支援のための連携に関する検討会(第7回)概要
日時: | 平成18年12月11日(月)13:00~15:00 |
場所: | 合同庁舎4号館 共用第2特別会議室 |
出席者: | |
座長 | 長井 進 | 常磐大学大学院被害者学研究科教授 |
小西 聖子 | 武蔵野大学人間関係学部教授 |
高井 康行 | 弁護士 |
本村 洋 | 全国犯罪被害者の会幹事 |
山上 皓 | 東京医科歯科大学難治疾患研究所教授 |
荒木 二郎 | 内閣府犯罪被害者等施策推進室長 |
小田部耕治 | 警察庁給与厚生課犯罪被害者対策室長 |
代理 | 荻野 剛 | 総務省自治行政局自治政策課理事官 |
井上 宏 | 法務省大臣官房司法法制部司法法制課長 |
木岡 保雅 | 文部科学省初等中等教育局児童生徒課長 |
北村 彰 | 厚生労働省参事官(社会保障担当参事官室長併任) |
依田 晶男 | 国土交通省住宅局住宅政策課長 |
(議事概要)
1.「犯罪被害者等の支援に携わる関係機関・団体の連携に関する現状把握調査」(連携調査)について
前回合同会合において、中間報告を行った、「犯罪被害者等の支援に携わる関係機関・団体の連携に関する現状把握調査」(連携調査)について、最終結果報告を行った。主な意見等は、以下のとおり。
- 関係機関・団体の回収率は、各機関・団体の認識や連携の実態を表していると思う。
- 調査結果からも、既存のネットワークを更に充実することが重要であることがわかる。
- 犯罪被害者等支援において、都道府県や市区町村の果たす役割は大きいので、都道府県や市区町村の認識を高める必要がある。
- 支援に際し、各機関・団体において、紹介先機関・団体へ提供する情報が異なるため、うまく連携がなされていないのだから、関係機関・団体間において、提供する情報の内容を統一化する必要がある。
2.「更なるネットワークの構築(既存のネットワークの拡充、連携強化方策)」について
どの関係機関・団体等を起点としても、必要な情報提供・支援等を途切れることなく受けることのできる体制作りのための提言案について、事務局案に基づき、具体的で実現可能な方策を議論した。主な意見等は、以下のとおり。
- 提言案の前文部分は、二次的被害が強調されすぎている。二次的被害の防止も重要だが、関係機関・団体の連携の重要性をもう少し盛り込むべきである。
- まず連携ネットワークの整備(強化、充実)を冒頭に持ってくるべきである。
- 「犯罪被害者支援ハンドブック」の作成は、関係機関・団体の連携を密にするためには重要な施策である。
- 都道府県や市区町村が実際にハンドブックを作成する際の参考となるよう、国として詳細なモデル案を作成すべきである。
- 都道府県や市区町村がハンドブックを作成するための費用に関し、どこが財政的な援助を行うのか。
- 被害者においても、受けられる支援に関する情報を認識することができるよう、ハンドブックの内容を広く周知すべきである。
- 法テラスでは関係機関・団体をデータベース化しており、今年度末にHPで公表する予定である。当該データベースをハンドブック作成の際に活用してはどうか。
- 自治体の規模によって、犯罪被害者等からの相談件数が異なるため、相談件数がほとんどないような自治体でもハンドブックが必要かなど、全ての基礎的自治体においてハンドブックが必要か検討すべきである。
- 実際に支援に携わる者のことを考えると、紹介先の関係機関・団体へ提供する犯罪被害者等に関する情報の内容について、統一のガイドラインがあると、適切に情報を伝達しやすくなると思う。
- 被害者は何度も同じ説明をしたくない。「被害者カード」に基本的な情報を盛り込むことができれば、被害者にとっては有益である。
- 「被害者カード」は被害を証明するものなのか、被害者の被害に関する説明を提示するものなのか。また、どこが発行するのか。犯罪被害者等に関する情報の中には保秘の要請が特に強いものもあり、紹介先機関によっても伝達できる範囲が違うなど、個別に考える必要性が大きいことから、統一的なカードの作成は慎重に行うべきである。
- 「被害者カード」に全国統一的に一律に詳細な情報を盛り込むことは困難であるため、支援を行うに当たって必要な最低限の情報に絞るべきである。
- 民間支援団体には一定の倫理綱領が必要であるが、様々な関係機関・団体において、一律の倫理綱領を課すことは難しい。
- 倫理綱領と呼ぶかは別として、支援に携わる者の心構えや支援に際しての留意点について、ハンドブックに盛り込んだり、研修に盛り込む必要はある。
3.その他
次回の検討会は、来年1月下旬を予定し、引き続き、更なるネットワークの構築について議論するとともに、民間団体で支援を行う者の研修やコーディネーター等の育成について議論する。