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犯罪被害者等施策
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犯罪被害者等基本計画検討会(第6回)議事要旨

日時:平成17年7月26日(火)
9時58分~14時27分
場所:合同庁舎4号館4階共用第4特別会議室

議事要旨


出席者:
座長代理山上 皓東京医科歯科大学難治疾患研究所教授
構成員大久保 恵美子社団法人被害者支援都民センター事務局長
岡村 勲全国犯罪被害者の会代表幹事
久保 潔読売新聞東京本社論説委員兼編集委員
小西 聖子武蔵野大学人間関係学部教授
中島 聡美国立精神・神経センター精神保健研究所成人精神保健部成人精神保健研究室長
山田 勝利弁護士
加地 隆治内閣府犯罪被害者等施策推進室長
片桐 裕警察庁長官官房総括審議官
河村 博法務省大臣官房審議官
代理出席下河内 司総務省自治行政局自治政策課長
代理出席田中 伸至厚生労働省政策統括官付労働政策担当参事官室政策企画官
代理出席内田 要国土交通省総合政策局政策課長
協力者布村 幸彦文部科学省大臣官房審議官(初等中等教育局担当)

※ 村田吉隆犯罪被害者等施策担当大臣は、犯罪被害者等基本計画検討会の招集者として出席。

※ なお、構成員、協力者、村田大臣及び説明者として発言を求められた者のいずれの発言についても、便宜上「構成員」と表記した。



1.開会

2.村田大臣あいさつ

3.骨子案(5:支援等のための体制整備への取組)について

4.骨子案の検討について(6)

5.骨子案(1:基本方針、重点課題、計画期間)について

6.その他

7.閉会

<附属資料>

資料犯罪被害者等基本計画骨子案(1)に係る資料
資料損害回復・経済的支援への取組における基本法第12条関係(損害賠償の請求についての援助等)に係る金融庁意見及び内閣府意見(骨子案(2)保留事項)
資料犯罪被害者等基本計画骨子案(3)保留事項
資料犯罪被害者等基本計画骨子案(5)
資料1内閣府資料[pdf形式]
資料1ー2内閣府資料[pdf形式]
資料2警察庁資料[pdf形式]
資料3総務省資料[pdf形式:228KB]
資料4法務省資料[pdf形式]
資料5文部科学省資料[pdf形式] [1(pdf形式:307KB)] [2(pdf形式:365KB)] [3(pdf形式:203KB)] [4(pdf形式)]
資料6 厚生労働省資料[pdf形式]
資料7岡村構成員資料[pdf形式]
資料8久保構成員資料[pdf形式]
資料9中島構成員資料[pdf形式] [1(pdf形式)] [2(pdf形式:388KB)] [3(pdf形式)] [4(pdf形式)] [5(pdf形式:497KB)] [6(pdf形式)]
資料10山上構成員資料[pdf形式]

<追加資料:岡村構成員意見に対する警察庁意見>[pdf形式]

<追加資料:各省庁提出に係る施策等とりまとめ>[pdf形式]

(以上)
資料10 山上構成員資料[pdf形式]

<追加資料:岡村構成員意見に対する警察庁意見>[pdf形式]

<追加資料:各省庁提出に係る施策等とりまとめ>[pdf形式]

(以上)

(議事内容)

○ 第6回犯罪被害者等基本計画検討会の進め方について

事務局より、第6回検討会では、骨子案(2)及び(3)に関しての保留事項について議論し、前回議論が行われた「支援等のための体制整備への取組」の骨子案(5)を確認した後、第6回検討会への課題として、1「国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組」(第20条関係)、2「基本法の基本的施策に係る各条文のいずれかに整理することが適当でない事項」、3「推進体制」(第23条関係を含む)、4第1回検討会で議論し、第6回検討会で再度議論することとされた「総論部分(基本方針、重点課題、計画期間)」の骨子案(1)の4点について議論する旨説明するとともに、これまでと同様、円滑な議事進行のために、事前に書面として提出されたものについては、口頭での説明を省略することを提案し、構成員了承。
なお、骨子案(3)の保留事項については、「国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組」(第20条関係)の中であわせて議論することとされた。

○ 犯罪被害者等基本計画骨子案(2)に関連する検討事項について、事務局より説明の後、修正意見のとおりとされた。

○ 犯罪被害者等施策担当大臣から、犯罪被害者等基本計画検討会第6回会合の開催に当たり、「本日は台風接近の中、お集まりいただき感謝したい。これまでと同様に熱心なご討議をよろしくお願いする。」との挨拶があった。

○ 謄写料に関する補足説明について

謄写料については、第4回検討会等で議論されたところであるが、次のとおり、構成員から補足説明があった。

「財団法人司法協会による謄写料の件であるが、全国的に職員を配置し、かつまた記録の保管等の責任を当事者に負わせないという趣旨で職員が記録の解「とじ」をし、そうしたことも踏まえ金額は設定している。司法協会が非常に財務状態が厳しい中、経営をしている。今回、この基本法の趣旨や皆様からのご指摘を踏まえ、8月1日以降の被害者等の方々からの申し出に限り、協会職員の行う謄写の料金を一律20円というふうに、ほぼ半額以下に下げる。このために、財団法人司法協会の中では事務の合理化等をかなり進めていかなければならないが、支持が得られたので、8月1日以降の申出は被害者等の方に限り20円とする。窓口等で被害者等かどうかの特定に関する押し問答等で不快等の念を抱かせることのないように、窓口対応なども指示・指導していきたいと思う。」

○ 犯罪被害者等基本計画骨子案(5)について
犯罪被害者等基本計画骨子案(5)について、前回検討会での議論を踏まえ事務局から事前に構成員に提示した骨子案(5)に対する修正意見及びその後の再修正意見を、概略以下のとおり説明の後、議論。

(事務局)「犯罪被害者等基本計画骨子案(5)」の内閣府資料で、骨子案に対する構成員からのご意見を囲みで、それから事務局の考え方を囲みの下に青の字で、さらに構成員の意見を踏まえた事務局修正案をその下に赤字の太字で書き加えてある。構成員からいただいたご意見も添付しているので、ご参照いただきたい。
それから、警察庁の意見保留部分に関する内閣府意見については、資料1-2のとおり。 さらに、内閣府の再意見は別置きをさせていただいている資料のとおり。
それから、総務省と文部科学省から意見が提出されており、同じく別置きさせていただいた。

(構成員)ちょっと見解の相違があり、したがって前回の繰り返しになるけれども、もう一遍私どもの考え方をお話しさせていただきたい。
私どもが申し上げたのは、既に資料ご配付のとおり、お互いの機関どうしがお互いのやっている支援をお互いに享受し合おうということ、それから今あるネットワークの連携の強化を図ろう。それから、性犯罪被害者の情報入手の利便性の向上を図ろう。それから、総合的、横断的な早期支援を図ろう。また、被害者援助団体の研修への講師の派遣をしよう。その他、援助団体への各種支援をしよう。また、援助団体の活動に関する広報をしようということについて、私どもが積極的に取り組むということを前回のこの場で意見をお出しをしたわけだが、ただこれらは他方で他省庁においても現に取り組んでおられるものが結構含まれており、また今後容易に行っていただけるものであるというふうに私どもは考えている。何よりもこういった各種団体への支援については、単独で取り組むのみでは実効ある対策は困難である。関係各省庁が連携し、それぞれが主体的に取り組むことによって、より多くの効果が期待できるものと私どもは考えている。それから、基本計画の上でも、この原案のままであると、例えば講師の派遣とか援助団体への支援、そしてまたその活動の広報を私どもだけが行っていて、他省庁は行わないというふうに受け取られかねないことになるので、極めてバランスが悪い形になるのではないかと私どもは懸念をしている。 こうしたことから、前回この会議の席上、私の方から各省庁に参加の呼びかけをさせていただいた。その結果、各省から格別の反対意見もなかったということで、座長代理のお取り計らいで、基本的にその方向でと、つまり各省庁参加の方向でとりまとめをされたものと私どもは理解をしていたけれども、ちょっとそれに対する内閣府のご意見としては、私どもはいささか理解に苦しむ点があると言わざるを得ない。それから、以上の趣旨は「どの機関、団体を起点としても必要な情報の提供、支援等を途切れることなく受けることのできる体制づくり」という方向にも沿ったものであり、また政府全体で被害者支援に当たろうという基本法の精神に沿うものであると私どもは理解しているけれども、ちょっとそういった意味でも内閣府の意見はいささか理解しがたいと考えている。
繰り返しになるが、私がお願いしたところの中身というのは、決して各省庁に無理難題を押しつけるものではなく、現に行っていることであったり、また講師の派遣とか援助団体の広報をはじめ容易に行えるものばかりなので、したがってそれはあえて内閣府がおっしゃるように、今後に開かれる検討会の検討に委ねるまでもなく実施可能ではないかと考えている。もしそうでなければ、ご意見をいただきたいと思う。繰り返しになるが、今できることは各省庁連携をして今からやっていこうとお願いしているに過ぎないもので、ぜひご理解いただきたい。

(事務局)ただいまご意見をいただいたが、それに対してまたご意見を申し上げたい。 前回の検討会の席で、警察庁から7点のとりまとめ案について、警察庁のみでなく、他の省庁についても協力を得る、あるいはともにその施策を進めていくべきであるというお話をいただいた。それを踏まえて、特に異論がなかったということで、警察庁からその具体のご意見をいただいた上で、その修正案としてお示しするというふうにとりまとめさせていただいたところである。その後、警察庁からご意見をいただいたが、これは1つは各関係の省庁についてこぞってというお話であるけれども、これは今までの施策のとりまとめについて、すべてそうであるが、積極的に取り組む施策について、必ず責任のある省庁がどこであるかということを明確にした上で期限を切り、そして取り組んでいくというようなことにしてきたわけであるが、ご意見をいただいたところ、それについては関係のある省庁のどこが責任を持って行っていくのかということが不明確であるというようなことで、資料1-2にあるような意見をつけて、皆様にお諮りをしたところである。
この資料1-2の1ページの中に7項目についての共通の考え方を記載しているが、1ページの(内閣府意見)の赤字の3行目の特に後段の方で、この7項目については、既にいずれも警察において施策として従来から取り組んでおられるものであり、それについてさらに充実し、しっかりと取り組んでいこうという回答を第5回の会議に先立っていただいた、それに基づいてとりまとめをしたところである。それを超えてというか、現在の取組を超えて、さらに関係省庁間の連携等を図っていかなければならないというものについては、その下から10行目からであるが、省庁横断的に取り組む必要があると考えたものについては、とりまとめの1ページの上から3番目の☆、すなわち検討のための会で検討をしていこうということにしているわけであり、そういった意味で現在警察で取り組んでおられるものについてのさらなる推進ということについては、やはりそれはそれで記載をされる必要があるのではないか。
3ページで、例えばネットワークの関係であるが、ここでは各都道府県、それから警察署を単位に設置されている被害者支援連絡協議会、それから被害者支援地域ネットワーク、これはまさに警察が中心になって今まで取り組んでこられた施策である。この中でさらにそのネットワークをしっかりと充実させて取り組んでいこうというご提言に基づいてとりまとめ案とさせていただいた。ただ、これを超えて例えば立体的、網の目状のネットワークを構築するということについては、これは推進会議のもとにおける検討のための会でしっかりとそこは検討していこうということになるので、この今ある支援連絡協議会や被害者支援地域ネットワークについての取組というのは、これは別途記載をし、推進をしていただくということに意味合いがあるのではないかと考えた次第である。
その他の項目についても、それぞれ若干のとりまとめの内容、理由については違いがあるけれども、基本的な考え方としては、そういう今申し上げたような考え方に基づいて、とりまとめ案とさせていただいてはどうかと考えている。

(構成員)ただいまの事務局のご意見だが、むしろこういう今までの仕方で、確かに警察を中心に行われてきた。そのことはそのとおりだし、評価すべきことだと思うけれども、ある意味ではその弊害というか、その限界が出ているところもたくさんあると思う。例えば、民間支援の団体といっても、非常に警察との距離が近ければ近いほど、それに入れない人たち、例えば警察で二次被害を受ける人たちが今でもいるということはこの会議でも皆さん認識されていると思うけれども、そういう人たちは支援の中に入ってこられない。それから、例えば講師の派遣のところで、本当になぜ警察庁に限られるのかと、この辺もむしろ司法の立場ではない方からの参加というのが今基本法の中でも求められていることだと思う。
後に検討すると言うけれども、ここでどうして警察庁だけと書くのかということが私にはいまひとつ疑問だ。その基本方針として、むしろこれからは警察以外のところでもやっていかないといけないのではないか。例えば、具体的に被害者の自助グループの方に場所を貸すというような活動にしても、それから支援団体のオフィスをどうやって確保するか、とても大きな問題だけれども、今県警に何とかしてもらっているというのが実情としてある。だけど、県警に場所を貸してもらったら、それで活動はすごく制限されるし、そういうところには近づきたくない人もいる。むしろ精神保健福祉センターで場所を貸してもらえないだろうかとか、あるいは学校関係で貸してもらえないだろうか、その方が広がる活動もきっとたくさんあるはずだ。そういうことを踏まえるのであれば、今基本方針としてもっとたくさんの省庁が入るということをどうして考えられないのだろうかと思う。

(事務局)今、構成員のおっしゃることはごもっともなご意見だと思う。ほかのとりまとめ案との比較をしていただきやすいようにということで、この骨子案(5)の資料1の2、3ページをごらんいただきたい。これはネットワークなどについての今後講じていく施策のとりまとめの部分である。今、議論になっているのは(4)、(5)、特にネットワークの関係であれば(5)の関係である。
今おっしゃったように、警察中心に行われているその枠を超えて対応するべきだというようなご意見は、まさに2ページの(3)のところで検討しようと、これは関係省庁がすべて入って、有識者にも入っていただいて、推進会議のもとに検討のための会を置いて取り組んでいこうと。これも2年以内を目途に結論を出すというふうになっているけれども、すべての施策がそろうまで待っているわけではなく、例えばそういう具体のネットワーク、この検討の会においても、現行どういうネットワークがあるんだと、その中に警察が中心になって取り組んでおられるネットワークがあると、そういったものをさらに他のネットワークと立体的にどういうふうに構築していくのかというような議論もするし、その過程で現行のものを現時点でこういうふうに変えればいいじゃないかというようなご意見、ご議論もあろうかと思う。そういったものは別に他の施策全体がとりまとめられるまで待つことなく、その議論の過程で出てきた結果というものを即また施策に反映していくということもできるわけである。そういった警察のネットワークを超えたシステムについて、どういうふうに構築していくべきかということは、これは(3)の検討の会議でやる。 一方、この(5)、この記載のとおり、現在あるものについてさらにしっかりと取り組んでいこうという、これはこれで別途その検討とは並行して進めていただく、これがやはり被害者等の方々のためになるのではないかということで、このとりまとめは別個のものとしてこういう形で記載すればどうかというふうに考えた次第である。

(構成員)今ご意見を伺えば、それは確かにこれから検討しないとできない省庁があることはわかる。ただ、骨子案としてこれが提示される前に、今お示しになった1の2ページに書いてあるこれの具体性と、それからこちらで議論になっている1-2の方の警察庁意見に対する内閣府意見に出てくる骨子案の具体性というのはかなり違う。警察って、申しわけないのだけれども、ネットワークをつくったりするのがすごく下手で、地域の中で非常に孤立したところ、今日も多分議論になってくると思うけれども、警察でやられる例えばいろいろな講習会はとてもいいものがあるんだけれども、警察がやるだけで人が来なかったりする。そういうことから考えると、具体的なところだけに警察の名前が出ているというのはどうなのか。そうであれば、具体性を示すことをもう少し全省庁でやるというところの文言の中にも入れてもいいのではないかと思う。

(構成員)警察で今先進的に取り組んでいるこの地域でのネットワークの問題でも、これが十分に機能を果たすためには、個々にかかわっている医療の関係者とか、あるいは検察の関係者とか、そういう方たちが積極的に役割を分担して、今以上にかかわる必要があるんだろうと思う。それを警察庁の責任においてということでなくて、やはりこれは同時にこういう手がけられたものを関連するところがみんなで育てる努力をしながら、それを超えて全体でできるものは事務局の言うような形で並行してされるとしても、むしろそうする方がいいのではないかと、私はそういう書き方になるとよいと感じるけれども。

(構成員)私も今の意見に賛成だが、問題は地域の日常のネットワークだろうと思う。中央省庁での連携というのは、確かに基本法に書いてあるからいいではないかと、改めて基本計画の中に連携ということを書く必要はないとおっしゃるのはわかるし、それから、これから枠を超えて、今までやってないものについては、改めて会議を開いてやるんだというのはわかるけれども、今我々が見ているのは、日常的な地域でのネットワークというのはなかなかうまくいっていないと。そのためには、警察庁の言われるように、地域にはいろいろな資源があるから、各省庁の出先とか、地方自治体とか、そういったようなものの連携というものを基本計画の中に私はうたっても、何か不都合はないような気がする。基本法にあるから、中央省庁としては当然としても、なかなか出先に行くとうまくいかない。それを後押しするという意味で、中にあっても構わないんではなかろうかというふうに思うが。

(構成員)私も基本的には、今まで発言した委員と全く同じ意見だ。実際に、例えば被害者支援連絡協議会とか、あるいは地域のネットワークに参加したこともあるけれども、やはり警察の方がとても熱心にやってくださってはいるけれども、そこに参加をしている方たちは呼ばれたから来たというような姿勢で参加をしていることが多いということを、今までの会議で感じたことがあるので、基本計画も今つくっている最中だし、また実際に被害直後の被害者のところに出向いての早期援助を行っていると、これは警察だけではなくて、長きにわたる被害者の苦悩に対応するには、各省庁が力を合わせて実践していかなければ、なかなか被害者のためになるものにはなっていかないと感じているので、ただそういうとき、例えば警察庁だけとここに書かれていると、ほかの省庁はどうしても肩の荷がおりたような感じで、少し引いて警察庁のやることを見るという形になりがちだと思うので、これはぜひ各省庁も入れていただきたいと思う。

(事務局)ご意見を伺っていると、現行施策の中においても各省庁の取り組んでおられるものもあるではないかと、そういったところについては具体の施策の中に何らかの形で盛り込むべきではないかというようなご意見だろうと思う。確かに、現在警察庁で中心になって取り組んでおられる施策についても、既に同じような施策に取り組んでおられる省庁がもしあれば、このとりまとめ案の中に入れるということも考えるべきではないかと思うが、これについては特に関係省庁でもご意見があれば伺いたいと思う。

(構成員)先ほど意見を申し上げたけれども、重ねて申し上げるが、私どもが今までやってきたことについて、これからも逃げるつもりは全くないし、進めていくつもりでいる。今おっしゃられた今後のあり方は検討されることはもちろん結構だし、私どももそれに積極的に参加し、ご意見も申し上げたいと思っている。
ただ、今お話があったように、今あるネットワークに相当数の省庁の出先とかが参加をしているので、これを活性化するためには、みんながお互いにできることはやろうと、主体的な意思を持って、当事者意識を持って進めていくことによって、ますます活性化が図られるということであるので、決して新しいことをお願いするのではなくて、とりあえず今あるものを活性化させようということをまず私はお願いをしたい。
それから、講師の派遣とか広報とか、その他の支援も、これは各省庁やっていることはたくさんあるので、それを進めてほしいということを申し上げているだけの話であり、格別にここで私は無理難題というか、新しいことを特にこれはお願いしたいということを申し上げているわけではないので、ぜひその点はご理解いただきたい。何も検討会でもって議論するまでもなくできることはやっていこうという趣旨である。

(事務局)そういった観点からすれば、保留されているこの7つの項目について、既に関係省庁で取り組んでおられるところについては、何らかの形で入れ込むということで考えてみたいと思うが、ただその際に、中心になって取り組む省庁がどこかということだけは、きちっとこれは決めておかないといけないと思う。これまでもずっと各具体の施策についてとりまとめを行ってきたけれども、関係省庁に協力を求めるということはあったとしても、そこはきちっとどこが責任を持って取り組むのかということをすべて明確にしているはずである。そこはきちっと記述した上で、例えば骨子案の警察庁の1の関係で、これは例えば各窓口でそれぞれ関連するところの制度を把握して、そして被害者等の方々に教示することができるようにしようというようなことについても、例えばこれら支援の諸制度を所掌する関係省庁の協力を得てやっていこうというようなとりまとめにする。それから、次のネットワークについても、これは現在警察で行っておられるネットワークに入っておられる機関の省庁、ここの協力を得て行っていこうというような形にする。それから民間の団体への講師の派遣とか援助など、既に警察以外の省庁でもやっておられるところについては、「○○において」という主体省庁としてとりまとめの中に入れ込むというような方向でとりまとめをするということではどうか。

(構成員)ネットワークの話は私どもが始めたので、それは私どもが中心になってやるということはおっしゃるとおり、それは理解できる。ただ、講師の派遣とか、その他の支援は今やっているところだけじゃなくて、被害者団体の方々から、ここの役所に来てほしいとか、これからいろいろなニーズが出てくるわけなので、したがってここにいる省庁がそれはニーズに応じて、積極的に協力しようという姿勢を私は示すべきだと思うから、今やっている省庁だけを羅列するということについてはいかがなものかなと思う。

(事務局)ただいまの点で、この現行施策のさらなる充実というとりまとめの部分については、現在行っているところでないと、なかなかそれは書き込めないのではないかと思う。その余の省庁、例えば今講師の派遣を行っていないところについてもどうするのかということについては、これは推進会議のもとの検討のための会で、検討がなされていくべき話であるので、そこの場での検討を待たないと、なかなかこれは現在行っていないところについての取組を具体の施策の推進のところに書くというのは、これはまたちょっと筋が違ってくるのではないかと思う。決して現在行っていないところについての取組が全く検討されないということではないということはご理解いただきたいと思う。

(構成員)講師の派遣とかのところは、私はよくわからないけれども、実際には様々な団体に、例えば厚生労働省の何らかの組織に所属する方が行っていたり、そういうこともたくさんある。それから、ネットワークの方も警察を中心に見た書き方になっているから、知事部局、その後は警察庁、弁護士会、医師会、臨床心理士会、犯罪被害者等の援助をする民間の団体となっているけれども、例えば山口県とか長崎県とかのクライシス・レスポンス・チーム(CRT)という民間の組織ができているけれども、これは多分光市の事件のときに行っていると思うが、どちらかといえばあれは厚労省とか学校とか、そちらの方の組織が主体になっているもの、把握されてないだけで。なぜかというと、これは警察のことを中心に見て書かれたものだからだ。実際にあるものを入れるとすれば、地域にはそういうものがあるし、それから内閣府が持っている女性センターに性暴力被害者はたくさん来ている。DVももちろん。現行でということを言うのであれば、そういうところを意識化して、被害者支援として位置づけるという意味でも、そういうことも書いてもいいのではないかと思うが、施策としてないというふうにおっしゃるわけか。何だかそこのところがよくわからない。

(事務局)施策としてないとか、今後検討がなされないということではなくて、とりまとめの仕分けというか、現行の施策をさらに進めていくということについて、各省庁から出されたものについては、今までもそれについて、その省庁が責任を持って取り組んでいくということでずっととりまとめてきた。一方、今までお話に出ているように、例えばネットワークにしても、現行の実態を踏まえつつも、その枠を超えて省庁横断的に検討しなければ、各省庁ごとにやっていてはだめだというものについては、推進会議のもとの検討のための会で有識者の方と関係省庁でこぞって検討をして、あるべき姿を議論していこうという整理でずっと来ているわけである。
だから、今のお話についても、現行施策として既に行っておられるところがそれをさらにしっかりと取り組んでいくというものと、それからそうでないところを含めて、今後あるべき姿というのをどうするのかということについては、また別の検討のための会で進めていこうという整理をしてとりまとめた方がいいのではないかということなので、決して現在やっているところ以外についての取組が全く検討すらなされないというようなご懸念は当たらないと考えている。

(構成員)警察においてという形でずっと書いていくと、むしろ今の論議から言うと誤解をされる部分があると思う。それで、警察が取り組んで手がけた仕事だけれども、各省庁が関連するところがみんな積極的にどんどん入っていかないといけない項目が幾つもあるわけだし、現実に既にかかわっているところもたくさんあるわけだから、その表現の仕方を少し検討していただきたい。あまりここのことで時間を使い過ぎるのはよくないと思うので、そういう表現の仕方で、内容的にはあまり違うことを言い合っているわけでもないと思うので、互いで少しそういう言葉の表現を検討するわけにはいかないか。

(事務局)今までのご議論を踏まえて、各施策のとりまとめについて、現在取り組んでおられる省庁について含めた形でとりまとめをしたらどうかというご意見に基づいて、文書を作成する時間をいただき、この会議の間に今のご議論を踏まえたとりまとめ案のご意見を出させていただきたいと思う。
ただ、その際にこの場で確認をしていただきたいのは、今警察庁の方からご意見として、既に実施をされている省庁ということで、意見として挙げられている各省庁について、どういうお考えなのか、それで既にやっているということであれば、これは各とりまとめ案の中に入れた形で後刻お示しさせていただきたいと思うので、その点の確認をもしよろしければお願いしたいと思う。

(構成員)では、そういうことでよろしいか。

(構成員)問題とされている事項は、これは個人的な感覚で恐縮だが、極めて単純な話ではないのかと。つまり(3)で様々な施策、情報提供とか、被害者支援にかかわる団体の方と役所側、様々な形で連携をとっていくあり方を検討するという(3)が非常に幅広いものを取り扱っていこうとしているものと理解しているが、(4)が実はこの表現だけだとあまりにも抽象的というか、やや具体性の欠けた施策のようにも見える。つまり(3)に本来含まれるべきことを(4)で特出しされたから、このような誤解を与えているだけではないのかというふうに思えて仕方がない。
というのも、それ以外の、被害者支援連絡協議会の話とか、私どもでも例えばその後に警察庁での話、あるいは人権専門委員の話とか、あるいは文部科学省では学校での対応とか、いろいろなものがそれぞれの省庁の現に取り組んでおられるものについて、充実、強化していくという検討項目が挙げられているけれども、そのようにして並べて比べると(4)があまりにも内容的には包括的過ぎるので、その意味では(3)の中に(4)の趣旨を入れ込んでいただいた方がまとまりやすいのではないかという気がする。

(事務局)確認だが、今の(4)が抽象的過ぎるというのは、原案のとりまとめ案でもそうだとお考えか、それとも警察庁の修正意見だとそうだということか。

(構成員)原案自体が抽象的というか、極めて包括的な話を書き込んでいるように見えて、であるからこそ、警察庁だけでこれらのことを考えるのかと言われると、どうなのだろうかという意見が出てくるのではなかろうかと思われるが。

(構成員)ちょっと私どもは直接にそれほど施策を行っている省庁ではないが、警察庁からいただいている意見の中で、私どもが地方公共団体に関係あるということで、例えば相談の窓口とか、あるいは今のお話の支援の関係のあっせんとか、こういったことはできるではないかという話は書き込んではあるけれども、私どもは先ほど事務局が言われたように、責任ある省庁をある程度示していく必要があるのではないかと。その点から言うと、確かに私どもは関係ないとは言わないが、ここで(4)とか(5)で関係省庁を全部並べてしまうと、特に私どもの関係で言うと、やらなきゃいけないことはそうであるけれども、具体に何をやるべきなのかというのがどうもイメージがわいてこないというところである。 それで、警察だけではなくて、地方公共団体における総合的な窓口は必要だという議論を踏まえて、今後講じていく施策の中で、総合的な窓口の職員の養成とか、あるいは総合的な情報提供等について、書き込みはしてあり、私どもも地方公共団体にそういったお話は当然一緒にしていきたいと思っているけれども、(4)と(5)のところは特に私どもは、ここで基本計画の中で省庁名を書き込まれても、すぐにその施策が出てこないというところである。 今お話があった、具体に現に行われている支援の取組だけについて関係省庁を書くというのも一つの方法かと思うけれども、(4)と(5)に私どもの省庁名を書かれても、期限を決めて、いつまでにというふうに言われても、ちょっとそれは難しい。何もやらないという、特に対応が必要ないということならば別に構わないけれども、ここのつくり方はすべて、責任ある省庁が責任ある事項をここに書き込むという流れから言うと、今のところ(4)、(5)に名前を連ねられても、一体その間に何をやったのかというふうに後で基本計画の当然フォローを私どもはしなければいけないと思っており、そこは若干難しいという気がしている。

(構成員)警察庁だけというのは非常に問題があると言われている項目すべてが同じウェイトではないと理解されていると思う。例えば、2ページの(4)と(5)と比べると、(4)は警察においてこういうことを発表していくということで、警察庁として挙げることはできると思うけれども、(5)については既に警察においてやっているけれども、地方警察署、弁護士会、医師会、臨床心理士会とこれだけ名前が出ていて、なおかつこれについては現在はこうだけれども、将来的にはもっと連携を深めなければいけないという意味が入っている。これについては、各省庁が名前を出さなければおかしい。だから、その項目においても、警察庁として挙げるべきことと、現在は警察がやっているけれども、今後は絶対ほかの省庁がかかわらなければいけないこととちょっと項目が違う。
だから、そのあたりも検討していただいて、ほかの省庁が入らなければいけない項目については入っていただいて、現在されておらなくても、されなければいけない省庁においては、それはご記入をいただかなければならないと思う。現在していることでほかの省庁がやっていて漏れていることも、例えば法務省がすべてやっていることもいっぱいあるのに、法務省の名前が出てこないところもあるので、それを入れていただくとして、将来的にここは入るべきだという省庁については、現在やってなくてもご検討いただくということで、入れていただけたらというふうに思う。

(事務局)各省庁からなかなか具体にこの場でご意見を伺えないようで、ご意見をいただいたその趣旨を踏まえて、今からこのそれぞれのとりまとめ案について、現在施策に取り組んでおられる省庁を含めたとりまとめ案を後ほどお示ししたいと思う。なお、その際、どの省庁が関わっておられるのかというのは、十分この場でご意見をいただいていないので、それは事務局の方で仮にこういう省庁がということでお示しをした上で再度またご議論いただければと思うが、どうか。

(構成員)恐らく中心となる官庁と、それから既に警察庁が取り組んでいて、それに関わっている、そこに関わり方をさらに深めていくとか、主体的に関わるような形をとっていくとか、そういういろいろな形があると思うけれども、その同じ重さで官庁が関わるのではないような感じがする。だから、今、名前が挙がったら、そういう責任で自分たちで計画を立てなきゃいけないということでなくて、警察がこういうふうに進めてきたものに協力するという意味で名前を挙げるとか、何かそういう従来と少し書きぶりが違うのかもしれないけれども、そういう意味合いでの関連の省庁の名前の挙げ方も考えられてもいいかと感じるけれども。

(事務局)そういったことについて、具体に文書にしてお示しした方がまた議論もしていただきやすいのではないかと思うので、もしよろしければ、この問題については今から事務的に作業をして、文書で今までの議論を踏まえた案という形でお示しして、再度後刻ご議論いただくということで、次に進んでいただければどうかと思う。

(構成員)資料1の9ページの終わりから10ページにかけての(33)のところで、「カウンセリングや学習指導等による学校復帰のための継続的な支援を促進する」という原案に対して、この「学校支援のための」というのは削除した方がよろしいのではないかという意見を申し上げた。それに対して、事務局の意見としては、これは下に青い字で書いてあるように、被害を受ける前の状態に復帰できるよう支援することを想定しているものだから、登校を強制する趣旨のものではないと。したがって、原案のとおりでいいと思うというご意見があった。
そうかなとも思うけれども、弁護士会において子どもの権利のための委員会等にかかわっている多くの弁護士は、この「学校復帰のために」ということを入れることによって、ともすればそちらの方に走りがちになると。これは被害少年にとって非常に苦痛であることが多いと。学校復帰が目的ではなくて、犯罪被害から立ち直ってもらうということが目的なのであるから、これはやはり「学校復帰のために」という文言を入れることについては相当強い抵抗があった。
そこで、これは私よりも、教育の現場におられる構成員のご意見をいただきたいと思っているので、お願いしたい。

(構成員)実際にこういう形で被害を受けられたお子さんに対して、教育委員会が指導、ないし先生からの特別な指導がある場合は幾つか経験しているけれども、むしろ非常に柔軟にやられている。例えば、そこの学校に行きたくないときには転校の便宜を図るとか、あるいは全く学校ではないところで指導をされるとか、とても頭が下がる柔軟な指導をされているので、現実的にはリジッドにもとの学校のもとのところに復帰するという、そういうふうにはやられていないことが多い。あまり問題はないのではないかと思うので、私はそういうことで気になるということであれば、「学校復帰のため」は取ってもいいと思う。実際にそうならないケース、原校復帰という意味で言うとそうならないケースも現にあるので、だから学校そのものに復帰が不可能なケース、非常にダメージが高くてというのもあるので、それでどうか。

(構成員)今、構成員からお話があったとおり、ここの「学校復帰のために」ということは、学校に登校を強制するという趣旨は含んでいないと思う。不登校児全体に対しては、学校に戻れということを強制しているわけではないが、このような犯罪被害を受けた子どもたちの場合には、原状復帰というか、学校に戻れるように継続的な支援と、これも指導という意味合いではなくて、バックアップするという、支援という言葉であるので、それほど強い意味は持っていないと思うので、原案どおりでいかがかという意見を返させていただいた。

(構成員)弁護士会における少年のために活動している弁護士の意見を申し上げた。それに対して、構成員からただいまのようなご意見ということであるならば、しかるべくということでお受けする。

○ 基本法第20条関係(国民の理解の増進)に関する説明

基本法第20条に係る施策に関し、事務局より、現状認識、犯罪被害者等の要望に係る施策について、内閣府資料1の1ページ以下のとおりである旨発言。さらに、「第6回犯罪被害者等基本計画検討会 各省庁に係る施策等とりまとめ」については、各省庁から事前に提出された新たに取り組む施策あるいは前進させる施策についてとりまとめたものであり、下線を付した部分については事務局にて加筆した箇所であるとともに、法務省と文部科学省からは事前に修正意見をいただいており、これらについてはそれぞれ、法務省、文部科学省からの意見のとおり修正することとする旨提案した。その後、座長代理から関係省庁の構成員に、追加で説明が必要な事項の有無とその説明を求めた。追加説明の概要は以下のとおり。

(構成員)提出意見で1点だけお願いであるが、とりまとめの20条関係の①の1番目の☆で、私どもの方から修復的カンファレンスについてお示しをしてあるけれども、これについては構成員の方からいろいろご意見を承っておるところだけれども、私どもとしても、これはまだ調査研究段階であるので、できれば21条の方で整理をお願いできればと思う。

○ 基本法第20条についての議論

事務局より、この議題において、骨子案(3)の保留事項についてもあわせて議論願う旨発言。その後の議論は以下のとおり。

(構成員)構成員からいろいろとご意見をいただいているけれども、その中で補足的にご説明させていただきたい点が3点ある。1つは犯罪被害者週間、犯罪被害者の日といった週間とか日を設定をして、全国的な記念行事などに取り組むべきではないかというご意見をいただいている。2つ目は、メーカーに対して、国民に対し安全に留意することを促すCM製作を義務化することについてはどう考えるのかというご意見。それから3つ目は、メディアが犯罪被害者等の名誉、プライバシーや生活の平穏を害しないように、国が国連犯罪防止会議作成の被害者のための正義に関するハンドブックに含まれるメディア倫理コード表も参考にしながら、適切な施策を講じるべきであるというご意見をいただいている。
第1点は被害者週間、あるいは犯罪被害者の日という関係であるが、これについては国民的な気運を高めるための象徴的な日を設定するというご趣旨であろうかと思う。そういったことから、犯罪被害者等の方々を含め国民の皆さんから幅広く意見聴取を行うべきと考えている。その中で、構成員からも6月4日から10日までを犯罪被害者週間とすべきだというご意見であるが、貴重なご意見と思う。ただいま申し上げたように、犯罪被害者等の方々を含め国民から幅広くご意見を聴取して、その結果とあわせて、今後、基本計画の案の作成段階において改めて議論をしていくということにすればどうかと考えている。
2点目の、メーカーに対して、国民に対し安全に留意することを促すCM製作を義務化することについてどう考えるかという点であるが、メーカーについては、当該メーカーの製造物について、その利用者あるいは周辺の者の安全対策が講じられているところであるし、また使用上の注意等によって安全への注意喚起もなされていると承知している。これらにあわせて、業界団体あるいは当該業界を所管する各省庁において、安全に留意するテレビ、ラジオ等を通じた広報も行われている。ただ、一方でCM製作を各メーカーに義務づけるということになると、これは各メーカーに巨額の費用負担をもたらすということもあるし、またその内容についても一定の縛りをかけるというようなことにもなるということで、これはメーカーや、あるいは放送業界に対して自由を制約するということとなるので、これは問題なしとはしないと考えるところである。
それから3点目の、報道についてのご意見に対する考え方だが、犯罪被害者等の皆様からのヒアリングにおいても、報道機関による過剰な取材とか、プライバシー侵害に当たる報道等によって、被害を受けたという訴えがあった。報道機関の対応を改めることを求めるというご意見も寄せられたところである。一方で、報道機関については、その取材や報道を通じて、これは民主主義社会において必要な情報を国民に提示するという大変重要な機能を有しているということである。まさに国民の知る権利に奉仕をするというものであり、報道の自由が尊重されなければならないということは言うまでもないことであろうと思う。こういったことから、報道機関においては犯罪被害者等の方々に対する十分な配慮をもって、まずもって自主的に適切な対応がなされることを期待するという考えである。

(構成員)検討事項がたくさんある中で、私が修文をお願いした件について、既に何回か追加や補足を出させていただいたので、重複は避けるが、1、2点、付言をさせていただきたいと思う。骨子案(3)の保留事項の資料4で、意見・追加という部分の1ページの一番下の行にあるように、原則として実名で書く。しかし社会的広がりのない事件で一般私人とか、そういったような場合には匿名を選択できることにしており、最近、適宜匿名という選択をやっているが、ここにも書いてあるように、その場合の条件として、取材を尽くし、万全の取材によって事実関係をしっかりと把握した上でその選択を行うというふうになっている。そういう中でなぜ原則実名にこだわるのか。主な理由は既に提出したものにも書いてあるが、1、2点ちょっとつけ加えさせていただきたい。
万全の取材ということはどういう意味かというと、実名で報道する以上は報道内容に全責任を負わなければならない。取材を尽くして真実を報道する、これはもちろんのことだが、被害者の名前を出す以上は、その尊厳とか名誉とかプライバシーとか、そういう保護に重い責任を自覚しなければならないと認識している。安易に匿名を選択することによって、私たちの本来の職責遂行、真実とか、プライバシー保護とか、そういうことに甘さが出たり、責任逃れをするということに流れかねない。あくまでも原則実名ということで責任を負いたいという点が1つ。
それから第2に、全責任を負うということについては、警察との関係についても言えると思う。警察発表を鵜呑みにしないで独自の取材、これを尽くすことによって、その発表が真実かどうか、これをチェックさせていただいたり、それからその背景とか原因、これを独自の立場から掘り下げる。匿名発表というものを安易に受け入れることによって、その作業に甘さとか怠りが出たりということを恐れる。以前にも書いたように、警察独自の判断、それを必要以上に干渉したりするつもりは全くないが、誤報とか、そういったようなものを避けるためには、警察とのいい意味での緊張関係が必要だろうと認識して、ああいうふうな意見を出させていただいたということである。

(構成員)これは第3回でも議論がされた中身であるが、ちょっとまたこれも繰り返しになるけれども、犯罪被害者の皆様方の氏名等の発表については、それによって得られる公益、今、構成員がおっしゃられたこともよく理解できるけれども、他方で捜査への支障とか、被害者の名誉、プライバシーの保護等の利益を考慮しながら、今現在は各都道府県警察において、まさにケース・バイ・ケースで判断をしているところである。
警察としては、マスコミの皆さんが実名報道の原則を持っておられることは十分に承知をしており、ご趣旨は理解できる部分もあるけれども、ただあくまでも私どもはケース・バイ・ケースで判断するものであり、恐縮であるが、警察として実名発表が原則との考えは持っていない。また、実名発表ということについては、警察はあくまでも発表する主体であるから、責任を負わなければならず、そういった意味で責任も負いかねるという部分がある。構成員の今のご指摘は政府として実名報道の原則を踏まえよというご趣旨に受け取られることから、私どもとしては、恐縮であるが、賛成はしがたいというものである。

(構成員)実は構成員がこちらの方に意見として出したその趣旨は大変よくわかり、実名報道がなされても被害者が守られる社会であればよいのだが、現実には守られていないということなので、私としては原案でお願いしたいと思う。
先ほど構成員が、報道が責任を負いたいとおっしゃったが、大きなメディアでは会社の中での倫理規定などもあってきちんとしていると思うが、報道されたその後々までも遺族はずっと苦しみ続けるということをご理解いただきたいということと、何十年経てばいいのかというと、何十年経っても、一度犯罪被害者遺族であるというレッテルを貼られた被害者の方たちがその事件から離れられるということはない。被害者は結局いつまでたっても被害者というレッテルからは逃れられない。そのようにおっしゃっているし、これは全くほんの一例に過ぎない。
そのため、被害者の多くは自分の被害について知らないところへ行ってしまいたいと考えたり、あるいは反対に現実問題として引っ越しをして、被害者であるということを隠して生活をしていかざるを得ないのが今の日本の現状でもあるということを理解していただき、ぜひこれは被害者の方が報道に関して要望を出したのであれば、それを取り入れられるようなものにつくり上げていっていただきたいと思う。

(構成員)今のお話も私は襟を正して拝聴するわけだが、先ほど構成員から個々の事件、具体的案件について、プライバシーとか公益性を総合的に判断してお決めになるということについて、ここにも書いてあるように、我々がとやかく言うということではなく、あくまでも協力をお願いしたいと。その一方で、構成員が実名報道の原則についても理解できるというふうにおっしゃっていただいたわけだが、多分中央レベルではそういったようなことだろうと思うけれども、現場、都道府県とか一線の警察では、実態としてどういうことになっておるのかということを少し申し上げたいと思う。
最近ご承知のように個人情報保護法の流れの中で、匿名発表というものがかなり広がっている。先日、全国の通信網を使って全国調査を行ったのだが、47都道府県警のうち20を超える府県警が原則匿名に近い、殺人とか、そういった重大事件を除くとほかの事件では原則匿名みたいな方向が広がっており、今後もますます広がる傾向にあるのではないかと、それを一番危惧している。今回こういう個々の案件ごとに具体的に総合的に判断するというのは、これは確かに結構なのだが、お諮りいただいているこのままの表現だと、この文書を根拠にして、原則匿名という選択が現場でかなり広がっていくことを一番恐れるということである。
そこで、日本新聞協会でも、先日、6月ぐらいから編集局長クラスの編集委員会というのがあるが、その中でこの問題を勉強し始めた。確かに、私も縷々申し上げるが、なぜ被害者について実名原則なのかという理論武装というのはなかなか難しい面があり、少し研究して勉強させていただきたいということで今やっている。この問題、匿名か実名か、あるいは報道の自由とか、そういったような問題は、こういう場だけで議論するにはあまりふさわしくないのだろうと思うので、また別の場で基本的な問題として議論したい。その場合に今回の表現がちょっと言葉は悪いけれども、足かせになることのないように願って修文を出させていただいたということである。

(構成員)資料7に書いているけれども、実名を出したり、写真を出したりするのは、原則として被害者等の承諾を得てからにしていただきたいと思う。構成員が今おっしゃったけれども、実名報道されたがために、報道関係者によって押しかけられたり、誤った情報を伝えられて、そこにおられなくなって逃げ出した被害者がたくさんいる。被害者は自分の情報を管理する、知られない、知らせない権利を持っているはずであり、それが丸裸にされる必要はないと思うし、それは甚だ迷惑である。
構成員のお書きになられたのに、実名報道することによって、それが犯罪抑止につながるという公益的な面もあるというふうなことをおっしゃったけれども、被害者は被害を受けた上に公益のために奉仕するという必要は全くない。迷惑至極である。だから、まず被害者等の承諾を得てから警察が実名を明らかにするようにしてもらいたいし、新聞もそうしていただきたいと思う。また週刊誌に載ったり、中吊りに載ったり、いろいろなことをされると迷惑で、大きい新聞社はそれなりにきちんとした対応を一生懸命研究されておられるということであるけれども、そうでないところなんかはいっぱいある。だから、どうしても実名は被害者等の承諾を得てはじめて警察が発表する、そうしていただきたい。写真等も同様である。それから警察が第一報を記者発表する場合に、捜査がまだ十分に行われていないうちに、「どうもけんかのようだな」というふうなことを軽くおっしゃる場合があると聞いている。それがけんかでないとき、こういうふうにやられると、被害を受けた子どもたちの名誉の回復というのは実際上不可能に近い状況になってしまうことがあるので、警察の方もあまり簡単に根拠のないことはおっしゃらないでいただきたいと思う。

(構成員)性犯罪の被害者は匿名でということが報道の側でもむしろ原則になっているとすれば、性犯罪の被害者のときにはそういう報道による被害が典型的な形では出るけれども、ほかの罪名でも同じ非常に深刻なものがたくさんあるわけで、そういうことを考えると、被害者の名前を原則実名で、というのはちょっと考え直すべき時期に来ているんじゃないだろうかというふうに私はむしろ感じるわけだが。

(構成員)確かにおっしゃるとおりで、勉強の中で3回ぐらい本として出しているが、その中で匿名を選択できるというふうにしたのもまさにそういうことで、ケース・バイ・ケースで極めて厳格に実名にするのか、しないのかということを記事にする前に議論して、そして決めているわけである。1つの例として、新宿の歌舞伎町のビル火災があったときにも、ああいう風俗店での場なので、そこで亡くなられた方というのはちょっといろいろな面で差し障りがあるだろうということで、匿名を選択した。これは各社話し合って決めたわけではなくて、それぞれの会社が独自に判断した結果、そういうことになったので、非常にまちまちになってしまったのだが、今おっしゃるように多分勉強の過程というか、今後とも研究を否定するつもりは全くない。

(構成員)まず、犯罪被疑者、被害者を含めて個人名の発表のあり方というのは、実は各都道府県警察ごとにそれぞれずっとやり方があって、その判断の基準もそれは大分違うというのが実態である。したがって、警察庁から統一的な基準を示していないというのが実態である。
ただ、他方で中央レベルで、先般もやったが、警察庁とマスコミの皆様方とお話し合いの場を持って、いろいろこの問題はどうすべきかということについて議論もしていることは事実であるが、ただ延々とこれは続いているけれども、なかなか結論が出ないというのが実態である。そういうことから、我々としてはその議論の経過は各都道府県警察にお伝えをしようということで、マスコミの皆さん方のご主張は各都道府県警察に伝えているという状況にある。
各県で最近被害者の方々のお名前を出さない傾向が強まっているということだけれども、これはまさに被害者の方々の個人の人権とかプライバシーを尊重しようという気持ちが強くなっていることの私はあらわれだと思うので、私はこれはこれで大変理解できると思っている。
先ほど実名報道の原則を理解できると私が言ったということだが、理解できる部分もあると申し上げたので、全面的に私がそれにくみするものではないということは申し上げておきたいけれども、そういうことでこの問題はなかなか難しい問題でもあるし、今ここで一朝一夕に解決はつかないので、原案が相当ではないのかなというふうに私は考えている。 それから、被害者の同意をとった上でもって発表せよということであるが、現場でいろいろなやり方が恐らくあるのだろうと思うけれども、ただ少なくとも被害者の方から実名を出さないでほしいというご主張がある場合には、その旨きちんとマスコミの皆様方にお伝えをしてあり、大体おおむねマスコミの皆さんはそういった被害者の方々の要望に沿った形でもって今報道がされているのではないのかと私は考えている。それから、被害者の方々の写真を警察が出すことはない。これはマスコミの方々の取材の結果である。
それから、根拠のないことは言うなということであるが、これはごもっともで、私どもはきちんと事実を踏まえて発表するというふうに努めているところであるし、今後もそうしてまいりたいと考えている。

(事務局)この(3)の保留事項の関係でずっとご議論をいただいているけれども、事務局として今お聞きしていて、構成員から出されている「マスコミの実名原則を踏まえつつ」という表現をまとめ案の中に入れるというまでの意見の一致は見られないというようなことで、原案どおりでいかがかというふうに思うが、どうか。

(構成員)ちょっと場が違うということで、これ以上の議論は避けたいと思うが、1点、現場で匿名の原則が広がりつつあることについて、我々が強い危惧を持っているという部分だけは記録として残しておいていただきたいと思う。

(構成員)そういうことでよろしいか。

(構成員)報道の点について、誤って報道されると、それがインプットされて、なかなか後で訴訟で勝ったとしても、国民に対して周知できない。だから、誤って報道した場合はマスコミの方から積極的に訂正の措置を講じていただきたいと思う。それで、何か誤ったといって本当に3行ぐらい書かれて、報道のときはでっかく報道するが、間違い訂正はほんのちょっとで人が見落とすのが現状であるので、訂正も大きくやっていただきたい。最近の例では、音羽の幼稚園の殺害事件で、文春が訂正の大きな記事を出して、中吊りにもそれに近いことを書いて出してくれたけれども、修正を大きくしていただきたいと思う。

(構成員)資料3で、訂正放送制度の意義ということで、真実でない放送によって権利が侵害された場合には、その被害は甚大なものとなるということで、放送法によって、真実でない報道による場合には訂正放送をしていただくということで、請求方法等を定めさせていただいている。具体的な訂正放送の請求方法については、訂正放送制度といって、放送後3カ月以内に請求していただいて、事業者がその調査をして真実でないことが判明した場合には、訂正放送という形で放送法の中に規定をさせていただいている。権利侵害を受けたという場合には、当該放送を行った放送事業者に連絡していただくほか、放送と人権等権利に関する委員会というのがあり、こちらの方に問い合わせていただくといったこともできる。
ちょっと申しわけないが、放送についてはこういったことであるが、そのほかの、新聞等については、私どももそこまで承知していない。

(構成員)新聞等もこれにならったような訂正をぜひお願いしたいと思う。

(構成員)それはマスコミへの要望ということか。

(構成員)そうだ。

(構成員)3点ある。1点は、資料5の5ページで、ここに被害者等からの要望ということで、両親にも自分の気持ちを言えないなど犯罪被害者のきょうだいが置かれた特有の状況を理解してほしいということに関して、施策の概要としてこういったことが挙がっているけれども、この問題を取り上げていただいたということは非常にうれしいことだと思っているが、この点について文部科学省の方でもうちょっと積極的に関わることのできることがあるのではないかということで意見を申し上げたいと思う。
犯罪被害者のきょうだいの問題というのは非常に実は深刻で、ほとんど調査がなされていない。遺族に当たって親御さんがお一人お子さんを失うと、そのほかのきょうだいのことに目を向ける余裕がほとんどない。きょうだいたちというのは、しばらく年月がたってから様々な不適応問題を呈したり、あるいは自分で抱え込んだり、非常に苦しい状況に置かれているにもかかわらず、ご自身がアピールすることがないために非常に介入がされにくいという現状がある。
このきょうだいに対して介入ができる場所として、もし学齢期にあれば、実は学校が大変有効に機能している。だから、例えば学校において、犯罪等の被害によって家族を失った児童がいる場合、あるいは児童のきょうだいに対してスクールカウンセリング等を通して積極的に手を差し伸べていただくということが十分可能なわけで、スクールカウンセリング制度について述べられている箇所があるが、その中にぜひそういった被害によって遺族となられた者、あるいは被害者のきょうだい等についても積極的なケアを行うといった旨を文部科学省の方でご検討いただければ幸いである。これが1点である。

(構成員)今の5ページに記載したのは、学校教育では基本的に子どもたちに誰に対しても思いやりの心を持つ、あるいは公正、公平にして差別、偏見のないように人とつき合おうというのは道徳などで基本的な教えるべき項目として指導している。それに加えてということでここに書かせていただいたけれども、非行防止教室等で被害者の方をお呼びしてお話を伺うというような事例も出てきているので、その辺は警察庁と共同で取組をしていくと。
ここにはスクールカウンセリングの話は記載していないが、今ご指摘のとおり臨床心理士等の方々にスクールカウンセラーとして学校に来ていただいているので、そういった際には犯罪の被害を受けた方、あるいはそのきょうだいの方々の相談も十分受けられるように、各学校で取り組めるように行政としても支援をしていきたいと思っているので、その辺を踏まえて対応をしていきたいと思っている。

(構成員)どんな形でか、少しその部分がスクールカウンセラーなどの研修等で含まれる、あるいは今後検討していただければというふうには思っている。
もう1点は、資料9の1ページ目のところで、基本法第20条に関して、学校教育の現場において積極的に推進していただきたいことについて書かせていただいた。また、参考資料として、アメリカ合衆国のOVCにおいて、学校の現場で被害者支援に対する取組として教育を積極的に活用するというガイドラインを出しているので、それも添付させていただいたが、それは文部科学省の方でもうちょっと細かくご検討いただければと思うのと、実は専門家の研修のところで出てきてはいるが、学校教育の現場において、もう一回こちらで教育学、医学、心理学、福祉学等、実際に支援の専門家となられる立場の方々のカリキュラムに被害者に関する教育を盛り込むということを、再掲でよろしいので、もう一回ここのセクションでも強調していただきたいということがある。これについては、何回出ても私としては構わないのではないかというふうに思っている。

(構成員)今ご指摘をいただいた専門家の養成の課程での犯罪被害に関する内容をできるだけ教えるということについて、少し実態を把握したところ、医学部において医師の養成の課程で、一般論としてではあるが、患者さんの心理及び社会的背景を十分把握した上で、問題点を十分抽出、整理できるようにしようと、そういう観点からの患者と医師の関係のコミュニケーション養成という面があるので、そういった中には犯罪被害者の方々の心理にもきちっと対応するという内容が関連して入ってきているのかと思う。それ以外はなかなか具体的な形で入ってきていないので、今我々としてできることとすれば、臨床心理士の団体が所管であるので、心理士の養成の課程で、そういう犯罪被害者の方にかかわる事柄についても教えていただくように、このアメリカの例なども紹介しながら、養成をするという対応になろうかと思う。

(構成員)福祉においては、児童虐待防止法とか、DV防止法とか教えているので、福祉の教育についても既に入っているので、かかわる教育箇所においては、これは今やっていないということであれば、ご検討をしていただくようにお願いしたいというふうにこちらでは思っている、より積極的に。

(構成員)先ほどきょうだいのことで関連があることで学校側に求めたいことがあるが、学校内で集団で少年たちが事件を起こして被害者が亡くなったようなときには、被害に遭った人のきょうだいの方が学校にほとんどいられなくなるとか、心に大きな傷を負っているけれども、学校の方は非行に加わった少年たちの世話で精いっぱいとか、そういうことも時々目にすることがあるので、被害者側にかなりきちっと重点的に対応する体制も考えていただきたいと思う。

(構成員)その関連で、被害者の方のきょうだいの置かれた状況ということについて、しっかりと把握すべきというご指摘が先ほど構成員からあったけれども、第5回でご議論いただいた、内閣府が関係省庁の協力を得て追跡調査を行うことにするということでまとめ案の中にも入っている。その中で、これは犯罪類型別、そして被害者の方との関係別ということで、その中で被害者のきょうだいの方が置かれた状況についての調査をしっかりとしてまいりたいと、またそれは関係省庁の施策にも反映していただこうと考えている。

(構成員)臨床心理士の養成課程においては、心理的な面がほとんどだと思う。犯罪被害者が社会でもう一度、もちろん学校への復帰ということも含めてだが、子どもには家族がある。だから、当然もっと広い意味で単に心理的なものだけではなくて、地域保健、医療、福祉、そういうものがカリキュラムの中にはほとんどないということを聞いているので、その点もご配慮いただき、実際に被害者のために活動していただけるような臨床心理士を育てるというところでもお力をいただければと思うので、よろしくお願いしたい。

(構成員)今、2つご指摘をいただいたが、具体的に所管している臨床心理士の養成を担当する団体に関しては、現実には犯罪被害者概論というような科目もあるケースはあるようだが、その辺は、お話を受けて、できるだけ積極的に取り組んでいただくよう、働きかけをしていきたいと考えている。
それから、学校においても、被害を受けた方のきょうだいの方々の対応については、確かになかなか人的なスタッフも限られており、難しい面があろうかと思うけれども、養護教諭の方とか、あるいはカウンセラーの方、あるいは事務職員の方などが対応しながら、できるだけきょうだいの方々の状況を把握して、サポートできるような体制が組めるように、行政サイドとしても支援ができるような取組が考えられないか、積極的に取り組めるように指導ができればと思っている。

(構成員)今、学校教育の話が出たが、やはり被害者教育を義務教育段階から正課として取り上げていただきたいと思う。被害とか犯罪が起こる都度、先生が生徒を集めて話をしたりするだけでなくて、正課の授業としてそれをやっていただきたい。例えば、人権教育なんかは義務教育段階からやって相当な成果を上げたわけなので、犯罪被害者教育についてもやっていただければ、それがまた防犯の教育にもなると思う。

(構成員)今ご指摘の、義務教育段階から犯罪被害者にかかわる教育をということだが、基本的には、今ご指摘のあった人権教育についても、道徳の時間あるいは特別活動の時間を活用しながら、人間の尊重ということ、あるいは生命を尊重することの大事さというものを発達段階に応じてきちっと伝えると、そういう取組もしてきているので、そういう教育をする際にも犯罪被害者の方にお越しいただいてお話を伺うと、そういう取組の出てきている学校もあるので、そういう実践例を紹介しながら、広まるように支援をしていきたいという段階で、教科としてすべての学校でというのはすぐには実現できない課題であると思っている。

(構成員)そういう方向で検討していただくということでよいか。

(構成員)よい。

(構成員)被害者の問題を何らかの国民の行事として取り上げる日は、どういう形であれ何かつくっていただけるとよいと私は思っていて、構成員から同じような希望が出されているが、これは具体的に検討するとすれば内閣府でご検討いただけることになるのか。

(構成員)先ほど申したように、私どもで取り組みたいというか、まずは国民的な気運を高めるための象徴的な日をいつにするのかとか、どういった記念なんだとか、そういったものについては犯罪被害者等の方々を含めた国民の皆様のご意見をまずお聞きする。それから、一方で構成員のご意見を、国民の皆様からのご意見を伺ったそれとあわせて、どういうふうにしたらいいのかということを、また基本計画の検討、すなわち秋以降の検討会の中でいろいろまたご議論いただければと考えている。これは私どもの方で対応をさせていただこうと考えている。
それと、事務局として申し上げたいが、先ほど補足の中で、修復的司法の関係について、これは別途21条のところでまとめとされたいというご意見があった。一方で、構成員から修復的司法の導入に反対のご意見が出されており、これについてのご議論をいただかないと、どういった形でとりまとめるべきかについて、事務局としてもまだ不明なので、そこのご議論をしていただければと思う。

(構成員)構成員からのご意見も伺わないといけないと思うけれども、私も実はさっきから修復的司法についてご質問をまずしようと思っていたが、警察庁と法務省に伺いたいが、21条に持っていくと言われるが、具体的に21条の方でどういう形で扱われようとしているのか。
それからもう一つは、例えば保護観察所などにおいて、VOMとまでは行ってないけれども、ちょっと試みがいろいろなされているようにも聞いているが、法務省でこれについてどういうふうにお考えになっているか。

(構成員)私どもがやろうとしているのは、修復的司法というよりは一種立ち直り支援であり、また被害者の方々が真実を知りたいとか、そういったご要望にも応じる、そういった意味でやろうとしているものであり、いわゆる司法制度ではない。これは何か強制のように受け取られると困るけれども、出席される方々すべてについてのご同意を得た上で、まずそれをやってみて、それが本当に定着するものであるのかどうかということについては、その結果を見ながらまた今後検討していこうということであり、したがってこれをやるという意味での教育という部分に入れることは、まだ適当ではないと考えているので、とりあえず調査研究の方で整理をしていただいて、このことをまず試行としてやってみるというふうにご整理いただきたいというのが我々の趣旨である。

(構成員)試行として今考えられているのは、この非行の種類とか犯罪の種類がある程度想定されているのか。

(構成員)具体的に絞っていってやるわけではないけれども、法益侵害の程度、また犯罪の原因、動機、当該少年の性格、それから素行、家庭の状況、こういう環境から見て、保護処分や刑事処分を要しないと認められる事案を対象に、立ち直り支援のためにやるというふうな考え方である。

(構成員)そうしたら、お考えになっているのは少年で軽罪のケースというふうに今お考えになっていると考えてよろしいか。

(構成員)この調査研究はそういうことである。

(構成員)修復的司法というふうにいわゆる呼ばれているものについて、私どもの方で具体的にどういうことに向けておるというのは現在ない。もともと修復的司法と呼ばれているものについては、起訴法定主義特有の問題であったり、それ以外に罪を犯しても何もしゃべらない、あるいは謝りもしないことをよしとする社会と日本はこれまで少なくともやや違ったところもあって、そういったことから外国で言われておるような修復的司法というものの要素というか、一部の要素は既に実現されておると。

(構成員)ちょっと質問を変えてもよいか、不適切だったと思う。VOM(Victim Offender Mediation、被害者加害者対話)について、どういうふうにお考えになって、どういうふうに今調査されているかというふうにもっと限定する。

(構成員)構成員がおっしゃったVOMという言葉であれば、まさに外国で言われておる修復的司法なので、専門家に対して申し訳ないが、そういったことはやっていない。保護観察との関係で申せば、加害者の反省を促すために被害者等への謝罪を指導するといったようなことはあるし、それで先ほど少し言いかけたところとして、起訴する前の段階でも日本の場合には謝罪がされて示談等が行われれば、情状として考慮し、軽微なものは起訴猶予にするといったようなことでかねてから行われているというところではあるが、まさに公的なものとしてのメディエーションを設けるといったようなことは行っていない。

(構成員)警察があえて少年に対して、今回のこの修復的司法を試みようと思ったその動機というか、どういうところに視点が置かれていたのか。被害者の立場から言うと、本当に軽微なもので被害者がほとんどダメージも受けていないということであれば、まだ考えられるし、今のお答えでは、軽微なものということだけれども、でも警察が率先して修復的司法という言葉を使って、これを社会に進めるということになると、被害者は加害者を許すべし、あるいは今現在の日本の社会でも罪を憎んで人を憎まずという教育が小さいときからなされている。当然の怒りであっても、被害者はそれを出してはいけないという無言の圧力が被害に遭った後はかかる。そういうことで、これがどんどん進められていくということにちょっと危惧を感じているので、お考えをお聞かせいただきたい。

(構成員)これは一つの少年非行防止対策として、加害少年の立ち直りということが一つはある。他方で、被害者の方々にどういった意味があるのかということだが、1つは事件の真相とか詳しい状況、例えば加害者の動機であるとか現在の心境、また将来に向けての決意、そういったものを非行少年から直接に被害者の方が聞くことができる。それから、また被害者側からすれば被害者の受けた苦しみとか思いを少年に直接伝えることができる。また、被害少年の虚像から受ける不安とか恐怖、こういうものを軽減できるとか、また非行少年からの再被害やお礼参りを防止する上で一定の役割を果たすといった意味で、非行少年の立ち直り支援のほかに、加害者としても一定の意味のある仕組みになるのではないかということでもって、今回始めるということであるけれども、ただ繰り返しになるが、これは決して被害者の方々に出席を強制したり、それから許すことを強制したりというものではなく、きちんとご同意を得た上でもって、これはまずやってみたいということであり、ただこれが実際に制度として定着するかどうかは、調査研究の結果を見ながらまた判断をしていくということである。

(構成員)恐らく少年による軽い犯罪の場合には、立ち直りを目指す少年の利益とそこに積極的にかかわる被害者の利益が一致する場合があると、そういったものに限ってそういうものを試みてみてということになるのだろうということで、だからそういう今、構成員が言われたような形での誤解を招かないような配慮をすれば、それはそれで意義のあることだと私は感じる。

(構成員)そのことは文言にして、きちんとどの範囲でということを載せていただきたいと思う。

(構成員)例えば、殺人事件の遺族の方とか、それから性犯罪の被害者とか、DVの被害者、こういう人たちの9割以上というのは確実だけれども、その方は加害者と会うということに引っ張り出されること自体が非常に嫌なわけだ。そういう考え方が加害者に関わる人たちから出てくることにはとても我慢がならないと思っていると思う。ただ、一方で少数ながら、本当に自分の代弁もきちんとしてくれるなら会ってみたいとか、あるいは相手の話を聞きたいという人がいることは確かにある。それから、海外でもこれも少数ながら、殺人事件の遺族に対するVOMがある程度成果を上げているという報告もある。 だから、そういう現実は全体にきちんと踏まえるべきだと思うが、これだけ犯罪被害者の声というのが出てきて、今までほとんど考えてなかった加害者矯正の領域で何か対応しなくちゃいけない、何か対応しなくちゃいけないというときに、修復的司法の概念、もともとは被害者の回復を中心とした概念だから、ある意味非常にアイロニックな状態にあるわけだけれども、そういうものを持ってきて、特に今問題になっている被害を受けた人たちのところに安易に適用するということだけは、これはやめてもらいたい。そのことは、ここでの少し共通理解として持っていていただきたいと私は思う。

(構成員)繰り返しになるが、これはまだ制度として定着すると決めたものではなく、あくまでも調査研究だから、調査研究ということは当然に参加される方のすべてのご同意を得た上でなければできない話であるので、調査研究ということは当然の前提であると。ただ、これを効果とか結果を見ながら将来どうするかについてはまたご意見を踏まえながら考えるけれども、とりあえずは調査研究ということでもってご理解をいただきたいと思っている。

(構成員)修復的司法という言葉はそれぞれ使う人によっていろいろと使われているので、これ自体で議論しても始まらないと思うけれども、今警察の考えられているのは、先ほど加害者の立ち直りということを主としてお考えになっていると聞こえたけれども、そうか。

(構成員)どちらに重きがあるのかということは、それはなかなか言いがたい部分もあるけれども、ただもちろん加害者の立ち直り支援ということが大きなウェイトを占めるけれども、同時に被害者の方にも今申し上げたような意義があるということであり、その点は、十分にご説明をしながら参加するかどうかをお決めいただくということになろうかと思う。

(構成員)やるなら被害者の立ち直りということを主としてやるべきだと思う。特に少年の場合は、被害者というのは加害者が恐ろしい。大抵の場合において、絶えずびくびくしている。そういう状況のもとで、加害者の立ち直りのために警察から対話をしろというようなことになると、これは行かなきゃ、どんな仕返しが来るかもしれないということになってしまう。被害者がそれを望み、被害者の立ち直りに必要かという点からまず考えるべきであって、加害者の立ち直りを念頭に置いてはいけない。

(構成員)構成員と全く同じ考えだが、被害者は例えば警察、検察、いろいろな国の機関というものはとても高いところにあるもので、あるいは弁護士さんですとか、専門家から言われればそれにこたえなければならないと思い込んでしまう。日本では被害直後からの被害者支援がまだほとんど行われていない現状で、関係者、関係機関からこういう対話があるのでどうかと言われれば、もうそれは抵抗はできないものだ。もっともっと被害者支援が十分に社会に浸透したその上で、なおかつ被害者の回復のためにということがはっきりとでき上がるような体制の中では、この修復的司法という考え方も考えられるのかもしれないが、現状では今これを載せてしまうと、被害者はますます回復できないというふうになってしまうのではないかと大変懸念する。
実は被害者の中にも、こういう申入れがあった、あるいは反対に被害者が事件の真実がわからないので、思い切って加害者に会った。こういうことは確かに時々にある。そういう被害者の方の後での反応、どうだったかと聞くと、許すつもりではなかった。例えば、少年事件の場合は顔さえ、名前さえわからないということがあるわけで、大切な子どもを殺されて、親である自分が加害者の顔さえわからなかったら、自分が死んだとき息子に会って申しわけが立たないと一大決心をして会ったわけだ。そうしたら、いきなり言われた言葉が、「会ってくれてありがとう」。そうじゃない、顔も知らないから、自分を捨てて思い切って見たんだと言っても、その加害者、そしてその親からさえも、ありがとうと、会ってくれてうれしかったということで、とうとう遺族の悲痛な気持ちであったということは理解してもらえなかったという方が何人かいる。だから、たとえ軽微なものでも加害者の立ち直りに視点を当てたこういうものが警察で調査研究として取り上げられるということに対しては、私は危惧の気持ちは消えてはいかない。

(構成員)事件化できるかどうかわからない、もっと軽微なものに限って今検討されているというふうに私は聞いているものだから、そういうものに関して、そのまま放置しておくよりも、加害者の反省のためにも、また被害者も今後続く不安とか、そういうものも持つわけなので、それの両方の要求が合ったときには、そういう対応が活きる可能性があるのではないかということで、試験的に調査研究をするということであれば、今言われたようなそういう危惧の点を十分配慮するのであれば、そういうことでもいいのではないかという気が私はするけれども。

(構成員)それは、警察において行うのは構わないと思う。なぜ「調査研究」に入れなければいけないのかが理解できない。

(事務局)ご議論を伺っていて、事務局として提案させていただきたいが、結論から言うと、今の時点ではこのとりまとめ案、具体的にはこの資料の一番最初に出てきているこの関係については、被害者等施策のとりまとめとしては載せない。しかし、警察庁の方で調査研究をされるわけなので、それが被害者等の施策としてどれだけの有効性があるのかということは見守っていくということで、今回のとりまとめの中から、この修復的カンファレンスのまとめは載せないというような方法が一つあろうかと思うけれども、どうか。

(構成員)私どもがこれを載せたのは、被害者側の団体の皆様方のご要望の中にそういうものがあったということを踏まえて、ここに掲載をしているけれども、したがって私どもとして、これは私どもは一応やる予定でいるけれども、基本計画に載せることが適当でないというご判断であれば、落していただいても別に構わない。

(構成員)基本計画では私もぜひ落していただきたいと思うが、先ほどからの繰り返しみたいだが、被害少年というのは加害者に会うことすらも怖い、加害者が会う気になっているときに、警察を通じて話が出れば、断ると仕返しが怖いから会わなきゃいけないというふうなことにもなりかねない。よほど慎重にやっていただかないと、被害者がさらに傷つくということになる。
特にこれは地域社会における教育として導入するということになると、教育というとどうしてもこれは加害者を教育するということになって、加害者教育のために被害者がまた使われるというような結果にならないように十分配慮していただきたいと思う。

(事務局)それでは、基本法第20条関係、国民の理解の増進の部分についてのとりまとめの確認をさせていただきたいと思う。「各省提出に係る施策等とりまとめ」で、まず、修正の部分であるが、1ページ、1の最初の☆で、ただいまご議論いただいた修復的カンファレンスの関係であるが、これについては犯罪被害者等施策としての強い懸念、危惧が示されたところである。そういったご議論を踏まえた上で、今回は警察庁の調査研究を見守るということとし、犯罪被害者等施策のとりまとめの中には記載しないということにしたいと思う。それから、このとりまとめ資料の7ページの次の次に文部科学省から修正意見が出されており、いずれも20条関係の修正意見であるが、この修正意見については、意見どおりとしたいと思う。その余のものについては、1ページから4ページまでの各施策とりまとめ案について取り組んでいくということになるのではないかと思うので、そのようにさせていただきたいと思う。
それから、先ほどの骨子案(3)の保留事項については、原案どおりとさせていただきたいと思う。

○ 「基本法の基本的施策に係る各条文のいずれかに整理することが適当でない事項」に関する説明

事務局より、これまで数度にわたって行ってきた犯罪被害者団体等からのヒアリングの結果のうち、基本法の基本的施策に係る各条文のいずれかに整理することが適当でない事項については、内閣府資料1の9ページ以下に列挙しているところであり、各省庁に係る施策等とりまとめの7ページの「III」で、各省庁から事前にいただいた新たに取り組む施策、あるいは前進させる施策について整理している旨を紹介。
なお、「III」で列挙してある☆のそれぞれがどの重点課題に整理されていくべきなのかという議論については、秋以降に骨子案を基本計画案に詰めていく議論の過程で検討することとしたい旨提案。

○ 「基本法の基本的施策に係る各条文のいずれかに整理することが適当でない事項」についての議論

(事務局)犯罪被害者等の方々から出ているご要望について、関係省庁の方からまだご回答のないものが幾つかある。それについて、補足説明をいただければと思う。
1つは、車両にドライブレコーダー装着の義務化との要望についてどのように考えるのかということ。それから、自動車事故調査委員会の設置の要望についてどのように考えるのかということ。
それから、大学の関係学部における交通事故についての研究促進と実務者への研究成果や情報の提供、共有、それから大学や研究機関、弁護士会、行政、司法機関による交通刑法の官民を挙げての共同研究を実施してほしい、それから、大学研究機関での犯罪学の研究を充実させ、実例に基づいて心理学、行動学、法律学等の観点からの分析の実施、というご要望がある。これについてどのようにお考えなのかということをそれぞれ説明をしていただければと思う。

(構成員)ドライブレコーダーの装着の義務化については、ドライブレコーダーについては特に交通事故捜査の中で運転者の責任を明らかにする目的で利用する場合に、まずドライブレコーダーの技術性能について、特に改ざん防止みたいなものがきちっとできるのか、あるいは事故があった場合にいろいろな衝撃を受けるわけだが、そういう衝撃に耐え得るような性能を有するものであるのかといった技術的な課題を解決する必要がある。一方、国土交通省としては、事故の再発防止を図るという観点からドライブレコーダーの活用方法について、今、実証実験みたいなことをやっておる最中で、その結果を見た上で、どういうふうに有効的な活用の仕方があるのかどうかということを考えてまいりたいと今思っており、直ちに今の時点で義務化といったようなレベルのところまでいける段階にはないというふうに思っている。
それから、自動車事故に関してであるが、自動車事故の原因究明については、警察庁とも一緒に原因を究明するということで、財団法人の交通事故総合分析センターというところで、運転者あるいは道路の交通環境とか車両、そういった交通事故のいろいろなファクターがあるわけだが、そういうものを総合的に調査・研究をしてきており、特にその分析によって得られた結果をもとにして、例えば車両の構造面であるとか、あるいはいろいろな事業用自動車の運行管理の面なんかで課題が抽出されれば、その事故防止対策にその結果を役立てていると、こういう取組をやっているところである。膨大な自動車交通事故の件数があるわけだが、その中で、特に重要だと思われるものを抽出してやっており、そのほかにも警察当局等で交通事故の調査等は行われているわけである。
私どもの考え方としては、今、そういう交通事故総合分析センターといったような場で具体的に成果を出して、事故防止に役立てるような結果を踏まえて再発防止策などをとっているので、今後ともこういう体制のもとで引き続き事故原因の究明について対応していきたいというふうに思っている。

(構成員)大学の関係学部における交通事故についての研究促進、あるいは実務者への研究成果、情報の提供、共有、また大学における関係機関と連携をした交通刑法の官民挙げての共同研究の実施、あるいは大学における犯罪学の研究の充実と、実例に基づいた心理学、行動学、法律学等の観点からの分析の実施という点についてのお尋ねがあった。ご案内のとおり、大学における教育研究については、各大学における自主的な、自発的な行為に基づいて実施をされるということであるけれども、こうした研究の重要性にかんがみ、科学技術研究費補助金、あるいは科学技術振興調整費の補助金といった各種の補助金について、こうした分野での申請等があった場合には、こうした研究がさらに促進されるように私どもとしても配慮してまいりたいと考えているところである。

(事務局)それでは、基本法の基本的施策に係る各条文のいずれかに整理することが適当でない事項についてのまとめ案の確認をさせていただきたいと思う。「各省庁提出に係る施策等とりまとめ」の7ページ、「III 基本的施策に係る各条文のいずれかに整理することが適当でない事項」のとりまとめ案が列記してあるとおりとさせていただきたいと思う。
なお、法務省の修文意見が出ており、これは修文意見どおりとさせていただきたいと思う。

○ 「推進体制」に関する説明
事務局より、推進体制について、以下のとおり説明。
「基本法においては、基本計画に盛り込むべき事項として、これまで議論してきた重点課題に対応する『施策の大綱』のほかに、基本法第8条第2項第2号に掲げられた、施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項を定めることとされており、これを、基本計画において、『推進体制』という項目を設けて盛り込んでいくこととするものである。より具体的に言えば、推進体制に盛り込まれるものとしては、各重点課題に盛り込まれるような施策ではないが、施策を展開していくに当たり、国の行政機関として留意していくべき事項、あるいは施策の展開に必要な体制や措置が考えられるところであり、これらを定めるものである。
これに関連する基本法の条文は、第7条の連携・協力、第23条の意見の反映及び透明性の確保、それと推進会議の所掌事務の一つとして、第24条第2項第2号に掲げられたもののうち、施策の実施の推進、実施状況の検証・評価・監視が挙げられるところである。このため、推進体制の検討に当たっては、犯罪被害者団体等からのご要望のうち、ここで議論をすべきと考えられるもののほかに、基本法によって要請されることになる事項についても取り上げて、望ましいあり方について議論をしていただく必要があるというものである。
なお、推進体制に掲げられた事項を実施する省庁であるが、3種類あると考えている。1つは、個別具体の犯罪被害者等のための施策を実施するに当たって留意すべき事項を定めたものについては、特定の省庁ではなく、関係府省庁すべてが該当すると考える。2つ目には、施策の推進を効果的、効率的に行っていくために講ずるべき措置を定めたものについては、基本計画に基づく施策を政府全体として総合的・計画的に推進する内閣府が該当する。それからもう一つは、基本法第24条第2号第2項に関する事務、これは推進会議の所掌事務のうち、施策の実施の推進、実施状況の検証・評価・監視については推進会議ということになる。」

○ 「推進体制」についての議論
事務局より、「基本法から導き出される事項については、内閣府資料1の6ページ以下のとおり。また、取り組んでいく事項については「施策等とりまとめ」の5ページの「II 推進体制について」で整理し、下線を付した部分については、事前に提出された資料をベースにとりまとめ用にまとめるという趣旨から加筆をした箇所である。なお、このうち、各府省庁が個別具体の犯罪被害者等のための施策を実施するに当たって留意すべき事項については、議論の便宜上、☆印の後に「(関係府省庁において)」と記述をしてあるが、この括弧書きの部分については、骨子案にする段階では落としても差し支えないものである。」旨、発言。その後、座長代理より補足説明を求め、関係省庁からの発言の後、議論。

(構成員)私ども内閣府にご意見を出させていただいているが、内閣府資料1-2の最後にご回答いただいて、これで私どもは了解した。

(構成員)構成員の方からのご意見ということで、地方公共団体における施策の立案とか実施を促す推進策を立てるべきではないかということ、あるいは地方自治の理念はわかるけれども、地域版基本計画の策定に向けた国としての何らかの手段はないかといったご意見をいただいているので、それに対する考え方を申し上げたい。
犯罪被害者等の方々の権利・利益の保護について、地方公共団体の果たす役割というのは非常に大きいということは、これは疑いの余地のないところだと考えている。こうしたことから、国と地方公共団体の適切な役割分担を踏まえて実施をすべき施策については、既に各個別に重点課題ごとの検討会において今まで議論をしてきていただいたところである。 一方で、ご意見にあるような、国の犯罪被害者等基本計画の推進体制の項目に地方公共団体における犯罪被害者施策の推進を盛り込むということは、これは地方公共団体の行う犯罪被害者等のための施策そのものを国が提示し、実施させるということを盛り込むという意味につながるわけであるけれども、これは地方自治の理念に反するというふうに考える。したがって、地方公共団体の施策について、国が提示し実施させるということを国の基本計画に盛り込むことはふさわしくないという観点から、あえて記述していないということはご理解いただきたいと思う。

(構成員)地方公共団体が独自にすべきことというのは理解できるけれども、待っているとなかなか広がらない、始まらないというところもあるもので、地方公共団体などにおいては既に資料も出されているけれども、杉並区のようにかなり積極的に取組を始めているところもあって、そういうものを広く、先駆的な事業をしているところを広く広報して、地方公共団体、あらゆるところが取り組みやすくする、それを促すような何かどこかが役割を果たしていただいた方がいいように感じるけれども、それをどこかが担当されるような形になるのか。

(構成員)今回の検討会に際しても、先ほどご紹介したように、いろいろ構成員からご意見をいただいている。地方の基本計画の策定をはじめとする地方公共団体における取組に対する期待、あるいは取組に対する国からの協力等が必要であると、今もご意見があったところである。これらについては、第5回の検討のときにもご紹介したけれども、基本計画が策定された後速やかに、都道府県の犯罪被害者等施策主管課室長会議を開催したいと考えている。そういった場で各都道府県等に伝達してまいりたいと思うし、それから、基本法において地方公共団体に求められている事項についても、内閣府から説明して、必要な対応をお願いしていきたいと考えている。ただ、繰り返しになるけれども、地方自治の理念というものがある。国が地方公共団体における犯罪被害者等施策のあるべき姿に関連して、何らかの拘束力を持たせるようなことを盛り込むべきではないということについては、ご理解をいただきたいと思う。

(構成員)推進体制について、施策とりまとめのところで、内閣府の方より関連府省庁においてといった場合に、幾つかの省庁をある程度推進を受ける責任省庁として指定しているが、犯罪被害者の支援が進むに当たって特に警察庁において大変進んだのは、警察庁において犯罪被害者対策室というものが設定されたということが非常に大きいかと思う。また、今回も内閣府において犯罪被害者等施策推進室が置かれたことが、非常にやはり推進を進める上で重要なのではないかと思う。
それで、関係省庁というふうに対象とされた省庁においては、対策室とはまでは言わないが、支援に関する部局なり担当員なり、そういった窓口、あるいは責任を持って当たられる部署なりを設定するお考えがあるのかどうかということをお伺いしたいのと、もしできればそういった何らかの形でそういうセクションをつくっていただきたいという要望を兼ねている。

(構成員)特に検察庁における相談体制と、窓口強化ということについては、今後とも体制整備に努めてまいりたいということを前回申し上げているので、それ以外の項目について、いろいろな事柄に関わる、所管する部局も様々であるけれども、新たにそういったセクションを本省に設けることについて、その必要性等については今後の検討課題ということと思っている。

(構成員)窓口はやらせていただいているが、それぞれ関わる専門分野もかなり限られているので、そういう分野でそれぞれ担当をしておるということで、一括した組織を別に体制としてつくるということは今考えていないけれども、引き続きこういった内閣府の会議の窓口はやりながら、齟齬のないように対応していきたいと思っている。

(構成員)お話があったように、推進体制の整備の中で、責任ある体制を設けることによって施策を推進させる、そういうご趣旨はよくわかるので、そういった支援に当たる部署、部局といったものを設けるということについて、即答いたしかねるが、よく検討させていただきたいと思う。

(構成員)私ども総括審議官が一応全体で窓口をさせていただくということで、この会議にも出させていただいて、いろいろ情報をいただいたものは、関係部局で共有させていただいている。組織については、これはすぐにというわけにはいかないかもしれないけれども、できるだけこういった、私ども今までこの会議に出させていただいて、今後も基本計画づくりに参画させていただく予定なので、きちんと窓口を果たしていきたいというふうに思っている。

(構成員)この犯罪被害者等の関連施策、非常に広範に各部局にわたっているので、引き続き政策統括部局である統括官室で対応させていただきたいと考えている。

(構成員)それぞれの対応については、今、各省庁からお話があったけれども、全体の連携というようなことで申し上げたいと思うが、資料の5ページの国の行政機関相互の連携・協力というところで、推進会議の活用、あるいはその2つ目の☆に犯罪被害者等施策関係省庁連絡会議というものも平成17年4月1日に関係府省庁等で申し合わせて設置している。こういった会議等を活用して、政府全体としての犯罪被害者等施策が推進するように取り組んでいきたいと思う。

(構成員)知事部局で施策の窓口が未整備なところというのはかなりあるのか。あるいは、ある程度もう整備されているのか。

(事務局)全国の都道府県の状況がどうなっているかというのは、まだ今の時点では正確に把握をしていない。

(構成員)私どもは都道府県の体制の方、特に知事部局の方がどうなっているか、詳細ちょっと把握していない。どちらかというと、今まで警察が主になってやっていただいていて、うろ覚えだが、特に児童虐待の問題とか、あるいは消費者相談の窓口をつくらせていただいたり、あるいは交通事故の関係とか、こういった関係では知事部局で従前から取り組まさせていただいていると思っているけれども、多分、それぞれの部局において、児童福祉とか消費相談とか、それから交通事故とか、こういった部局ごとに窓口なり相談の窓口をつくらせていただいているのではなかろうかと思っている。そういう意味では統一的な窓口、知事部局までつくっておられるところというのはそれほど多くないのではないかと。ちょっと詳細に調べておらず、不確かな情報であるが、そういった状況ではあるかと思っている。

(構成員)いずれにしても、このまとめ案の2の最初の☆に掲げてあるように、そういった窓口となる部局及び体制の確認等も今後させていただきたいと思う。

(構成員)それで、担当部局会議などを通して整備等を求めていくのか。

(構成員)基本計画の策定をはじめとする地方公共団体における取組に対する大きな期待があるわけで、そういったことから、取組に対する国からの協力等が必要であるという旨のご要請もあったわけである。そういったことに基づいて、こういう会議の場で各都道府県に伝達させていただきたいと思っているし、それから、基本法において地方公共団体に求められている事項についても説明し、必要な対応をお願いしていきたいと考えている。ただ、繰り返しになるけれども、地方自治の理念というものがあるので、この地方公共団体における犯罪被害者等施策のあるべき姿に関連して、何らかの拘束力を持たせるようなことはやはり盛り込めないということはご理解いただきたいと思う。

(構成員)この政策の実施状況の検証・評価・監視というのは、具体的にはどのような頻度で、どういう形で行われるのか、もしできれば説明いただけるか。

(事務局)これは、推進会議で決められる事項であるけれども、できれば、どういった形で、どういった頻度で行われるべきなのかというような点についても、この基本計画検討会の中でまた構成員の皆様からいろいろご意見を伺えればと思っている。

(構成員)それは、改めてなのか、今なのか。

(事務局)それらについては、また今後、秋以降の検討会の場でもいろいろご議論いただければと思っている。
それでは、この推進体制についてのとりまとめ案の確認をさせていただきたいと思う。「各省庁提出に係る施策等とりまとめ」の5ページ、6ページに推進体制に係るとりまとめ案を記載しているが、意見の一致を見たものとして、この施策について取り組んでいくということになるのではないかと思うので、そのようにさせていただきたいと思う。

(構成員)それでは、内閣府の構成員からの提案のようにとりまとめたいと思う。

○ 犯罪被害者等基本計画骨子案(1)について
犯罪被害者等基本計画骨子案(1)について、事務局より、検討の経緯、本日の検討の方向性及び今後の検討について説明。

(事務局)骨子案の(1)であるが、これについては、第1回の検討会において、基本方針等を定める必要性をご議論いただいた。具体の基本方針、重点課題については、個別の施策の検討の便宜を図る上で、暫定的に設定し、すべての重点課題について議論を終了した後に再度議論をするということとされたものである。したがって、これまでの議論によりすべての重点課題について議論を終了した今の時点で、基本方針、重点課題を再検討することとするものである。
基本方針、重点課題の設定のあり方及び各項目の表記等についは、事前にやりとりをさせていただいたとおりであるが、まず基本方針については、4本の基本方針を設定するという方向性とか、それぞれに規定される内容については、大きなご異論はなかった。ただ、お手元の骨子案(1)に係る資料の資料1、内閣府意見をごらんいただくとおわかりのように、その表現について幾つかのコメントをいただいている。
次に、重点課題については、5本の設定のほかに追加すべきであるとのご意見があった。また、表現や、掲げる順番についてもご意見があった。あわせてご議論いただければと思う。
なお、各基本方針については、数人の有識者構成員の方からそれぞれの考え方をご提出いただいた。現時点においては、骨子案を作成するという観点から、詳細にいただいたこれらの「考え方」の文章については、秋以降、基本計画の案を検討する段階において、具体的に盛り込んでいきたいと考えている。

○ 犯罪被害者等基本計画骨子案(1)に関する議論

(構成員)重点課題の並べ方について意見を出させていただいているが、正直言ってやや思いつきな面があって恐縮だが、なるべく順番で、支援等のための体制整備の取組というものが最後に、これは議論を進めていく上で便宜上こうなったのだろうと思うが、基本法も拝見してみると、支援等のための体制整備というものが最初に掲げられているので、これは本当に思いつきで恐縮だが、それを最初に持っていって、あとはその順番どおりというふうなことを提案させていただいたが、これについてご意見を伺えればと思う。

(構成員)事務局でこういうふうに並べたのは何か意図があってということか、という質問だと思うが。

(事務局)事務局としては、いただいた多くのご意見の中から省庁横断的に検討していくべき重点課題というものをまず決めた。それで、順番等についても一応の考え方もあったわけであるが、先ほども申し上げたように、第1回の場ではその重点課題を5本立てるということ、それから第2回以降の具体の施策のご議論の便宜ということもあって、仮にこういう順番でご議論いただければと考えてお示しした。したがって、6ページの内閣府意見として記載しているとおり、この順番についても、秋以降、基本計画の案を作成していく中で改めてご議論をしていただければと考えている。
なお、この体制整備の取組の場所については、やはり各個別の施策があってから、それらを進めていく上での必要な体制というようなことで、この体制については最後に持ってきた方がいいのではないかということで並べ方としては考えておったところである。

(構成員)今のこれでよいというか、私は変えない方がよろしいと思う。というのは、上の3つはやはり被害者本人にかかわることで、字面だけで見ると「支援のための体制整備」と根幹のように見えるけれども、実際に話し合われたことは、ここは支援体制の整備。やはり被害当事者の問題から扱われるべきではないかなと思うので、私はあまり順番を変えないことに賛成なのだが。

(事務局)いずれにしても、今までにずっとご議論いただいた個別具体の施策というのは相当数ある。今後、秋以降に再度またどういう施策がどういう重点の中にあるべきなのかということの整理などもしていかなければいけないなと考えている。したがって、そういったご議論をいただく中で、改めてどういう順番がいいのかということについてご議論をいただければと考えておるところである。

(構成員)5ページで、私は損害回復、経済的支援「等」というふうに修正を提案したが、経済的支援の一部であるから「等」は要らないんじゃないかというふうな事務局のご意見だけれども、住居を引っ越すというのは、お金を持っていても、老人なんかは引っ越し先が見つからない、どうしていいかわからない場合がある。だから、そういう人のためには、必ずしも経済的支援に限らないので、私は「等」というのを入れたわけである。被害者が必ずしも経済的には困らなくても、その他のことで困ることがいっぱいあるわけであり、それに対してもやはり支援をしなければいけないので、すべてを経済的な問題ということに還元しない方がいいのではないか。その方が被害者の尊厳を守る上でいいのではないかと思う。

(構成員)「等」と入れることが格段に何か差し障りがあるということでなければ、入れていただいた方が被害者のためにはなるかと思う。

(構成員)多分、経済的支援及びそれに関連する支援というような意味で、「等」という意味になるかと。でも、厳密に言うと、また次の身体的被害もまた何かみんな「等」がつきそうな感じがするものだから、こだわりはじめると皆そういうようになる。どちらがいいのか、選択の問題だけれども。

(構成員)犯罪被害者にとって一番情けなく思っているのは、例えば公判記録の閲覧・謄写をするときで、損害賠償請求の訴えを起こすなどその他正当な理由があるときに限られる。経済的問題を正面にいつも出される。これが非常に侮辱的に映る。被害者と言えばすぐ金が欲しいのかというふうにとられるということが、被害者が非常に情けない。事実を知りたいということが先にあって記録閲覧を請求するのだけれども、それでは写させてくれない。損害賠償請求の訴えを起こすということが前提となっている。経済的に補償すれば被害者は立ち直られるというふうに考えられると、非常に嫌なわけである。被害者の尊厳を守るという面において、私はやはり「等」というのを入れてもらいたいと思う。

(構成員)普通、支援を考えるときに、ここで抜けているのがケースワーク的な支援という言葉がこの5つにどこにも入っていない。本当はだから社会的支援とか、そういう言葉が必要なところで、今の住宅の問題なんかまさにそうだけれども、そこで今そういうことを新たに提案するのがどうも混乱のもとになるような気がする。でも、それが大きく抜けているということを考えて、ここは「等」にしていただくということでいかがか。

(構成員)そういうことでよろしいか。それでは、そういうことでお願いしたい。

(事務局)それでは、骨子案(1)の関係についてのとりまとめの確認をさせていただきたいと思う。この骨子案(1)に係る資料の資料1で、ただいまのご議論で、5ページの「損害回復・経済的支援」としていた重点課題については、「損害回復・経済的支援等」と修正するということで、その余のものについては内閣府意見のとおりとさせていただきたいと思う。

○ 「骨子案(5)の修文について」に関する議論
当日、議論の過程で作成した「骨子案(5)の修文について」について、事務局より説明。

(事務局)「骨子案(5)の修文について」は、それぞれ7つの保留されていたとりまとめ案の箇所について、午前中のご議論を踏まえて、それぞれの項目に現在施策として取り組んでおられる関係省庁の関係を盛り込んだ修正案ということで再度整理をさせていただいたものである。
まず、警察庁意見としては(1)であるが、これは各相談窓口において関係する機関・団体の支援の諸制度などを把握し、そして、それを教示できるようにする、あるいは制度に関する案内書や申込書等の常備をし、教示・紹介していくということであるが、そこに「所掌する府省庁の協力を得て、当該制度に関する」と盛り込めばどうかと。
一方で、それぞれ現在、相談窓口などを持って対応されている各省庁、(8)、(10)、(14)、それぞれの箇所についても同様の取組をするような記述を盛り込めばどうかということで、(8)においては法務省の関係、それから(10)については文部科学省の関係、それから(14)については医療機関の関係について、それぞれ同様の取組についての内容を盛り込んだ修正を行えばどうかというものである。
それから、警察庁の意見(2)、現在、警察が中心になって運営されているネットワークの間のさらなる連携の強化ということであるが、現在、そのネットワークの中に含まれている機関・団体、これの関係省庁の協力を得るという形で盛り込めばどうかというものである。
それから、警察庁意見(3)、性犯罪110番の充実等によって、性犯罪被害者が情報を入手する利便性の拡大に努めていくという修文でどうかと。それに対応するそれぞれの省庁の関係の修正が、(8)は地方検察庁の関係、同様に「イ」ということで、性犯罪被害者が情報を入手する利便性の拡大に努めていくということと、それから(14)の医療機関の関係についても、厚生労働省で性犯罪被害者が情報を入手する利便性の拡大に努めていくという項目を入れ込むということでいかがか。
それから、警察庁意見(4)であるが、これは早期援助・早期支援の関係で、指定被害者支援要員制度の活用等によって、支援の一層の充実ということに努めるということであるが、これは関係する省庁の協力を得てという文言をそこに加えて修正すればどうかという案である。
それから、3ページ、2の警察庁意見(5)、これは民間の団体の研修に対する支援であるが、ここについては、警察のほかで現在も犯罪被害者等の援助を行う民間団体に対して、ボランティア養成研修への講師の派遣等の支援をされている省庁を警察のほかに入れればどうかということで、これは午前中も申し上げたが、明確にこの省庁が関係あるというふうなご議論がなかったところなので、仮に警察庁の意見の省庁をここに入れているということである。
それから、4ページ、民間の団体に対する援助で、これについても、先ほどの講師の派遣と同じで、警察のほかに現在、民間の団体への支援を行っておられる省庁について、警察庁のほかにもここに入れ込んで修正案とすればどうかということで、これも各省庁が現に行っておられるかどうかというのは、十分な確認はしておらないわけであるが、仮にここに警察庁意見にある省庁を含めているというところである。
それから、最後、広報の関係であるが、一応ア、イと2つ、警察の広報の関係もまとめ案としていたわけであるが、1つにまとめて、内閣府及び警察庁においてということで、他の関係する省庁の協力を得た上で、さらに政府広報とも連携をし、さまざまな広報媒体を通じて、犯罪被害者等の置かれた状況やそれを踏まえた施策実施の重要性、犯罪被害者等の援助を行う団体の意義・活動等について広報するということでどうかということである。

(構成員)今の3ページの(8)民間の団体の研修に対する支援で、その2行目に、「それらの団体が実施するボランティア養成研修の講師の派遣」としているが、民間の支援組織には、わずかではあっても専従の相談員もいるので、そういう相談員の研修も積み重ねていくということが資質の向上を上げ、ひいては被害者の支援のためにもなるかと思うので、ボランティア養成研修の後ろに「等」をつけていただけないか。せめて「等」を。

(構成員)それでよろしいか。それでは、そのようにお願いしたい。この3ページの警察庁意見(4)について、文章が非常に長くて、それと「協力を得て」という以下が、今専ら警察庁がやっているところにもなるけれども、何かちょっと理解しづらい文章のような感じがするが。

(事務局)文章の細かい整理などはまたさせていただきたい。

(構成員)文章の問題はまだいろいろあるかとは思うけれども、内容的には、私どもはこれで結構である。

(構成員)なお最終的な表現ぶりについては、どうさせていただくか、留保をさせていただく部分はあるけれども、確かに被害者の方々に対して関係するところの情報等を提供することは非常に重要なことである。
ただ、私どもちょっと恐れるのが、こういう施策があるということをご案内する、そのパンフレットをお渡しする、あるいは連絡先等を詳細にお教えするということと、ここに入っている中で1の(8)、「申込書等を常備」というふうになっている。この「申込書等」がどういうものを具体的に想定されているのかにもよるところはあるけれども、この申込をやっていただけるのかどうか、その内容について何らかのご相談等に応じられるかどうかという観点から見ていくと、ここはまさに必要かつ適切な情報が被害者の方々に提供できないと、かえって二度手間となったり、誤解を与えたりすることもあるので、仮に私どもがこの関係でこういう案内書、申込書等の常備云々という中に入るとすると、この「申込書等」は今の段階では削除していただく必要があるのではないかと考えている。この辺の法的な制度も含めたアプリケーションについての適切な情報をどういう形で責任を持って提供させていただけるかということが、まさに今後講じていく施策の(3)の中核部分になっていくのではないかと思われる。

(構成員)これは、「案内書等」であればそれでよろしいか。

(構成員)「申込書」というふうに、非常に法的な制度等の利用について直接するということになると、ややこちらとしては責任を持てないところが出てくることを恐れるということである。
日本の場合は、これは例えが悪いかもしれないけれども、法律家を含めたいろいろな方が代理人等で登場することなく、様々な手続についてご本人がなさることが多い。それを可能としているのが、それぞれの役所がアプリケーション等についてきちんと、これは何か、どう書けばいいか、ということに、あるいはその資格があるかということについて適切にご相談に窓口で応じてきているはずである。
私が申し上げたのは、申込書を置いておいて、はいどうぞと、ご自由にお持ちくださいということだけではなしに、ここでは、その内容について教示・紹介ということになっていて、そうなると、その方が申込の資格があるのかどうかについてのご相談を私どもの窓口で適切に行えるというのはちょっと自信がないし、あと、ここに何を書けばいいのかについても、ご相談に適切に対応できるということがいいがなものかというふうに思われるので、特に「教示」ということになっているところから、やはりそこは申込の相手方である機関、行政庁に適切につながせていただくのが一番なのではないかというふうに思っている。

(構成員)もしそうであれば、問題はその「教示」の方にあるのであって、「申込書」ではない。情報を提供するという最初の目的から言うと、やはり1セットそろってなくては意味がないと思う。それが適切に使われるかどうかについて、それぞれの省庁で全部説明し切れないと、それは当然あると思う。恐らくそれは中に書いてあっても当然被害者の方はわからないという、そういう事情はわかるけれども、もしそうだとしたら、教示できるものとご紹介するものという形に分けるべきであって、申込書をここから削除するというのは、本来の趣旨にもとるように思うけれども。

(構成員)案内書の中に申込書が挟まれているものとか、いろいろなものがあることは承知しており、そういう意味で、必要な案内書等について、ご自由にお持ちいただくようなサービス提供ということは考えてまいりたいと思っているけれども、今、まさに構成員がおっしゃるように、私どもこの中身についてご相談を受けたときに適切なご説明、指導等を行いかねるというだけの話である。

(構成員)何か不思議だ。例えば、アパートの優先入居に関して検察庁で被害者が聞いたとして、私はこれに当たるかと、ここをどう書けばいいかと。そうしたら、当然、国交省の番号を丁寧に教えていただければいいので、あいている時間を。中身について法務省に判断していただきたいわけではない。だからその辺が、そういう考え方が、被害者に適切な場所で適切に情報を提供するというのが、お役所で本当にどこでもやっていただけるのかということに関して不安になる点だ。ちょっとそこは考え方を変えていただきたいと思う。

(構成員)あえて反論するつもりはないが、構成員がおっしゃったご趣旨であれば、実はその前段階の「制度等を教示できるように努め」で本来読めるはずなのだが、さらに「申込書」が特出しされた上で教示・紹介と言われると、この中身についてご紹介はできる。しかし、まさに構成員がおっしゃるようにどう書けばいいのかということについては、ご相談くださいということで情報を提供するのが私どもとしては精いっぱいであると。

(構成員)ただ、今までは、はいと渡して、それはうちの省庁ではない、それで終わり。やはり番号までは紹介してほしいわけで、ちょっとここの文言をもう少し工夫していただくことで何とかなるのではないかなと今思っているけれども、だめか。

(構成員)私どもの方は非常に言葉を一個一個読んでいって、厳格にとらえたのでそうなっているだけで、構成員と私どもで考えているイメージはほとんど変わらないと思うので、また私どもとしても、事務局のご意見をいただいて、検討させていただきたい。

(事務局)例えば、1つの案としては、ここは申込書を出さないで「案内書等」というふうにする、それから「教示」というところを「紹介」とか「提供」ということにするというようなことが考えられると思う。いずれにしても、またここの表現ぶりはちょっと調整させていただきたいと思う。

(構成員)それから3ページ目と4ページ目のところに出てくるけれども、2の(8)、3の(2)に当たる部分だが、実は私どもで、民間の団体の方に対して講師派遣というのは手いっぱいでできていない状況である。それとあと、民間の団体への財政的支援というのも現時点ではやっていない。その意味で、充実に努める、あるいは拡大という現状の施策の拡充という形になってくると、これもまた細かいことではあるが、少し誤解を与えてしまうのかなと思う。

(構成員)民間団体の研修に関する支援と民間の団体への支援の充実に関して現状では行っていないとあったが、センターでは地方検察庁の犯罪被害者支援の窓口の方から講師に来ていただいたり、協力もしていただいているので、各地では既にやられているものと私どもは理解しているが、どうか。

(構成員)一般化してというか、今おっしゃったような形で可能なところについては今後進めていくと思うけれども、民間の団体のそういう必要とされる、また私どもとして講師を派遣させていただくにふさわしいところについては、それは十分に検討していく。

(構成員)センターも研修会をやると、検察庁の犯罪被害支援員の方に来ていただいているし、また東京地検の検事さんには、外部研修としてセンターの方に研修生という形で来ていただいているし、名前は研修生であっても、私たちは研修生の検事さんに本当にいろいろなことを教えていただき、センターの資質の向上に大変役立っているので、こういうよい制度は広めていただきたいと思っている。

(構成員)構成員と同じ点になるが、1ページの(10)の教育委員会における各制度の教示、あるいは案内書等のご案内といったことについては、私どもも若干現在の教育委員会の体制からいうと、内容について詳細にご教示差し上げるというようなところについては、少し荷が重いのではないかと思っており、内容についてはそういった制度について、児童生徒等が犯罪被害者となった場合に十分に制度についてご紹介し、支援をしていくことが必要だと考えているけれども、先ほどお話もあったような、同じような形で整理をさせていただければと考えている。それが1点。
あと2点、また同じ点であるが、これは私どもが必ずしも具体的なケースを十分に承知していないところがあるのかもしれないけれども、3ページの(8)の民間の団体の研修に対する支援といったところで、私どもの関係、どういったことでお役に立てるのかなと。ちょっと具体的に学校の関係者であるとか、あるいは教育委員会の関係者が具体的にボランティア、あるいは専従の職員の方々の養成研修のお役に立っているようなことが残念ながらないのではないかと思っており、これはお教えをいただければと思っている。
それから、4ページの民間団体の支援で、これも22条の関係で財政的援助の充実についてご議論をいただいた際も、私ども現に財政的支援の措置を持っていないので、民間団体の支援の充実という観点から、例えばこの中で団体の活動についての広報であるとか、それ以外に様々な会場の借上げ等の教育への支援であるとか、何らか支援は取り得るのだと思うが、団体への財政的支援の充実という観点では、私どもちょっと対応することできないところである。

(構成員)私は、民間援助団体の立場もあるけれども、これは財政的支援と書いているが、ここも「等」にしてもらって、「財政的支援等」としていただければ、そして財政的支援は今あまりどこからもしていただけないけれども、今していないから要らないということではなくて、将来できるようになっていただければなおいいということで、そういう意味で、「等」にして残していただければというふうに私は希望する。

(構成員)今の文部科学省のお話に関して、もしご参考になればという点で申し上げたいが、1ページの(10)で教育委員会との連携について、例えば学校の児童が学校外で交通事故等に遭うと、学校の責任はあるわけではないので、結局、教育委員会に問い合わせをして、民間被害者援助センターを大変ぐるぐる回って紹介していただいたりという経緯があった。意外に教育委員会に対する保護者等からの問い合わせは多いものだというふうに私は実際の場で感じているので、現在、それほど充実していないということであっても、今後はぜひ充実させていただきたいというのが1点。ニーズとしては、結構あると思う。
もう1点、3ページで民間の団体の研修に関する支援であるが、大学の先生にはたくさん私ども講師をお願いしているので、非常にこの点で文部科学省がこれに理解を示していただくのは、大学の先生としても来やすいと思うので、これは絶対にご協力いただきたいと思う。

(事務局)それでは、骨子案(5)については、全体のとりまとめもまだであったので、それも含めてとりまとめの確認をさせていただきたいと思う。
まず、警察庁の保留になっていた7項目について、最初に確認をしていただきたいと思う。まず、(8)及び(10)も同種であるけれども、この「申込書」あるいは「教示」という文言の整理というか、工夫については、事務局の方で関係省庁のご意見をいただきながら整理をし、修正案として後日お示しをしたいと思う。
それから、3ページで、(26)、長いというご指摘があった。わかりやすさという点でまた警察庁と調整し、お示ししたいと思う。
同じく3ページの(8)で、ボランティア養成の研修に専門の相談員の研修を含めるべき。したがって、それが含まる表現をということで、先ほど「養成研修等」というご意見があったけれども、それらについて、もう一度文章整理をし、お示ししたいと思う。
4ページで、3の(2)、民間の団体への支援の関係で、これも財政的支援のほかにあるという構成員からのご指摘があったので、「財政的支援等」というような表現をというご意見だったが、そのほかも含まるような表現の整理をし、お示ししたいと思う。
以上が警察庁の保留になっていた7項目についての確認である。
それから、その余のものについての確認をさせていただきたいと思うが、お手元の資料「犯罪被害者等基本計画骨子案」の資料1、内閣府意見、まず5ページで、「弁護士会」についてここに含めるということで修正意見が出ているが、若干、入れる場所で、これは他の各種施策のとりまとめも同じ考え方で整理をしてきているが、まず国の機関、そして地方公共団体の機関、それから民間の団体と、そういう順番で整理をし、記載してきている。したがって、ここで記載のとおり、保健所の次に「弁護士会」を加えたいと思う。 それから、「この場合において」というところから3行の部分について、文部科学省からの意見が出ている。これは文部科学省の意見どおり修正をさせていただきたいと思う。 それから、次に10ページで、確認だが、これは先ほどのご議論で、「学校復帰のため」は、最終的にはこの原案どおりということでよろしいのか。

(構成員)もし、これでとても気にする方がいるなら削ってもそんなに変わらないという気が私はしたけれども、先ほどの構成員のご意見だと残してもよいということだと理解している。

(構成員)私もここのところは、あまり「等」ばかりつけて問題かもしれないけれども、学校復帰以外のいろいろな方法もあるんだという意味で、「復帰等のための」と、むしろ継続的な支援を重視するという意味で、前の方は「等」にして少し幅を持たせた方が心配される方々のためにもいいのではないかという気がするけれども。

(構成員)そうしていただくとよりありがたいと思う。

(構成員)厳密に言えば確かに学校復帰と限定するのはあまりよくないと思うが、文部科学省のお考えがそのようであったので、「等」という言葉でお含みいただければ十分ではないかと理解する。

(構成員)ただ、このために学校復帰させなくてもいいんだということになると、これまた問題である。不登校にはいろいろな原因があると構成員は書かれているけれども、それはそのとおりだが、ここでの設問は、犯罪被害が原因となって不登校になった子どもの処遇である。親にとっては、子どもが本当に学校へ行けるよう立ち直ってもらいたい。だから、「等」というと、例えば学校へ行かなくても済むように通信授業を紹介するということがあるかもしれないけれども、やはり私は「等」をとって、とにかく復帰するように立ち直らせるということの方がいいのではないかと思っている。

(構成員)構成員の考えもわかるけれども、学校復帰だけ入れておくと、先ほどと繰り返しになるけれども、そこにどうしても走ってしまうと。せっかく立ち直りというところに重点があって、学校復帰はまさにその大きな一つの形ではあるけれども、それだけではないのではないかというのは現場でこの仕事に携わっている人たちの切なる思いであるということをお伝えしておきたいと思う。

(構成員)構成員の言っていることはよくわかるので、やはりあまり被害が重い子どもなんかは、どうしても、最大限努力してもやはり違う方策を考えなくてはいけないということもあるし、実際に本当にその辺は柔軟に行うしかない、臨床の現場では。それは、教育委員会の方も当該のそういうケースについては、十分わかっていることが多い。そのことも考えると、やはり幅があった方が、例えばそれが杓子定規に解釈されて、子どもにとって大変辛いことになるのはあまりよくないと思う。

(事務局)それでは、学校復帰に限定すると受け止められることの懸念を払拭するという意味で、「学校復帰等」ということでよろしいか。
それから、次は15ページの、これは前ページの最後の行からの項目で、(1)で、犯罪被害者等の援助を行う民間の団体に対する、の次に「国による」を挿入したいと思う。これは総務省から意見が出ており、総務省意見のとおり修正したいと思う。
骨子案(5)の関係は以上であるが、もし漏れがあればご指摘いただきたいと思う。

(構成員)今の財政支援で「国による」ということを入れたご趣旨をちょっとご説明いただきたいと思う。

(構成員)地方公共団体が自主的に財政支援を強化されるということについは、これは私ども当然考えられることであるし、望ましいことであると思っているけれども、ここで「国による」と入れさせていただいたのは、これはやはり国でつくる基本計画であるので、国による財政的な援助をここでしっかりと書かせていただいて、内閣府の方で、私ども協調してやらせていただく地方公共団体の窓口を決めたその場でも、しっかり国としてこういう政策をやらせていただくという趣旨を示させていただいた方がいいのではないかと。逆に何も書かないと、法律の中では国及び地方公共団体の支援について書かれているので、そういった意味では、ここは「国による財政的な援助」というふうに書いていただいた方がいいということでお願いしたいものである。

(構成員)今のお話だと、地財計画とか補助金とかはこれは含まれるというご趣旨でよろしいわけか。

(構成員)地財計画上どう扱うとかという点については、まだ議論していないので、そういった点については、今後、中で検討していくことになろうかと思う。

(構成員)これは検討するという前提で書かれてあるので、それも含めて、「国による」ということの中にはそういうことも含めて検討することはやぶさかではないというご趣旨でよろしいかということなのだが。

(構成員)これは中で地方財政措置等については今後検討するということしかちょっと申し上げられないのだが。

(構成員)だから、検討の俎上にのるという意味ではよろしいということか。できるかできないかは、またこれは検討の場に移るわけだけれども。

(構成員)何回も申し上げて恐縮だが、地方財政計画の中に盛り込むかどうかについて、まだ中で議論していないので、申しわけないが、ここは帰って議論しないとちょっと確答しかねるところである。

(構成員)「国による」ということの趣旨がどういうことかちょっとわからない。

(事務局)国による財政的な援助の検討の俎上にはのるという理解でよろしいか。そこはちょっと確認をさせていただきたいと思う。

(構成員)これは基本的には地方財政措置をどういったものについて行うかについては、基本的には標準的な補助金等であるので、基本的には補助金等については地方財政計画に算入しているけれども、具体の内容については、中で検討するということである。

(構成員)これは「国による」というのは入った方がいいのか。事務局はどうか。

(事務局)総務省の修正意見の趣旨について内閣府としてはそのような考え方の方がふさわしいと、適当であると判断をした次第である。
ちょっと先ほどの地財計画の検討について、このとりまとめ案の中で国による財政的な援助を検討していく中で、検討の俎上に上るということについて、再度ご説明をいただいておきたいと思う。

(構成員)先ほども申し上げたけれども、基本的には地方団体の標準的な財政運営に支障がないように地方財政計画をつくっており、地方財政計画に必要な支出は盛り込んでいる。補助金に対応したいわゆる地方負担部分についても、基本的には地方財政計画に盛り込むという作業を行っているところである。ただ、個別の補助金等については、財務省と調整して、中にどれを盛り込むかという検討はしていくことになろうかと思っているけれども、基本的にはそういった点では地財計画に盛り込む点については、検討を当然していくということである。

○ 最後に、事務局より、本日議論した結果については、事務局において、これまでに議論したすべての骨子案とあわせて、次回検討会までに構成員の皆様に示すこと、次回の検討会は8月2日(火)午後4時から午後5時半までを予定していること、次回検討会では、冒頭、大臣挨拶までカメラ撮りを行う旨了承いただきたい旨、発言。

(構成員)私が第4回骨子案のときに、「刑事司法は公の秩序維持のためだけではなくて、犯罪被害者のためにもある」と、こういう刑事司法の本質をはっきりさせてもらいたいという意見書を出したが、「いずれかの時点で議論する」ことになったままになっている。これについてはどのように扱われるのか。

(事務局)秋以降に基本計画の案の検討が始まるので、その中でご議論をいただければと思う。また、秋以降の検討会においても、いろいろ構成員の皆様からのご意見があればそれを踏まえた議論をしていただきたいと考えている。 (構成員)了解した。

(以上)


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