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民間団体への援助に関する検討会(第8回) 議事要旨


(開催要領)

日時:平成19年2月9日(金)15時01分~17時09分
場所:中央合同庁舎第4号館共用第4特別会議室
出席者:
座長冨田 信穂常磐大学大学院被害者学研究科教授
中島 聡美国立精神・神経センター精神保健研究所 成人精神保健部犯罪被害者等支援研究室長
林 良平全国犯罪被害者の会幹事
番 敦子弁護士
荒木 二郎内閣府犯罪被害者等施策推進室長
小田部耕治警察庁給与厚生課犯罪被害者対策室長
生嶋 文昭総務省自治行政局自治政策課長
辻 裕教法務省刑事局参事官
北村 彰厚生労働省社会保障担当参事官

(議事次第)

1.開会

2.国による民間団体への援助の在り方について

3.その他

4.閉会


(配布資料)

資料1民間団体の現状と問題点等について[PDF形式:39KB]
資料2民間団体に対する財政的援助以外の援助について[PDF形式:27KB]
資料3支援のための連携に関する検討会における検討状況[PDF形式:21KB]
資料4経済的支援に関する検討会における検討状況[PDF形式:17KB]
資料5冨田構成員資料[PDF形式:35KB]
参考資料

 ○「民間団体への財政的支援」についての要望[PDF形式:22KB]

  (特定非営利活動法人全国被害者支援ネットワーク提出)

 ○公益法人制度改革の概要 [1][PDF形式:260KB] [2][PDF形式:275KB]

  (行政改革推進本部事務局作成資料より抜粋)



(議事内容)

○国による民間団体への援助の在り方について検討
 財政的援助以外の援助、援助の経路及び財源について検討が行われた。概略以下のとおり。

(事務局)本日は、前回会合に引き続き、国による民間団体への援助の在り方のうち残りの論点、財政的援助以外の援助と、それから援助の経路及び財源についてご議論をいただく。残りの論点について一通り検討を行っていただいた後に、前回会合までの論点について、その議論をもとに、座長が作成された座長私案をたたき台として取りまとめに向けた議論をしていただきたい。
 資料について説明させていただく。資料の1。これは、前回、あるいは前々回の会合でも配付をした、事務局で作成した論点に関する資料についてである。本日の座長私案に合わせる形で形式を若干変えたところがある。また、いろいろなご議論があったので、構成員の方の意見を論点別に追記している。
 資料の2は、民間団体に対する財政的援助以外の援助ということで、事務所の提供であるとか人材育成の協力、あるいは広報啓発への協力等という項目別に整理したものである。既に基本計画にかなりの部分が書き込まれている。左側がその関連施策の一覧、右側が本検討会で実施した地方公共団体に対するアンケート調査により把握された地方公共団体の取り組みを整理したものである。後ほど補足的に説明する。
 資料の3は、先週金曜日行われた支援のための連携に関する検討会の第8回会合で配付した事務局資料のうち、提言の部分を抜粋している。この連携に関する検討会の中で、民間団体で支援活動を行うものの養成・研修等のあり方という点についは、この民間団体に対する人材育成面での協力ということにも関連するので、参考として配付した。後ほど説明する。
 資料の4は、経済的支援に関する検討会において提出された座長私案というものであるが、そのうち、この検討会に関連すると思われる部分を抜粋したものである。内容については、後ほど説明する。
 資料5は、前回会合までの議論をもとに座長が取りまとめられた私案である。内容については座長の方から追って説明していただく。この私案をたたき台として議論をしていただきたい。
 また、先月、全国被害者支援ネットワークより、民間団体への財政的支援についての要望というものが提出されたので、参考資料ということで配付をさせていただいた。
 それから、公益法人制度改革の概要、今、公益法人改革の最中であり、そのうち税政上の措置の部分について参考資料として配付をさせていただいた。平成20年中に新制度が施行されるということになっており、それまでに公益性を認定された法人、あるいはこれに寄付する者については所要の税政上の措置を講ずるとされている。現在、具体的に公益性の認定を受ける法人の課税対象の範囲であるとか税率をどうするか等については、現在検討が行われているところであり、参考に配付をさせていただいた。
(構成員)前回の会合に引き続き、国による民間団体への援助の在り方について検討を進めたい。
 資料の1の4ページ中ほどをご覧いただきたい。
 財政的援助以外の援助についてであるが、事務所の提供、人材育成への協力、広報啓発への協力などについては、基本計画の中にも既に関連の施策が折り込まれている。本検討会で実施したアンケート調査でも、地方公共団体による取り組みが把握されている。また、人材育成への協力に関連して、支援のための連携に関する検討会で検討が進められている。これに関連して事務局から資料が提出されているので、説明いただきたい。
(事務局)資料の2と資料の3について説明する。
 資料の2、民間団体に対する財政援助以外の援助をご覧いただきたい。先ほど申し上げたが、被害者等基本計画に盛り込まれた施策の主なものと、右側の方に調査した地方公共団体における取り組みを整理させていただいている。
 財政援助以外の援助として、1つは事務所等の提供ということで、既に基本計画においても入っており、地方公共団体においても、把握している限りであるが、7団体に対して無償または低額の提供が行われている。
 大きな2つ目が人材育成への協力であるが、標準的な研修プログラムの作成・周知については、連携のための検討会で検討中である。それから、各種研修への講師派遣等、これについても、それぞれの省庁で講師派遣をするということが既に基本計画に盛り込まれている。
 3点目が広報啓発への協力ということであるが、大きな1つ目が犯罪被害者の方に対する情報提供を充実しようという施策が基本計画に盛り込まれている。
 1枚めくり、真ん中より下、(2)の一般国民等に対する広報啓発、これについても民間団体の意義の啓発、それから支援団体との連携による広報啓発の展開という整理で基本計画に掲載がなされている。
 それから、4点目、民間団体と他の関係機関との連携促進、物的・人的援助と言えるかどうかはともかく、そういう連携する中で情報提供も行われるわけで、そうした意味で財政援助以外の援助として4点目、既に基本計画にこういう項目が入っているということを掲げさせていただいた。
 資料の3の支援のための連携に関する検討会の検討状況をご覧いただきたい。
 1週間前に提言案を提示してご議論いただいた。特に民間の団体で支援活動を行う者の養成・研修、それから犯罪被害者支援等の支援のコーディネーターの育成の在り方ということで検討しており、これは当検討会の人材育成の協力に大変関連するので配付をさせていただいた。
 提言の1ページ目、とにかく一定レベル以上の支援のために、そういう支援者の養成・確保が重要であるということを簡単に書いてある。前振りである。
 1つ目の提言は、研修カリキュラムのモデル案を、内閣府において有識者、あるいは省庁の協力を得て作成することが必要であるということを提言させていただいた。
 それから、2ページの下の方、研修のカリキュラムの作成や、あるいは支援に携わる人の資格とまでは言わないが、認定をどこがするかということで、提言案では、現実的に全国的に活動している団体としては全国被害者支援ネットワークしかないので、ここにおいてカリキュラムの作成と認定制度の導入に向けた検討をしてはどうかということである。
 3ページの中ほど、全国被害者支援ネットワークに対して支援団体が統一的に用いることができるようなカリキュラムの作成や研修を実施していただく、あるいはそういう研修修了者に対して研修レベル別の証明書を発行するなど、いわゆる認定を行っていただくように要請をする。国、地方公共団体においては、こうしたカリキュラムのモデル案などを作成するなどして援助を行うということが書いてある。
 その下であるが、研修費用などのそういう補助などの財政的援助については、当検討会である民間団体援助に関する検討会の検討結果に基づいた施策を実施していくということで、連携検討会の提言案とさせていただいている。
 それから、3番目、民間団体で支援を行う者の支援活動を助長する仕組みということであるが、被害者が支援者に対する信頼性を確保する、あるいは事故等によりこうむった損害の補償をしてくれというのを受けて、いずれにしても、先ほどから申し上げている資格の認定制度等を通じて信頼性を確保していってはどうか。それから、補償についても、民間団体援助に関する当検討会において、費用の問題、災害補償の問題を含めて団体への援助をどう手厚くするかということで検討しているので、その検討結果に基づいた施策を着実に実施していってはどうかという提言を行っている。
 それから、4番目にコーディネーター等の育成、名前はいろいろあると思うが、アドヴォケーター、あるいはアドバイザー的な、非常に高度の能力を有する橋渡し役の方を育成していく必要がある。ただし、いきなり急に育成できるわけではないので、その育成には時間を要するのではないか。1のところでカリキュラムモデル案という中に、初級、中級、上級に加えて、さらにコーディネーター研修というか、そういうものを設けて、その中でコーディネーターを育成しようとなっている。それぞれの育成をとりあえず図っていくのが大事ではないかというようなことについて提言をさせていただいている。資料2と3の説明は以上である。
(構成員)事務局の説明のとおり、財政的援助以外の援助については、基本計画に関連する施策が既に折り込まれている。これらの施策の実施状況について、関係する省庁の方から何かご意見等がありましたらお願いしたい。
(構成員)この資料に書かれていることを今着実に実施しているという状況であり、特段ない。
(構成員)基本的には構成員のお話ししたとおり、人材育成への協力、広報啓発への協力といったあたりについて、基本計画に従って実施をしている。若干ご紹介すると、各種研修への講師派遣というところでは、民間団体での援助に携わられる方への養成研修に検察官を派遣して、刑事手続の概要的な説明をしたり、検察庁で行っている被害者等通知制度についてご理解をいただくとともに、被害者の方々がその制度を利用する際の留意点について助言したりしている。こういうところに気をつけて利用していただければうまくいきますといったようなことをお知らせしている。
 逆に広報啓発への協力というところでは、例えば、検察庁の被害者支援員の研修に民間支援団体の方に来ていただいて、民間支援団体でどんなことをやっているのかといったところについて教えていただいて、またパンフレット等もいただき、検察庁でも民間支援団体の活動を紹介できる体制を整えているといったところである。
(構成員)基本的には、今、関係省庁からお話のあったのと同様であるが、基本計画に盛り込まれた関連施策について、それぞれの事項について着実に進めてきているという状況である。当省においても、いろいろな団体の方が実施されている養成・研修事業に対し、当省の職員初め、必要に応じ関係自治体の職員などにも派遣要請するなど、いろいろな支援をしている。また、民間の団体の方々の研修に対する支援、こういったものも進めている。例えば精神保健福祉センター、あるいは保健所、こういったところでも当然ながら精神保健、メンタルヘルス面での相談・支援をやっている。これも一例であるが、全国の厚生労働関係部局長会議といったようなところで、精神保健福祉センターでできる相談・指導体制の充実なども含めて、犯罪被害者等に対する各種施策の強化・推進について協力を要請するなど、いろいろと必要な措置を講じている。
(事務局)内閣府であるが、1ページ目の被害者の方に対する情報提供の一番上のところ、地方公共団体に対する総合的対応窓口の設置等ということで、前もご報告申し上げたと思うが、会議を開催して、現在のところ都道府県、政令指定都市の知事部局に施策の担当窓口が置かれている。それから、かなり総合相談の対応窓口もふえてきて、現在のところ9県ぐらいつくっていただいている。前から出ているが、市町村の役割も大事だと思うが、福井県などでは、県できちんと市町村の担当者の会議などを開いて、市町村においても対応窓口が設置をされているというようなことも聞いている。
 2ページの真ん中辺、ネット上の情報提供というのがあるが、相談機関リストの作成による総合的情報提供ということになっている。これは、つい先日、これは被害者に限らないが、「暮らしの相談窓口」というのを内閣府のホームページで立ち上げており、被害者の関係も含まれているということになっている。ただ、これはまだ充実が必要であるので、それについて作業をしている。
 それから、NPOポータルサイトによる情報取得の利便性確保というのがある。これは内閣府の国民生活局の方でしているが、現在、既にNPOのポータルサイトから被害者のNPOについては検索可能である。
 それから、犯罪被害者団体用の専用ポータルサイトの開設ということであるが、これは何とか本年度内、3月中には開設すべく、鋭意作業を行っている。
 それから、その下の一般国民に対する広報啓発ということで、これについては各省庁、あるいは各団体のご協力をいただき、白書の作成であるとか、あるいは11月から12月にかけての犯罪被害者週間等を通じて、あるいは政府広報等においても、かなり広報啓発を一生懸命やっている。
(構成員)今の報告等で、基本計画に書かれている施策が着実に進行しているということがよくわかったが、今の報告、ご説明を踏まえ、構成員からご意見を伺いたい。特に、この施策をさらに着実に進めるには、どういう点に配慮したらいいのかというようなことも含めてご意見をいただきたい。
(構成員)確認を含めてだが、資料2の事務所等の提供、ここに書かれている施策の中で、事務所等の提供というのは積極的に読み込むことが可能なのかということが1つある。つまり、ここには事務所という言葉は出てこない。会場の借り上げ等ということはあるが、その前に研修という言葉がある。研修についての講師派遣とか、そういう人材関係などは、確かにこの施策で明らかで会場の問題はあるが、事務所については、恐らくこれは地方自治体が中心になることになるのだろうと思う。そうすると、この施策でそこまで書いてあるといって考えるのは、どうなのか。相当読み込まないと、ここからはストレートには出てこないような気がする。そうすると、例えばこの検討会で事務所の提供についての協力を地方自治体にも強く呼びかけるとか、何らかの提言的なものを取り入れた方がよろしいのではないかと思う。この施策ができたときには、そこまでの守備範囲は、確認していないが、なかったのではないかなと思うし、まだ7団体にすぎないということで、これはさらに積極的に推進していただき、民間団体の財政以外の支援という観点から非常に大きい意義があるので、ここは積極的に言っていただきたい。
 実際に、地方自治体が提供しているところでも、それほど低額ではないと思われるようなものも実例として知っているので、援助という形で便宜を図るということを、この検討会として発信していけたらいいと思う。
(構成員)構成員から、今、この事務所の提供のことで、もう少しここを進めるべきではないか。特に地方公共団体がそれを促進するように、もう少し頑張っていただきたいというような趣旨の発言があったが、いかがか。この辺も含めて、地方公共団体が促進のために特にどんなことを考えておられるか。
(構成員)そうした地方団体の取り組みについてもさらなる促進を図っていく呼びかけをしていくという点では、私どももご協力していきたいと思っている。
 いずれにしても、地方公共団体自体は自立した行政主体で、地方分権の中で自主決定していくので、義務を課するということではなくて、要請という形で今後やっていくことになると思う。その場合、やはり自治体の取り組みの促進に最も有効なのは、その地方公共団体がその施策に対する必要性についての理解を深めていただくことだと考えている。犯罪被害者等施策の必要性というのは、もちろんこれまでもいろいろと働きかけ、理解を深められるご努力をされていると思うが、より積極的な取り組みを期待する上では、やはり地方公共団体にとっても研修等を受けられるような機会をできる限り設けていただき、さらには、できれば幹部職員等への啓発なども積極的に行う必要があるのではないかとも考えている。
 これまでの検討の中で、地方公共団体の中の犯罪被害者等施策に対する理解に非常に大きな差があり、対応にもその差があらわれていると理解している。したがって、余りなじみがないところでは、単に窓口を設けるだけでは、個人情報の適切な取り扱いとか、知識不足による自治体での二次的被害への懸念もあると検討会でご指摘をいただいている。そうしたことで、その研修等も必要だと思うし、また、作成をご検討いただいているハンドブックや先進的な事例の紹介などによってノウハウの提供、情報の提供をより一層行うことが重要と思っているので、そうしたことと一体として、今おっしゃったような具体的な援助についての取り組みも位置づけていただければ、取組促進にとって効果のある、実効性のあるプログラムになっていくのではないかと思う。
(構成員)財政的援助以外の援助につきまして、ほかにいかがか。いろいろ意見が出ましたが、特に、先ほど説明があったように、支援のための連携に関する検討会の方で標準的な研修プログラムの作成、周知というのが出ており、これは非常に重要なもので、今後さらにそちらの検討会で検討されることであるが、これが進められることを期待したいと個人的には思う。
(構成員)今、構成員のおっしゃったことと関係あるが、支援のための連携の検討会の方でも、非常に研修が重要だということが出てきており、研修に対してどのようにサポートするかということが、こちらの検討会の課題になるのではないかと思う。こちらでは、人材育成の協力という形で、基本計画の方に各省庁等から講師が派遣できるという形で、それを推進するということが盛り込まれていて、それは非常に重要なことだと考えている。先日私どもの研究所でも被害者のメンタルケア研修を行った折に、内閣府の方に依頼して室長にご講義いただいたというようなことがあり、大変有益だった、こうした取り組みが推進されることはとても重要だと思うが、推進するに当たって、もし既にそういったことを工夫されている省庁があったらお伺いしたい。
 こちらの方からお願いする、そして派遣するということは、きっと何も難しいことではないと思うが、民間団体等がこういうことが可能であるとか、こういったことを希望する場合に、一体どこに申し込んだらいいのかとかが難しいことではないかと思う。こういったことが可能だというようなこと、あるいは、こういったことがある場合にこちらの窓口に連絡をしてほしいというような、そういう民間団体向けの講師派遣に対する情報提供などをもしどこかでやられていることがあれば、お伺いしたい。
(構成員)その講師派遣等についての情報を積極的に民間団体等にしたらいいのではないかというご意見だと思うが、どうでしょうか。私が今思うには、内閣府が適切かなどと考えたが、いかがか。
(事務局)実は、その件に関しては、先般被害者支援団体の方からヒアリングを行ったが、その際にもそういうご意見が出た。そのときには、どういう内容の研修で、どういう派遣が欲しいかというのを、もちろん私どものところでも結構であるし、白書にもそれぞれの窓口を一応掲げているので、どこでもいいですからということは言っているが、今ご指摘があったように、もう少しわかりやすい形で示せないかどうかは、また検討していきたいと考えている。
(構成員)それでは、財政的援助以外の援助につきましては大体意見も出たかと思うので、次の話題に移りたい次は、援助の経路及び財源についての検討である。
 資料1の最終ページをご覧いただきたい。援助の経路については、現状では地方公共団体が民間団体に対して直接財政的な援助を行い、国が援助に要した費用の一部を補助金や交付税措置により負担すると、こういう形になっている。また、財源については一般財源から援助を行っている。
 これに対して、基本計画の検討会や、この検討会においていろいろな議論が出てきた。1つは、現状の経路では、各地方公共団体の判断により、地域の実情等に応じた民間団体への援助は行われると、こういうメリットがあるが、他方、公共団体において予算化しない限り国庫補助等が行われていないと、こういうのは問題ではないかということも指摘されている。それから、国も直接財政的な援助を行うことも想定すると考えられるが、公的な財政援助の受け皿となる組織が必要であると、こういう意見も出された。また、公的な財政援助を受ける場合の受け皿組織についてだが、1つには全国被害者支援ネットワークを活用してはどうか、犯罪被害者基金を設立して、そこを経由した援助を行ったらどうか、更生保護事業法に基づく更生保護法人と同様な、それに倣って犯罪被害者保護法人というようなものを設立したらどうか、こんな意見が出ている。
 それから、財源については、この犯罪被害者基金の財源に罰金などを活用してはどうかというようなことも出ている。それから、基金の設立などについては、経済的支援に関する検討会において國松座長から私案が提出され、そちらの検討会の方でも検討されていると伺っている。
 事務局からこれらに関連して資料が出されているので、説明願いたい。
(事務局)資料の4をご覧いただきたい。これは、こういう方向で話が進んでいるとか、まだそういう話では全くないが、議論を進めるためのたたき台として座長の方から示された私案である。したがって、もうこういうものが決まったとか、そういうことでは全くないのでご理解いただきたい。
 1つは、財源を何に求めるべきか、メーンは被害者に対する給付金の話をしているわけであるが、罰金等を財源にできないか、あるいは基金の創設はできないかということを一応一当たりは議論している。ただ、そういう中で、やはりこのご時世、特定財源にいろいろするというのは、もうなかなか難しいのではないかとか、あるいは基金の財源について、その2つ目の黒丸だが、有罪判決を受けた者から一定の金額を徴収する制度の導入等を検討してはどうかというようなことについては、法務省の方からも、これは大変難しい、理論的にも現実的にもなかなか難しい話ではないかというようなご意見が出されている。
 それから、この検討会と関連するものを抜粋しているわけだが、この経済支援検討会では、真ん中のところだが、支援の内容ということで、医療の中で、特にカウンセリングの費用をもう少し充実できないかということを一つの目玉として重点的に検討をしている。カウンセリングについて、黒丸だが「民間団体援助に関する検討会と歩調をあわせ」と書いてあるが、要するに直接ではなくて、早期援助団体等の民間団体の方からそういう支援を受けられるような、そういう仕組みを検討することが必要ではないか。あるいは、基金の話である。公の給付であるから、どうしてもある程度は画一的にならざるを得ないものがあるが、とても一律の給付では対応できないような例外的な場合に、国から直接の給付というのはなかなか困難であるから、支援基金みたいなものを創設して、そういう救済のための給付を行うことはできないかというようなことについても検討がなされている。
 これはまだ具体的ではないが、仮給付がやはりどんなに早くても遅くなってしまう。これを何かよい制度はないかということで、基金みたいなことであれば対応可能なのではないかと。1ページめくっていただいて、遡及はできないかという話があるが、遡及はなかなか難しいので、過去の犯罪被害で現在も後遺障害がいえていない、しかも十分な給付がないような本当に例外的な被害者の方に対して、そういう基金の利用はできないかみたいな、要するに、ある程度、民間団体の支援とは別なのだが、給付金について、公の給付がなかなか難しいものに民間のお金で基金的なものから給付をしてはいかがかというようなことが議論をされている。
(構成員)資料4の説明をいただいたが、この民間団体に対する援助の経路や財源については、相互に関連している論点があるので、これからの議論の進め方、次のようにしたらどうかということを提案させていただきたい。
 1つが、先ほどもご説明したが、国からの補助も地方公共団体において予算化がされないと実現しないという現実がある。これを改善するためにはどうしたらいいのかということが1つの論点かと思う。
 2つ目の論点は、現状の経路以外の経路である。それ以外の可能性というものはないものか、この辺も議論していただきたい。そのときに、経路の候補の一つとして基金というのはどうかという意見も出ている。基金というものを設立して、そこを経由して補助するということのメリット、デメリット、その財源といった点についてご議論いただきたい。いろいろ関連しているので、必ずしもこのとおりの順序にいくとは限らないが、大体そのような進め方でよろしいか。
 それでは、現状の経路について指摘されている点。先ほど来、地方公共団体の方から補助がなければ実現しないと、このような点も踏まえて、現状の経路を通じた援助を活用・充実させるためには一体どうしたらいいのかと、この辺についてご意見を伺いたい。
(構成員)白書は本当にいいものをつくっていただきありがたい。
 1つ思うのは、基本法、基本計画ができた、その以前と後というのは、民間団体とか地方公共団体もいろいろ考えなければいけないと思う。地方自治体がやるべきことというのが盛り込まれたわけであるから、これまでの感じではなかなか動かなかったが、基本計画をきちんとやりなさいという内閣府等からの、先ほどもあったが、広報活動をきちんと自治体にすれば、動かないんじゃなくて動くようになると思う。そこが第一ではないかと思う。そこをぜひ内閣府等々──そういうのは総務省になるのか。ぜひとも要請をもっとやっていただけたらすごくよいのではないかと。そうすると、それに付随して国からも予算が出てくるということになるから、まず47都道府県がきちんと予算化するように、ぜひとも要請していただけたらありがたい。
(構成員)先ほどもほかの援助の形のときに申し上げたとおり、おっしゃるとおり、都道府県や市町村は当然予算執行の施策を行うに当たり、その地方議会の議決を経ており、非常に厳しいことも行革で求められている中、限られている財源を使っていく。やはり相応の理解がそこになければ、なかなか施策は展開しないと思う。したがって、やはり広報を──これは当省だけでできることではなくて、この関係省庁の協力をいただかないとできないと思うが、国を挙げて働きかけて、それから、先ほど申したように、ノウハウや知識がない自治体も多いということを前提に考えていただいて、研修・啓発等をぜひお力を入れていただきたいと考えている。
(構成員)2月初めに、私、大阪府庁からの方からの依頼で講演に行った。後で聞いたら、やはり被害者がどうあるかという現実の姿をご存じない。私たちがこういう形で苦しんでいて、基本法をつくるための活動をしてきたんだということを聞いたら、すごくよくわかったと。自分の部署に帰って、これを部下に言うということを言っていただいたので、やはり施策としてやらなければいかん話の前提に、被害者がどういう思いで暮らしているかということを、やはり自治体が全部推し進めていく上で、私たちの例をできるだけ絡めながら要請していただけたらありがたいかなと。理解を深めるのに被害者の声を聞くのが早いと思うが、やはり理解を深めていただくことが大事だと思う。
(構成員)警察庁の方にお伺いしたい。警察庁の方でも、この民間団体に対する援助を出している。先ほど来指摘しているが、ただ、地方公共団体の方が2分の1負担しないと実現しないというのがあり、この辺についてどうお考えなのか、あるいは何か改善策はあるのかというような点について、ご意見を伺いたい。
(構成員)今お話があったが、警察の方では、18年度予算について、民間被害者支援団体に対する援助として、民間の犯罪被害者相談員に対する委嘱に要する経費、それから民間被害者支援団体に対する広報啓発活動業務の委託に要する経費であるとか、犯罪被害者等早期援助団体の直接支援員に対する委嘱に要する経費、こういった予算措置をしている。
 ただ、すべての県について、まだ予算化されているという状況ではないというお話もあったが、私どもとしても、できる限り各都道府県の方で財政当局のご理解を得て、そういう予算措置がなされるように指導しているところである。
 ただ、地方公共団体においても、私どものそういった補助だけでなくて、それぞれの地方自治体の考え方で個別に予算措置をされている自治体もあると承知している。民間団体の財政支援ということについては、私どもは私どもとしてできることを今やっているが、さらに民間団体に対する支援の充実を図っていくということであれば、警察だけでなくて、国の警察以外の関係機関であるとか、都道府県、自治体、あるいは民間団体自身が寄付金をもっと募っていくなど、いろいろなやり方があると思うが、それぞれの立場で支援の充実に向けて努力していくということが必要ではないかと思っている。
(構成員)いろいろな意見をいただいたが、私自身は、民間団体に対する援助として、本来国の役割ということを重視すると、地方公共団体の方で予算措置をつけなくても100%というか、全額国の方で負担する、警察庁の方で負担すると、というのが現実的な話ではないか。
(構成員)今の私たちの援助のお話しがあったが、これは、都道府県警察が、本来自分たちが相談業務に応じたり、あるいは直接支援業務をしたり、そういったことを民間の方に委嘱するという取り組み、それに対して私どもが補助するという、ある意味都道府県警察が行うそういった民間団体の委嘱業務を支援するという──制度上である。予算の制度上はそういう位置づけでしている。もちろん結果的に民間団体の援助に私どもは資していると思うが、予算の制度上はそういう位置づけの補助金であるので、警察庁から直接そういった団体に何かしら全額を援助するというのは非常に難しいと思っている。
(構成員)いろいろ意見を伺ったが、国による補助金ではないが、今、民間団体に対して市町村などによる負担金とか分担金ということで、かなり財政的な援助を受けているという例が幾つかある。私は、この制度もかなり個人的には有効な方法だと思っているが、その辺について総務省の方にお教えいただけるとありがたい。
(構成員)おっしゃるのは、要するに国の措置と関係なく、市町村にせよ県にせよ、地方団体が地元の民間の被害者支援団体の方に援助をすることだと思う。これはいろいろな形態があると思う。実際、地方公共団体の場合、自分の地域内で活動されている団体に対し、こうした犯罪被害者支援にかかわらず、幅広くいろいろな形で支援している。形態も補助金だけではなくて、出資、無利子貸し付け等、いろいろな形態が事業の内容に応じて考えられるので、これはまさに自治体の判断で行われている。先ほど申したが、民間の被害者支援団体の活動に対する理解が深まって、いろいろな形態があるということがわかれば、自治体も自治体なりに自前の財源の状況等も考えた上で、いろいろな支援の仕方を──例えば、場所を貸すというようなことも含めて考えていくと思う。先ほど申し上げたのは、そうした視点も踏まえて、やはり根本は自治体に理解があるかないかに尽きるんではないかということである。
(構成員)いろいろ議論はあるが、たくさん論点があるので、もし特にご意見、ご異議がなければ次の論点に移りたい。
 次に、現状の経路のほかにどのような経路が実現可能であるのかということについて、財源も含めてご意見を伺いたい。今までの議論では、全国被害者支援ネットワークを経由した援助、それから、犯罪被害者基金というものを新たに設立して、その基金を経由した援助が挙げられているが、これ以外に考えられる経路があればご意見を伺いたい。
(構成員)これ以外ということにはならないと思うが、今日資料として示された全国被害者支援ネットワークの提案で、補完資料1という図があり、これがわかりやすいかなと思う。基金があり、その基金を統括する支援機構があるというような形である。この基金からネットワークは自分の加盟団体に対して財政援助し、それ以外の加盟団体も基金からというような、この流れは比較的わかりやすいと思う。
 財源について、実は贖罪寄付の議論があり、法テラスができ、この3月に財団法人法律扶助協会が解散ということになろう、今まで扶助協会あてにされていた贖罪寄付をどうするかということで、今、日弁連と法テラスで双方がこちらに組み込めという議論がされている。ただ、どちらも難点があるのは、寄付控除はできないということである。それから、弁護士会などが受け入れると、それが収入に見られてしまうというような課税との絡みが問題になっている。弁護士会の中で聞こえてくるのは、贖罪寄付という以上は、これは被害者に本来使うものではないかという話。ただ、贖罪寄付は被害者がとても嫌がる場合もあるし、被害者の方が入っている民間支援団体も、そのまま受け取りたくないとか、そういうような話も聞いている。そうだとしたら、例えばこういうような新基金の中で、この民間援助団体に行くべきもの、それから経済的支援に関する検討会で議論されている被害者自身に支給するもの、それから弁護士費用とかを貸し付ける、あるいは交付するというようなこともできるのではないか。財源としていろいろなものを取り込める一つの受け皿をつくっておけば、今後は被害者関係の援助に対する大きな可能性があるのかなと思う。もちろん弁護士費用などは、本当は公費を直にお願いしたいというのが私の第一の見解ではあるが、このような形も考えられるのではないかと思うので、この支援基金、支援機構という提案は非常に興味深いと思って見せていただいた。
(構成員)受け皿として基金があるといいだろうということだと思う。
(構成員)新しいと言われるとなかなか難しいところがあると思うが、前のところとも関係あると思うので、財源と経路の問題と支援との関係で考えたことをお話しさせていただきたい。
 支援のプログラムに対して援助するということと、財源と経路は非常に密接に結びついていると私は考えている。なぜかというと、このことによってどういう支援を指示するのかとか、どういう配分をするのかということが全く変わってくるのだろうと思う。恐らく一般財源からの支出である場合、従来のように国と地方自治体がということになると、支援に当たって国としては大まかなガイドラインは設置するが、細かい審査基準は地方自治体にゆだねるというような形になるのだろうと思う。そうすると、国が非常に負担をかけて団体の審査をするということは余り必要でなくなると思う。しかし、デメリットとして、さっきからお話があるように地方自治体の努力が要るので、非常に経営困難な地方自治体でこれに積極的に手を挙げてもらえるかどうかというところに、やはり不安がどうしても残ってしまう。そうすると、例えばこれは可能なことかどうかよくわからないが、地方自治体の配分部門を減らすとかいうような形で国の補助をふやすとかいうことで、少しでも地方自治体のメリットというか、努力をサポートするような形というふうになってくると思う。
 ただし、今度はまた、ここに挙げられたような支援基金というようなものを立ち上げた場合、ここでは寄付を受け付けられるというメリットがあると思うが、今度は全国の申請をここが受け付けるというふうな形になり、かなり大規模の事務が必要になると思う。民間の形に設立したとしても、活動に対しての報告を求めるとか、そこでの一定した基準を決めるとか審査をするということになると、相当なそれ自体のお金もかかるなとは思うが、こうすることによって地方自治体ごとの格差のようなものが消えるということと、恐らく支援するプログラムに対する柔軟性というのはこちらの方が高いのだろうとは思う。
 私のイメージとしては、これはアメリカのOVCなのだろうと思う。今、非常に地方自治体の状況は厳しいようだとすると、どちらかというとこういった形の方が、現状では、よいのではないかという印象は持っているが、これは本当にどこから出るかということで恐らく決まってしまうと思う。
 もう一つの考え方として、これを二本立てでいくということで、一般財源からのところである程度限定されたプログラム、地方自治体としてここまではできるというような形のものについての支援をするものと、民間の支援基金というものを立ち上げることによって、より柔軟性の高いものや、なかなか国として積極的にというのは難しいようなものについてはこちらから出るというような二本立てというやり方もあると思うが、そうすると、今度は事務費が2倍かかるということになると思い、財源をどこにするかでかなり影響があるのではないか。
(構成員)いろいろな論点なり構想を披露していただいた。
 私の方から質問というか確認したいが、支援機構なり、この基金の受け入れ先の具体的なイメージというか、既存の組織でいいのか、あるいは新たな組織を設立すべきかという点についてはいかがか。
(構成員)この点についても考えてみた。1つは、全国被害者支援ネットワークという団体があるが、もう既に加盟団体があって、この目的がかなりはっきりしている以上、ここに加盟したい団体と加盟したくない団体というのがどうしても出てきてしまうだろう。そうすると、加盟したくない団体にとってはアクセスする窓口というのが減ってしまうというデメリットがあることが1つ。これは将来的な問題だと思うが、それだけのお金を任されるということになると、今度は全国被害者支援ネットワークが法人格をきちんと持っていないと難しいというのがあり、今の現状から一挙にそこまでいけるのかどうかというところが1つかかわってくるかと思う。だから、かなり早期にやるとしたら、別個に立ち上げなくてはいけないではないかという印象を持っているが、あくまでも私の今の考えである。
(構成員)今でも別個の犯罪被害者基金というようなものを設立して、構成員の意見だと合衆国のOVCを念頭に置いているようですが、それにも確かにメリット、デメリットがあると思う。この辺について、ほかにご意見があれば伺いたい。
(構成員)現状のお金の流れでは、先ほど皆さんが言われているようないろいろな制約があるということになれば、別途立ち上げるしかないと私は思う。そうでなければ、結局ここで検討しても、もう一つ地方公共団体がそれぞれの自治体で検討しなければ何もならないということになるのでは、この検討会の意味がない。ここの役割は単に要請するということではないはずであるから、もう別途というか、そのデメリットを解消する方向での制度設計をとにかくしなければいけないのではないか。それがこの検討会に任されたというか、この検討会でまとめなければならないことなのかなと私は理解している。
(構成員)この点についていろいろ議論はあると思うが、関係省庁からご意見を伺いたい。
 基金について、何かお考えがありましたらお伺いしたい。
(構成員)この基金という言葉が出ているが、これは一般論でしか申し上げようがない。やはりその基金というところが一体どういう業務をやるのか。その業務の内容、要はどういう団体がやる、どういう業務に対してその援助をしようとするのかという、その辺の具体的な中身がどういうものなのか、基金という形態をとるということは、財源を何に求めるのか。それが、今いろいろなアイデアが出ているようだが、財源をどこに求めて、どこがそういう形で財源を確保してくるのか。その辺のところが具体的にならないと、基金がどうというのは一概に論じられないのかなと思う。
(構成員)今ご指摘もあったように、最初から基金の問題、それから、その経路の問題、それから財源の問題と不可分なわけであるが、今まで基金の財源としては一般財源もあるだろうし、構成員が指摘したように贖罪寄付というのもある。この辺の財源について意見をいただきたい。
(構成員)贖罪とかいったら、その年、年によって変動がすごくあると思う。変動の多いものが主体になってはいけないと思うので、そこら辺も一考していただけたい。
(構成員)財源の安定性ということも考慮しなければならないというご指摘だと思う。
 財源、それから基金という経路のあり方、あるいはそれを新たに設置するのか、あるいは既存のものを活用するのかということであるが、ほかにこの点についてご意見があるか。
(構成員)言われたとおり、私が言ったのは一つの案にすぎない。寄付に頼ってやるだけでは何のためにやっているのかわからない。国が民間団体の財政援助等をするということであるから、もちろん国のお金をまずベースとして出さなければいけないということにはなるのであろうが、経済的支援に関する検討会でもいろいろ罰金、追徴金などはどうかとか、それから、有罪判決を受けた者から一定の金額を徴収するとか、保険的なものというフランス的な発想もあるのかなと思うので、そういうような、かなりある程度金額がわかるもの、毎年毎年確実に入ってくるものをベースにした上で、あとは広く、やはり寄付とかそういうものを求められるような開いた形にしておくというのがよろしいのではないかと思う。ここに書いてある資料の4の財源の問題も参考になるのではないかと思う。
(構成員)論点ごとに議論していくと言いながら、いろいろ重なっているので、議論があちこち行っているが、事務局で、今のご意見等も踏まえて何か意見があればお願いしたい。
(事務局)後の議論で出てくるであろうが、先ほどからも出ているが、今一番大きな援助の中身として研修とか認定の問題があると思う。これもご議論いただかなければいけない。検討会2(支援のための連携に関する検討会)の方でも今議論しているが、おおむね2の方では、その研修、認定は、先ほどご説明したように全国ネットワークでやったらどうだろうかということで大体進んでいる。そうなったときに、その研修、認定、あるいはそのほかの活動の援助について、これは基本的には、先ほどから話が出ているように、これは国が責任を持ってやるべきことではないか。要するに、民間のお金を余り当てにしてやるような性質のものではなくて、これはきちんと一般財源でやるべきではないかというような考え方もあると思う。その辺をまずご議論いただいて、先ほど構成員から、基金について中身がとおっしゃったが、全国ネットワークを今後どうしていくのか。それから、後で座長私案にも出てくるが、全国ネットワーク参加の早期支援団体、あるいは早期支援団体を目指す団体、これがやはり当面の一番の重点の援助になるのだと思う。もちろんそのほかも当然大事だが、当面はその辺を重点にやるというのであれば、2の検討会ではそういったネットワークを中心として、早期支援団体を中心としてやろうというふうになっているわけであるから、今申し上げた研修も含めてどう援助していくのかと議論をしていただいた方が、仮に基金をつくるにしても、本当に先ほどから出ているが、現状の基金をもしやるとすれば、それこそ今やっている警察庁の補助金などはなくすのかどうかとか、そういったことも問題になってくると思う。それでいいのかどうかとか、そういったことについてもご議論いただければと思う。
(構成員)構成員からのご指摘があった点、いかがか。現実、今の援助の仕方では何が不十分であるのか。それは、もう少し言えば、基金の設立でなければ解決できないのかということをご議論いただきたい。
(構成員)今、内閣府の方から幾つかお話があった。先ほども説明したが、理解いただけなかったのかもしれない。警察庁の補助金というのは、都道府県警察が都道府県内の治安維持の責任において、これはやはり自分たちだけでなくて民間団体にも相談業務とか、それから直接支援業務なんかを委嘱してやってもらう必要があるという個々の都道府県警察の判断で財政措置をしてもらって活動している。それに対して警察庁が補助をするというのが制度上の建前である。要するに、それぞれの都道府県が今やっているもの、主体は都道府県であるので、それを廃止するというのはまずあり得ないということははっきりと申し上げておきたい。
 それから、研修、認定というお話があったが、これはやはり研修なり認定で求められているもの、今の被害者支援で求められているものというのは、警察が今までやってきた被害者支援だけでは足りない。いろいろな関係機関・団体、国、地方公共団体、民間団体のもろもろの支援の中身をきちんと教えていくということだと思うので、それは正に内閣府の仕事ではないかなと思う。
(構成員)先ほどの構成員のお話だが、早期援助団体プラス早期援助団体を目指す団体に限るのであればネットワークでいいわけである。だけど、本当にそれでいいのかという問題があり、それではネットワークは多分難しいのだろう。それ以上の加盟団体を超えたところまでネットワークがお金のことに関してできるのかというと、やはり非常に難しいのではないかと思う。スタート時はそこに限定する。ある程度早期援助団体及びそれを目指す団体、つまり全国被害者支援ネットワークに限定する。ネットワークの資料を見ると、準加盟団体というようなものも認めていくことを言っているが、ネットワークの傘下の中、そこだけまず考えようと、そこをまずやってみよということであれば、私は、民間団体への援助という、その関係であればネットワークにお願いするということは一番簡単なのだろうと思う。
 ただ1つ、ほかの団体が入ってきた場合に、つまり、私たちにも援助してくださいというような申請があり、確かにきちんとしたプログラムをしているとかということになった場合には、少なくとも新たに審査機関が必要で、それは内閣府などに設けなければならなくなるのであろう。そうであれば、きちんと、機構みたいな、そういうような審査をする組織をつくってもいいのではないかなという発想である。
(構成員)いろいろ意見が出ているが、個人的に私の意見を述べさせていただきたい。いろいろな民間団体の活動があるが、現実的には早期援助団体というのが活動の中心になっているので、現実的に早期援助団体として活動しているところ、あるいはそれになろうとしているところに対する補助というのが最も現実的だと私は考えている。私は、今ある早期援助団体に対する警察庁からの補助というものを──先ほど地方公共団体の役割と国の役割というお話もあったが、もう少し国の方から、それは本来、やはり国の仕事ではないのかという位置づけで、国からの補助を80%だとか、場合によっては100%とか、そういう形にするのがいいと個人的には考えている。
 それから、今、構成員のご指摘にあった早期援助団体以外の団体については、まだ活動の実態等も、いろいろ活動をしているし、それなりに意義があると思う。そういう団体から明確な、こういう補助をしてほしい、こういうことについて配慮してほしいというニーズが明確になった段階で、既にこの検討会でも出ているように、個々のプログラム、それに対応するようなプログラムをつくって、その活動に対して補助をするというような形もあり得るのではないかと思っているので、現状認識すると、私はそれが現実的かなと個人的な意見を述べさせていただいた。
(構成員)今、構成員から、国が本来やる仕事だというお話があったが、警察組織は、警察法により、基本的に執行的事務というのはすべて都道府県警察がするという形になっている。例えば早期援助団体にしても、これは都道府県公安委員会が指定する。それぞれの都道府県が主体的に、各民間団体に対して援助していく、あるいは委嘱していく。それを警察庁が都道府県の取り組みを後押しする。これは、この早期援助団体の仕組みに限ったことではなくて、すべての警察組織のあり方にかかわる話なので、そこを変更するということはできないと思う。
(構成員)警察予算の中には全面的に国庫でなっている部分と、装備だとか何か人件費だとかというようなものは地方公共団体の方ではなくて、警察庁というか国の予算だと聞いたことがある。まさにその部分は国の本来的な業務で、地方のことではないということ私は理解しているが、その辺の考え方はどうか。
(構成員)それは大丈夫であるが、正に都道府県警察の活動そのものの話であるから、それを超えて、さらに民間に対してどういうアプローチをするかというのは、これは正に各都道府県の治安責任を有する都道府県警察が判断して今やっていることであるので、そこを変更することはできないのではないか。
 繰り返しになるが、はっきり申し上げて、警察はできる部分はもう相当いろいろやっているわけである。援助という形態がとれないから委嘱という形態をとりながらも財政的な支援になるような形でやっている。そこをこれ以上充実しようとしても、もうこれは制度上難しい。やはりそれ以外の観点から、どこがどういう支援をできるかということをやっていかないと、これはかなり難しいと思う。
(構成員)構成員の発言の確認であるが、今言われたのは、まず早期援助団体への援助を充実させて、そのほかについてはプログラムを申請してきたらそこでということか。私は、民間団体の援助に関する検討会の根拠になっている施策については、その成立過程では、これは底上げという意味合いでできた施策だと理解している。早期援助団体が大変である、9団体を援助しよう、これはいい。非常にわかる。だけど、まずこの趣旨は底上げで、日本の民間団体のレベルを全体として上げていこうという、その趣旨で決められた施策だと思うので、財政の問題はいろいろあるだろうが、少なくとも早期援助団体を目指している団体には、できる限り援助をしていく方向で考えていただかなければ、全国で9団体だけ援助を厚くしても、現実に直接支援が可能となるわけではない。都道府県をまたいで遠方までみんな行けない、そこまで厚くなるわけがない。ブロックを全部賄うぐらいのことをしてくださるならいいが、それはとてもとてもできない、支援している方の負担が大きくなるわけであるから。早期援助団体が厚くなるのは、もう本当に望むところであるが、プラスアルファの、そこを目指す団体への援助、これもぜひそこもきちんと柱として入れていただかないと、この施策は意味がなくなると私は思う。
(構成員)基金にしても現状のあり方の改善にしても、私も含めていろいろ意見が出たが、もう一度振り返って、今の援助の仕組みで、これが一番まずいのだということをもう一度問題点を出していただき、それに対応する方策というのはその後に考えるとして、いかがか。
(構成員)戻る理由がよくわからない。それはさんざん議論したのではないか。
(事務局)この検討会でいろいろヒアリングもやり、座長私案も後でご議論いただくが、やはり一番今被害者の方も求めていて大事なところは、そういう早期援助団体ないし援助を目指す団体、この辺の直接支援のところ、あるいは活動の中身になってくるが、そういった被害者に直接支援しているところを厚くするのが大事ではないかと思い、多分座長の私案もできていると思う。そうすると、そうした場合に、それとは別に、何か今やっている援助以外に──今やっている援助が、現にいろいろな理屈づけはあるかもしれないが、警察において補助金が出ているわけである。そうすると、それと同じようなことを別の組織にやらせるというのが、これがまた非常に難しくなるである。全く同じようなことを、要するに切り分けをきちんとしないと、そもそもそういう基金ではなくて、補助をもっとたくさん出せばいいだけの話だろうという話になりかねないわけである。今の警察において行っている、それはもう廃止はしないと言われるのであれば、それをどう厚くするのかと。そこで目指す団体も含めて、もっともっと早期援助団体をふやさないといけないから、そこの援助をどうやってふやしていくのか。これがなくて、ただ別に基金をつくってやりましょうというのは、なかなか説明が難しいのではないかと思う。
 まずは、構成員が言われたように、別にそういうネットワーク加盟でなくてもニーズはあると思うが、そのニーズがどれぐらい多いものか、これをもう少し具体的にしないと。やはりそういったものについては、余り住所もわからないような団体もあったりするから、公の援助を正式にというのはなかなか難しいところもあるかもしれない。それはそれで決して援助しないと言っているわけではないので、それについては何か別途のそういった支援のための仕組みが必要かもしれないが、少なくともまず、今現にヒアリングの過程でも、本当に被害者の方、あるいは支援団体の方が一番求めておられる早期援助団体、早期援助団体を目指す団体、これについてどう厚くするのか。それは今のシステムではできないと言われるのなら、別に考えなければいけないが、今あるものはそのままでいいのか。今あるものはもうしようがない、そういうシステムだと。それでは新しくつくるものも切り出しができない。直接支援のところが一番大事なので、それをやろうとするが、それはもう既に警察が出しているからこっちはだめと、こう言われてしまう。そこをもう少しはっきりさせて、それは法律を変えればいいだけの話、あるいは施行令をいじればいいだけの話なので、現に今、全国ネットワーク以下の団体を法律をもって指導している警察に、その辺の考え方をもう少しはっきりさせていただきたい。現に今、補助金となっているところが、それだけでは足らないと言われているわけで、それは地方公共団体の問題とかがいろいろあると思うが、それは警察の問題であるから地方に任せていると言わずに、そこを国としてどう厚くするのか。そして、構成員が言われる、加盟もしたくない人もいるであろうから、その団体にどれだけのニーズがあるのか。そのニーズはどれぐらいの規模のどういう仕組みをつくれば対応可能なのかと、こういう話でないかと思う。
(構成員)私の発言だと構成員が言われていることは訂正させていただく。構成員の話だと、9団体について専ら厚くするということについては反対だと申し上げたのであって、早期援助団体と早期援助団体を目指すネットワーク加盟団体について考えるのであれば、ネットワークという組織を使うことで考えられるのではないか。ほかまでもし広げるのであれば、これは別にしなければならないと言ったのである。今の私の発言と言われるのは、違うと思う。早期援助団体だけを特化した形では困ると言ったのである。だから、施策を決めたときもそういうような話だったと思うということ。
 それから、先ほど警察庁は、あれは形式的には援助という形をとっていない、委嘱だと言われた。つまり、そういう形にしなければできない今のシステムだったわけであるから、それはどうするのかはともかくとして、やはりそのルートを同じやり方で厚くすることは、これはまずいのではないかと私は思う。
(構成員)今、正に構成員が言われたとおりである。私どもとしては、そこでできることはやっているわけである。もう絞り切ったぞうきんをさらに絞れと言われても、もう出てこないわけである。それよりも、内閣府の方で地方公共団体が犯罪被害者の方に対する総合的な対応窓口を設置するということを推進しているということであれば、例えば都道府県、各市町村の総合的な対応窓口についての設置・運営に要する経費を計上されて、それを地方公共団体でおつけになる。それを民間団体に委嘱するという形で予算措置されるというのはどうなのか。
(構成員)私の方から言えることは、そういうふうに決断される地方団体があれば、それはできるが、一般的に今自治体の組織については、市場化テスト法もできて、アウトソーシングについてはコストを下げていかななければいけないという大前提がある。前回会合で申し上げたが、既存の団体に公益的活動に着目して補助を出すということは、実際これからもあると思うが、その団体の設立にまでかかわるようなコストを丸抱えして委嘱して組織を外部に出すということは、恐らく地方議会での議論にたえないのではないかと思う。これは自治体の判断であり、あくまで総務省が指導できる立場にもない。なお、財政法上できないわけでもないということは、一応申し上げておく。
(事務局)構成員のご発言、誤解していたのはおわびを申し上げるが、そうは違わないと思う。要は、今の早期援助団体ないしそれを目指す団体というのは少なくとも不十分なわけであるから、これをどう厚くするかというのを、現に今、それを指導を行うなり補助金も出しているところがもう少し考えてもいいのではないか。何も今のままをそのまま厚くすればいいということを私は申し上げているわけではなく、いろいろなやり方があると思う。その中に、先ほどから、この補助金は廃止できないとか、いろいろいわれるが、そうではないのではないか。やはり切り分けの問題であるから、別の仕組みが本当に必要かどうかはともかくとして、そういうところできちんとやる本当に現実的な仕組みがあれば、そことの切り分けを考えればいいのであるが、そうではなくて、今のやつは一切手が触れられないというのは、私はそれは違うのではないかということである。
(構成員)非常に難しいと思う。そういう主張をするのであれば、内閣府としてそもそも何ができるかという、もう少し主体的な対応をご検討されるということが必要なのではないか。
(構成員)援助が厚くなるのはありがたいが、警察と民間支援団体との関係というのは、やはり微妙な問題があり、私は弁護士なので、その点に関してはやはり非常に難しいような、緊張的なところもあると思う。今までのような警察ルートは、とてもよくやっていただいている。実は、警察官が個人個人で寄付までして盛り上げている例もよく知っている。そういうようなところまでお願いしてやっているが、これ以上警察を通じてというような形ばかり考えるのはいけないと思う。逆に言うと、それはもうこれ以上はやる必要がないし、今後違うことをここでは考えなければ、民間団体に格差があるということについても、それにも大きな影響があると私は思っているから、別のルートを考えていただきたい。警察庁の方もそう言われている。
(構成員)私は被害者の立場からの視点で、今、警察庁の方が言っていただいたのはすごくありがたい話である。私たち、ネットワークの今までの活動、10年近く私自身も見ているが、どうなんだろうという部分もあり、これじゃ足りない部分もある。今日冒頭言ったように、基本計画もできて、地方自治体がこういうことをやりなさいという施策も決まったわけである。これらがミックスした形で、被害者がやはり平穏な生活を取り戻せるようにするのが一番大事だと思うので、ネットワーク、ネットワークだけではなくて、もう少し総合的なことを考えてもらってもありがたいかなという気もする。制度的なことはよくわからないが、受ける側からするとそれが1つ。
 もう一つ、研修と認定というのを言われたが、今までの基本計画ができるときまで教育したものと、地方自治体が動き始めたということを仮定すると、地方自治体がこういうことをやるべき施策があるのにやっていないことを、だれがそれを指摘していくかという、新たなコーディネーター役の人には役割が出てくるのではないかなと思う。ここでいろいろなものを決めるよりは、もう少し柔軟性を持って物を見ていく方がいいのかなというのもある。先ほど警察庁が言われたように、無理なものについてはこちら側でやるという、総合的なものがあれば非常にありがたい提言だと思う。
(構成員)今までのお話を伺って、私自身は前から思っていたが、全国被害者支援ネットワークの加盟団体の仕事は非常に明確であり、早期支援をふやさなければいけないというのは非常に重要な問題だと思う。警察と連携をとってまでやれる団体がほかにあるかというと、やはりないわけなので、それは広く普及しなければならない。ネットワークがそれを目指すということであれば、それに対する支援のあり方と、ほかの違った成り立ちになっているところというのは、やはり支援の経路とかやり方というのは違ってもいいのではないかと思っているのが1点。
 ただ、急務として、やはりネットワークが目指している早期支援の部分についてどうするかということでまず考えていくということが重要なのだろうと思う。警察庁からお話もあったように、私も見ていて、本当に警察庁ができる限界というのが恐らくあるのだが、まずその限界がどこまでで、それが今後早期支援団体を目指す上で足りない部分があって、そこは警察庁ができない部分だとした場合に、それをどこから出すのかということになるのだろうと思う。例えば、今の支援の仕方は委嘱という形であると、委嘱という言葉でどうしても置きかえられないものについてはできなくなってくる危険性がある。それは、経済的支援の検討会でカウンセリングの費用をどうするかという話が例えば出てきている。そうすると、民間団体の方でフォローアップとしてカウンセラーを雇ってプログラムとして支援するといった場合、警察庁の方の委嘱ということにできるかというと、かなり難しくなってくる。それは非常に望まれている支援であるというようなことがあるのではないかと思う。そうすると、警察庁でやられていることを警察庁がそのままやるのか、あるいはそれを引き継いで、どこかへその内容を持ってくる。警察庁はもっとさらに別の発展形を考えていただくというのがあると思うが、統合してもっと大きな支援を行えるようなお金の出し方というと、私のイメージでは、やはり地方自治体できちんと窓口があって、それは一般財源からきちんとおりてくるというようなことがあるのかと思う。ただ、警察庁が今まで支援しているやり方で不可分なもの、つまり警察庁以外ではできない部分というのがあるのかどうか、そのあたりが今の段階ではわからないところなので、その業務とか、必要とされているものをリスト的に出す必要があるのかなと思った。
(構成員)今、委嘱してやっている経費というのは、相談とか直接支援。本当に早期援助団体の核になる部分についてやっているので、それ以外の部分について出すというのは、ちょっと事業費に着目した場合考えにくい。
 それから、カウンセリングについて言うと、これはまず警察としては初期支援的な対応でのカウンセリングということで、先生にもいろいろ教えていただいているが、部内職員の中で臨床心理士を配置するとか、あるいは部外の精神科医に委嘱するという形で、私どもはそれをやっている。ただ、今足りないと言われているところは、その初期はいいが、中長期というお話が多いわけで、そこのところになると、やはりそこはもう正に別の行政分野という感じがする。そこは私どもが援助していくというのはなかなか難しいと思う。
(構成員)どういう業務は警察庁では対応できないのか。
(構成員)議論の進め方が違うのではないかと思うが、ほかの構成員の方も、警察以外で何ができるか、別のルートを考えたらどうかという議論が出ているのに、どうして私どもが何ができないかと──もう既にできないことを申し上げているわけであるから、ほかの機関が何ができるかということを検討されるというのが建設的なのではないか。
(構成員)私が考えていたのは、この経路と財源の問題というのは不可分であるが、現実的に今の補助というか、今の民間団体に対するあり方の問題点が明らかになれば、ある意味でおのずから対応というのが見えてくると思い、今、基金であるとか、その財源であるとかということについていろいろな議論が出ているが、もう一度そこの問題点を考え直すことによって、新たな財源なり基金構想というものをどうとらえるかという結論があるいは見えてくるのかなと思ったので、こういう形で議論を進めさせていただいた。今、新たなあり方についての検討が足りないというご指摘があったので、その点についてもう一度、どういう方法がいいのかということをこの議論の最後にお伺いして、あとは、私の方で今日の議論をもう一度整理し直して、また次回のときに論点を整理して出したいと思うが、よろしいか。
(構成員)方向性を本当に検討するための議論なのか。もう結論ありきというか、ある程度座長、あるいは室長の方で、例えば現状を厚くする、現状の制度がある、現状確かに警察から委嘱という形で支援がされている。それを少しいじってというか、少しふやしてというか、あるいは負担をどうのこうのということでやるという方向性を考えておられるのか。そういうわけではないということでいいのか。
 もう警察庁の方からご回答があるわけだから、もう少し先を見据えた議論をしていいのかなと思う。今、現実に援助が足りない。でも警察庁から、もうこれ以上は無理ですと、この2つがあるわけで、そこについてもう少し新しいものを、お金のことなので大変だが、考える方向で検討していただけると。
(事務局)少なくとも私は、今のものを厚くすればいいとか、そんなことを考えているわけでは全然ない。ただ、新たな経路とか、いろいろな基金にしても考えるときに、そのメーンとなるのは、多分早期援助を目指す団体とか、そういう直接支援にかかわるところではないかとこれまでの議論から思う。そうなると、今のやつとのどうしても切り分けというか、それがないと、新しいものをもちろんどんどん議論してもらうのはいいと思うが、それは今これでやっているじゃないですかと言われたときに対応ができないというか説明できない。
 先ほどから警察庁からも説明があったように、それはよくわかるが、少なくともそれをもう一切──先ほど構成員からあったが、それを例えば統合して全部基金にしていいのかとか、そういうことをぜひご議論していただきたい。それはまかりならん、直接支援の部分は、これは早期援助団体、あるいは目指す団体でネットワーク傘下だから、これは警察で、それ以外のところ、あるいはそれにも何か別のルートで同じようなことに援助してくれと言われても、これはなかなか難しいと思う。何も今のものを単に厚く、そんなことは全然考えていない。今の制度も含めて、そういうことでいいのかどうかというのをぜひご議論いただきたい。
(構成員)よくわからないので教えていただきたい。ネットワークというのは、弁護士も理事に入っていたり、かなりニュートラルな団体だと理解をしている。たまたま日本の被害者支援を引っ張っていくときに、警察の方と非常に協力して引っ張っていっているし、現在のお金の援助もそういうようなルートがあるということ。けれども、ネットワークイコール警察とか、そういうことでは全くない。私は、ネットワークというときは警察ということを全然頭になく言っている。加盟団体をまとめる組織としてとらえている。ところが、話を聞くと、ネットワークは警察とつながりがあるみたいな、ネットワークという言葉を出すと、今までの制度とつながっているみたいな話に聞こえるので、もしかしたら、私がネットワークと言っているときのイメージと全然違うのではないか。これはどうなのか。警察庁の方で何か法的根拠でつながりがあるのか。
(構成員)法的根拠でつながりがあるのは内閣府である。これはNPO法人であるから内閣府が認証している。
(事務局)警察の行う補助、援助、それから、私どもも何かやれることがあれば当然新しい制度で何でもつくらなければいけないと思っているが、そこのときに、今の早期援助団体を目指す団体に対する援助で、どこが本当に足らなくて、もちろん試算なども出てくると思うが、そのためのどういう、どのぐらいの規模の援助が必要になるかというのを明確にしていただかないと。並行して議論してもらって結構だと思うが、そういうことだと思う。
(構成員)繰り返しになるが、警察の方は本当に、着目している事業については、すべて今できることはやっているので、新しいことをやはり考えていかないと、せっかくこの検討会を2年やられていて、今やっているところがまた同じことをやると、結局何も財政的援助は厚くならないという形になりかねないのではないか。
(構成員)基本計画ができて、地方自治体のやるべきこともできたわけである。被害者からいうとどっちでもいい。被害者の立場からいったら、自治体がやってくれようが、こちら側がやってくれようが、早くやってくれた方がいい。個人的な話で言うと、多分自治体に法律ができてやってくれたら、被害者支援はもうほとんど均一的なものが、自治体が動く方が早くできる。ここは民間団体の予算をどうするかというところなのたが、手厚くしなければいけないが、私たちは、あす被害者になる人をどうするかといったら、地方自治体が動く方が、一刻も早くやってくれる方がいい。早くやってくれたらどっちでもいい。それを省いてどうするかというと、僕はそんなのは不毛の議論みたいな気がして、やはり今言われたように全体像で物を考える方がいいし、これになってくると、ネットワークにいる人たちの役割って大分減っている。多分減っていくと思う。その中で新たな視点で、どういう自分たちの被害者の視点に立った施策ができるかということを考えた予算措置等々を考えないと、次のステップに行かないと思う。基本計画ができる以前のネットワークと、今からやるネットワークの役割は違うという前提で考えていった方が、議論でも何かスピーディーに落ち着くのではないかなと気がする。やはり主体は被害者の権利ということで物を考えている前提がある。
(構成員)私の立場をもう一度申し上げると、確かにこの検討会の根拠というのは、民間団体の役割の重要性というのがあり、現状よりも手厚い財政的援助をする、そのあり方を検討するということである。そのときに、ほかの検討会でも出てきたように、基金なり、その基金の受け皿なりという議論が出ている。ただ、そこの新しいことを議論するのは、それはある意味で簡単と言えば簡単というか、いろいろアイデアは出てくるであろう。ただ、必ずしもそれができれば現在直面しているすべての問題が解決するわけではないので、もう一度、今のあり方ではどこが問題で、今のあり方で改善すべき点はないのかということ、あるいはどこが不十分だということを洗いざらした上で、さらにそれを解決するために、例えば基金をつくればそれは解決するのか。その場合でも財源はどうするのかというのは非常に大きな問題はあると思っている。繰り返しになるが、それをチェックしようというのが趣旨である。
 ただ、何度も言ってが、議論の進め方も含めて論点を分けたつもりであるが、整理がし切れなくなってしまったので、今の議論の進め方を含めて論点をもう一度明確にした上で、次回もう一度論点を示してご議論いただきたいと思うが、それでよろしいか。
(構成員)1つ意見を言わせてほしい。この検討会が始まってからどのぐらい時間がたつのかと思うのだが、それこそ今あるものに予算を上乗せするだけであれば、検討会なんか全く必要ないと私は思う。これだけ回数を重ね──もう8回かと思うが、ヒアリングを何度も何度も行い、それで結局今の段階で現状の問題点と言われる趣旨が全くわからない。今までのヒアリング等で足りない部分がたくさんあるということは十分わかって、それで警察ルート、警察予算──正確な言い方ではないかもしれないが、そういうものに予算を上乗せするだけであれば、本当に検討会は要らないという印象であり、忙しいのにという感想を述べさせていただく。
(構成員)私も、構成員と全く同感である。
(構成員)その意見も踏まえて、もう一度考え直したい。

○座長私案について検討
 民間団体による犯罪被害者等支援の在り方、被援助団体及び援助の対象となる事務の範囲について、座長から説明があった。概略以下のとおり。

(構成員)私の方で私案をつくったので、それをお諮りしたい。私の考えとしては、今までの議論をまとめたものだと考えているが、今回がもちろん最終のものではないが、これからの議論のために活用していただきたい。
 資料5をご覧いただきたい。「はじめに」では、この検討会が設立された背景や経緯や、それから検討状況に触れている。
 2ページであるが、国、地方公共団体等の公的機関と民間団体との役割分担に触れて、民間団体のメリットについて触れている。ただ、この民間団体と、それから地方公共団体との役割分担というものは相互補完的なものであって、排他的なものではないということに触れている。
 それから、1の2のところ、これがまさに議論が出たところである。基準等の詳細はどうしたのがいいかということで、ここでは地方公共団体が詳細な基準等を定め、国においては応分の費用負担を行うというようなことを書いてあるが、今日の議論も出たところであるので、これから検討する必要があると思う。
 3ページの2、国による民間団体への援助の在り方について触れている。ここでは早期援助団体、それから早期援助団体の指定を目指す団体、それ以外の団体、自助グループに分けて、それぞれのあり方について触れた。
 まず、民間団体の財政については自助努力がまずは望ましいということを書いてある。それから、財政的援助を行う際には、活動実績であるとか活動に関する透明性の確保というのが重要だということを指摘している。それから、次に早期援助団体の現状と問題点を指摘しているが、活動に要する経費を中心に補助なり財政的な援助が必要ではないかということを述べた。
 4ページの中ほど、早期援助団体の数が少ない。これをふやしていく必要があるということ。目指す団体といってもさまざまである。これに対する底上げが必要であるということを言っている。
 それから、早期援助団体として活動していく上での人材の育成の重要性ということを指摘して、そのための経費に対する補助を考える必要があるのではないかということに触れている。ただ、その関係で、早期援助団体を目指す団体かどうかということをどういうふうに判断するかどうかということも大事だという指摘をしている。
 説明させていただくと、早期援助団体、それから早期援助団体を目指す団体以外の団体については、今日もいろいろ議論が出たが、私としては、その活動等はさまざまなので、一律的に言及するというのは難しいだろうということぐらいで、余り積極的なことは申し上げていない。
 それから、自助グループについては、直接ここに対して財政的援助というのは難しいのではないか。ただ、民間団体、早期援助団体等を通じてのこの援助ということは可能ではなかろうかということを述べている。
 最後だが、援助となる事務の範囲。6ページのところ、これも被害者に対する直接支援サービスを中心に考えるというのが適当ではないかということで、その辺が対象になるのではなかろうかというようにまとめた。
 非常に簡単に説明させていただいたが、何かご質問、ご意見等があればいただきたい。
(構成員)実は皆さんにお礼という意味で、2月4日に第70回の関西集会を行い、そこで33名集まり、うち被害者、当事者が21名でした。早期支援という言葉も非常にあったので、被害直後に何が一番必要かというのを改めて話し合った。やはり家事の必要性というのが一番意見として多かった。飯を食う、掃除、洗濯、要はこれが一番大事であって、その中で21名の中でどうかというと、年配で、要は子供が中学生、高校生ぐらいの、いわゆる近所との付き合いが多いところは、周り、隣近所から直接そういうものをやってくれるのが、ものすごく何物にもかえがたいぐらいうれしかったと。要は地域に根差している人。また、もう一つ別の人だったが、警察の方とか刑事さんたちが来て、直接支援というか、家事をしてくださった、あれは非常に助かりましたと。マスコミに取り囲まれて買い物にも行けないという部分である。そういう部分があったり、非常に活発な意見が出たわけである。マスコミ対策も全部含めてですが、そういうことは、この早期支援の直接支援というのはどこまでを意味しているのか。そこら辺がよくわからないが、とりあえずお礼という意味で、そういうことをこの間みんなで検討したということでお聞きください。
(構成員)このペーパーの位置ですが、また次回ということで議論されると思うが、これは中間取りまとめのドラフトという、そういうことになるわけか。
(構成員)そう考えている。
(構成員)この座長の私案は、今の制度を厚くしようという前提でお書きになっているのか。はっきりわからないが、そういうことではないのか。そこまでは書き込んでいないわけか。
(構成員)私がここで強調したことは、もちろん私の理解であるが、今までの民間団体が果たしてきた役割、そして、私の理解の一番中心となるのは、やはり犯罪被害者の早期援助団体として、主として危機介入を含む早期の支援というのが一番重要な部分であり、その部分の活動を促進するということが大事だと、そういう基本的な立場に立って、それに対する財政的援助というものを中心に据えて書いたつもりである。
(構成員)中間取りまとめを出して、それがパブコメの対象になるのか。
(事務局)最初にもご説明したが、これは前回議論したところまでのまとめということであるので、今日ご議論いただいた経路とか財源だとか基金をどうするかとか、そういったことについてはまだ触れていない。当然、先ほどから何回も申し上げたが、決して今のままを前提としてという意味ではなくて、重点とすべき活動内容だとか、そういうものについての前回までにご議論いただいたところを取りまとめさせていただいたという整理でよろしいかと思う。
(構成員)それはわかっている。ぱっと読んで「なるほど、とても上手にまとめてくださったな」と思って事前に読んだが、これが提言とか中間取りまとめに向けたたたき台というので、どういう形になっていくのか、最終地点のことを聞いているわけである。つまり、これをさらに議論をしていって、財源とか方策、現状をもっと厚くしろとか、あるいは新しいこういうルートも考えられるというようなことを書き込んでいってパブコメの対象にするのか。そういうことか。
(構成員)そのとおりである。今までの議論の部分で、支援の経路の問題であるとか財源の問題についてはここでは触れていない。これからの議論を踏まえて、それを含めて、それをパブコメ等の対象にするということである。
(構成員)これは最終的にはいつつくるのか。
(事務局)以前から申し上げているが、大体5月から6月にかけて何とか、ほかの検討会もそうだが、横並びで大体まとめたい。構成員が言われているように、財源だとか、その辺の問題が一番であるので、その辺を重点的に今後審議してということで考えている。
(構成員)この自助グループとかが4つに分けてあるが、あすの会というのがどの位置づけかなというのもある。あすの会は自助グループとは思っていない、政策提言集団だと思っている。、できたらこの3のその中にというか、そういう形で何か取り上げていただけたらありがたい。全国的な法律立案という形で活動しているので、ぜひご理解いただきたい。
あすの会を個別視する必要はないが、そういうことをできる被害者の団体があれば、そういう形でということである。あすの会の名前にこだわらなくていい。そういうことを考えていく団体ということでご理解ください。
(構成員)ここでは、その他の団体という扱いで、非常にご不満もあるかもしれないが、その点は検討する。
(構成員)今日、大分私の方からも申し上げたが、これについてもやはり同じ問題を指摘できると思う。早期援助団体と目指す団体という切り口で書かれているが、少なくともここに書かれているような、さっきも言ったが、相談員であるとか直接支援員のところをさらにというふうな形であれば、せっかく提言を出しても何も今と変わらないということになるのではないかと思う。むしろここに書かれているが、民間のいろいろな被害者支援団体として常勤職員の確保が困難とか、もっと一般的に犯罪被害者団体として困っている部分があるという認識があるのであれば、やはり基本法を所管する立場で、しかるべき機関が支援のことを考えていくという方が、もっと支援の充実が図られるのではないかと思う。
(構成員)私案については、本当に今までの議論を非常によくまとめていただいて、逆にこれに従って議論を進めた方がよくわかるのかなと思ったが、ここで何を決めていかなければいけないかということに若干関係あると思うが、資金とか財源ということについて、ここで議論できる範囲というのがあるかと思う。結局それは、経済的な検討会のところにかなりゆだねられてしまうところがあるのかと思う。そうすると、逆に言うと、そちらの方に向かって、こちらがこういうふうな仕組みを考えたいからこういうことを検討してほしいというような形に持っていく方がいいのだろうと思う。ここで検討していかなければならない一番大きなことは、財源がどこから出るかということもあるが、どういう支援に対してどのような形で補助をするか、一番最たる問題は、全国被害者支援ネットワーク及び早期支援団体と他の民間団体を分けて支援をするような形にするのかということと、何に対して支援をするのかという、この2点なのかと思う。この2点がある程度決まると、どのような形で、どこから出すのかということがおのずと決まってくるのではないかと思うので、今後の議論については、そういった点をご考慮いただけたらと思う。
(構成員)今日の私の案についてご意見がある場合は、2月16日まで、事務局へ文書で意見を提出していただきたい。
(構成員)その2月16日というのはどういう意味合いがあるのか。これからまた議論をして追加していくということなのに、これについて2月16日まで文書で意見というのはどういうことなのか、教えていただきたい。
(構成員)これは今までの議論したまとめなので、これについて、この段階でとにかくまとめたいということである。
(構成員)そもそも方向性が。
(構成員)方向性が全然違う主張が今日かなり出ているのに、これをベースに進めていくというのは、ちょっと違うのではないか。
(構成員)これは、私が今までここで出てきた議論を、こういうことだろうなということでまとめたつもりであるが、これを含めて、これに従ってやるのはいかがなものかというご意見があるので、その点も含めて、ご意見を改めていただきたい。
(構成員)2月16日というのは、その後どこかに提出とか公表するとか、そういうことなのか。
(事務局)私案は、この検討会でずっと論点をまとめてきて、順番にやってきて、どういう活動を重点に支援するのがいいのだろうかとか、団体別にやはり少しずつ支援の仕方が違うのではないだろうかというところをまとめさせていただいたものであるが、確かにこれだけではなかなかかもしれないが、今日、あるいは今後の議論を踏まえて、経路だとか基金の妥当性とか、そういうものになるわけであるから、とりあえずこれまでのところで、そういう団体をこういうふうに分けて、こういう方向で支援をしたらどうか、あるいは特に検証可能なそういうことが必要ではないかとか、いろいろ細かいこともあるが、そういうことについてのご意見を賜ればと思う。次回が3月12日になっているので、3月12日の段階では、今日のご議論も踏まえて経路等についての一応の考え方も何か示したいと、そういう順番で考えているものであるから、16日という一応のめどである。要するに、ここの取りまとめているところの範囲内で何か特にご意見があればいただければということで、事前にお見せしているものであるが、それ以外にももちろん、また今日ご議論があったようなことでも、大事ではないかとか、寄せていただければありがたいという趣旨である。
(構成員)予定した時間を若干過ぎているが、予定した議論は以上である。今日の意見と、ちょうだいする意見を踏まえて、もう一度整理し直して、次回のときにお示ししたい。これで第8回の民間団体への援助に関する検討会を終了する。

○次回検討会は、3月12日開催予定

(以上)



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