたいと思います。
 さらに、別置きの資料がございますので確認をいただきたいと思いますが、まず小西構成員の意見がございます。それから、大久保構成員と岡村構成員から追加の意見が提出されておりまして、いずれも別置きとさせていただいております。これらの追加意見につきましても、資料1には反映されておりませんので、それを前提にご議論をいただきたいというふうに思います。
 それから、前回ご議論をいただきました骨子案(5)の留保事項、骨子案(1)及び(6)の確認も含めまして、骨子案全体についてご確認をいただきたいと思います。

○山上座長代理 それでは、骨子案(5)の保留事項、骨子案(1)及び(6)の確認も含め、犯罪被害者等基本計画案(骨子)案全体についてご意見をいただきたいと思います。 なお、最初に厚生労働省の構成員より補足説明をお願いいたします。

○太田構成員(厚生労働省) 資料5に意見を出しておりますけれども、この資料1で申しますと42ページでしょうか、この「民間団体の支援の充実」の項目で、「人的」を加えるということについての意見でございます。ポイントはこの「人的」というのがどういう意味を持つかということになると思うのですが、私どもとしまして、この人的支援の内容が例えば後段の民間の者の研修に関する講師の手配、派遣と同じような意味で考えるならば、対応可能ではございますけれども、これが研修に関する講師の手配、派遣以上の中長期的な人的支援を意味すると考えるならば、法務省さんからもご意見がございましたけれども、この点は第5回検討会において意見の一致を見ていないところでございまして、骨子案に含めるのは適当ではないと考えるという意見でございます。
 ここまでの意見だったのですが、実はまた大久保構成員の再意見で、この「人的支援」という意味がもうちょっと違う意味で、顧問相談員とか顧問協力員というような形でできないのかというようなお話がございまして、そういう趣旨でございましたら、現在も私どもはそういった事例がありますし、その支援も行っておりますので、そういう形でしたら、引き続き本来の業務に支障のない範囲内ではお願いしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 したがいまして、結論から申し上げまして、この中長期的な人的支援ということでしたら、骨子案に含めることは適当ではないと考えていますけれども、大久保構成員の再意見のような考え方でしたら、原案でもよろしいのではないかということでございます。

○大久保構成員 今のとおりですので、ぜひそのように人的を入れていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○河村構成員(法務省) 今の点でございますけれども、実は私どもは提携という意味合いが十分には理解できておりませんので、私どもは多数こういった関係で活躍されておられる民間団体があると思っておりますけれども、一部の団体の活動にご協力させていただくことにつきまして、公務の公平性、中立性などの観点から、どの範囲でご協力させていただけるのかということは慎重な検討が必要だと思っております。
  今申し上げましたように、提携という言葉につきまして、私どもは十分理解ができてないところでございまして、その意味では骨子案に「人的支援」ということで書いていただくといたしますと、ちょっと躊躇せざるを得ないところでございます。

○大久保構成員 提携という言葉が果たしてどのような言葉で表現をすればいいのか、どうなのかがちょっとはっきりとこちらとしても伝えがたかったのですけれども、どういうようなものをイメージするかといいますと、民間の支援団体は質、量ともに不足をしておりますので、何か専門的な知識を得たいと思いましても、検察庁に連絡をすればいいのかといいましても、例えば検察庁の中で被害者、民間団体の相談に乗る人というのが日常の業務の中のほんのごく一部として位置付けておいていただければ、その方にすぐ聞けるので、正しい情報を得ることができるわけなんですね。そういうような意味合いのものを言っておりますので、決してその他の業務に支障が出るほどの過重なものをお願いしているわけではありませんので、そういう意味の「人的」ということですので、ぜひご理解いただきまして、何か協力をするといいますか、顧問弁護士さんのような制度がありますよね。それと同じような顧問相談員のような制度の役割を担っていただける方を置いていただければ大変ありがたいと思うわけです。

○河村構成員(法務省) 私どもの方でも被害者相談員と申しますか、そういう窓口がございます。その意味で、ご相談いただければ知り得る限りのご協力はできるとは思っております。ただ、普通に人的支援ということで骨子に載りました場合の一般の方が受けるイメージというものがちょっと違うのではないのかなと。今の講師派遣なり何なりというところがございますけれども、実はその脈略の中に何か今「等」という中に含まれている事柄ではないのかなというふうに思いますけれども。

○大久保構成員 確かに、私たちも何か相談事があれば、検察庁の犯罪被害者支援員の方とは連絡はとらせてはいただいています。ただ、その日によりまして出勤をしている方、いない方、次の日は出勤しないということですので、いつも安心をして、間違いなく正しい情報を得られる存在というものは、民間支援団体にとって大変大きな存在になりますので、そこら辺のところも考慮の上、その「人的」という言葉そのものが難しいというものであれば、今の考え方を踏まえた上での何か文言を考えていただいて、入れてはいただけないでしょうか。

○河村構成員(法務省) ちょっと私はその場で今知恵はございませんけれども、おっしゃいましたように、私が申し上げていますのは、人的支援という言葉で受けるイメージが、ちょっと大久保構成員がおっしゃるのと普通の方のイメージが違うように見えたものですので、ここの書きぶりにつきまして、何か適切なご提案があれば、私どもも十分検討させていただきますけれども。

○事務局 今ご議論を伺っていまして、一つの提案なのですけれども、この「人的」という意味合いというのは、構成員の間で一定の意味合いとしての理解の一致まで至っていないということで、「人的」という表現を入れるかどうかということにつきましては、かなりご議論をしていただく、その前提として関係省庁にしっかりと検討していただくということが必要かなと思います。そういった意味では、現時点の骨子案のまとめといたしましては、現在行っている施策の範囲にとどめるといいますか、「人的」ということであれば、今の段階ではご意見いただいている中では、警察庁は「人的」ということで特にご意見をいただいておりません。法務省と文部科学省はご意見をいただいている。それから今、厚生労働省の方からは、先ほど大久保構成員の提携という意味合いであれば、支障ないという旨のご意見があったところであり、そこはもう一度整理するといたしまして、現時点では施策を行っていないところは現在行っておられる施策の範囲内での表現にとどめて、そして人的な支援についてどうするのかということにつきましては、秋以降の検討会の中でご議論いただくというようなことではいかがでしょうか。

○大久保構成員 それでよろしくお願いいたします。

○村田大臣 法務省の方も今やっているのをベースにしてこの骨子ができて、それで新たなスキームが将来仮にできたときに、今の体制というのは恐らく人的な体制というのも充実せざるを得なくなってくるように私は予測するのだけれども、それでもだめですか。多分、自然にそうなると思うのですが。

○河村構成員(法務省) 今の相談窓口等の人的な面も含めた体制の充実ということも、既に私どもも明らかにさせていただいておりまして、したがってその意味では、資料の42ページ(2)イのこのあたりの表現ぶり、今の時点での表現ぶりぐらいの話であろうと思っておりますが、いずれにせよ、今後そういった民間、頑張っていただいている被害者支援の団体の方々へのご協力のあり方というのは、大臣ご指摘のいろいろな意味で考えていかなければいけないテーマだということは十分わかっております。

○山上座長代理 相談窓口の充実とか、あるいは各支援にかかわる組織、機関の連絡、協力とか、そういうところでもそこが充実していけば今の大久保構成員の言われるような問題というのはある程度くまれていくような気がしますので、全体的な施策の充実で大丈夫ではないかと思いますが、どうですか。

○大久保構成員 それでも、やはり資質の向上を考えますときには、機関と機関の連携ということでは、なかなか全体の資質は上がらないと思うんですね。そこに民間支援団体に協力する関係機関の人が存在するということが私は大事なことだと思いますので、ただ難しいとおっしゃりながらも前向きに検討をするというようなこともおっしゃってくださいましたので、それを文言の中にぜひ入れて整理をしていっていただければと思います。

○山上座長代理 文言の中にというのは、この骨子案の中にですか。

○大久保構成員 骨子案の中につきましては、先ほど事務局がおっしゃったことで。

○山上座長代理 そういう方向でよろしいですか。わかりました。

○事務局 そうすると、ここの42ページのところの確認なのですけれども、まとめが3つできようかと思います。1つは、人的、財政的支援の充実に努めるということと、それから団体の活動に関する広報以下の支援を行っていくというところでございます。次に、そこから「人的」が落ちる。財政的支援の充実に努めるとともに、それらの団体の活動に関する広報以下の支援を行っていくというのが2つ。それからもう一つは、現在のイで、人的、財政的支援の充実に努めるというのがない省庁でございますね。
 そこで、今確認をさせていただきたいのは、1つは法務省と文部科学省は人的及び財政的、いずれもないので、イの原案どおりとしてもらいたいという意見が出されておりますが、厚生労働省は、アの人的を含めた項にまとめるのか、それとも財政的支援の充実と団体の活動に関する広報以下の支援の項に整理をするのか、そこのご意見を改めて伺いたいと思います。

○太田構成員(厚生労働省) 私どもとしましては、全体として人的支援の充実ということで、各省をやっていこうということでしたら、先ほどみたいな読み方をして入れても結構ではないかということを思ったのですけれども、今のような議論でもう少し人的支援というのを厳密に考えていくと、ちょっと我々も読みにくい部分があるなと。そういう意味では、人的支援の部分はもう少し長期的な検討課題の中で整備していくのがいいのかなと考えております。ですから、今のような形で整理すると、やはり財政的支援の充実という形で整理していただいた方が我々としては形がいいなというふうに考えております。

○事務局 そうしますと、人的、財政的支援の充実に努めるとともに、団体の活動に関する広報以下の支援を行っていくというのが警察庁、それから財政的支援の充実に努めるとともに、団体の活動に関する広報以下の支援を行っていくというのが厚生労働省、それから現在のイの項目、これが法務省、文部科学省、国土交通省の3省という整理になります。
 なお、骨子案としてはこのような形で整理をするということでございますけれども、人的な支援のあり方については、秋以降の検討会の場でまたご議論をいただくということになろうかと思いますが、これでよろしゅうございますでしょうか。

○村田大臣 これは法律文章じゃないからね。書き分けるとしたらもうちょっと何か工夫をしなければいけないし、似たようなことをいっぱい書いてくるでしょう。あまりいい文章ではないと思いますけどね。

○片桐構成員(警察庁) 警察庁としては、既に講師の派遣、手配のほかに、セミナーとか行う場合の会場の設営に対する人的な機械的労務の提供とか、それから助言とか、そういった意味での人的支援はしていますので、大久保構成員のおっしゃるような趣旨であれば、我々は入れていただいても構わないとは思うのですけれども、ただいろいろこの読み方によってご議論があるというお話であれば、例えば原案を生かしておいて、大久保構成員のおっしゃることをまた秋以降に議論するという前提で、とりあえず原案を生かしておいたという形の方が。ちょっと今の事務局の整理ですと、非常に煩雑になりますので、とりあえずはそこからなのかなという感じはするのですけれども、どうでしょうか。

○村田大臣 黒字の原案にするということですか。

○片桐構成員(警察庁) そうです。今のアの後段部分の方には「等」と書いてありますので、いろいろな支援がここには入り得る話だと思うのですね。ですから、その中でもってどういうものがあり得るのかということを今後議論していくという一応の前提で、今回は原案でいかがなのかなという感じがしております。

○大久保構成員 何かせっかくの話合いが、皆さんが後ろを向いてしまったような感じで、私はとても寂しかったんですけれども、「等」というところに法律家の皆さんが入るというのであれば、それはそれでまたきちんと秋の段階で検討するということで致し方がないのでしょうか。

○事務局 決して後ろ向きということではなくて、骨子案としての取りまとめとなりますと、その前提となるご議論があって、そして意見の一致を見たものを今まで取りまとめをしてまいりました。そういった意味からいたしますと、大久保構成員のご意見の人的な支援ということにつきましては、その内容がどういったものなのか、あるいはそれについて今後どのようにあるべきなのかということについては十分なご議論がなかったと思いますし、そういった観点からいたしますと、方向性ですとか、どういう期限を切って検討していくのかなどといったこともなかなか現時点では書き込めないということでございますので、それは秋以降のご議論の場でしっかりと皆さんで検討していただこうということでございますので、決して後ろ向きでないということをご理解いただきたいと思います。

○山上座長代理 それでは、人的な問題も前向きに検討していくということを含むとして原案どおりということでさせていただきたいと思います。そのほかの点でどなたかご意見ございましたら。

○事務局 もしよろしければ、追加のご意見でほか何点かいただいていますので、それに対しての内閣府意見を申し上げたいと思います。
 まず、大久保構成員からの別置きの資料をごらんいただきたいと思いますが、最初の問題でございます。資料1の17ページでございます。これは犯罪被害者等に関する情報の保護の関係でございまして、被害者の氏名や住所等を絶対的に秘匿をできる制度の導入について、骨子案に盛り込むべきというご意見に対し、内閣府意見を17ページの下の青字で書いておりますけれども、秋以降にご議論いただくという意見を提出しております。それを踏まえてさらに骨子案にその余地があることを示す文言を残すべきというご意見をいただいております。
 この骨子案に絶対的に秘匿できる制度の導入の余地があることを示すということにつきましては、相当のご議論があろうかと思います。今の段階でこういった方向性まで示すだけの意見の一致という段階には至っていないのではないかというふうに内閣府としては考えます。したがって、最初の17ページの青字で記載しておりますとおり、この点につきましては秋以降の基本計画検討会の場でご議論をいただければというふうに考えます。
 それから、27ページの犯罪被害者等の意見等を踏まえた被害者処遇の充実というところでございまして、ここにつきましての「加害者処遇」は不適当で、「加害者教育の推進」とすべきだというご意見でございます。これは後ほど法務省の構成員からご意見をいただければというふうに思います。
 次に、52ページの調査研究の関係でございます。これはどういうご趣旨でというのが再意見書には記載がなかったのですが、この調査の内容について誤解をされておられるかもしれないなと考えた次第でございます。
 私どもで考えておりますこの調査の内容でございますけれども、これは二次的被害の対策の前提となるものをと考えております。二次的被害の原因は、国民の皆さんの犯罪被害者等の方々がどういう場合にそういう二次的な被害を受けられるのかというようなことについての認識と、それから犯罪被害者等の方々のお考えとのこの両者の間にギャップがあるのではないだろうかと。ちょっとした言動が二次的被害にどのように影響するのかといったことについての国民の認識が犯罪被害者等の方々の認識と違うというそのことが二次的被害の原因になっているのではないか。ですから、そういう二次的被害を防止するための前提となる意識のギャップ、これを調査しようというふうに考えておりますので、大久保構成員のご指摘のような修文にしますと、そういう意味合いがなくなってくる。一方で、二次的被害の実態がどうなのかという調査につきましては、これは別途の取りまとめの中で内閣府で追跡調査を行っていくという、その中でどういう二次的被害の状況があるのかというようなことについても調査をしてまいりたいと考えておりますので、この部分については原案どおりとさせていただきたいというふうに考えております。

○大久保構成員 今の考え方なんですけれども、ここに52ページに書いてある文言なのですけれども、私は国民の感じ方を把握して、これらに対する犯罪被害者等の感じ方を比較するということ、その表現方法そのものが被害者に対して二次被害を与える最たるものだと思うんですね。感情といいますのはその人の感じ方なので、それに対して云々というのは、かえって犯罪被害者の立場から言いますと、二次被害を受けているとほとんどの被害者の方が言うわけですから、それに対して国民の人たちがそれを二次被害と感じていないわけなんですね。ですから、もう一度今日出させていただきました意見のように、犯罪被害者の現状、それに対する国民一般の認識の程度等について調査研究を行って、その結果をというふうな形にここはぜひ直していただきたいと思うわけなんです。国民の多くは意識をせずして二次被害を与えているというのが現状だと思います。これを犯罪被害者の方が見たら、国民の感じ方、被害者の感じ方、これはちょっと表現としてまずいと思うんですね。適切な表現方法に直していただければと思います。

○岡村構成員 私も大久保構成員と全く同じでありまして、国民の感じ方、被害者の感じ方と分ける必要があるのかなと思います。被害者の感じ方を国民がどの程度理解してくれているのかという調査はする意味がありますけれども、抽象的に国民の感じ方はどうだと、被害者はどうだということではあまり意味がないのではないかと思いますね。

○事務局 二次的被害というのはいろいろなケースが考えられるかと思いますけれども、例えば国民の皆さんが何気なく発してしまう言葉、これが実は犯罪被害者等の方々にとって大変な二次的被害になるんだというようなご指摘もいただいたところでございます。そういったことをどういうふうに改めていくのかという施策を考えるときに、一体例えば何気ない言動、そういう何気ない言動で二次的被害に至ってしまう、それはどういうものなのかということを調査しようということになりますと、その国民の皆さんと犯罪被害者等の皆さんがお感じになるそのギャップというものがヒントになるのではないか。むしろそのギャップが大きければ大きいほど、そこはしっかりと取り組んでいかなければ、施策を講じていかなければならない点になるのではないだろうかということを考えまして、こういう国民の感じ方、そして犯罪被害者等の方々の感じ方との差というものを調査すべきだというふうに考えたわけでございます。なお、その感じ方という表現そのものがまずいということであれば……。

○大久保構成員 感じ方というのは、精神的な衝撃を受けているので、いろいろな症状が出てくるわけですよね。その精神的衝撃によって起きてくる症状が感じ方になっているわけですから、それをとらえると大変おかしいと思います。そこは山上構成員、精神科医としてお願いいたします。

○山上座長代理 今、内閣府の考え方で、ギャップを問題にしてそこを越えていくようなというのであれば、むしろ大久保構成員のような提案の形の文章で、むしろ理解の不足からギャップができているわけですから、それをやれば結果的には同じ内容になるので、むしろこの大久保構成員の提案の方がわかりやすくて、そういう誤解の余地も少ないだろうという気が私はするのですが、そのように訂正されたらどうでしょう。中島構成員、何かご意見ございますか。

○中島構成員 私もこの文章の中で一つ気になったのが、国民の感じ方と犯罪被害者の感じ方を比較する、というところです。犯罪被害者と国民の間に非常にそこで溝をつくってしまうというか。犯罪被害者も国民の一部であり、ご趣旨は非常に理解できるのですけれども、あたかも犯罪被害者というのは特別な、非常に異質な存在であるかのような印象を与えてしまう可能性もあるのではないかと思います。調査ですから、そんなに今の段階で細かくその要綱について述べる必要は必ずしもないのではないでしょうか。当然、調査になれば内閣府でお考えのものは含まれると思います。例えば、国民の感じ方ではなくて国民の意識というような言葉で言いかえることによって、様々なものが含まれるのではないかと思うのですが、いかがでしょう。

○山上座長代理 多分、国民の感じ方とすると、被害者がこう感じることに関して国民がどう感じるかと、そういう感じに、そういうものとしてとらえられる可能性があるのですけれども、それはむしろ被害者が感じるそういう二次被害の問題を国民がどこまで理解しているかというとらえ方で同じものがとらえられるはずなので、そういう方向でいいのではないかなと。

○大久保構成員 調査の目的は大変よくわかるんです。ここの表現がまずいということなんです。

○事務局 それでは、今いろいろご批判いただきまして、「感じ方」というのが非常に誤解を与えてしまうというようなご指摘でございますので、52ページの内閣府意見の太字で書いてある修正のところをご覧いただきたいと思いますが、3行目の「認識等について」、その次の「国民の感じ方」から次の行の「比較する」までをとってしまって、「二次的被害に対する認識等について、研究調査を行い、その結果を」というようなことでご懸念の表現を省いてしまうということでどうでしょうか。その内容としては、意識のギャップを施策に生かしていこうという趣旨も入ってくると思いますので、そういうふうにまとめさせていただきます。

○岡村構成員 「国民の感じ方」以下をとって、これはどこまでとるんですか。

○山上座長代理 「研究調査」の前まで。

○事務局 それでは、引き続き、岡村構成員からいただいております追加意見についての内閣府の考え方を申し上げたいと思いますが、56ページをご覧いただきたいと思うんですけれども、これは単一の情報に整理することが困難なものについての検討でございまして、56ページの(4)交通事故加害者に対する犯罪被害者等の視点を取り入れた更生プログラムの整備等という項目がございます。これについて、岡村構成員からの追加意見では、これは削除すべきだということでございまして、これは犯罪被害者等のための施策に関する基本計画であるから、交通事故加害者に対する更生プログラムを記載することは適当ではないという理由で削除すべきというようなご意見をいただいております。
ただ、これにつきましての内閣府意見を結論から申しますと、原案どおりとさせていただきたいと考えております。その理由でございますけれども、この検討会は今までもそうでございますけれども、犯罪被害者の団体の皆さん、あるいは支援をされている団体の皆さんからのご意見、ご要望を踏まえまして、寄せられましたご意見、ご要望すべてについて、関係省庁で検討し、それを踏まえて構成員の皆様にご議論をいただいて、そして施策の取りまとめをしてまいったのでございます。このご意見をいただいております取りまとめにつきましても、現に犯罪被害者等の皆様からの具体的な要望があったわけでございます。このご要望を踏まえて、法務省の方から前向きな施策取組についての意見提出がございまして、それをもとに取りまとめとして盛り込んだものでございます。
 それから、岡村構成員のご指摘の中に、交通事故以外の犯罪加害者に対する更生プログラムは書かれていないので整合性を欠くというご指摘もあるのですが、これについては交通事故以外の犯罪類型を含めた犯罪等の加害者に対して行われるべきものにつきましても、記載しております。例えば、15条関係では、19ページをご覧いただきたいんですけれども、19ページの(11)アでございます。それから、18条の関係でも、27ページでございますが、27ページの(17)アでございます。というようなことで、決して交通事故以外の犯罪被害者に対する更生プログラムの関係が書かれていないということでもございませんので、最初に申し上げましたように、原案どおりということでお願いできればというふうに考えております。

○岡村構成員 犯罪被害者がここに書かれているような希望を持っているということは、これは私もよく承知しております。十分に教育してほしいという希望はみんな持っています。しかし、特に交通事故の点を取り上げたのは、遵法精神とか責任感を持てとか、これは加害者に対する教育です。被害者のための施策に加害者教育のことを入れるのが適当かなと私は思ったんですよ。加害者の更生のプログラムというふうなことを入れると、被害者のための施策という意味からちょっと離れるのではないか。これはどこか適当なところで、例えば法務省の矯正局が教育をやるときの指針にするべきではないでしょうか。加害者教育そのものですよね。「人命を尊重し、安全第一を信条とする社会人を育成することに努める」と、これは加害者教育そのもので、私は被害者のための施策とは関係ないことじゃないかと思って、関係がないといえば、それは心情的には、被害者自身が望んでいることは大いにわかりますけれども、これは別のところに置くべき規定じゃないかなと、そう思っております。

○事務局 他の構成員の皆様のご意見も伺いたいと思いますが、私は今まで被害者の団体の方からだったと思いますが、被害者等の方々が本当に安心できるというのは、加害者がきちっと更生するということが必要なんだというようなことをお聞きしたように思います。そういった意味では、加害者の更生プログラムがしっかりと被害者等の方々の視点に立ったものになるということも被害者等のための施策の中には含まれるのではないかということで、原案どおりとりまとめ案として盛り込むべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。

○岡村構成員 被害者が加害者の更生を求めている、願っているというふうによく言われることがあります。これは二度と自分のような悲しい思いをする被害者を出さないでほしいということにあって、立派な人間になれ、立派な社会人になれと、そこまで考えているわけではありません。少なくとも自分のような辛い思いをほかの人にさせたくないということであって、加害者の更生を願っているというふうにとらえられると困るんです。更生という意味が違っているんですね。

○山上座長代理 多分、ここはその表現がそういう教育的なものに偏っている。例えば、謝罪であるとか慰謝であるとか、あるいは二度とそういうふうな被害者を生まないとか、そういうことであれば、もっとより被害者の視点に近づくのだろうと思うんですが、そういう言葉よりも、どちらかというと交通法規を守ってとか、そういう加害者の教育、被害者の立場を少し離れたような言葉が多いかなと、そういう印象を与えるかなと思うんですね。

○岡村構成員 だから、これは別のところで、加害者に対する教育をやるべきであって、基本計画の中にこう入れるのは、ちょっと私はどうかなと思います。

○井上構成員 ご提案も岡村構成員が言われていることも、実質的にはそんなに大きく違っているとは思えないのですね。ただ、その表現ぶりが「更生のためのプログラムの整備」となっているので、やや誤解を生みやすいのかもしれません。むしろ、「交通事故加害者の更生」あるいは「交通事故加害者に対する矯正における犯罪被害者の視点を取り入れたプログラムの整備」とした方が、そのような視点を取り入れたプログラムを充実させるというところに重点があるので、適切なのではないかと思います。
 問題の「ア」のところも、これだけですと、犯罪被害者等の視点というのがどこにも書かれていないので、これだけ読むと確かに岡村構成員がおっしゃったような懸念も生じるかと思うのですね。むしろ、犯罪被害者の方々の置かれている状況とか犯罪被害の実態とか、そういうものをより反映させ、人命を尊重し交通法規もちゃんと守るように、より徹底した教育をしてもらうと、そういうふうな書きぶりですと岡村構成員のご趣旨も生かされてくるのではないかと思います。そこを切り離して、更生ということだけ書いてしまうと、矯正一般の当たり前のことではないかというご懸念も生じるかもしれません。ですから、書きぶりのところを少し工夫されればよいのであって、こういう事項を入れておくということ自体は非常に重要ではないかと思うのです。当たり前のようですけれども、さらに被害者の方たちの声も反映させて、より人命尊重とか、被害の実態や被害者の方たちの心情にも目を向けた教育をしていただきたい。実際にも矯正の現場では、そこを非常に重視して教育しているというふうに承知しておりますけれども。

○山上座長代理 その現場に触れることなのですが、かなり効果があって、関わった被害者の方もそれに関わったかいがあったという方も多いものですから、こういう機会をぜひ持っていただくことを進めていただきたいと思います。それから、この表現も少し改めて、今言われたような方向で少し修正ができればと思います。

○山田構成員 先ほどご指摘のあった19ページ、27ページにも更生ではなく矯正という言葉が使われておりますよね。それから、今お話の点でも、矯正すべき項目の中に犯罪被害者の置かれている実態というものを深く認識させるというふうな視点での言葉を入れたらよろしくなるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○久保構成員 私も今の井上構成員と山田構成員の意見に賛成なのですけれども、加害者についての犯罪抑止とか、それから予防、そういう視点というのは随所にあった方がいいと思うんですよね。そういう意味では、表現方法が、同じ意見ですけれども、「被害者の痛みを理解し」とか「置かれた状況を理解し」とか、そういうものをぜひ入れておいていただければというふうに思います。

○山上座長代理 それでは、これはそういう方向で皆さんよろしいということでしたら、少し文言を検討していただくということでよろしいでしょうか。

○岡村構成員 どういうふうに検討していくのですか。

○山上座長代理 今、皆さんが言われたような、被害者の視点をはっきり入れるような言葉で、この加害者の単なる教育を強調するための形にはしないということですね。そういうことで検討してください。それでは、ほかの点でご意見ございますか。

○大久保構成員 12ページを見ていただきたいと思います。12ページの(7)の中の厚生労働省さんの「思春期精神保健の専門家の養成」というところの4行目、児童虐待や配偶者等からの暴力の被害者の心理と治療とありますが、この配偶者等からの暴力(DV)の被害者の後ろに「等」をつけていただくということはできませんでしょうか。といいますのは、実は今日も先ほどまで、被害者支援都民センターの方では犯罪被害者遺族の自助グループを開いておりましたが、そちらの家族の方からの発言の中に、残された子どもやきょうだいたちが特に思春期に差しかかっておりますと、犯罪被害に家族が遭ったということによって、社会への信頼感とか人への信頼感をすべて失ってしまって、これからの自分の人生が考えられなくなる、そういうときに親としても大変困るというような発言が多くありますように、これだけを読みますと、児童虐待とDVのように受け取ることができますので、その犯罪被害者の後ろに「等」をつけていただけると、犯罪被害に遭った人やその家族というものも含まれるのではないかと思いますので、いかがなものでしょうか。

○山上座長代理 これについて厚生労働省から何か。

○太田構成員(厚生労働省) 今おっしゃることの趣旨はよくわかるのですが、ここで今やっておりますのは、児童虐待とDV、女性を中心にやっていますので、犯罪被害等という形で犯罪被害者全体に広げるということは、なかなか困難ではないかということで、むしろ将来の検討課題の中で整理するという形、いろいろな問題、児童と配偶者の問題以外のものもやるべきだという議論があって、そのときも同じような議論があったんですけれども、この中で犯罪被害者全体までやるというのはちょっと困難ではないかというふうに感じております。

○山上座長代理 ちょっと議論に行き違いがあるかもしれませんが、児童虐待やDVの被害者「等」とするのは、これは被害者と身内の家族、周りにいる人たちとか、児童虐待とかDVに直接かかわる、あるいは間接的にかかわる家族の方という、そういう意味でしたね。「等」というのはそういう意味じゃないですか。

○大久保構成員 今新たに入れていただけるかどうかということを確認させていただきました「等」というのは、児童虐待、配偶者だけではなくて、一般の犯罪被害という意味合いで発言させていただきました。思春期のときには、それが大変大きな問題になりますので。

○山上座長代理 でしたら、そこは厚生労働省のお考えはそういうお考えですね。

○太田構成員(厚生労働省) はい。

○大久保構成員 別のところで、思春期の犯罪被害者等の専門家の養成というあたりは入れていただけるということでしょうか。

○太田構成員(厚生労働省) ですから、私どもの今の中でやっておりますと、児童なりDVという形でやっていますので、犯罪被害者まで広げますと、正直言って厚生労働省の所管の中でやることがなかなか難しいかなというふうには思います。ただ、それ自体は否定するわけではないのですが、厚生労働省の中でそれをやってくださいというと、今そういう形ではなかなか難しいかなということであります。

○中島構成員 ここの部分ですけれども、もともと児童虐待、配偶者等からの暴力の被害者の心理・治療ということもあまり入ってなかったところを入れてもらったというのは、特に思春期においてこの問題が重要だというふうに私たちが考えていたからだと思います。この部分については、今の研修でも多分あまりやってないはずです。犯罪被害者のことをやるというのは、被害者学全般をやるわけではございません。精神的なトラウマについて扱うことは十分可能だし、実際に恐らく扱ってしまうのではないかと思うので、「等」を入れたからといって、それほど厚生労働省の範囲が急に増える、研修の内容が大きく変わるということは、私はないかと思います。ですから、入れていただいても多分そんな大きな問題は起こらないと思います。

○岡村構成員 この児童虐待と配偶者等からの暴力、これに限ったとしても、被害者だけでなくて、家族、DVの母親が暴力を受けていると、それを見た思春期の子どもが非常な影響を受けるんですよね。その意味で被害者だけでなくて被害者等ということで、子どもたちが含まれるというふうにはしておいた方がいいと思います。

○太田構成員(厚生労働省) 今、ですから虐待とかDVに関連して、例えば思春期の子どもが影響を受けると、その限りでは関連ものとしてやらせていただきたいと思います。ただ、被害者全般、全部広げるとなるとなかなか難しい問題があると思いますけれども、今の思春期の関連したという範囲では「等」という形でやらせていただきたいと思います。

○大久保構成員 そうです。そのことをお願いしておりました。

○山上座長代理 「等」を入れるということでお願いします。そのほかにこの件でどなたかご意見ございましょうか。

○河村構成員(法務省) 2点ございまして、1点は先ほど事務局から大久保構成員のご意見に対しまして、見出しにつきまして法務省でどう考えるかという「処遇」の問題、「加害者教育」とすべきであるという点でございます。これはごく普通の方がご覧になりますと、「処遇」という言葉に何か違和感をお感じになるのかもしれないのですが、その後の方にア、イ、ウでも処遇という言葉を使わせていただいておりますように、いわゆる刑事政策の分野では施設内処遇、社会内処遇ということで、施設に拘禁されて受刑している者と、保護観察等の形で社会で刑の執行等を受けている者という類型がございまして、その場合に官としての様々な働きかけを処遇という言葉で言いあらわしておりますところから、ここでは加害者処遇の充実という言葉を使わせていただいております。逆に教育という言葉になりますと、矯正教育というふうな形では出てくるのですが、保護観察など、いわゆる社会内処遇のときにあまり教育という言葉を前面で使わないこともございまして、非常に学問的といえば学問的な話なのではございますが、処遇という言葉でいかがであろうかというふうには考えております。それが1点でございます。
 それから、もう1点でございますが、20ページ、さかのぼりまして、これは今ごろというお話はあるかもしれませんが、骨子案の事実上最後の回ということもございまして、ここでの現状認識のところでございます。結論から申し上げますと、4行目の「受けることがある。」となっておりますのを「受けることがあり、」に修文していただけないかということでございまして、これは1つはその他の現行の運用施策に、あるいは関係者の対応において不十分なものがあるなどといった場合のそれまでの現状認識の記載との平仄という、20ページの一番上の現状認識のところであります。読み上げますと、「犯罪被害者等は、当該犯罪等によって直接的に受ける被害に加え、その後、保護、捜査、」というこの文章のうちの4行目、「受けることがある。」となっておりますところを「受けるところがあり、」とさせていただけないだろうかというところでございまして、それまでの現状認識につきましての書きぶりとの平仄ということが1点。それと確かにこういうご批判を受けざるを得ないような事案があるということを否定するものではございませんが、ただ他方で配慮したつもりでも、思いが至ってないというところもございますし、ここだけこの表現ぶりが変わりますと、何か非常にこういう事例が多々あるかのように見えるのかなという懸念もないわけでございませんので、できましたら「受けることがあり、」と、ほかの現状認識と並べた表現をとっていただきたいという、その2点でございます。

○岡村構成員 折衷案を書いてあるわけではありませんよね。受けることがありということで、あり得ると変えておかしいところはありません。

○河村構成員(法務省) 他のものと並べる形で、「あり、」にしていただけると、という意味です。

○山上座長代理 ですから、内容的にはほとんど同じですね。

○岡村構成員 あり、と。

○山上座長代理 内容的には同じです。表現の強さがやや違います。よろしいですか。それでは、修正をお願いします。それから、当初から言われた最初のところの「処遇」のところはこれで何か関連して意見はございますでしょうか。27ページの下の方でしたけれども、加害者処遇……。

○大久保構成員 私も言葉の使い方ですよね。こういう文章の中での言葉の使い方がよくわかっているわけではないのですけれども、「処遇」といいますと、あくまで加害者本人のみというふうな部分が強調されるような気がするわけですね。そういった言葉を使うと、被害者の視点を取り入れて、こういう教育を受けさせるんだという形のものが感じ取れるものですから、処遇ではなくて教育としていただきたいというようにお願いをしたわけです。ただ、言葉そのものの意味合いが……。

○山上座長代理 法務省から説明があったように、処遇というのは教育とか、いろいろなあらゆるものを含んでいるわけで、だからこれは例えば一般的な言葉で言うと、処遇内容とでも言えば教育とか、そういうものにかなり近い感覚にはなるかもしれないのですけれども、ただ法務省内部で矯正をやるところでは一般に処遇として使われています。

○大久保構成員 これも先ほど岡村構成員が基本法の中に加害者という言葉を入れるということに抵抗を感じることも多いということをおっしゃったことと同じように、私も加害者の処遇といいますと、何かもう少し被害者側の視点に立ったような言葉がないのかしらと思って考えついたのが教育しかなかったわけです。その点何かもっといい言葉があればとは思います。

○井上構成員 一般の方々と我々法律関係者とでは感覚が違うのかもしれませんが、「処遇」といっても、もてなすとか特別に丁寧に接遇するということを意味しているわけではなくて、トリートメントあるいは取扱いというのに近い言葉であり、それが一応定着しているものですから、私などはあまり違和感を感じないのですけれども。それに対して、「教育」というと、やや範囲が限られてしまうのではないかという感じがします。もちろん教育が中心なのでしょうけれども。

○山上座長代理 処遇の充実というと、一般の方が聞くと待遇がよくなるような、充実するような、そういう感じにちょっととれるところがあるかもしれないですね、本来は違いますけれども。これについてはどうでしょう、処遇というのはそういう意味を持つということでよろしいでしょうか。

○大久保構成員 皆さんがそういう認識を持っていらっしゃるということであれば、あえてここでこれ以上のことは申し上げません。

○岡村構成員 法務省の方でも被害者の視点を取り入れた教育ということを研究する委員会をつくって報告書をおまとめいただいたんですよね。だから、処遇の中に教育があるのでしょうから、それだけ取り上げて教育ということを使っても、そんなに悪いことではないのではないかなという気がするんですけれども。

○河村構成員(法務省) 申し上げましたように、あくまで学問的な使いよう、講学上、こういうふうにずっと使ってきておるというだけでございまして、構成員がおっしゃるように、まさに被害者の視点を取り入れた教育ということを使っているではないかと。ただ、それ以外のところを見ていただきますと、処遇ということが随所にこの後出てきておりますそのものでございまして、まさに施設内、あるいは社会内でどのように取り扱っていくのかという言葉として処遇を使っているということの意味で、そんなに私どもはこだわるわけではございません。

○山上座長代理 教育という言葉にしてしまうと、特に更生保護の領域では、教育だけではない、いろいろなことが行われているので、狭くなってしまうかもしれない。よろしいでしょうか。そのほかの点でどなたか。それでは、ご意見がなければ今までのところで修正点などございましたので、事務局の方からまとめをお願いします。

○事務局 それでは、まとめ案の確認をさせていただきたいと思うのですけれども、まず、56ページの、「交通事故加害者に対する犯罪被害者等の視点を取り入れた更生プログラムの整備」というところの修正案を提案させていただきたいと思うのですが、(4)アにつきましては、「法務省において」の後に「犯罪被害者等の視点を取り入れ、」というのを加える。それから、(4)アの4行目でございますが、「社会人を育成する」というふうに現在なっておりますけれども、ここに「社会人に矯正する」、ただこれは後で法務省のご意見を伺いたいのですが、こういう場合に「矯正」という言葉を使う方がいいのか、あるいは「更生」の方がいいのか、被害者の団体の方からのご意見は加害者の更生及び贖罪プログラムの開発をしてほしいという、そういうご意見でありました。これは後ほど法務省の方からもまたご意見をいただきたいと思います。それから、イの項は4行目の「交通事犯被収容者に対するより有効なプログラム」と現在なっておりますけれども、そこを「交通事犯被収容者の矯正のために、より有効なプログラムの整備に努める」ということで、先ほどのご議論を踏まえた修正とさせていただければと。ここも「矯正」という文言がいいのか、あるいは「更生」の方がいいのかということはちょっとご意見をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○井上構成員 柱についても、法務省に伺いたいのですが、「矯正」というと狭くなってしまいますかね。「更生」としたのは、更生保護も含んでいるというのがもともとのお考えでしょうか。もしそうだとすると、「矯正」と言ってしまうとちょっと狭過ぎるかもしれませんが。

○河村構成員(法務省) 今の点につきましては、ただここの(4)のア、イ、いずれも被収容者が対象者として挙がっておりますので、まず、それは第一義的に挙がってまいりますけれども、その後の社会内処遇の面でもこういった指導的側面を行わないのかといえばそういうことはございませんので、先ほどの他の項目のところでいろいろな働きかけをしていきますよという話がございますので、その意味では厳密に申せば本来は「更生」というのが正しいとは思いますが。

○岡村構成員 矯正という言葉にも非常に抵抗感のある人もいます。矯め直さなくても、無害になればいいんだとおっしゃる先生もいらっしゃった。私は社会人となるように努めるとかというふうにして、教育とか矯正とかいう言葉は取ってしまったらどうだろうと思いますが、どうでしょうか。

○井上構成員 そこのところは、「社会人として更生させる」ということにしてはどうですか。更生というのも、最低限無害になるということにほかならないと思いますが。

○事務局 今ご議論いただいていますけれども、再度申し上げると、被害者の団体の方からのご意見の中でも、加害者の更生とか贖罪のプログラムの開発という強いご要望もありますので、できればそういう「更生」という文言を入れていただくといいのかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○河村構成員(法務省) 表題の(4)の柱書の部分はともかくとしまして、アとかイということでまいりますと、本当に矯正という言葉がここでいいのかという、せっかくの事務局のご提案ではございますけれども、それならばもっと無色透明にしていただいても何も意味的には変わらないと思うのですが、先ほど岡村構成員から確かお話があった形で、ここで申しております「育成」というのも非常にその意味では中立的ではございますので、「社会人となるようにすることに努める」とか、何か今、矯正とかという言葉を使わないで表現していただくというのも一つの方策かと思います。

○井上構成員 「社会人とさせる」かな。

○岡村構成員 「社会人になるよう努める」。

○井上構成員 そうならせないといけませんよね。

○岡村構成員 「ならせるよう努める」。

○山上座長代理 「なるよう」ではだめですね。何かを「させる」ことでないといけません、「法務省」が主語ですから。

○久保構成員 そうすると、今の育成と同じようなものではないですか。

○岡村構成員 育成というと、「育てる」ですからね。50歳、60歳になった人を収容しておいて「育成する」といってもちょっとぴんときませんよね。

○久保構成員 「安全第一を心情とする社会人を育成する」と、最初にかかるわけですから。

○岡村構成員 そんなに私もこだわるわけではございません。語呂であまりこだわっては先へ進みませんから。

○山上座長代理 「育成する」も、あるいは「更生させる」と、どちらもちょっと抵抗があるようだと。

○大久保構成員 両方とも抵抗があると考える方が多いようですので、先ほど井上構成員が提案してくださいましたように、「社会人とさせるよう努める」というあたりがよいのではないでしょうか。

○岡村構成員 「社会人として出発するよう教育する」ですか。

○大久保構成員 そこの文言はまた事務局の方で考えていただいて。

○山上座長代理 今考えた結果のところでちょっと結論を出してやった方がいいかもしれません。

○山田構成員 「指導」という言葉はどうなんですか。「社会人になるよう指導するように努める」。

○事務局 繰り返しになりますけれども、犯罪被害者の団体のヒアリングの際のご要望というのが「加害者の更生、贖罪プログラムを開発してほしい」という、そういう強い思いであることを考えますと、ちょっと表現ぶりも弱いのではないかなと。

○井上構成員 もし「更生」という言葉を使ってよいのなら、「社会人として更生させる」としてはどうでしょうか。これは普通にどこでも書いてある表現だと思います。「更生」という言葉にご抵抗がなければ、それが一番自然かと思います。

○山上座長代理 それでよろしければどうでしょうか、よろしければそういう表現にさせていただきます。

○中島構成員 すみません、蒸し返すわけではございません。この(4)につきまして、そういう今までのご意見が出たのを反映させれば、タイトルについて、これは順序で大分意味が違ってくるんですが、本文では「交通事故加害者に対する犯罪被害者等の視点を取り入れた更生プログラムの整備」となっていますが、「犯罪被害者の視点」を先に持ってきていただいて、「犯罪被害者等の視点を取り入れた交通事故加害者への更生プログラムの整備」というふうにしていただくと、より被害者の視点がはっきりするように思われるのでいかがでしょうか。
 あと、これは可能であれば、アの本文中に「交通犯罪に対する道義的な反省」とありますが、「交通犯罪及び被害者に対する」と、もしよろしければ入れていただくと、より被害者の視点が入るように思うのですが、いかがでしょう。

○山上座長代理 だけれども、「反省」というのは被害者に対する反省というのと、ちょっと何か、どうなんでしょうね、表現が。「犯罪に対する道義的な反省」はわかりますが、「被害者に対する反省」とは、表現としてはちょっとまずいですね。

○中島構成員 被害者に対するものを促す、何かを促すというのをどこかで入れるということが、さっき意見に出ていましたので、ここで入れなくてもいいのですが、どこか一言入っていた方がいいのかなということだけです。

○岡村構成員 確かに、アだけ見ると、これは被害者のためにやっているのではなくて、やはりこれは社会人教育ですよね、社会人に対するね。

○山上座長代理 そうです。

○岡村構成員 だから、何か被害者のためにやっているのではないとなってしまうのですよね。「被害者の視点を取り入れた」を、今、中島構成員がおっしゃったように冒頭へ持ってくるのがいいのではないかと思いますね。

○事務局 よろしいでしょうか。それでは、今ご議論いただきました点を整理しますと、まず(4)の柱が、「犯罪被害者等の視点を取り入れた交通事故加害者に対する更生プログラムの整備等」ということになりまして、アの方が「法務省において、」の次に「犯罪被害者等の視点を取り入れ」というのを加えます。それから、アの4行目「社会人」の後に「社会人として更生させる」ということになります。それから、イの方は、4行目の「交通事犯被収容者の更生のためにより有効なプログラムの整備に努める」ということでよろしいでしょうか。

○岡村構成員 ちょっと用語ですけれども、(4)の「交通事故加害者」と、ここではなっていますね。これは、交通事犯の場合の被害者は、「交通事故」と言われると非常に嫌がります。事故ではない、「交通犯罪」とか「交通事件」とかいうふうに言ってくれということをよく言われます。「交通犯罪」というふうにも使っておりますし、「交通事犯被収容者」とも言っています。何か用語を統一した方がいいのではないかと思いますけれども。

○山上座長代理 「交通犯罪」ということに問題ございますかね。「交通事犯」で統一しますか。「事犯」の方がよろしいですか。

○事務局 統一するとすれば、どうでしょうか。「交通事犯被収容者」というので本文の方が記述されておりますので、柱の方も「交通事犯被収容者」ということに置きかえるといかがでしょうか。

○岡村構成員 「事犯」で統一するわけですね。それから、その前の55ページの(1)も「交通事故捜査」と、これは「事故」になっていますね。これもやはり「事件」とか「事犯」とか、何か統一しておいた方がいいと思いますが。交通事件の被害者の方に聞きますと、「事故じゃない、犯罪なんです」ということをおっしゃいます。単なる事故とは違いますというふうによくおっしゃるので。

○山上座長代理 警察庁のご意見を伺いたいのですけれども、こういうところで「交通事犯」とする方がいいように私は感じるのですけれども、すべてをそうすると「交通事故」というのが、むしろ一般的な言葉が「交通事犯」という表現になると、使いづらいときがあるのではないだろうかという感じが、全部それに統一してしまうと、そういう感じがあるのですが、何かご意見ございませんでしょうか。

○片桐構成員(警察庁) いろいろ文脈で「事故」の方が適当なのかというのは、ちょっとそれぞれ精査してみないと、あちこちでこれは使っていますので一概に申し上げられないのですけれども、交通事故事件、交通事故捜査というのは、結構警察の中では定着した用語なので、私どもとしては、この言葉の方が通りはいいのかなとは思っております。

○山田構成員 (4)のところは「交通事犯」でもいいと思うのですけれども、「交通事犯多発の交差点」ではちょっとなじまない。なぜかというと、それは犯罪かどうか当初の段階ではまだわからぬ、双方とも無過失か、事故か事犯かということは、事故かどうかは調べていって、初めて「犯」になる場合が多いということなのではないでしょうかね。だから、「事犯」と「事故」と分けて、56ページだけは「事犯」にしておいて、あとは「事故」でよろしいのではないのですかね。

○山上座長代理 では、そういうことでよろしいですか。それから、先ほど中島構成員から意見があった、交通犯罪に対する道義的な反省と被害者の問題というのは、「犯罪被害者への謝罪」とか、そういう形を入れる方法はあるかもしれませんけれども、これはどうでしょうかね。

○中島構成員 そうですね、先ほど内閣府の方からもヒアリングのご要望で「贖罪プログラム」という言葉があったぐらいなので、被害者に対する謝罪なり、「贖罪」と書けるかどうかわかりませんが、そのことを促すというような趣旨が入ってもよいのではないかと思った次第です。

○山上座長代理 「反省として、」を「被害者への謝罪、贖罪等」というように言っても、そこまで入れていいのでしょうか。

○山田構成員 よろしいですか。原案では、多分、「贖罪」を「交通犯罪に対する道義的な反省」と言いかえているのではないですか。それと被害者に対する謝罪というのは、ちょっと質が違うかもしれませんけれども。

○山上座長代理 「反省」の後に「被害者への謝罪等を積極的に」という形で入れてもよろしいですか。意見がございましたら。

○河村構成員(法務省) 誠に申しわけございません、その今の表現ぶりにつきましては、イとの関係もございますので、ちょっと場合によりましては、最終的な表現は留保させていただくことがあります。

○山上座長代理 それでは、そういうことでよろしいですね。

○事務局 いえ、どういう形での修正かというのは、まだ明確ではないのではないかと思うのですけれども。

○井上構成員 適切な代案がないのですが、謝罪を積極的に促すというと、謝罪という行為を促すというところまで踏み込む表現になってしまいます。ここではむしろ、心の問題として、罪に対する反省、被害者に対する謝罪心というか深く反省することを促すという意味なので、何かそれにふさわしい言葉の方がいいのではないかという感じがしますね。

○山田構成員 1行目にあるのではないですかね。「被収容者に対する罪の意識の覚せい」、この中に謝罪という観念は入っているのではないかなと思っていたのですけれども。ちょっと弱いのでしょうか。目立たないのかしら。

○井上構成員 「道義的な反省」のところとかぶってしまっているのですね。

○中島構成員 無理矢理押そうというわけではありません。その文章の中に「被害者に対する深い反省」という意味が込められていると皆さんがお読みになれれば、あえてつけ加えなくてもいいかとは思います。ただ、はっきりしていることは、交通事故の加害者におきまして、自分の犯した罪を反省することと被害者を考えることは結構区別しているというところがあるので、私は少しそれについて言っただけの話です。

○事務局 では、提案させていただきますが、先ほどの修正の段階で骨子案取りまとめといたしまして、もしその謝罪、被害者への謝罪とか贖罪とかという点についての盛り込みのご議論がまたあれば、秋以降の検討会の場でご議論いただくということでいかがでしょうか。

○山上座長代理 よろしいでしょうか。それでは、そういうようにさせていただきましょう。

○事務局 それでは、全体の確認をさせていただきたいと思います。まず、この資料1の中で、さらに修正が加わった箇所についての確認をさせていただきたいと思います。
12ページでございますが、(7)の4行目、一番最後の「被害者」の後に「等」を加えます。
それから、20ページでございますが、一番上の行から4行目「を受けることがあり、」といたします。
それから、42ページから44ページにかけてでございます。「民間の団体への支援の充実」というところでございますが、これは最終的には原案のとおりということになります。すなわち、42ページの(2)ア、イと黒字で記載してある原案のとおりということで、必要なご議論は、また秋以降の検討会で行っていただくということとさせていただきたいと思います。
 それから、次は56ページになりますが、先ほどの(4)の文言修正、もう一度申し上げますと、まず柱が「犯罪被害者等の視点を取り入れた交通事犯被収容者に対する更生プログラムの整備等」ということで、ア「法務省において、」の次に「犯罪被害者等の視点を取り入れ、」を加える。それから、アの4行目でございますが、後半の「社会人」の次が、「社会人として更生させることに努める。」でございます。それから、イでございますけれども、4行目「交通事犯被収容者」の後を訂正いたしまして、「交通事犯被収容者の更生のためにより有効なプログラムの整備に努める。」という修正とさせていただき、その余のご指摘、ご意見につきましては、資料1の内閣府意見のとおりとさせていただきたいと思います。

○山上座長代理 それでは、今ご説明がありましたように、こういう形で骨子案を了承することにいたしたいと思います。

○大久保構成員 すみません、52ページはまだおっしゃっていなかったと思います。

○事務局 1点、研究調査ですね。

○大久保構成員 はい。感じ方のところの、そこの部分を削除。

○事務局 大変失礼をいたしました。52ページの青い太字で記載をしております内閣府意見の3行目「認識等について、」の次、「国民の感じ方・・・比較する」までを削除いたします。通して読みますと、3行目の「認識等について、研究調査を行い、その結果を、」ということとさせていただきます。

○山上座長代理 以上、修正点として骨子案を了承したということにさせていただきます。  それでは、今後の日程等について、事務局から提案をお願いいたします。

○岡村構成員 まだ58ページ以下がまだ残っておりますが、これは。

○山上座長代理 58ページ以下。

○岡村構成員 私の提案したところ、58ページのところが。

○事務局 それにつきましては、ご議論が特にございませんでした。事前にお示しをした、この内閣府意見でご了解いただいたものというふうに理解し、先ほどの修正以外のところは内閣府意見のとおりとさせていただくというふうに確認をさせていただきました。

○岡村構成員 全部そうなったということですか。私は、まだ58ページ以下はやっていないのかなと思っていたのですが、もうそれも含めて……。

○山上座長代理 全体を通じて論議をするということでずっと来たものですから、一応論議が尽きたというふうに考えたのですが。いや、ございましたらどうぞ。出してください。

○岡村構成員 皆さんが何とも思わなければいいのですが、58ページ、この「推進会議を活用し」というのがあるので、ちょっと言葉が引っかかったのですけれども。これは「活用」でいいと思われるならいいですけれども、活用するとか動員するとかというのは、ちょっといい言葉なのかなと思ったものですから。ほかに適当な言葉がなければ仕方がないですけれども。

○事務局 内閣府の意見は、そこに青い字で書いてあるとおりなんですが、若干補足させていただきますと、ここでそのように記載をいたしております趣旨でございますけれども、各府省庁が、それぞれこれから基本計画の中の施策を検討とか実施していく際に、自らの府省庁のみで検討とか実施等を行っていくということではなくて、重要事項については推進会議の審議にかからしめるとか、あるいは施策の実施につきましても推進会議の意見等も踏まえつつ行っていくと、そういうことが必要だということを明らかにしようとするものでございますので、そういった意味で「活用」という表現を使わせていただきました。

○岡村構成員 その趣旨は理解したのですが、「活用」というと、ちょっと失礼なように聞こえるので、何かほかにいい言葉かないのかなと思ったのですけれども。言葉がこれでいいということなら構いません。何か、何々を活用するというと。もうちょっといい言葉がないかなと思ったのですが。趣旨はもちろん理解しております。それで、活用で構わないとおっしゃるなら、結構です。

○山上座長代理 「会議の場を活用」というなら抵抗がないような感じがしますが。会議というと、この会の構成全体を利用という感じがとれるから、そうすると、そういう印象を与えるかと思うのですけれども、そういう言い方はまずいでしょうか。どなたかご意見ございますか。

○事務局 会議の場というか、推進会議が何をやるのかというのは基本法で定められているわけでございます。そういった推進会議の行政上の権限というものをしっかりと各府省庁が活用して、施策の推進に努めていきましょうと、こういうことの確認でございますので、活用ということにさせていただきました。もし、そのほかに適当な用語があればとは思いますが。

○井上構成員 ご趣旨は「推進会議を活用しろ」ということですか。関係省庁は、自分たちで勝手にどんどんやるのではなくてと、こういうことなのですか。

○事務局 そうでございます。推進会議というのは、基本法で所掌事務が定められております。重要事項の審議でございますとか、あるいは施策を推進するということでございますとか、あるいは施策の実施の状況を検証、評価、監視するというふうに定められております。そういった推進会議の行政上の権限というものを、しっかりと関係省庁も認識した上で施策の検討だとか、あるいは施策の実施について、推進会議に、例えば重要事項は審議をすると、あるいは施策の実施についても推進会議の意見をしっかりと踏まえてやっていくというようなことを規定しようとするものでございます。

○井上構成員 思いつきなのですが、「随時、推進会議に諮りつつ」ではまずいですか。必ず、常に諮るというと、ちょっと窮屈だと思うのですが、必要に応じて会議に諮りつつというのではだめでしょうか。もし「活用」という言葉に抵抗が強いとすれば。

○久保構成員 活用の方が、いろいろ今、井上構成員がおっしゃったような意味も含みまして、随時活用というのは何となく幅広い感じがするので、私はあまり抵抗は感じないのですけれども。

○山上座長代理 よろしいでしょうか、原案のままで。

○岡村構成員 別に推進会議の委員の方がよろしいと、活用でいいとおっしゃるのですから、結構です。

○山上座長代理 そういう、積極的に生かしてということですので。

○岡村構成員 それから、58ページの下の方は了解いたしましたのですが、60ページの方に(6)のアの2行目ですけれども、「施策・事業を実施する。」とありますが、この事業を推進会議はやるのかなと思ったものですから。施策の実施を推進し、検証し、評価し、監視するというのが会議のつかさどる事務になって、「事業」という言葉は出てこないものですから、疑問を呈したわけなんです。

○事務局 ご議論をいただければと思うのですが、例えば今のようなご指摘を踏まえますと、「施策・事業の実施に反映させる」とか、そういう表現にするというのはいかがでしようか。

○岡村構成員 「事業」をとったらおかしいですか。法律にはないものですから、「事業」という言葉が、それでちょっとどうかなと思ったのですけれども。

○事務局 「施策」に統一しても結構かと思います。もしよろしければ、そのようにさせていただきます。

○山上座長代理 「適切な施策を実施する」ということですか。それでよろしいですか。

○岡村構成員 はい。

○山上座長代理 それでは、そのようにします。

○岡村構成員 あとわからないところがありますけれども、結構です。

○山上座長代理 よろしいですか。

○岡村構成員 はい。

○山上座長代理 それでは、そういうことで了承をしていただいたということで、次の日程について報告お願いします。

○事務局 それでは、今後の日程でございますけれども、お手元の犯罪被害者等基本計画案の検討スケジュール(案)をご覧いただきたいと思います。
 第2回推進会議における、基本計画案(骨子)の決定を経まして、広く国民から意見を募集する、いわゆるパブリックコメントを約4週間実施いたしたいと思います。同時に全国9か所で、基本計画案(骨子)に関しまして、犯罪被害者団体等からのご意見をお聞きする会を開催したいというふうに考えております。これらに寄せられましたご意見でございますけれども、事務局の方で取りまとめを行いまして、改めて構成員の皆さんに提供をさせていただきたいというふうに考えております。
 また、次回以降の検討会でございますけれども、寄せられました意見を踏まえて議論をしていただくということになります関係で、その取りまとめの作業に要する期間を考慮いたしまして、10月ごろから概ね2週間に1度のペースで4回ないし5回程度開催することとしたいと考えております。

○山上座長代理 ただいまの事務局からの提案について、ご意見ございましたら。よろしければ、そういうことで……

○岡村構成員 「12月28日まで都合の悪い日を書き出せ」という指示があって書き出したんですが、そのままずっとあけておくわけにはいきませんので、早く決めていただかないと、都合の悪い日を書き出すんですから、そうすると11月、10月になると予定入っておりませんから、全部結構ですというふうなことになってしまう。これを、ちょっと早目に決めていただかないとまずいんですが。

○事務局 ご指摘ごもっともでございます。できるだけ早く確定をさせていただいて、これはこれだけの構成員の皆さんからご都合をお聞きいたしましたので、できるだけ早く特定をし、ご連絡をさせていただきたいというふうに思います。

○岡村構成員 すぐに秋の日程がだんだん決まっていきますので、ほかのことで、早く。

○山上座長代理 それでは、以上で……

○岡村構成員 いつごろ決まりますか。

○事務局 可及的速やかに、明日かあさってぐらいには、ご連絡できようかと思いますので、いましばらくお待ちいただきたいと思います。

○山上座長代理 それでは、今後の日程を了承することとします。最後に、村田大臣から一言お願いします。

○村田大臣 本当に長い間、とはいえ、かなり短いスケジュールで、精力的にご審議をいただきまして、本日、骨子案をまとめることができまして、構成員の皆様方のこれまでのご努力に対し心から感謝を申し上げたいと思います。特に、山上座長代理におかれましては、突然、残念ながら宮澤座長が体調を壊されました後を、本日まで代理を務めていただきまして、心から感謝を申し上げたいというふうに思います。一方で、宮澤座長のご健康の回復をみんなで心からお祈りをいたしたいというふうに思います。
 そして、これまで事務方を務めました内閣府の推進室の事務方に対しましても、私からも心から感謝を申し上げたいと思いますし、それから関連する各省庁の皆様方も、極めて熱心にこの討議に参加していただいたことに対して、感謝を申し上げたいと思います。
 後半部分は秋から始まるわけでございますけれども、引き続き、12月の閣議決定を目指しまして、ただいま事務局から申し上げましたようなスケジュールをこなさなければいけませんので、また引き続き構成員の皆様方には、今後もご協力をお願い申し上げたいというふうに思います。計画案を作って、それからまた5年の計画期間があるわけでございますが、できるだけ早い機会に犯罪被害者の皆様方のご要望はもとよりでございますが、犯罪被害者等基本法に盛られた法律の目的を一刻も早く実現するために、我々は努力しなければいけないというふうに思っております。
 本日まで前半部分、本当にいろいろな都合をつけてご参加をいただきました構成員の皆様方に改めて感謝を申し上げて、私の挨拶を終わりたいと思います。本当にありがとうございました。

○山上座長代理 それでは、これをもって第7回検討会を終わります。これで前半が終わったことになります。長時間にわたり、ありがとうございました。


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