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犯罪被害者等施策
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犯罪被害者等基本計画検討会(第7回)議事要旨

日時:平成17年8月2日(火)
16時00分~17時48分
場所:合同庁舎4号館4階共用第2特別会議室

議事要旨


出席者:

座長代理山上 皓東京医科歯科大学難治疾患研究所教授
構成員井上 正仁東京大学大学院法学政治学研究科教授
大久保 恵美子社団法人被害者支援都民センター事務局長
岡村 勲全国犯罪被害者の会代表幹事
久保 潔読売新聞東京本社論説委員兼編集委員
中島 聡美国立精神・神経センター精神保健研究所成人精神保健部
成人精神保健研究室長
山田 勝利弁護士
加地 隆治内閣府犯罪被害者等施策推進室長
片桐 裕警察庁長官官房総括審議官
荒木 慶司総務省大臣官房総括審議官
河村 博法務省大臣官房審議官
太田 俊明厚生労働省政策統括官(労働担当)
代理出席瀧口 敬二国土交通省総合政策局政策課長
協力者小田 公彦文部科学省大臣官房総括審議官

※ 村田吉隆犯罪被害者等施策担当大臣は、犯罪被害者等基本計画検討会の招集者として出席。

※ なお、構成員、協力者及び村田大臣のいずれの発言についても、便宜上、「構成員」と表記した。



(議事次第)

1.開会

2.村田大臣あいさつ

3.骨子案まとめの検討について

4.今後の日程について

5.その他

6.閉会

(骨子案に関する附属資料)

資料1内閣府資料[pdf形式]
資料1-2内閣府資料[pdf形式]
資料2警察庁資料[pdf形式]
資料3法務省資料[pdf形式]
資料4文部科学省資料[pdf形式]
資料5厚生労働省資料[pdf形式]
資料6大久保構成員資料[pdf形式]
資料7岡村構成員資料[pdf形式]

(今後の日程に関する附属資料)

資料1犯罪被害者等基本計画案の検討スケジュール[pdf形式]
資料2犯罪被害者等基本計画案(骨子)に対する国民からの意見募集について[pdf形式]

(議事内容)

犯罪被害者等施策担当大臣から、犯罪被害者等基本計画検討会の第7回会合の開催に当たり、招集の趣旨として、概略以下のとおり、挨拶を兼ねた発言があった。
「8月に入ったが、本日も皆様方におかれては、暑い中ご参加をいただき、感謝したい。
今回で7回目を迎えるが、本日の会議では、来週中にも開催予定の犯罪被害者等施策推進会議に提出する骨子案について、これまで検討を重ねてきた結果をもとにご議論をいただきたい。本当に短い期間で精力的に、皆様方もご自身の普段の仕事をされながら、文書を読んでいただき、ご意見を出され、この会議にご参加をいただいたことに対して厚く感謝を申し上げたい。とりまとめたものは、座長代理から(推進会議に)報告をしていただくことになる。いずれにせよ、この骨子案がこれまでの議論の成果になるわけであるから、本日も皆様方からご意見をたくさんいただいて、よりよいものにしたいと考えているので、よろしくお願いしたい。」

○ 第7回犯罪被害者等基本計画検討会の進め方について
事務局より、第7回の検討会では、骨子案(5)に関して取りまとめの内容が留保されている事項、前回の検討会で議論した骨子案(1)及び骨子案(6)の確認を含め、第7回検討会の課題である「犯罪被害者等基本計画案(骨子)(案)全体」の確認をお願いしたい旨提案し、構成員了承。

○ 犯罪被害者等基本計画案(骨子)(案)について
事務局から事前に構成員に提示した犯罪被害者等基本計画案(骨子)(案)について、構成員から寄せられた修正意見及びその後の再修正意見を、概要下記の通り説明の後、議論。

(事務局)「第7回検討会配布資料」の資料1では、囲みの中に、構成員の皆様からいただいたご意見を赤字あるいは緑字で、それに対する事務局の考え方を青字で記載している。さらに、構成員のご意見を踏まえた事務局の修正案がある場合、その下に太字で書き加えてある。構成員の皆様からいただいたご意見と警察庁からのご質問に対する内閣府の回答も添付している。
それから、厚生労働省から追加修正意見が出ており、昨夜、構成員の皆様に配信させていただいた。これは配布資料の資料5、厚生労働省意見に加えているが、この追加修正意見については資料の1に反映されていないので、それを前提にご議論いただきたい。なお、後ほど厚生労働省から補足の説明をいただきたい。
さらに、小西構成員、大久保構成員と岡村構成員から追加の意見が提出されている。これらの追加意見についても、資料1には反映されていないので、それを前提にご議論をいただきたい。

(構成員)資料1では42ページ「民間団体の支援の充実」の項目で、「人的」を加えるということについての意見で、ポイントは、この「人的」というのがどういう意味を持つかということになると思うが、私どもとして、この人的支援の内容が例えば後段の民間の者の研修に関する講師の手配、派遣と同じような意味で考えるならば、対応可能ではあるけれども、これが研修に関する講師の手配、派遣以上の中長期的な人的支援を意味すると考えるならば、法務省からもご意見があったけれども、この点は第5回検討会において意見の一致を見ていないところであり、骨子案に含めるのは適当ではないと考えるという意見である。
ここまでの意見だったのだが、構成員の再意見で、この「人的支援」という意味がもうちょっと違う意味で、顧問相談員とか顧問協力員というような形でできないのかというようなお話があり、そういう趣旨であれば、現在も私どもはそういった事例があるし、その支援も行っているので、そういう形であれば、引き続き本来の業務に支障のない範囲内ではお願いしていきたいと考えている。
したがって、結論から申し上げれば、この中長期的な人的支援ということでは、骨子案に含めることは適当ではないと考えているけれども、構成員の再意見のような考え方であれば、その案でもよろしいのではないかということである。

(構成員)今のとおりなので、ぜひそのように「人的」を入れていただきたいと思う。

(構成員)今の点であるが、実は私どもは提携という意味合いが十分には理解できていないので、私どもは多数こういった関係で活躍されておられる民間団体があると思っているけれども、一部の団体の活動にご協力させていただくことについて、公務の公平性、中立性などの観点から、どの範囲でご協力させていただけるのかということは慎重な検討が必要だと思っている。 今申し上げたように、提携という言葉について、私どもは十分理解ができてないところなので、その意味では骨子案に人的支援ということで書いていただくとすると、ちょっと躊躇せざるを得ないところである。

(構成員)提携という言葉が果たしてどのような言葉で表現をすればいいのか、どうなのかがちょっとはっきりとこちらとしても伝えがたかったけれども、どういうようなものをイメージするかというと、民間の支援団体は質、量ともに不足をしているので、何か専門的な知識を得たいと思っても、検察庁に連絡をすればいいのかといっても、例えば検察庁の中で被害者、民間団体の相談に乗る人というのが日常の業務の中のほんのごく一部として位置づけておいていただければ、その方にすぐ聞けるので、正しい情報を得ることができる。そういうような意味合いのものを言っているので、決してその他の業務に支障が出るほどの過重なものをお願いをしているわけではないので、そういう意味の「人的」ということなので、ぜひご理解いただき、何か協力をするというか、顧問弁護士のような制度、それと同じような顧問相談員のような制度の役割を担っていただける方を置いていただければ大変ありがたいと思う。

(構成員)私どもの方でも被害者相談員というか、そういう窓口がある。その意味で、ご相談いただければ知り得る限りのご協力はできるとは思っている。ただ、普通に人的支援ということで骨子に載った場合の一般の方が受けるイメージというのがちょっと違うのではないのかなと。今の講師派遣なり何なりというところがあるけれども、実はその脈略の中に何か今「等」という中に含まれている事柄ではないのかなと思うが。

(構成員)確かに、私たちも何か相談事があれば、検察庁の犯罪被害者支援員の方とは連絡はとらせてはいただいている。ただ、日によって出勤をしている方、いない方、次の日は出勤はしないということなので、いつも安心をして、間違いなく正しい情報を得られる存在というものは、民間支援団体にとって大変大きな存在になるので、そこら辺のところも考慮の上、その「人的」という言葉そのものが難しいというものであれば、今の考え方を踏まえた上での何か文言を考えていただいて、入れてはいただけないか。 (構成員)ちょっと私はその場で今知恵はないけれども、おっしゃったように、私が申し上げているのは、人的支援という言葉で受けるイメージがちょっと構成員がおっしゃるのと普通の方のイメージが違うように見えたので、ここの書きぶりについて、何か適切なご提案があれば、私どもも十分検討させていただきたい。

(事務局)提案だが、この「人的」という意味合いは、構成員の間で一定の意味合いとしての理解一致まで至っていないということで、「人的」という表現を入れるかどうかということについては、かなりご議論をしていただく、その前提として関係省庁にしっかりと検討していただくということが必要かなと思う。そういった意味では、現時点の骨子案のまとめとしては、現在行っている施策の範囲にとどめるというか、「人的」ということであれば、今の段階ではご意見いただいている中では、警察庁は「人的」ということで特にご意見をいただいていない。法務省と文部科学省はご意見をいただいている。それから今厚生労働省からは、先ほど構成員の提携という意味合いであれば、支障ないという旨のご意見があったところであり、そこはもう一度整理するとして、現時点では施策を行っていないところは現在行っておられる施策の範囲内での表現にとどめて、そして人的な支援についてどうするのかということについては、秋以降の検討会の中でご議論いただくというようなことではいかがか。

(構成員)それでよろしくお願いしたい。

(構成員)法務省の方も今やっているのをベースにしてこの骨子ができて、それで新たなスキームが将来仮にできたときに、今の体制というのは恐らく人的な体制というのも充実せざるを得なくなってくるように私は予測するけれども、それでもだめか。多分、自然にそうなると思うが。

(構成員)今の相談窓口等の人的な面も含めた体制の充実ということも、既に私どもも明らかにさせていただいており、したがってその意味では、資料42ページ(2)イのこのあたりの表現ぶり、今の時点での表現ぶりぐらいの話であろうと思っているが、いずれにせよ、今後そういった民間、頑張っていただいている被害者支援の団体の方々へのご協力のあり方というのは、構成員ご指摘のいろいろな意味で考えていかなければいけないテーマだということは十分わかっている。

(構成員)相談窓口の充実とか、あるいは各支援にかかわる組織、機関の連絡、協力とか、そういうところでもそこが充実していけば今の構成員の言われるような問題というのはある程度くまれていくような気がするので、全体的な施策の充実で大丈夫ではないかと思うが、どうか。

(構成員)それでも、やはり資質の向上を考えるときには、機関と機関の連携ということでは、なかなか全体の資質は上がらないと思う。そこに民間支援団体に協力をする関係機関の人が存在をするということが私は大事なことだと思うので、ただ難しいと言いながらも前向きに検討をするというようなこともおっしゃったので、それを文言の中にぜひ入れて整理をしていっていただければと思う。

(構成員)この骨子案の中にということか。

(構成員)骨子案の中については、先ほど事務局がおっしゃったことで。

(事務局)そうすると、42ページのところの確認だが、まとめが3つできようかと思う。1つは、人的、財政的支援の充実に努めるということと、それから団体の活動に関する広報以下の支援を行っていくというところが1つ。もう一つは、そこから「人的」が落ちる。財政的支援の充実に努めるとともに、それらの団体の活動に関する広報以下の支援を行っていくというのが2つ。もう一つは、現在のイで、人的、財政的支援の充実に努めるというのがない省庁である。 そこで、今確認をさせていただきたいのは、1つは法務省と文部科学省は人的及び財政的、いずれもないので、イの原案どおりとしてもらいたいという意見が出されているが、厚生労働省は、アの人的を含めた項にまとめるのか、それとも財政的支援の充実と団体の活動に関する広報以下の支援の項に整理をするのか、そこのご意見を改めて伺いたいと思う。

(構成員)私どもとしては、全体として人的支援の充実ということで、各省をやっていこうということであれば、先ほどみたいな読み方をして入れても結構ではないかということを思ったけれども、今みたいな議論でもう少し人的支援というのを厳密に考えていくと、ちょっと我々も読みにくい部分があるなと。そういう意味では、人的支援の部分はもう少し長期的な検討課題の中で整備していくのがいいのかなと考えている。だから、今みたいな形で整理すると、やはり財政的支援の充実という形で整理していただいた方が我々としては形がいいなと考えている。

(事務局)そうすると、人的、財政的支援の充実に努めるとともに、団体の活動に関する広報以下の支援を行っていくというのが警察庁、それから財政的支援の充実に努めるとともに、団体の活動に関する広報以下の支援を行っていくというのが厚生労働省、それから現在のイの項目、これが法務省、文部科学省、国土交通省の3省という整理になる。 なお、骨子案としてはこのような形で整理をするということだが、人的な支援のあり方については秋以降の検討会の場でまたご議論をいただくというようなことになろうかと思うが、これでよろしいか。

(構成員)何かこれは法律文章じゃないから。書き分けるとしたらもうちょっと何か工夫しないといけないし、似たようなことをいっぱい書いてくる、あまりいい文章ではないと思うが。

(構成員)私どもとしては、既に講師の派遣、手配のほかに、セミナーとか行う場合の会場の設営に対する人的な機械的労務の提供とか、それから助言とか、そういった意味での人的支援はしているので、構成員のおっしゃるような趣旨であれば、我々は入れていただいても構わないとは思うけれども、ただいろいろこの読み方によってご議論があるというお話であれば、例えば原案を生かしておいて、構成員のおっしゃることをまた秋以降に議論するという前提で、とりあえず原案を生かしておいたという形の方が。ちょっと今の事務局の整理だと、非常に煩雑になるので、とりあえずはそこからなのかなという感じはするけれども、どうか。

(構成員)黒字の原案にするということか。

(構成員)そうだ。今のアの後段部分の方には「等」と書いてあるので、いろいろな支援がここには入り得る話だと思う。だから、その中でもってどういうものがあり得るのかということを今後議論していくという一応の前提で、今回は原案でいかがなのかなという感じがしている。

(構成員)何かせっかくの話合いが、皆さんが後ろを向いてしまったような感じで、私はとても寂しかったけれども、「等」というところに法律家の皆さんが入るというのであれば、それはそれでまたきちんと秋の段階で検討するということでいたし方がない。

(事務局)決して後ろ向きということではなくて、骨子案としての取りまとめとなると、その前提となるご議論があって、そして意見の一致を見たものを今まで取りまとめてきた。そういった意味からすると、構成員のご意見の人的な支援ということについては、その内容がどういったものなのか、あるいはそれについて今後どのようにあるべきなのかということについては十分なご議論がなかったと思うし、そういった観点からすると、方向性とか、どういう期限を切って検討していくのかとかといったこともなかなか現時点では書き込めないということであるので、それは秋以降のご議論の場でしっかりと皆さんで検討していただこうということであるので、決して後ろ向きでないということをご理解いただきたい。

(構成員)それでは、人的な問題も前向きに検討していくということを含むとして原案どおりということでさせていただきたいと思う。

(事務局)もしよろしければ、追加のご意見でほか何点かいただいているので、それに対しての内閣府意見を申し上げたいと思う。
まず、資料1の17ページの関連で、これは犯罪被害者等に関する情報の保護の関係であり、被害者の氏名や住所等を絶対的に秘匿をできる制度の導入について、骨子案に盛り込むべき、あるいはそれに対する内閣府意見を17ページの下の青字で、秋以降にご議論いただくという意見を提出をしているが、それを踏まえてさらに骨子案にその余地があることを示す文言を残すべきというご意見をいただいている。
この骨子案に絶対的に秘匿できる制度の導入の余地があることを示すということについても、これは相当のご議論があろうかと思う。だから、今の段階でこういった方向性まで示すだけの意見の一致という段階には至っていないのではないかと事務局としては考える。したがって、最初の17ページの青字で記載しているとおり、この点については秋以降の基本計画検討会の場でご議論をいただければと考える。
それから、27ページの犯罪被害者等の意見等を踏まえた被害者処遇の充実というところで、ここについての「加害者処遇」は不適当で、「加害者教育の推進」とすべきだというご意見である。これは後ほど法務省の構成員からご意見をいただければと思う。 それから、52ページの調査研究の関係で、これはどういうご趣旨でというのが再意見書には記載がなかったが、この調査の内容について誤解をされておられるかもしれないなと考えた次第である。
私どもで考えているこの調査の内容であるが、これは二次的被害の対策の前提となるものをと考えている。二次的被害の原因は、国民の皆さんの犯罪被害者等の方々がどういう場合にそういう二次的な被害を受けるのかということについての認識と、それから犯罪被害者等の方々のお考えとの両者の間にギャップがあるのではないだろうかと。ちょっとした言動が二次的被害にどのように影響するのかといったことについての国民の認識とが犯罪被害者等の方々の認識と違うというそのことが二次的被害の原因になっているのではないか。だから、そういう二次的被害を防止するための前提となる意識のギャップ、これを調査しようというふうに考えているので、構成員のご指摘のような修文にすると、そういう意味合いがなくなってくる。一方で、二次的被害の実態がどうなのかという調査については、これは別途の取りまとめの中で内閣府で追跡調査を行っていくという、その中でどういう二次的被害の状況があるのかというようなことについても調査をしてまいりたいと考えているので、この部分については原案どおりとさせていただきたいと考えている。

(構成員)52ページに書いてある文言だが、私は国民の感じ方を把握して、これらに対する犯罪被害者等の感じ方を比較するということ、その表現方法そのものが被害者に対して二次被害を与える最たるものだと思う。感情というのはその人の感じ方なので、それに対して云々というのは、かえって犯罪被害者の立場から言うと、二次被害を受けているとほとんどの被害者の人が言うわけだから、それに対して国民の人たちがそれを二次被害と感じていないで、もう一度、今日出させていただいた意見のように、犯罪被害者の現状、それに対する国民一般の認識の程度等について調査研究を行って、その結果をというふうな形にここはぜひ直していただきたいと思う。国民の多くは意識をせずして二次被害を与えているというのが現状だと思う。これを犯罪被害者の方が見たら、国民の感じ方、被害者の感じ方、これはちょっと表現としてまずいと思う。適切な表現方法に直していただければと思う。

(構成員)私も構成員と全く同じで、国民の感じ方、被害者の感じ方と分ける必要があるのかなと思う。被害者の感じ方を国民がどの程度理解してくれているのかという調査はする意味があるけれども、抽象的に国民の感じ方はどうだと、被害者はどうだということではあまり意味がないのではないかと思う。

(構成員)二次的被害というのはいろいろなケースが考えられるかと思うけれども、例えば国民の皆さんが何気なく発してしまう言葉、これが実は犯罪被害者等の方々にとって大変な二次的被害になるんだというようなご指摘もいただいたところである。そういったことをどういうふうに改めていくのかという施策を考えるときに、一体例えば何気ない言動、そういう何気ない言動で二次的被害に至ってしまう、それはどういうものなのかということを調査しようということになると、その国民の皆さんと犯罪被害者等の皆さんがお感じになるそのギャップというものがヒントになるのではないか。むしろそのギャップが大きければ大きいほど、そこはしっかりと取り組んでいかなければ、施策を講じていかなければならない点になるのではないだろうかということを考え、こういう国民の感じ方、そして犯罪被害者等の方々の感じ方との差というものを調査すべきだと考えたわけである。なお、その感じ方という表現そのものがまずいということであれば……。

(構成員)感じ方というのは、精神的な衝撃を受けているので、いろいろな症状が出てくるわけで、その精神的衝撃によって起きてくる症状が感じ方になっているわけだから、それをとらえると大変おかしいと思う。

(構成員)今、構成員の考え方で、ギャップを問題にしてそこを越えていくようなというのであれば、むしろ構成員のような提案の形の文章で、むしろ理解の不足からギャップができているわけだから、それをやれば結果的には同じ内容になるので、構成員の提案の方がわかりやすくて、そういう誤解の余地も少ないだろうという気が私はするが、そういうふうに訂正されたらどうか。

(構成員)私もこの文章の中で一つ気になったのが、国民の感じ方と犯罪被害者の感じ方を比較する、というところだ。犯罪被害者と国民の間は非常にそこで溝をつくってしまうというか、犯罪被害者も国民の一部であり、ご趣旨は非常に理解できるけれども、あたかも犯罪被害者というのは特別な、非常に異質な存在であるかのような印象を与えてしまう可能性もあるのではないかと思う。調査だから、そんなに今の段階で細かくその要綱について述べる必要は必ずしもないのではないか。当然、調査になれば構成員お考えのものは含まれると思う。例えば、国民の感じ方ではなくて国民の意識というような言葉で言いかえることによって、様々なものが含まれるのではないかと思うが、どうか。

(構成員)多分、国民の感じ方とすると、被害者がこう感じることに関して国民がどう感じるかと、そういう感じに、そういうものとしてとらえられる可能性があるけれども、それはむしろ被害者が感じるそういう二次被害の問題を国民がどこまで理解しているかというとらえ方で同じものがとらえられるはずなので、そういう方向でいいのではないかなと。

(構成員)調査の目的は大変よくわかる。ここの表現がまずいということ。

(構成員)今いろいろご批判いただいて、感じ方というのが非常に誤解を与えてしまうというようなご指摘であるので、52ページの内閣府意見の太字で書いてある修正の3行目の「認識等について」、その次の「国民の感じ方」から次の行の「比較する」までをとってしまって、「二次的被害に対する認識等について、研究調査を行い、その結果を」というようなことでご懸念の表現を省いてしまうということでどうか。その内容としては、意識のギャップを施策に生かしていこうという趣旨も入ってくると思うので、そういうふうにまとめさせていただきたい。

(事務局)引き続き、追加意見についての事務局の考え方を申し上げたいが、これは単一の条に整理することが困難なものについての検討で、56ページの(4)交通事故加害者に対する犯罪被害者等の視点を取り入れた更生プログラムの整備等という項目がある。構成員からの追加意見では、これは犯罪被害者等のための施策に関する基本計画である。交通事故加害者に対する更生プログラムを記載することは適当ではないという理由で削除すべきというようなご意見をいただいている。 ただ、これは原案どおりとさせていただきたいと考えている。その理由は、この検討会は、今までもそうであるが、犯罪被害者の団体、あるいは支援をされている団体の皆様からのご意見・ご要望を踏まえ、寄せられたご意見・ご要望すべてについて、関係省庁で検討し、それを踏まえて構成員の皆様にご議論をいただいて、そして施策の取りまとめをしてきたのである。このご意見をいただいている部分についても、現に犯罪被害者等の皆様からの具体的な要望があったわけであり、このご要望を踏まえて、法務省から前向きな施策・取組についての意見提出があり、それをもとに取りまとめとして盛り込んだものである。 それから、構成員のご指摘の中に、交通事故以外の犯罪加害者に対する更生プログラムは書かれていないので整合性を欠くというご指摘もあるが、これについては交通事故以外の犯罪類型を含めた犯罪等の加害者に対して行われるべきものについても記載している。例えば、15条関係では19ページの(11)のア、それから、18条の関係でも、27ページの(17)のアである。というようなことで、決して交通事故以外の犯罪被害者に対する更生プログラムの関係が書かれていないということでもないので、最初に申し上げたように、原案どおりということでお願いできればと考えている。

(構成員)犯罪被害者がここに書かれているような希望を持っているということは、これは私もよく承知している。十分に教育してほしいという希望はみんな持っている。しかし、特に交通事故の点を取り上げたのは、遵法精神とか責任感を持てとか、これは加害者に対する教育である。被害者のための施策に加害者教育のことを入れるのが適当かなと私は思った。加害者の更生のプログラムを入れると、被害者のための施策という意味からちょっと離れるんじゃないか。これはどこか適当なところで、例えば法務省の矯正局が教育をやるときの指針にするべきではないか。

(事務局)他の構成員の皆様のご意見も伺いたいと思うが、私は今まで、被害者の団体の方からだったと思うが、被害者等の方々が本当に安心できるというのは、加害者がきちっと更生するということが必要なんだというようなことをお聞きしたように思う。そういった意味では、加害者の更生プログラムがしっかりと被害者等の方々の視点に立ったものになるということも被害者等のための施策の中には含まれるのではないかということで、原案どおりとりまとめ案として盛り込むべきではないかと考えるが、いかがか。

(構成員)被害者が加害者の更生を求めている、願っているというふうによく言われることがある。これは二度と自分のような悲しい思いをする被害者を出さないでほしいということにあって、立派な人間になれ、立派な社会人になれと、そこまで考えているわけではない。少なくとも自分のような辛い思いをほかの人にさせたくないということであって、加害者の更生を願っているというふうにとらえられると困る。更生という意味が違っている。

(構成員)多分、ここはその表現がそういう教育的なものに偏っている。例えば、謝罪であるとか慰謝であるとか、あるいは二度とそういうふうな被害者を生まないとか、そういうことであれば、もっとより被害者の視点に近づくのだろうと思うが、そういう言葉よりも、どちらかというと交通法規を守ってとか、そういう加害者の教育、被害者の立場を少し離れたような言葉が多いかなと、そういう印象を与えるかなと思う。

(構成員)だから、これは別のところで、加害者に対する教育をやるべきであって、基本計画の中にこう入れるのは、ちょっと私はどうかなと思う。

(構成員)ご提案も構成員が言われていることも、実質的にはそんなに大きく違っているとは思えない。ただ、その表現ぶりが「更生のためのプログラムの整備」となっているので、やや誤解を生みやすいのかもしれない。むしろ、「交通事故加害者の更生」あるいは「交通事故加害者に対する矯正における犯罪被害者の視点を取り入れたプログラムの整備」とした方が、そのような視点を取り入れたプログラムを充実させるというところに重点があるので、適切なのではないかと思う。 問題のアのところも、これだけだと犯罪被害者等の視点というのがどこにも書かれていないので、これだけ読むと確かに構成員がおっしゃったような懸念も生じるかと思う。むしろ、犯罪被害者の方の置かれている状況とか犯罪被害の実態とか、そういうものをより反映させ、人命を尊重し交通法規もちゃんと守るように、より徹底した教育をしてもらうと、そういうふうな書きぶりだと構成員のご趣旨も生かされてくるのではないかと思う。そこを切り離して、更生ということだけ書いてしまうと、矯正一般の当たり前のことではないかというご懸念も生ずるかもしれない。だから、何か書きぶりのところを少し工夫されればよいのであって、こういう点を入れておくということ自体は非常に重要ではないかと思う。当たり前のようだけれども、さらに被害者の方たちの声も反映させて、より人命尊重とか、被害の実態や被害者の方たちの心情にも目を向けた教育をしてもらいたい。実際に矯正の現場では、そこを非常に強調して教育しているというふうに承知しているけれども。

(構成員)その現場に触れることだが、かなり効果があって、かかわった被害者の方もそれにかかわったかいがあったという方も多いので、こういう機会をぜひ持っていただくことを進めていただきたいと思う。それから、この表現も少し改めて、今言われたような方向で少し修正ができればと思う。

(構成員)先ほどご指摘のあった19ページ、27ページにも、更生ではなく矯正という言葉が使われている。それから、今お話の点でも、矯正すべき項目の中に犯罪被害者の置かれている実態というものを深く認識させるというふうな視点での言葉を入れたらよろしくなるのではないかと思うが、いかがか。

(構成員)私も今の構成員の意見に賛成だが、加害者についての犯罪抑止とか、それから予防、そういう視点というのは随所にあった方がいいと思う。そういう意味では、表現方法が、同じ意見だけれども、「被害者の痛みを理解し」とか「置かれた状況を理解し」とか、そういうものをぜひ入れておいていただければと思う。

(構成員)それでは、これはそういう方向で皆さんよろしいということであれば、少し文言を検討していただくということでよろしいか。

(構成員)どういうふうに検討していくのか。

(構成員)今、皆さんが言われたような、被害者の視点をはっきり入れるような言葉で、この加害者の単なる教育を強調するような形にはしないということ。そういうことで検討してほしい。

(構成員)12ページ(7)の中の厚生労働省の「思春期精神保健の専門家の養成」というところの4行目、児童虐待や配偶者等からの暴力の被害者の心理と治療とあるが、この配偶者等からの暴力

(DV)の被害者の後ろに「等」をつけていただくことはできないか。というのは、実は今日も先ほどまで、犯罪被害者遺族の自助グループの家族の方からの発言の中に、残された子どもや兄弟たちが特に思春期に差しかかっていると、犯罪被害に家族が遭ったということによって、社会への信頼感とか人への信頼感をすべて失ってしまって、これからの自分の人生が考えられなくなる、そういうときに親としても大変困るというような発言が多くあるように、これだけを読むと、児童虐待とDVのように受け取ることができるので、その後ろの犯罪被害者の後ろに「等」をつけていただけると、犯罪被害に遭った人やその家族というものも含まれるのではないかと思うので、いかがか。

(構成員)今おっしゃることの趣旨はよくわかるが、ここで今やっているのは、児童虐待とDV、女性を中心にやっているので、犯罪被害等という形で犯罪被害者全体に広げるということは、なかなか困難ではないかということで、むしろ将来の検討課題の中で整理するという形、いろいろな問題、児童と配偶者の問題以外のものもやるべきだという議論があって、そのときも同じような議論があったけれども、この中で犯罪被害者全体までやるというのはちょっと困難ではないかと感じている。

(構成員)ちょっと議論が行き違いがあるかもしれないが、児童虐待やDVの被害者「等」とするのは、これは被害者と身内の家族、周りにいる人たちとか、児童虐待とかDVに直接かかわる、あるいは間接的にかかわる家族の方という、「等」というのはそういう意味ではないか。

(構成員)今新たに入れていただけるかどうかということを確認させていただいた「等」というのは、児童虐待、配偶者だけではなくて、一般の犯罪被害という意味合いで発言させていただいた。思春期のときには、それが大変大きな問題になるので。

(構成員)であれば、そこは構成員のお考えはそういうお考えか。

(構成員)そうだ。

(構成員)別のところで、思春期の犯罪被害者等の専門家の養成というあたりは入れていただけるということか。

(構成員)私どもの今の中でやっていると、児童なりDVという形でやっているので、犯罪被害者まで広げると、正直言って所管の中でやることがなかなか難しいかなとは思う。ただ、それ自体は否定するわけではないが、私どもの中でそれをやってほしいと言われると、今そういう形ではなかなか難しいかなということである。

(構成員)ここの部分だが、もともと児童虐待、配偶者等からの暴力の被害者の心理・治療ということもあまり入ってなかったところを入れてもらったというのは、特に思春期においてこの問題が重要だったというふうに私たちも考えていただいたと思うが、ということは、この部分についてさえも、今の研修でも多分あまりやってないはず。犯罪被害者のことをやるというのは、被害者学全般をやるわけではなく、精神的なトラウマについて扱うことは十分可能だし、恐らく扱ってしまうのではないかと思うので、「等」を入れたからといって、そんなに研修の内容が大きく変わるということはないと思う。だから入れていただいても多分そんな大きな問題は起こらないと思う。

(構成員)この児童虐待と配偶者等からの暴力、これに限ったとしても、被害者だけでなくて、家族、DVの母親が暴力を受けていると、それを見た思春期の子どもが非常な影響を受ける。、その意味で被害者だけでなくて被害者等ということで、子どもたちが含まれるというふうにはしておいた方がいいと思う。

(構成員)虐待とかDVに関連して、例えば思春期の子どもが影響を受けると、その限りでは関連ものとしてやらせていただきたいと思う。ただ、被害者全般、全部広げるとなるとなかなか難しい問題があると思うけれども、今の思春期の関連したという範囲では「等」という形でやらせていただきたいと思う。

(構成員)そのことをお願いしていた。

(構成員)「等」を入れるということでお願いしたい。

(構成員)2点ある。1点は先ほど事務局から構成員のご意見に対して、27ページ、見出しについてどう考えるかという「処遇」の問題、加害者教育とすべきであるという点である。これはごく普通の方がごらんになると、「処遇」という言葉に何か違和感をお感じになるのかもしれないが、その後の方にア、イ、ウでも処遇という言葉を使わせていただいているように、いわゆる刑事政策の分野では施設内処遇、社会内処遇ということで、施設に拘禁されて受刑している者と、保護観察等の形で社会で刑の執行等を受けている者という類型があり、その場合に官としてのさまざまな働きかけを処遇という言葉で言いあらわしているところから、ここでは加害者処遇の充実という言葉を使わせていただいている。逆に教育という言葉になると、矯正教育というふうな形では出てくるけれども、保護観察など、いわゆる社会内処遇のときにあまり教育という言葉を前面で使わないこともあり、非常に学問的といえば学問的な話ではあるが、処遇という言葉でどうかと考えている。それが1点である。 もう1点は、20ページ、これは今ごろというお話はあるかもしれないが、骨子案の事実上最後の回ということもあり、ここでの現状認識のところである。結論から申し上げると、4行目の「受けることがある。」となっているのを「受けることがあり、」に修文していただけないかということで、これは1つはその他の現行の運用施策に、あるいは関係者の対応において不十分なものがあるなどといった場合のそれまでの現状認識の記載との平仄ということが1点、それと確かにこういうご批判を受けざるを得ないような事案があるということを否定するものではないが、ただ他方で配慮したつもりでも思いが至ってないというところもあるし、ここだけこの表現ぶりが変わると、何か非常にこういう事例が多々あるかのように見えるのかなという懸念もないわけではないので、できれば「受けることがあり、」と、ほかの現状認識と並べた表現をとっていただきたいという、その2点である。

(構成員)よろしいか。それでは、修正をお願いしたい。

(構成員)私もこういう文章の中での言葉の使い方がよくわかっているわけではないけれども、「処遇」というと、あくまで加害者本人のみというふうな部分が強調されるような気がする、そういった言葉を使うと。被害者の視点を取り入れて、こういう教育を受けさせるんだという形のものが感じ取れるので、処遇ではなくて教育としていただきたいというようにお願いをした。ただ、言葉そのものの意味合いが……。

(構成員)説明があったように、処遇というのは教育とか、いろいろなあらゆるものを含んでいるわけで、だからこれは例えば一般的な言葉で言うと、処遇内容とでも言えば教育とか、そういうものにかなり近い感覚にはなるかもしれないけれども、ただ法務省内部で矯正をやるところでは一般に処遇として使われている。

(構成員)これも先ほど構成員が基本法の中に加害者という言葉を入れるということに抵抗を感じることも多いということをおっしゃったことと同じように、私も加害者の処遇というと、何かもう少し被害者側の視点に立ったような言葉がないのかと思って考えついたのが教育しかなかった。その点、何かもっといい言葉があればとは思う。

(構成員)一般の方々と我々法律関係者とでは感覚が違うのかもしれないが、「処遇」といってももてなすとか特別に丁寧に接遇するということを意味しているわけではなくて、トリートメントあるいは取扱いというのに近い言葉であり、それが一応定着しているので、私などはあまり違和感を感じない。それに対して、「教育」というと、やや範囲が限られてしまうのではないかという感じがする。もちろん教育が中心なのだろうが。

(構成員)処遇の充実というと、一般の方が聞くと、待遇がよくなるような、充実するような、そういう感じにちょっととれるところがあるかもしれない、本来は違うけれども。

(構成員)皆さんがそういう認識を持っていらっしゃるということであれば、あえてここでこれ以上のことは申し上げない。

(構成員)法務省でも被害者の視点を取り入れた教育ということを研究する委員会をつくって、報告書をおまとめいただいた。だから、処遇の中に教育があるんだろうから、それだけ取り上げて教育ということを使っても、そんなに悪いことではないのではないかなという気がするけれども。

(構成員)申し上げたように、あくまで学問的な使いよう、講学上、こういうふうにずっと使ってきておるというだけであり、構成員がおっしゃるように、まさに被害者の視点を取り入れた教育ということを使っているではないかと。ただ、それ以外のところを見ていただくと、処遇ということが随所にこの後出てきているそのものであり、まさに施設内、あるいは社会内でどのように取り扱っていくのかという言葉として処遇を使っているということの意味で、そんなに私どもはこだわるわけではない。

(構成員)教育という言葉にしてしまうと、特に更生保護の領域では、教育だけではない、いろいろなことが行われているので、狭くなってしまうかもしれない。

(事務局)56ページの、交通事故加害者に対する犯罪被害者等の視点を取り入れた更生プログラムの整備というところの修正案を提案させていただきたいと思うが、(4)のアについては、「法務省において、」の後に「犯罪被害者等の視点を取り入れ、」というのを加える。それから、(4)アの4行目だが、「社会人を育成する」と現在なっているが、ここに「社会人に矯正する」、ただこれは後で法務省のご意見を伺いたいが、こういう場合に「矯正」という言葉を使う方がいいのか、あるいは「更生」の方がいいのか、被害者の団体の方からのご意見は加害者の更生及び贖罪プログラムの開発をしてほしいという、そういうご意見であった。これは後ほど法務省からもまたご意見をいただきたいと思う。それから、イの項は4行目の「交通事犯被収容者に対するより有効なプログラム」と現在なっているけれども、そこを「交通事犯被収容者の矯正のために、より有効なプログラムの整備に努める」ということで、先ほどのご議論を踏まえた修正とさせていただければと。ここも「矯正」という文言がいいのか、あるいは「更生」の方がいいのかということについてのご意見をいただければと思う。

(構成員)柱についても、構成員に伺いたいが、「矯正」というと狭くなってしまうか。「更生」としたのは、更生保護も含んでいるというのがもともとのお考えか。もしそうだとすると、「矯正」と言ってしまうとちょっと狭過ぎるかもしれない。

(構成員)今の点については、ただここの(4)のア、イ、いずれも被収容者が対象者として挙がっているので、まずはそれは第一義的に挙がってくるけれども、その後の社会内処遇の面でもこういった指導的側面を行わないのかといえばそういうことはないので、先ほどのほかの項目のところでいろいろな働きかけをしていくという話があるので、その意味では厳密に申せば本来は「更生」というのが正しいとは思う。

(構成員)矯正という言葉にも非常に抵抗感のある人もいる、矯め直さなくても、無害になればいいんだとおっしゃる先生もいらっしゃった。私は社会人となるように努めるとかというふうにして、教育とか矯正とかいう言葉は取ってしまったらどうだろうと思うが、どうか。

(構成員)そこのところは、「社会人として更生させる」ということにしてはどうか。更生というのも、最低限無害になるということにほかならないと思うが。

(事務局)今ご議論いただいているが、再度申し上げると、被害者の団体の方からのご意見の中でも、加害者の更生とか贖罪のプログラムの開発という強いご要望もあるので、できれば「更生」という文言を入れていただくといいのかなと思うが、どうか。

(構成員)表題の(4)の柱書の部分はともかくとして、アとかイということでは、本当に矯正という言葉がここでいいのかという、せっかくの事務局のご提案ではあるけれども、それならばもっと無色透明にしていただいても何も意味的には変わらないと思うが、先ほど構成員から確かお話があった形で、ここで申している「育成」というのも非常にその意味では中立的であるので、「社会人となるようにすることに努める」とか、何か今、矯正とかという言葉を使わないで表現していただくというのも一つの方策かと思う。

(構成員)「社会人とさせる」かな。

(構成員)「社会人になるよう努める」。

(構成員)ならせないといけない。

(構成員)「ならせるよう努める」。

(構成員)「なるよう」ではだめで、何かを「させる」ことでないといけない、「法務省」が主語なので。

(構成員)そうすると、今の育成と同じようなものではないか。

(構成員)育成というと、「育てる」だから。50歳、60歳になった人を収容しておいて「育成する」と言ってもちょっとぴんとこない。

(構成員)「安全第一を心情とする社会人を育成する」と、最初にかかるわけだから。

(構成員)そんなに私もこだわるわけではない。語呂であまりこだわっては先へ進まないから。

(構成員)「育成する」も、あるいは「更生させる」と、どちらもちょっと抵抗があるようだと。

(構成員)両方とも抵抗があると考える方が多いようなので、先ほど構成員が提案したように、「社会人とさせるよう努める」というあたりがよいのではないか。

(構成員)「社会人として出発するよう教育する」か。

(構成員)そこの文言はまた事務局で考えていただいて。

(構成員)今考えた結果のところでちょっと結論を出してやった方がいいかもしれない。

(構成員)「指導」という言葉はどうか。「社会人になるよう指導するように努める」。

(事務局)繰り返しになるけれども、犯罪被害者の団体のヒアリングの際のご要望というのが「加害者の更生、贖罪プログラムを開発してほしい」という強い思いを考えると、ちょっと表現ぶりも弱いんじゃないかなと。

(構成員)もし「更生」という言葉を使ってよいのなら、「社会人として更生させる」としてはどうか。これは普通にどこでも書いてある表現だと思う。「更生」という言葉に抵抗がなければ、それが一番自然かと思う。

(構成員)蒸し返すわけではないが、この(4)について、せっかくそういう今までのご意見が出たのを反映させれば、タイトルについて、本文では「交通事故加害者に対する犯罪被害者等の視点を取り入れた更生プログラムの整備」となっているのを、「犯罪被害者の視点」を先に持ってきて、「犯罪被害者等の視点を取り入れた交通事故加害者への更生プログラムの整備」というふうにしていただくと、より被害者の視点がはっきりするように思われるが、いかがか。 あと、これは可能であれば、アの本文中に「交通犯罪に対する道義的な反省」とあるが、「交通犯罪及び被害者に対する」と、もしよろしければ入れていただくと、より被害者の視点が入るように思うが、いかがか。

(構成員)だけれども、「反省」というのは被害者に対する反省というのと、ちょっと何か、どうだろうか、表現が。「犯罪に対する道義的な反省」はわかるが、「被害者に対する反省」とは、表現としてはちょっとまずい。

(構成員)被害者に対するものを促す、何かを促すというのをどこかで入れるんだということが、さっき意見に出ていたので、こういう反省のところに入れなくてもいいが、どこか一言入っていた方がいいのかなということだけだ。

(構成員)確かに、アだけ見ると、これは被害者のためにやっているのではなくて、やはりこれは社会人教育である、社会人に対するね。だから、何か被害者のためにやっているのではないとなってしまう。「被害者の視点を取り入れた」を、今、構成員がおっしゃったように冒頭へ持ってくるのがいいのではないかと思う。

(事務局)それでは、今ご議論いただいた点を整理すると、まず(4)の柱が、「犯罪被害者等の視点を取り入れた交通事故加害者に対する更生プログラムの整備等」ということになり、アの方が「法務省において、」の次に「犯罪被害者等の視点を取り入れ」というのを加える。それから、アの4行目「社会人」の後に「社会人として更生させる」ということになる。それから、イの方は、4行目の「交通事犯被収容者の更生のためにより有効なプログラムの整備に努める」ということでよろしいか。

(構成員)ちょっと用語だけれども、(4)の「交通事故加害者」となっている。交通事犯の場合の被害者は、「交通事故」と言われると非常に嫌がる。事故じゃない、「交通犯罪」とか「交通事件」とかいうふうに言ってくれとよく言われる。「交通犯罪」というふうにも使っているし、「交通事犯被収容者」とも言っている。何か用語を統一した方がいいのではないかと思うけれども。

(構成員)「交通犯罪」と言うことに問題あるか。「交通事犯」で統一するか。「事犯」の方がよろしいか。

(事務局)統一するとすれば、「交通事犯被収容者」というので本文の方が記述されているので、柱の方も「交通事犯被収容者」ということに置きかえるといかがか。

(構成員)「事犯」で統一するわけか。 それから、その前の55ページの(1)も「交通事故捜査」と、これは「事故」になっている。これもやはり「事件」とか「事犯」とか、何か統一しておいた方がいいと思う。交通事件の被害者の方に聞くと、「事故じゃない、犯罪だ」ということをおっしゃる。単なる事故とは違う、というふうによくおっしゃるので。

(構成員)こういうところで「交通事犯」とする方がいいように私は感じるけれども、すべてをすると「交通事故」というのが、むしろ一般的な言葉が「交通事犯」という表現になると、使いづらいときがあるのではないだろうかという感じが、全部それに統一してしまうと、そういう感じがあるが、どうか。

(構成員)いろいろ文脈で「事故」の方が適当なのかというのは、ちょっとそれぞれ精査してみないと、あちこちでこれは使っているので一概に申し上げられないけれども、交通事故事件、交通事故捜査というのは、結構警察の中では定着した用語なので、私どもとしては、この言葉の方が通りはいいのかなとは思っている。

(構成員)(4)のところは「交通事犯」でもいいと思うけれども、「交通事犯多発の交差点」とはちょっとなじまない。なぜかというと、それは犯罪かどうかまだわからぬ、両方とも無過失、事故は事故ということは、事故かどうかは調べていって、初めて「犯」になる場合が多いということなのではないか。だから、「事犯」と「事故」と分けて、56ページだけは「事犯」にしておいて、あとは「事故」でよろしいのではないか。

(構成員)では、そういうことでよろしいか。それから、先ほど構成員から意見があった、交通犯罪に対する道義的な反省と被害者の問題というのは、「犯罪被害者への謝罪」とか、そういう形を入れる方法はあるかもしれないけれども、これはどうか。

(構成員)先ほど事務局からもヒアリングのご要望で「贖罪プログラム」という言葉があったぐらいなので、被害者に対する謝罪なり、「贖罪」と書けるかどうかわからないが、そのことを促すというような趣旨が入ってもよいのではないかと思った次第。

(構成員)「反省として、」をして「被害者への謝罪、贖罪等」というように言っても、そこまで入れていいのかどうか。

(構成員)原案では、多分、「贖罪」を「交通犯罪に対する道義的な反省」と言いかえているのではないか。それと被害者に対する謝罪というのは、ちょっと質が違うかもしれないけれども。

(構成員)「反省」の後に「被害者への謝罪等を積極的に」という形で入れてもよろしいか。

(構成員)まことに申しわけないが、その今の表現ぶりについては、イとの関係もあるので、ちょっと場合によっては、最終的な表現は留保させていただくことがある。

(構成員)適切な代案がないが、謝罪を積極的に促すというと、謝罪という行為を促すというところまで踏み込む表現になってしまう。ここではむしろ、心の問題として、罪に対する反省、被害者に対する謝罪心というか深く反省することを促すという意味なので、何かそれにふさわしい言葉の方がいいのではないかという感じがする。

(構成員)1行目にあるのではないか。「被収容者に対する罪の意識の覚せい」、この中に謝罪という観念は入っているのではないかと思っていたけれども。ちょっと弱いのだろうか。目立たないのか。

(構成員)「道義的な反省」のところとかぶっちゃっているのだな。

(構成員)無理やり押そうというわけではないので、その文章の中に「被害者に対する深い反省」という意味が込められていると皆さんがお読みになれれば、あえてつけ加えなくてもいいかとは思うけれども。ただ、はっきりしていることは、交通事故の加害者において、自分の犯した罪を反省することと被害者を考えることは結構区別されているというところがあるので、私はちょっとそれを言っただけの話。

(事務局)では、提案させていただくが、先ほどの修正の段階で骨子案取りまとめとして、もしその謝罪、被害者への謝罪とか贖罪とかという点についての盛り込みのご議論がまたあれば、秋以降の検討会の場でご議論いただくということでどうか。 それでは、全体の確認をさせていただきたい。まず、資料1の中で、さらに修正が加わったもの、箇所についての確認をさせていただきたい。 12ページで、(7)の4行目、一番最後の「被害者」の後に「等」を加える。 20ページで、一番上の行から4行目「を受けることがあり、」とする。 42ページから44ページにかけてで、「民間の団体への支援の充実」というところであるが、これは最終的には原案のとおりということになる。すなわち、42ページの(2)ア、イと黒字で記載してある原案のとおりということで、必要なご議論は、また秋以降の検討会で行っていただくということとさせていただきたいと思う。 52ページの青い太字で記載をしている内閣府意見の3行目「認識等について、」の次、「国民の感じ方・・・比較する」を削除する。通して読むと、3行目の「認識等について、研究調査を行い、その結果を、」ということとする。 56ページで、先ほどの(4)の文言修正、もう一度申し上げると、まず柱が「犯罪被害者等の視点を取り入れた交通事犯被収容者に対する更生プログラムの整備等」ということで、ア「法務省において、」の次に「犯罪被害者等の視点を取り入れ、」を加える。それから、アの4行目で、後半の「社会人」の次が、「社会人として更生させることに努める。」。それから、イでの4行目「交通事犯被収容者」の後を訂正して、「交通事犯被収容者の更生のためにより有効なプログラムの整備に努める。」という修正とさせていただき、その余のご指摘、ご意見については、資料1の内閣府意見のとおりとさせていただきたいと思う。

(構成員)皆さんが何とも思わなければいいのだが、58ページ、この「推進会議を活用し」というのがある。ちょっと言葉が引っかかった。ほかに適当な言葉がなければ仕方がないけれども。

(事務局)ここでそういうふうに記載をしている趣旨は、この各省庁が、それぞれこれから基本計画の中の施策を検討とか実施していく際に、自らの府省庁のみで検討とか実施等を行っていくということではなくて、重要事項については推進会議の審議にかからしめるとか、あるいは施策の実施についても推進会議の意見等も踏まえつつ行っていくと、そういうことが必要だということを明らかにしようとするもので、そういった意味で「活用」という表現を使わせていただいた。

(構成員)その趣旨は理解したが、「活用」というと、ちょっと失礼なように聞こえるので、何かほかにいい言葉かないのかなと思ったのだが。言葉がこれでいいということなら構わない。何か、何々を活用するというと。もうちょっといい言葉がないかなと思ったのだが。趣旨はもちろん理解している。それで、活用で構わないとおっしゃるなら、結構だ。

(構成員)「会議の場を活用」というなら抵抗がないような感じがする。会議というと、この会の構成全体を利用という感じがとれるから、そうすると、そういう印象を与えるかと思うけれども、そういう言い方はまずいか。

(事務局)会議の場というか、推進会議が何をやるのかというのは基本法で定められているわけで、そういった推進会議の行政上の権限というものをしっかりと各省庁活用して、施策の推進に努めていこうということの確認なので、活用ということにさせていただいた。もし、そのほかに適当な用語があればとは思うが。

(構成員)ご趣旨は「推進会議を活用しろ」ということか。関係省庁は、自分たちで勝手にどんどんやるのではなくてと、こういうことか。

(事務局)そのとおり。推進会議というのは、基本法で所掌事務が定められている。重要事項の審議とか、あるいは施策を推進するということであるとか、あるいは施策の実施の状況を検証、評価、監視するというふうに定められている。そういった推進会議の行政上の権限というものを、しっかりと関係省庁も認識をした上で施策の検討や実施について、推進会議に、例えば重要事項は審議をすると、あるいは施策の実施についても推進会議の意見をしっかりと踏まえてやっていくというようなことを規定しようとするものである。

(構成員)今思いつきだけれども、「随時、推進会議に諮りつつ」ではまずいか。必ず、常に諮るというと、ちょっと窮屈だと思うが、必要に応じて会議に諮りつつというのではだめか。もし「活用」という言葉に抵抗が強いとすれば。

(構成員)活用の方が、いろいろ今、構成員がおっしゃったような意味も含んで、随時活用というのは何となく幅広い感じがする。私はあまり抵抗は感じないけれども。

(構成員)別に推進会議の委員の方がよろしいと、活用でいいとおっしゃるのであれば、結構だ。

(構成員)積極的に生かしてということなので。

(構成員)それから、58ページの下の方は了解したが、60ページの(6)のアの2行目で、「施策・事業を実施する。」とあるが、この事業を推進会議はやるのかなと思ったので。施策の実施を推進し、検証し、評価し、監視するというのが会議のつかさどる事務になって、「事業」という言葉は出てこないので、疑問を呈したわけだ。

(事務局)ご議論をいただければと思うが、例えば今のようなご指摘を踏まえると、「施策・事業の実施に反映させる」とか、そういう表現にするというのはいかがか。

(構成員)「事業」をとったらおかしいか。法律にはないものだから、「事業」という言葉が。それでちょっとどうかなと思ったのだが。

(事務局)「施策」に統一しても結構だと思う。もしよろしければ、そのようにさせていただく。

(構成員)「適切な施策を実施する」ということだな。

○ 今後の日程について
事務局より、今後の日程について、第2回推進会議において基本計画案(骨子)の決定を経た後、広く国民から意見を募集すると同時に、全国9か所で基本計画案(骨子)に関する犯罪被害者団体等からのご意見を聞く会を開催すること、これらに寄せられたご意見については、推進室事務局の方で取りまとめ、改めて構成員に提供をさせていただくこと、次回以降の検討会については、寄せられた意見を踏まえて議論していただくこととなるが、その取りまとめの作業に要する期間を考慮して、10月ごろから、おおむね2週間に1度のペースで4,5回程度開催することとしたい旨を説明し、構成員了承。

○ 最後に、犯罪被害者等施策担当大臣から、概略以下のとおり、締め括りの挨拶があった。
「本当に長い間、とはいえ、かなり短いスケジュールで、精力的にご審議をいただき、本日、骨子案をまとめることができ、構成員の皆様方のこれまでのご努力に対し心から感謝を申し上げたい。そして、これまで事務方を務めた内閣府の推進室の事務方に対しても、私からも心から感謝を申し上げたいと思うし、それから関連する各省の皆様方も、極めて熱心にこの討議に参加していただいたことに対して、感謝を申し上げたい。
後半部分は秋から始まるが、引き続き、12月の閣議決定を目指して、事務局から申し上げたスケジュールをこなさなければならないので、また引き続き構成員の皆様方には、今後もご協力をお願い申し上げたい。計画案を作って、それからまた5年の計画期間があるわけだが、できるだけ早い機会に犯罪被害者の皆様方のご要望はもとより、犯罪被害者等基本法に盛られた法律の目的を一刻も早く実現するために、我々は努力しなければいけないと思っている。 本日まで前半部分、本当にいろいろな都合をつけてご参加をいただいた構成員の皆様方に改めて感謝を申し上げて、私のあいさつを終わりたいと思う。」

(以上)


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