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犯罪被害者等施策
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経済的支援に関する検討会(第7回)議事要旨


(開催要領)

日時:平成18年9月26日(火)15時00分~17時46分
場所:合同庁舎4号館共用第4特別会議室
出席者:
座長國松 孝次(財)犯罪被害救済基金常務理事
座長代理瀬川 晃同志社大学法学部教授
構成員飛鳥井 望(財)東京都医学研究機構東京都精神医学総合研究所参事研究員
大久保 恵美子(社)被害者支援都民センター理事兼事務局長
白井 孝一弁護士
高橋 シズヱ地下鉄サリン事件被害者の会代表世話人
平井 紀夫元オムロン(株)特別顧問
荒木 二郎内閣府犯罪被害者等施策推進室長
中江 公人金融庁総務企画局総括審議官
片桐 裕警察庁長官官房総括審議官
三浦 守法務省大臣官房審議官
代理出席中野 雅之厚生労働省政策評価審議官
谷 みどり経済産業省商務情報政策局消費経済部長

(議事次第)

1.開会

2.論点整理

3.経済的支援制度のあるべき姿についての検討(2)

4.その他

5.閉会


(配布資料)

○論点整理関係資料
資料1論点整理関係資料
 1-1 経済的支援に関する検討会における検討事項[PDF形式:18KB]
 1-2 犯罪被害者等に対する給付例[PDF形式:115KB]
資料2カウンセリング関係資料
 2-1 飛鳥井構成員資料[PDF形式:74KB]
 2-2 大久保構成員資料[PDF形式:25KB]
 2-3 警察庁資料[PDF形式:31KB]
 2-4 厚生労働省資料[PDF形式:20KB]
 2-5 国土交通省資料[PDF形式:13KB]
 2-6 文部科学省資料[PDF形式:12KB]
資料3海外調査関係資料
 3-1 海外調査における聴取結果概要[PDF形式:20KB]
 3-2 法務総合研究所研究部報告 [1][PDF形式:275KB][2][PDF形式:338KB]
資料4内閣府資料
 4-1 平成19年度犯罪被害者等施策関係予算概算要求[PDF形式:71KB]
 4-2 収容等に係る諸費用等について[PDF形式:16KB]



(議事内容)

○ 海外調査について、概略以下のとおり報告がなされ、質疑応答が行われた。

(構成員) それでは、私の方からイギリス、フランス、ドイツの調査結果について報告したいと思う。資料3の海外調査関係資料に概要があるのでごらんいただきたい。
 この調査に当たり、皆様方、構成員からいろいろな質問事項もあって、それを集約する形で事務局で事前に質問等について準備いただき、訪問先を訪問した。私が感じたのは、ほとんどの訪問先が予定時間をオーバーするような形で可能な限りの説明をいただきと、また私どももあつかましくもいろいろな資料をいただきたいということで要望したが、どの訪問先もほとんど可能な限り努力するということで、そういう意味では膨大な資料もいただいてきた。したがって、今日のところは聞き取り調査した内容の中で、特に質問事項で重要な事項及び少し今までのと我々のヒアリングを通じて学んだことと少し異なるというか新しく知りえたい事項について、重点的に報告をしたいと思う。
 まず、イギリスであるが、内務省と犯罪被害補償審査会を訪問した。ヒアリングを通じて学んだように、イギリスについては、連帯共助の精神からの補償ということで、いわゆる障害等級別のタリフスキームと、そして逸失利益の補償と、さらに特別医療費の補償といったスキーム枠組みの補償であった。
 まず、テロの犯罪被害者と一般犯罪被害者との間における対応の差異ということについて尋ねた。基本的にはテロ被害者も一般犯罪被害者もこの犯罪被害補償制度については同じ対象内容の適用だということであったが、それとは別に、テロの被害者にはロンドン市長と赤十字によって「ロンドン爆弾テロの被害者を救済する慈善基金」が設立をされていて、そこから義援金が支給をされているということである。政府もこの基金に350万ポンド、約8億500万円を支出しているということである。
 この給付の内容については、この基金の委員会が決めるということであって、全くそういう意味では犯罪被害補償制度とは全く異なるということであった。内容的には重障害を受けた場合に約17万ポンド、3,910万円ぐらいまでの支給になる。また、配偶者をテロ被害で亡くした場合には、扶養する子どもの数によって異なるけれども、最高15万ポンド、約3,450万円まで支給されるということで、18年6月末までの支給額の累計が1,050万ポンド、約24億1,500万円となっているということである。
 この基金からの給付というのは犯罪被害者補償制度あるいは社会保障制度に基づく給付とは、併給調整されない、全く別個のものということであった。従来にない取り扱いであるわけだが、これはロンドン爆弾テロ事件が類例のない大規模なテロ行為で、自爆行為であったということを考慮して、政府の判断によってそのような取り扱いをしていするということであった。
 それから、国外の被害についてである。これについては、国外は対象外ということであるけれども、ここでもいわゆる基金の設立準備が進められているということであって、いわゆる会社とかあるいは個人とか更には政府が支出をして、そしてこのファンドを運営するという準備が現在進められているということであった。海外で事故に遭った場合には医療費や遺体運搬費のうち海外旅行保険でカバーできない部分についてこの基金から支払がなされるということで、いわゆる事故発生後一回のみで当座に必要な費用、お話ではとして約3,000ポンドから4,000ポンド、49万円から92万円ぐらいが払われる予定だということであった。
 それから、具体的な犯罪被害者補償制度の支給内容についての特に重要な質問の中で、最高額の50万ポンドは、約1億1,500万円になるが、どういう場合に支払われるのかということについては、2点の答えがあった。1つは、全身不随や植物人間になった場合ということで、大体いわゆる逸失利益がこの給付額のほとんどになるということで、毎年10名から20名程度がこの対象になっているということであった。
 もう1点は、揺さぶられっ子症候群によっていわゆる脳機能障害が残った場合ということで、この多くはいわゆる逸失利益と医療費などが非常に金額的に大きなものになってしまうということであるけれども、こういった症状の場合には成年である18歳までにこういった補償金を使い切ってしまう場合がほとんどだということでだった。、18歳以上になると一般と同様の社会保障制度の枠組みの中でいわゆる住宅とかあるいは介護サービスとかそういった幅広い支援サービスを受ける権利があるのでり、そういった支援を受けるということになっているということである。
 それから、もう1点は、犯罪被害者補償制度の中で遺族に5,500ポンド、126万5,000円ぐらいになるわけだが、これ以上支払われるという場合はどんな場合があるかということであるけれども、これはここ資料にあるように実の親あるいは生計主あるいは後見人がその犯罪被害によって死亡した場合ということで、扶養手当、養育費が支払われるということである。ただ、死亡した被害者の命が5,500ポンドなのかといったような批判もあるというようなことであった。しかし、このイギリスの補償制度では、死亡した被害者よりも生きている被害者に対する補償を優先すると、そのように考えているということであった。
 それから、もう1つは、年金方式で支払われている場合があるのかどうかということであるが、これについては年金方式での支払いは行っていないということであった。ただし、年金方式で支払われるケースが想定されるということで、2点の説明があった。これは補償制度からの年金方式の支給ではないわけであるが、1つは、信託という形で児童虐待のような被害者本人に補償することが加害者に利する場合にはその信託の受託者が分割して払うというようなことをしているということである。犯罪被害補償審査会は受託者に一括して支払うわけであるが、つまりソリシタ、弁護士を通じて被害者に信託した旨を連絡するという形の方式で支払われるということが1つは考えられるということである。
 もう1つは、いわゆる裁判所というか無能力者保護法廷による命令ということで、保護法廷の命令によって財産保全管理人を指名して支払うということである。かそこういうケースについてはが想定されるということであった。
 最後に仮給付であるが、これについても該当基準が存在して、それに基づいて支給されているということであった。申請から給付まで通常6か月から8か月を要する。その理由は、他の公的機関からの給付や警察からの回答というものを確認してから給付するということになるので、それなりの期間を要するのだというような説明であった。
 それと、この仮給付の質問の答えの中で、事件直後の支援については、当然のことながらイギリスにおいては医療費については無料の仕組みがある。また、給与についても28週までは補償されるのが一般的で、小企業においてもそういった給与の補償がなされている自営業、年金生活者の場合にはインカムサポート(生活保護)というシステムでカバーされているというような実態になっているのだという説明であった。
 イギリスは以上である。
 フランスについては司法省と補償基金に行った。ここでは最大の新しい発見ということであるが、があった。補償基金の沿革のところで書いたけれども、まず、この補償基金は1951年に交通事故の被害者に対するに関する補償業務というものを行うために組織化されたというものであった。て、その後1986年にテロ被害に対する補償、そして、91年には一般の犯罪被害者及び薬害エイズ被害者に対する補償、そして、2002年にはアスベスト被害者の補償業務という形で、いわゆる多くの補償業務を基金に委託されているということであった。この基金はそういう意味では民間組織であるということである。したがって、独立採算制ということでをとっており、いわゆる私的な法律の規制を受けるという組織であるということである。ただ、公の資金を管理しているために、経済財政省の指揮監督を受けているということではあったが、かなりそういう意味では自主的になというか、みずからの努力でこの基金を運営するということがなされている印象を受けた。それから、基金この財源であるが、これについては損害保険の保険料の一部と加害者からの求償、そして資金運用の運用益ということで、国からの交付金というものはないということであった。この3つの資金源で運営しているのんだということであった。フランスでは保険制度が発達していて、さまざまなリスクをみずから保険でカバーしているということで、カバーできない部分を連帯の精神で国が補てんしているのだという説明であった。
 それから、3つの国の中で最大の特色でもあったが、加害者への求償権の行使である。これについては職員が220名いるが、その中の20名が求償業務担当ということで、非常な努力をしていて、大体加害者が特定されている事案のうちで回収できたのが20%ということであった。具体的に加害者の3分の1が受刑者であるために、刑務所の会計担当官と相談するなどして確実に求償を行使するというか、そういうことを行っている努力をしているのだということであった。また、この補償基金の性格上、政府からすべての銀行口座に関する情報にアクセスできる、そういう権限も与えられているということ。あるいは、かなりITシステムというものを導入して求償の判断というものもITシステムを活用をしているということであった。
 それから、申請から給付までの期間であるけれども、そういう意味では非常に早期化というか、そこの短縮に努力をしているということであった。基本的にはテロと交通被害についてはこの補償基金が直接申請を受け付けて給付額を決定する。一般の犯罪被害者については補償委員会が申請を受け付けて給付を決定して、現実の給付はこの基金がするという仕組みになっているわけである。ここにオファー制度というものが導入され、この基金が具体的に被害者に補償金額をオファー(提示)して、被害者の同意が得られた場合には、司法官の追認を受ければ補償委員会の決定を待たずにて給付できるという形に仕組みが変わり、なった。従来は書類が基金に届いてから5、6か月かかっていたものが現在では最短で1か月から1か月半ぐらいで処理できるということでかなり短縮化されているということである。
 時効についてはここの資料にあるように、犯罪が起こってから3年以内か刑事上の裁判で有罪が確定した日から1年以内ということであった。
 最後にドイツである。連邦労働社会省とデュッセルドルフの援護庁を訪問した。重要な質問であるけれども、理念、そして犯罪被害者保護この制度の位置付けということについては、この犯罪被害補償というのは社会補償権制度というそういう制度の一環として位置付けられているということであって、これは国が権利を独占する能力があるにもかかわらず、国民の安全を守れなかったことによって補償を行うという考えであるということである。連帯という理念も併存するのかという質問をしたけれども、それについてはノーだということであった。あくまでもそういう国民の安全を守れなかった責任ということから補償をするものであるだということであった。
 この社会補償権という制度の内容であるが、4つあって、1つが戦争犠牲者、もう1つは軍務負傷を負った軍人、それから、この犯罪被害者、そして、旧東ドイツ等における政治的理由に基づく抑留者。この4つをそういう意味では社会保険制度とは別に社会補償権制度という仕組みで補償しているということであった。
 財源については税収のみということで、主に州が負担している。それは市民の安全を守る義務を負う警察の管轄が州であるということから、州が主に費用を負担しているということで、連邦政府は一部分を負担しているということである。
 それから、給付の内容であるが、これについてはヒアリングで説明があったけれども、3つの年金で構成されているということである。1つは、基本年金。所得に関係なく就業能力の低下に応じて毎月一定額が支給されるという基本年金。そして、2番目に、職業損害補てんということで、就業能力の低下による収入の減少を補てんする目的で、所得に応じて月額で給付されるということであって、この給付の額はいわゆる税込みの収入額から社会保険料とか税を控除したもの額の42.5%に相当する額が支給されるということである。、それがこの42.5%という説明がヒアリングでもお話があったが、それはそういう意味である。
 それから、調整年金であるが、これについては基本年金等を受給しても不足している生活費を補てんする目的で所得に応じて月額で給付されるということであって、る。これも詳しい表をいただいたけれども、就業能力の低下に応じて決められた額から現在の税込みの収入と資産による収入等々さまざまなその他の収入の額に応じて規定された額を控除した金額が支給されるということである。
 それから、リハビリテーション費用、介護費用、住宅改造費用、治療具、義肢・義足等は犯罪被害者補償から支給される。カウンセリングの費用については既に他の給付に含まれているということで、この制度からは支給されないということである。
 そして、他の公的制度からの給付との関係であるが、先ほど申し上げたように、この社会補償権制度は他の制度とは独立しているということであって、他の制度による給付との相殺はないということである。ただし、法的年金を算出する際には職業損害補てんと調整年金は収入に算入されるということである。
 最後に、時効ということで、これについてはなかなかいわゆる時効がはないという取り扱いについては非常に難しい点があるということであったけれども、。証拠というものがなかなかないというケースがあるわけで、これについてはそのような場合には被害者の口述記録で信頼に足れば証拠として採用しているということであった。デュッセルドルフ援護庁でも1952年の事件を実際に審査したということがあるということである。
 なお、ドイツではこの連邦労働社会省においてもデュッセルドルフ援護庁においても、現在の仕組みというかドイツの制度についての課題ということがいくつか話された。その中で、時間の関係もあるのでポイントだけ申し上げる。この社会補償権制度というものは戦争犠牲者のためにつくられた。戦争犠牲者は当時400万人いて、ほとんどが重度の障害によって職業生活を全く送れない場合が多いということであったわけであるが、犯罪被害者が置かれた状況と相当異なっている。また、対象者が1万5,000人ということ、。あるいは新しくPTSDなど新しい被害というかそういうものが生まれているということで、包括的な補償制度を犯罪被害者にこのまま適用すべきかどうかという点について問題認識を持っているということであった。
 それから、国外での犯罪被害を受けた場合にも補償すべきではないかということについては政治的な議論もあるということであった。しかしながら、先ほど申し上げたように、警察が市民を守ると、そのいう義務を果たさなかったから補償するという考え方の根幹にかかわる問題であるということであった。
 さらに、この年金について、例えばという話であったが、子どものころに虐待を受けて精神的外傷を負った場合に、一生涯年金を支払う意味があるのかどうか、それよりも就業できるようにまとまった金額を渡す方が意味があるのではないか、そういった問題もあるのだというようなご担当の説明であった。
 最後に、少しだけ私のこの調査を通じて感じたことを申し上げたいと思うが、。1つは、当然のことであるわけだが、この犯罪被害者支援制度の仕組みというものは、国家の諸制度と独立的に成り立っているわけではないわけであって、そういう意味で改めて社会保障制度あるいは福祉関連諸制度と密接にかかわっている、その中で理解をしていかなくてはならないというように感じたところである。
 そして、2点目には、どの国においても被害者補償制度の具体的運用に当たっては、常に犯罪被害者の立場に立って運用がなされている。これも当然といえば当然であるわけだが、その視点というのを極めて重視されているということを痛感した。特にテロに対する被害者補償というものは、被害者の立場に立って、そして迅速な補償ということに注力をされているということを強く感じたところである。
 最後にもう1点。先ほどドイツの例で申し上げたように、各国の補償制度もこの社会の変化への対応に直面しているということである。、いずれも見直しというか問題意識をもっており、そしてこれからそういう意味では改革というか、様々な改善を行っていくということになろうかと思う推測される。そういう意味では継続した各国の変化というものをとらえていく必要性というものを痛感したわけである。
 時間の関係もあるので、具体的な点については省略をさせていたく。以上である。
(事務局)本日はアメリカの調査をしていただいた「民間団体に対する援助に関する検討会」の冨田座長が所用により出席いただけないので、私の方からかわって報告をさせていただく。報告内容については冨田座長のご了解、確認を得ているものであるということを申し添える。詳細については、翻訳作業等終了後になると思うので、その点ご理解をお願いする。
 まず、本日の報告の骨子については、資料3-1の3ページに書かれている。今回の調査ではこの検討会に関係する事項の聴取先として、司法省司法プログラム局犯罪被害者対策室、OVC、それとニューヨーク州犯罪被害者委員会、CVBを訪問して聞き取り調査を実施した。
 主としてアメリカにおけるテロ犯罪被害者に対する対応と、経済的支援制度の財源について報告したいと思う。
 まず、テロ犯罪被害者に対する対応についてであるが、9.11テロ事件に対する対応は一般の犯罪による被害者はもちろん、9.11以外のテロ事件による被害者に対する対応と比べても相当特異な位置付けを有している。これは9.11テロ事件が4機という多くの航空機を多数の人が存在する建物に向けて墜落させるという前代未聞の形で行われたこと、それによって未曾有の数の被害者が発生したというこの事件の有する極めて特殊な側面によるところが大きいようである。
 9.11テロ事件に関する補償はOVCの所管外で行われるが、この根拠法令は「航空運輸安全安定化法」という法律になる。この法律は、2001年9月11日のテロ攻撃によってみずからも甚大な被害を被るとともに、機内持ち込み荷物のチェックなど、重い安全管理上の責任を有することから、多数の個人被害者に対して膨大な損害賠償を負わされるおそれの高かった航空会社に補償するために制定されたという特別の側面を持っている法津である。この法律に基づいて、テロ活動の被害者と認められた航空会社に対して最高で100億ドルが支給されるとともに、9.11テロ事件の航空機事故により負傷または死亡した個人に対する補償制度も設立されることになった。
 この補償制度は、先にも言ったようにOVCの所管外の制度であって、同一事件に対して受給資格のあるすべての付帯的補償制度によってもカバーできない部分について補償する最後の支払手段というアメリカにおける通常の犯罪被害者補償とは補償内容において大きく異なっている。ここで言うすべての付帯的補償制度というのは、犯人からの賠償、民間保険、社会補償、福祉制度など一切を含むということは既に冨田座長からのヒアリングで聞いていると思う。
 この補償制度の9.11テロ事件の補償制度の申請者は1人1件または遺族代表に限られ、通常に比して賠償並みという非常に手厚い補償を受けられるわけであるが、その反面で9.11テロ事件により被った被害に対して民事訴訟を起こす権利、これは航空会社に対するものも含んでいるわけであるけれども、それを放棄しなければならないということになる。これによって航空会社は莫大な賠償債務を免れるという側面があるわけである。なお、付帯的補償制度によります補償はそちらを優先して受けなければならないというわけではないが、受給した場合には金額の分だけ減額される対象となり、二重に受け取ることはでない。
 このように、9.11テロ事件に対する対応はアメリカにおける他のテロ事件に対する対応と比べてもかなり特殊なものと言うことができる。9.11テロ事件を除くと、国内におけるテロ犯罪被害者に対する対応は一般の犯罪被害者に対するものと異なるところはない。
 アメリカにおいては、テロ犯罪被害者について特別に対応しているもう1つのことがあって、これは国外におけるテロ犯罪被害に対する対応である。国外のテロ犯罪被害の被害者に対しては、これはOVCのプログラムの1つである国際テロ被害者費用補償制度というものが適用される。この制度に基づいて、国外で発生した国際テロ行為により心身の障害を被るまたは死亡した国民及び米国政府職員は受給資格のある費用について補償を申請することができる。もっとも、この制度によって補償の対象となる費用の範囲は、通常の国内犯罪に対する補償制度と基本的には異なるところはなく、付帯的補償制度によってカバーできない部分について補償する最後の手段という位置付けについても通常の犯罪の場合と同様である。したがって、通常の犯罪による被害者と大きく異なるのは、国外の犯罪でも補償制度の適用の対象になるという点ということになる。なお、他の付帯的補償制度から受給した金額はもちろん、被害を受けた国における補償制度から受給した金額、いずれも減額の対象となる。
 次に、経済的支援制度の財源についてである。VOCA、犯罪被害者法による補償の財源についてであるが、基本的には既にヒアリング、冨田座長から説明をいただいた内容のとおりであるが、犯罪被害者基金と各州が負担するということになる。基金、州ともいろいろな財源から資金を得ているが、州の圧倒的多数は犯罪者からの徴収を補償財源としており、大多数の州では制度の運用にも被害者に対する支給にも税金は使っていない。基金が罰金を財源にできる背景としては、我が国と異なり、アメリカではいわゆるホワイトカラー犯罪により莫大な額の罰金を徴収できているという事情がある。
 財源の確保のためにアメリカで行われている我が国には存在しない制度としては特別賦課金からと受刑者からの徴集が挙げられる。特別賦課金は対象となる犯罪者の罪種や徴収額等、州により若干異なるが、多くの州では重罪につき50ドル、軽犯罪につき25ドルといったように所定の罰金や料金を被害者補償基金に支払うように犯罪者に義務付けてある。それ以外では、罰金の特定割合をとったり罰金を上積みしたりする州があるようである。また、刑務作業で受刑者が得た賃金からの徴収を財源の1つとしている州も多く、変わったところでは刑務所内食堂の支出を押さえてその分を財源にしているという州が若干あるということである。そのほか保護観察や仮釈放中に社会奉仕活動等によって得た資金を補償財源に使っている州が1つある。
 ニューヨーク州の場合であるが、ニューヨーク州では基金から60%の援助、40%を州がみずから負担して制度を運営している。州の財源は罰金、特別課徴金、交通違反による過料、刑務作業にかかる収益からの徴収などといった加害者側から徴収したものがほとんどであって、なるべく納税者である被害者自身が納めているお金でもある、つまりは税金であるところの一般財源は使わないようにしているということであった。
 年間使用可能額に上限を設けているが、かなり高く設定しているため、通常であれば不足分を一般財源に求めるような事態にはならないということであった。
 次に、補償内容であるが、先ほど来から出ているように、アメリカにおける犯罪被害補償制度は、保険や社会保障制度や福祉制度を含む一切の付帯的補償制度によってカバーされずに個人負担となってしまった諸費用について、最後の手段として支払うという位置付けで行われていているものである。このため、他の付帯的補償制度があるのに犯罪被害者補償制度を受けようとすると、他の制度をまず利用するよう促されるということになるようである。補償対象となる費目は州により決められているが、主要な費目はほぼ全州同じであって、歯科を含む医療費、精神科のカウンセリング、犯罪にかかわる障害を理由に就労不能となった被害者の損失賃金・休業補償、殺人事件被害者の扶養家族に対する損失、葬儀埋葬費用などとなっている。
 日本の犯給制度のように費目を定めずに一括支給するのとは異なり、各費目ごとに定められた上限の範囲内で実費を積み上げて金額を算出して支給するというのが特徴である。
 ニューヨーク州ではCVDへの郵送または州内に3ヶ所あるCVD事務所に持参して申請を行うこととなるが、申請額の審査に際しては実際にかかった費用を証明するレシート等の必要な証拠書類を求められるということになる。CVDが提供する補償金、これはつまりニューヨーク州で行われている補償制度の補償金は、心理療法を含む医療費、それから所得の損失または殺人被害者家族の扶養に関する費用として週600ドル、大体月29万円ぐらいまでで、これが上限である。それから、総額の上限が3万ドル、これが大体360万円弱ということになって、単純計算すると50週間分、1年分に限られるということになる。また、被害者本人と、遺族のうちでは扶養されていた遺族に限られるというのが特徴である。
 それから、埋葬費に関しては6,000ドルまで、犯罪現場原状回復費用に関しては2,500ドルまで、引っ越し費用に関しては2,500ドルまでなどとなっている。
 医療費を除くと上限は総額で4万1,000ドル程度、つまりは500万円くらいということになる。これが上限ということになる。
 最後に課題であるが、何と言っても制度の財源となる資金調達に関して問題を抱えている州が非常に多いということが挙げられる。増え続ける被害者からのニーズに応え、大量の死傷者が出るような事件に備えるためにも、健全な水準に補償残高を維持しなければならないという課題はあるわけであるが、その一方で医療費は高騰を続けており、コスト増への対応に努めているものの、この課題は依然解決されないままの状況になっているとのことであった。
 アメリカの調査結果についての報告は以上である。
(構成員)あまり詳しくは後ほどということで結構であるけれども、イギリスで財源についての新しい動きというのはかなり具体化されているのかどうか。
あるいは従来のままというかそういう感じになっているのか、その点だけまず1点。
(構成員)財源ということであるが、私どものヒアリングでは先ほど説明したような新しい基金、そういう形で設けられている、これは政府の拠出金と民間その他の拠出金で行われているということであってるが、犯罪被害者補償制度の財源については基本的に今回のヒアリングの中では従来以上のものは得られていない。基本的には変わらないのではないかと思われるが。
(構成員)前に、構成員がここで報告されたときに刑罰賦課金のことを少し話したと思うけれども、この点についての動きはというかそういうものもまだないということのか。
それともある程度これは進んでいるのかということなのだが。
(構成員)刑罰賦課金で特に性犯罪を中心に新しい基金を運用されているという説明であった。て、基本的にはあの時ときの説明でも、刑罰賦課金を性犯罪被害者のを支援する組織に対する援助に使っているということについてはで、そういう方向だというお話だったので、基本的にはそういう意味では変わらないということだと思う。
(構成員)2つ教えてほしい。イギリスのところで、揺さぶられっ子症候群も支給対象となるとなっているけれども、これは例えば虐待などの場合を指しているのか、それともその他の犯罪によってたまたまこういう症状になったのかということと、ドイツでは社会の改革に伴って改善を行っていかなければいけないということであるが、構成員としてはどのように改善を行っていく方向に向いていると感じたのか、その点を教えてほしい。
(構成員)第1点目の揺さぶられっ子症候群というか、幼くして脳障害というケースについては、具体的にこういったケースでこのようになったなということではなくて、一般的にというか、ここに表現したような表現で、それ以上具体的な話は聞けていない。
 それから、ドイツであるけれども、これは本当にそういう意味では具体的にこういう方向でということをは私のもある程度の自分の予測というか、こんなことだろうということも含めて考えてみると、1つは、先ほどの年金制度のあり方、これについては現在連邦政府の方と、それと州の代表で話し合いをしているということであった。て、具体的に先ほど申し上げたようなケースで一時金の方がより望ましいのではないかというようなことを具体的に発言していたので、恐らくそういったことが具体的な政府と州の間で議論になっているのかなというように思う。そして、援護庁の方でもやはり最大は、先ほど申し上げたように、戦争被害者の数百万の被害者、その制度そのものをこの犯罪被害者に適用している。しかし、犯罪被害者の、例えば働き方とかあるいはまた被害の内容というものが時代とともに大きく変化してきている。したがって、ぜひその点を理解してほしいとこういったわけであるけれども、。また、そういう意味で考えると、より今日的ないろいろな課題というか犯罪被害者の現状というものを踏まえて適用できるようなというか、より犯罪被害者の現実に則した内容に変えていくべきではないかという問題意識を、これは連邦政府でも、そして援護庁でもそんな話が出たので、されていた。そんな話が出たので、そういう方向で検討されているのかなというように感じた次第ところである。以上である。
(構成員)いずれ詳しいご報告があるかと思うが、今日の報告の中にもでかなりいろいろな理解が鮮明になったように思うので、すごく貴重な調査だったという感じがする。それで、少し事務局も含めて、、構成員も含めてお聞きしたいのだけれども、行く前に考えていたというか従来の理解と、行って何かここは今までのかれた後の理解とは違っていたなというようなことがあったのかどうか。印象的なことで結構なので伺いたい。少し先ほどの報告にも含まれているようにも見えたし、いや、はっきりそこは言いにくかったのかもわからないけれども、もし感じることがあれば教えていただきたい。
(構成員)3点ばかりあって、1つは、これは各国の特にテロ被害についてであるが、ポリシーだという発言があった。つまり、かなり政治的、具体的な制度の適用ということではもう適用対応しきれないような事態に対してかなり政治的というか、政府の方針で対応すると。例えばドイツでも海外でテロの被害を受けた者に対し給付を行ったケースがあったが、これも政治的な判断により、補償制度の枠外で行われたと。イギリスのそういったテロに関する諸制度というかいろいろな支援もそういった動きであるので。
 そういう意味で制度の運営とともに、そういった新しい事態が発生したときにどのように被害者の立場でカバーしていくのかということが大変非常に前向きにとらえられているなというのが1つの印象である。
 それから、もう1つは、フランスの基金である。いわゆる政府の方は、むしろ理解しやすく言えば1つの保険会社があると思ってほしいと説明された。私どものに従来のヒアリングでは税金が基金に拠出されているということで、として1契約3.3ユーロで、税金として拠出されているという理解で行ったが、全く税金ではない、保険料なのんだということであった。確かに保険料で、各個人が契約する契約書類にそのことがきちんと書かれているということであった。そのことれをみんな認識しているのかと聞いたけれども、それは多分あまり契約のときにそこまで認識できているかどうか疑問もあるというような話もあったけれども。、かなり、先ほど申し上げた交通事故からいわゆる日本でのその他の関連制度全体が1つの基金として運用されている。これがまさに準民間組織というか、役員構成を見ると政府の方、そしていわゆる被害者支援の方というような形で構成されているようであるのでそういう意味では政府の考え方というものがこの基金に反映されるわけであるが、。実際にその運営をされているのは、本当に民間のような、いわゆるITシステムを導入していかに被害者に早く、そして正確に被害者の要望に応える望むことができるかという視点で努力をされているということであったて。例えば先ほど申し上げたような仮給付についても本当に驚くような努力で、あるいはまた求償権についても20%と申し上げたが、そういった努力でいわゆるを積み重ねて自主的に運営されているということについては大変な驚きであった。
 そして、3番目は、ドイツが最も補償については行き届いている、被害者にとっては非常に安定的だとこういうように思って訪問したわけであるが、それはそのとおりだと感じた。それはドイツのいわゆる医療制度あるいは年金制度等々を調べてもそれは非常に手厚い内容であるし、そしてこの被害者の支援制度についても手厚いわけであるけれども。。そこで先ほど申し上げたような具体的な被害者の立場というかあるいは現状から見て、実は課題があるのだということであった。、その点についてイギリス、私の印象ではイギリス、フランスよりもご担当の方から最後の説明の終わりで必ず援護庁の方でもそういう話があった。て、その点については私も改めてそういう現実的な問題を感じているのかということを改めて感じ確認した次第である。以上である。
(構成員)1つだけ私から質問であるが、フランスの場合はこの基金の財源は、例えば保険業であるとか加害者からの求償だとかで国からの交付金はないというようにお話になったが、最終的に足りなかった場合には国が出さざるを得ないのではないでだろうか。その点どうなのだろうか。
(構成員)その点については、いわゆる1契約3.3ユーロの保険料を基金へということであるが、この金額は以前から実はもうずっと3.3ユーロかというとそうではなくて、たしか私の記憶では数年前に3ユーロから数年前に3.3ユーロに変更されたと思う。えられたと。だから、理事会で実は毎年その基金運営上どういった内容がいいのか、つまり、3.3ユーロが妥当かどうかというのは実はことを議論をしているのんだということである。ただし、毎年議論をしているけれども、ここ数年その金額は変わっていないということであって、る。そういう意味ではつまり、財政事情によって1契約当たりの拠出金というかこれが変更される可能性はあるということである。財源は、あとはその求償からと、それから具体的に膨大な資金を実際に運営、いわゆる運用されており、その運用収益、この3つでということを言っていたので、そういう形で運営されているということであった。
(構成員)海外調査に行く前にロンドンテロのことについてということを私が聞いたこともあって、この慈善基金とか委員会とかできたその経緯についてもう少し聞きたいと思う。つまり、ロンドン市長と赤十字ということだったけれども、要するにこういうロンドン市となると公的機関というふうにとらえていいと思うのだけれども、そちらから自発的に救済をしなくてはいけないといって迅速にこういうものができたのか、それとも被害者側から押されて動いたのかという、そこら辺も少しお聞きしたいと思う。
(構成員)その点については先ほどポリシーと申し上げたが、ヒアリングでは2、3日後に市長と赤十字がチャリティの組織をという話があったので、いわゆる政治的な動きことが先行したと思います。そして後から国もそれを認めて拠出したと、2回に分けて拠出したということである。ので、そういう意味では被害者からのいろいろな要望に基づいてということではなかったように聞いた。

○ 経済的支援制度のあるべき姿の検討について
  前回検討会における質問事項について、概略以下のとおり説明と質疑応答が行われた。

(事務局)資料について若干説明を申し上げる。まず、資料1-1であるけれども、これは前回の検討会で座長案として配布した1枚紙、論点整理の資料であるけれども、これをもう少し中身をかみ砕いて事務局の方でとりまとめて3枚紙にしたものである。今後の検討に資していただければというふうに思う。
 それから、次の横の方になっているけれども、論点整理関係資料の1-2であるけれども、警察庁の方から具体的なモデルケースを想定してどれくらい出るのかというのを計算してみたらどうかということでつくってみたものである。1枚目だけ見ていただくと、これは子ども2人、専業主婦の奥さんという男性が殺されたという場合に、労災の適用があった場合、支給金が例えば378万円出るわけであるけれども、労災でなかったという場合には一時金の方は犯罪被害者給付の対象ということで1,200万円あまり出る。そのかわりと言っては何であるけれども、右の方を見ていただくと、労災の方は大変年金制度が充実をしている。それに引きかえ年金の方は労災の適用がない場合はあまり多くはないと、こういうことがわかるかと思う。以下、いろいろケースを変えて見やすい資料にしたつもりである。
 続いて、カウンセリング関係資料というふうに資料2であるけれども、これ実はカウンセリングとあまり関係のない資料も入っていて、まことに申しわけないが、資料2-1と2-2はそれぞれ飛鳥井構成員と大久保構成員からいただいた資料である。それぞれ中に「取扱い注意」あるいは「公表不可」とされているところがあるので、ホームページにはその部分は載せないようにしたいというふうに考えている。
 それから、カウンセリング関係資料の2-3-1であるけれども、警察庁の方から、まず2-3-1はカウンセリングの実態に関する警察庁からの資料、2-3-2というのが、これはカウンセリングとは直接の関係はない、前回質問のあった交通反則金の使途先に関する警察庁の資料である。
 資料2-4はカウンセリングに関する厚生労働省の資料。
 資料2-5であるけれども、これはカウンセリングとあまり関係ないが、国土交通省からの自賠責に関する資料である。
 資料2-6であるけれども、文部科学省からのカウンセリングに関する資料というふうになっている。
 それから、海外調査関係資料3ということで、先ほどヨーロッパ、アメリカについてご報告をいただいたけれども、その後ろにニュージーランドの法総研の資料をつけている。これは構成員の方からご要望があったので、ヒアリングをするのもなかなか難しいので一応つけておいたので参考にしていただければと思う。
 最後に内閣府の資料の4であるけれども、これはまず1つは、平成19年度の犯罪被害者施策関係予算概算要求ということで資料4-1であるが、19年度の予算要求被害者関係予算ということでとりまとめをしているので配布させていただいた。総額102億9,400万円ということで、前年度比14%プラスということである。経済支援に関する予算措置ということで、まだ検討中であるのでなかなか新しい新規の予算というのはないのだけれども、(3)の警察庁の方から犯罪被害者等に対する一時避難場所の借り上げ予算というものが新規に要求をされているということである。あとは細かいのがあって、一番後ろに内閣府資料4-2というのがあって、これはいわゆる加害者側にどれくらいかかっているかという費用の一覧表である。刑務所の収容等に要する諸費用ということで、トータル706億円余りということになっている。これも構成員の方から加害者と被害者でどのくらい違うのだろうという話があったので、一応まとめさせていただいた。ただし、被害者の側の方もDVだとか児童虐待の中の被害者施策分というのが切り分けができなかったり、あるいはどこまでを予算としてとらえるかという問題があるので、参考にしていただければということだと思う。以上である。
(構成員)まず、論点整理の資料であるが、前回の資料1-1をまとめて本日は資料1-1で論点整理関係資料があるが、こちらの方がよくまとまっているし、いずれにしても、皆さんからいただいた論点については全部ここに盛られているので、今後この資料1-1に基づいて議論を進めてまいりたいというように思う。
 なお、配布資料の関係は、本日はこれからカウンセリングの関係についてのご議論いただきたいが、資料の中にはそれ以外の資料も何点か入っているので、まずその問題について、警察庁からは交通反則金の使途等についての資料が出ている。何かご説明があるか。
(警察庁)反則金の使途についてのお尋ねが前回構成員からあったので、その調査結果をご報告いたしたいと思う。年間の反則金納付額は864億8,400万円余りという形になっている。これは昨年度実績であるけれども、18年度から制度が若干変わって、2枚目をごらんいただきたいのであるけれども、この反則金制度から一部外れたものがある。って、これが今年の6月1日から新聞等でも大分書いているけれども、新しい駐車対策法制が施行されて、これが反則金制度から外れてた。これはまた別の経理がなされるということになっている。
 状況は、その次のページ、色つきの図をつけているけれども、まず、反則金制度の取り締まりが行われるとそれが国の歳入になる、国に納付されるという形になる。これが特別会計にいっ一たん入って、そこで一定の事務手数料を控除した上で、ここに書いてある交通安全対策特別交付金という形で、都道府県と市町村に配付布される。これは交通事故の実態とかということを見ながら一定の指標に基づいて計算の上、配付布をするという形になるけれども、3分の2が都道府県、3分の1が市町村という形になっている。ここに入ったお金は、そこに書いているように、信号機とか道路標識表示、道路標示とかガードレールとかカーブミラーといった交通安全施設に使うということになっている。
 それから、次にもう1枚めくっていただいて、駐車対策法制の関係であるけれども、これが今年の6月1日から始まったわけであるが、そのうちの右の部分が新しい形になるけれども。駐車違反を犯して行って従来どおり反則金を納める場合には左の方の従来どおりの流れになるけれども、運転者が反則金を納めなかった場合には、車の使用者に対してこの放置違反金の納付というものを命じる。これを使用者が払うという形になるわけであるが、これについてはそこのフローチャートにもあるけれども、国ではなく都道府県の歳入になるということであって、使途は何ら限定をされないという形になるということである。こういった形で制度が変わったということである。
 あともう1点、資料はないけれども、若干の訂正と補足説明であるが、。自賠責関係で政府保障事業について、前回私が一部政府保障事業に一部一般会計から繰り入れられているという説明をしたけれども、もう少し具体的に細かく説明すると、。制度上と運用上の問題があって、制度上は政府保障事業に一般会計予算を繰り入れることができるのであるが、それは政府保障事業に要する事務的経費に充てるためのお金を繰り入れることができるということであって、る。したがって、実際に被害者に払われる補償金にはこの一般会計からはお金は補てんされていないということで、これは全部保険金からまかなわれるということである。ただし、運用上、今申し上げた事務経費の繰り入れということも当分の間行わないということでもって、現実には行われていないということであったた。以上である。
(構成員)自賠責の政府保障事業について、通常の自賠責保険と政府保障事業の運用上の相違であるとか最適化の相違について国土交通省から資料を提出いただいているが、何か補足的にご説明はあるか。
(国土交通省)資料2-5について簡単な説明資料を用意させていただいているが、自賠責保険と保障補償事業での運用上の違いについてご指摘をいただいていたのでお答えしたいと思う。
 1つ目は過失相殺の問題についての指摘であるが、自賠責保険においては年間120万件という莫大な量をスピーディーに処理するという要請から、被害者に重大な過失がある場合のみ過失減額するという制度運用を行っている。具体的には、70%未満の被害者過失は過失減額なしという形で全額てん補する、70%以上あるいは80、90%のときには一定の割合を減額すると、そういう制度であってて、これを重過失減額制度という。
 保障補償事業においては、加害者へのてん補と表裏一体のスキームとして実は加害者への求償という制度がついていて、したがって厳密な過失相殺を行っている。被害者の過失割合を甘くすると加害者の過失が厳しくなって、加害者への求償額が上がることになってしまう。そうすると、到底加害者の理解は得られないので、またその後訴訟とか和解をするときにとてももたないので、そこを判例等に基づいて過失減額していくという制度運用を行っている。
 しかしながら、本年6月に自賠制度のあり方懇談会というのが開かれて、政府保障事業も可能な限り自賠責保険に近い損害てん補を行うようにという指摘があって、現在政府保障事業の取り扱いの変更について自賠責とできたら同じような仕組みにできないかということで検討をしている最中である。
 それから、政府保障事業に仮払い制度がないという指摘があった。自賠責保険の場合は、ご案内のとおり、保険金から一定金額の仮渡しを求めることができるという仮渡し金制度というものがある。一方、政府保障事業の場合は自賠責保険のような仮払い制度はないが、実はその穴を埋めるような制度をつくってあって、自動車事故対策機構というのがあってにおいて、政府保障事業の保障金の一部のを無利子で立替貸付を行うという制度がつくってあるっている。
 1枚めくっていただいて、次に、政府保障事業の支払までの期間が長いというご指摘があった。自賠責保険の支払期間は平均で1カ月以内に支払われている。一方、政府の保障事業は平均で5カ月以内に支払うとこういう状況になっている。指摘のとおり、自賠責保険に比べると政府保障事業の支払までの期間が少し長いとこういう状況であるが、それでも毎年処理期間の短縮化を推進していて、今後とも迅速に処理していきたいというふうに思っているが、ただ、政府保障事業の特殊性というか、加害者に代わって被害者に立替払いをして被害者に代わって加害者に求償する、そういう制度であるので、いわゆる保険給付というような形の制度と若干性質が異なっていて、加害者支払額を控除するとか、他法令給付を除くとか、それからいろいろな事故調査等を行わなければならないということで若干時間がかかっている。特に無保険事故とか轢き逃げ事故というのは自動車心中とか窃盗団の事故だとかひったくりだとか当たり屋とか、どうしても事件性が高いという事故が多くて、そもそも保障事業に該当するかどうかとか、過失割合を決めるときに事故状況がどうかとか、刑事裁判の状況を横目でにらみながらどうしても審査しなければならないケースが多々あって、多少時間を要してしまうというこういうやむを得ない面があることをぜひご理解いただきたいと思う。いずれにしても処理期間の短縮化について、これは大きな我々のテーマだと思っているので、今後とも迅速化に努めていきたいというふうに考えている。以上である。
(構成員)1点だけ。まず国土交通省の方になのだけれども。、政府保障事業で一時立替貸付をされているということなのだけれどもが、これは貸付して、実は後になって被害者の方にかなり過失割合があって、いわゆる焦げ付きというか、必要以上に貸し付けてしまって、後で問題になったとかそういったような齟齬というのは出てきたことあるか。
(国土交通省)可能性としてはある。しかしながら、件数が割と少ないということと、そういう相談があったときにすぐ我々と調整できるように事務的な調整をやっているので、そういうことがないようにしている。
(構成員)わかりました。
 それから、もう1点、警察庁の方になんですけれども。だが、反則金収入があって、国庫に納められた後、交通安全対策に使われると。つまり、収入の要因と支出の要因が割と見合った特定交付金の制度があるということなのであるが、これはこういうふうに制度があるというのは、何か財政法上とか法的な規定というのは何かあるのか。こういうふうに使えるということ。
(警察庁)規定は、道路交通法の附付則にそういった規定があって、それに基づいて交付金を交付するという形になっている。法律に根拠があるということである。
(構成員)少し読み方を教えてもらいたいのだけれども、資料1-2ということなのだけれども。これ一番左の欄に、厚生年金対象とか対象が書いてあるが、あと横の方に見ていく場合、どういうふうに理解したらいいかちょっとわかりにくかったので、教えてもらいたいのだが。
(事務局)これは先ほど簡単に申し上げたけれども、労災に当たる場合、勤務中に被害に遭ったという場合には労災の対象になるので一番上で見ていく。交通事故に遭った場合には当然自賠責であるから自賠責でやると。勤務中でなかった場合に殺された場合は、これは労災ではないので、あるいは交通事故でもない場合は犯罪被害者給付の対象になる。そのときに、会社員で厚生年金に入っている場合と自営業者の場合、国民年金の場合とで若干、右側を見ていただくと、年金の額が違ってくるので、その2つを区別しているということである。
 下の2つの右側の方であるが、遺族基礎年金は同じように出るわけであるけれども、いわゆる2階建て部分の厚生年金、書けなかったので小さいのであれなのだが、会社の方で厚生年金の2階建て部分、この部分が年金として多少出ると、その違いがあるということを表現をしているということである。
(構成員)そうすると、もし国民年金だけの方はこの5万円と1,196万円と124万円が、その合計額が出ると。
(事務局)1,200万円というのは一時金であるから、犯罪被害者給付金として一時金として支払がなされると。プラス毎年遺族年金として120万円余りが国民年金の場合は出るということである。
(構成員)これは国民年金の場合。
(事務局)厚生年金の場合は毎年遺族の方に174万円出ると。
(構成員)それで、このモデルでは43歳で月平均月収40万円という方をモデルにしたわけであるけれども、これはもう少し例えば20歳代とか30歳代というような収入の低い金額の方の場合にはどうなるのかということも資料として示していただくことはできるか。
(事務局)それは可能であるけれども、基本的な考え方というかこのバランスというのは大体同じようなことになるのではないかと思うけれども。もし必要であれば作るのは全然やぶさかではないけれども。どういう場合が必要か。もう少し給料が低いような場合を想定しているのか。
(構成員)そうである。毎回私が名前を出してあれだけれども、A君のような場合は年齢低くして1級の障害になっているわけで。一時金で確かに金額は出たけれども。
(事務局)わかった
(構成員)また先ほどの国土交通省の方にお尋ねしたいのだけれども。政府保障の事業の場合、加害者への救済求償がなされているということであるが、こちらの検討会でも例えば民事訴訟を起こしても実際には加害者から支払ってもらえないので絵に描いた餅になりやすいということが何回か出ていると思うが、この自賠責に限ってはきちんと加害者は求償、どれくらいの率できちんと回収されているのかどうなのかというあたりを教えていただきたいと思う。
(国土交通省)実は少し難しい問題もあるが、過去からの無保険事故の累積債権額に対する累積の回収額ということでいくと、金額ベースで25%ほどということになる。これが多いかどうかというのはなかなか比較するものが実はなくて難しいところがあるのだが。基本的に政府保障事業でやっている場合は、無保険、無車検で走っている。そしておまけに場合によってはよくあるのが無免許、飲酒運転で事故を起こすと、そういうような加害者であるのでろくな支払能力、資力はないし、外国人も最近は非常に、感じとして多くなってきているということで、なかなか回収の方が上がらないというのが実態であある。
(構成員)資料4-2に関連してなのだけれども。懲役囚などが労役をして売上があった場合のその収入とかそういうものはどうなっているのかという。
(事務局)資料4-2の真ん中のところ。受刑者に対する作業報奨金20億円。
(構成員)それで、これはこれだけの経費がかかっているということなのだけれども。
(事務局)いえ、報奨金を出しているということである、受刑者に対して。
(構成員)受刑者に払っているということで。
(事務局)はい。
(構成員)それで、受刑者が働くことによって取引先から得られる売上というかそういうのがあるはずだと思うが、そういうのはないか。
(構成員)いろいろな契約の仕組み等々全体像もまだ今の段階でをここでご説明できる資料持ち合わせていないが、実際に例えばつくられたものをどこに売ってどういうふうにお金が入るというそういう流れはあり得ると思っている。
(構成員)その場合、要するにその収入の方の側がどれくらいあるかということ、トータルで年間。
(構成員)いずれにしても現在ここに資料を全く持ってきていないので、またこちらの方で調べてみる。

 経済的支援制度のあるべき姿について、前回検討会に引き続き、概略以下のとおり検討が行われた。

(構成員)私どもから出したのは資料2-3-1である。それで、資料2-3-1の別紙というのをごらんいただきたいと思う。横長のこういう資料であるけれどもが、これまで行われてきた状況である。これは警察庁から都道府県に対して補助金を出しているがので、ただ全県その補助金を予算化しているわけではない。予算化している県は一部であるけれども、そういうところを含めて実施状況をそこに記載をしている。
 上の段が部内、部内に私ども臨床心理士とかある程度カウンセリングができる者を抱えているので、その人間がやっている回数であるけれども、。これは当然に被害者の方から負担は求めていないということであるが、。お一人当たり平均すると、その右下の2.4回という形になっている。
 それ以外に部外の精神科医とかまた臨床心理士の方々にお願いをしてやっていただいているものが、その下の段であるけれども、平均回数1.3回であるが。それをごらんになってわかるように、回数の制限を規定上置いていないとか、また被害者等からの負担も求めていないという県点が大変に実際に多くなっているのであるけれども。ただ、その中身について申し上げると、少し中身的にはいろいろ各県ごとに格差があって、大変熱心にいろいろな医療方法、治療方法をやっている県とかもあるし、他方では臨床心理士の資格を持っていない、ある程度カウンセリングの経験のある者であるけれども、そういう者が電話とか面接でやっているものとか、いろいろ格差があって、る。一概にはなかなか申し上げられないけれども、基本的には回数制限がないとか負担をが求めていないという県が多くて、実際に相当な回数、お一人当たり相当な回数をやっている県も中にはあるということである。
(構成員)資料2-4である。まず、1番目の地下鉄サリン事件におけるこういうカウンセリング必要性の調査は実施していないし、また2のデータも把握していない。
 それから、3番目であるが、これについてはなかなか個々の事情が異なると思われるので、一律にどのようなものがふさわしいかはの答えはなかなか難しいわけであるが。診療報酬で見ている範囲は、次のページである。の問4でまとめている。代表的なものとして入院精神療法、それから通院精神療法、心身医学療法、それぞれ医師が行うものについて対象としているが、これについてはその次のページにあるように、の別紙にあるように、それぞれ一定の回数についてはの限度があるという形になっている。
 それから、問5であるが、この支払猶予に関しては特段法令上、手続上何も定められていないので、これは結局は個々の当事者間に委ねられている、当事者間の問題だということである。以上である。
(構成員)資料は2-6に臨床心理士等の数であるとかカウンセリングに支払われる報酬額について一定の回答がきておりますので、ご参照いただきたいと思う。
 このカウンセリングの必要性だとか有効性等については、飛鳥井構成員と大久保構成員から資料を頂戴している。大変わかりやすいというか、問題点のよくわかる資料である。これは皆さんもごらんいただいておると思うが、飛鳥井構成員、大久保構成員からこの資料について、何か補足的に説明することがあればお願いをしたいと思う。
(構成員)それでは、少し意見を補足させていただく。全部のことをダラダラと話はしない。
 問題点が2つあると思う。1つはこの問題を出した前提となることであるけれどもが、やはり基本法で犯罪被害を受けたことの心理的外傷による精神的被害への治療ケアを充実させるべきだということが、。もうこれは基本法で盛り込まれている。そこには裏にはやはり今の体制では充実していないということがあるわけであって、例えば警察庁でも早期カウンセリングは十分取り組まれている、あるいは当然保険内診療でもいろいろな精神科等の治療は受けられいてるのだけれどもが、それではやはり体制としては十分ではないということがあって、それで基本法の文言になっているのだと思う。実際海外では心理療法を含めた医療費の補てんがあったりとか、ドイツでもPTSD対策が課題になっているというふうな話もあるけれども、それは海外でも既にもう前例として取り組まれていることだと思う。それがは前提にあるとあって。
 もう1つは、いわゆる刑事政策上の不均衡というか、加害者と被害者とで若干の不均衡が生じているという事実もある。それは、例えば今年度法務省で性犯罪の加害者の改善指導プログラム等がやるけれども、これが取り組まれている。実際は内容的には認知行動療法に近いものなのだけれども。が、それに対して大体年間でたしか1億1,000万ぐらいか、それぐらいの国費が投入をされている。つまり、性犯罪の加害者の方についてはそれだけ、要するに処罰一辺倒はではもう無理なので手厚い指導プログラムというものが受けられるようになった。これは大変な進歩だと思う。明らかに進歩だと。
 しかし、被害者の方はどうかというと、相変わらずそういう同じ程度のプログラムを受けようと思うと1回何千円か払いなさい、東京ですだと1回1万円払いなさいという実情があるわけであって。そのためにそういうプログラムが受けられないと。これはやはり刑事政策上の不均衡的に見えるというような実態があるわけである。
 こういう2つのことがあってこの論点を出させていただいた。それで、回答もいろいろ書かせていただいたけれどもが、7ページの、表にまとめさせていただいた。て具体的イメージを恐おそらく持っていただいた方が話がわかりやすいかと思って表にまとめたものである。
 では、何らかのそういう専門性の高い心理療法と呼んでもカウンセリングと呼んでもいいけれども、そういうものを提供しようとする場合、やはり大きく医療型と非医療型に分かれるだろう。医療の枠内でやるか医療から外して行うかということでになる。医療機関でやる場合には、ただし現在の保険内診療でやった場合には多分医療機関はどこもペイしないので、実際には先ほど言ったような被害者が自費負担でかかっているという実情が多くある。これを給付しようとすると、保険適用外の自由診療に給付するという形になる。実施者は医師ないし臨床心理士。これであれば重傷病給付金の範囲で準じた手続で個別給付ができるのではないかといったようなことである。ただ、この問題は支援対策の範囲を超える問題としてPTSDに有効な治療法について認知行動療法のようなものを保険点数化するようなことが将来的にできるかどうかとか、あるいは混合診療の問題にかかってくるので、それについての運用上の問題をどういうふうにクリアするかといったようなことが出てくる。
 そういったような医療で行わないとなるとこれは非医療型ということになるけれども、これは医療機関外での心理面接ということになって、臨床心理士が主には行う。ただ、これは今国家資格化されていないので民間資格ということになる。これがアメリカなんかとは違うところで、アメリカはもう公的な認証を受けたカウンセラーに対して、そのカウンセリング費用に対して給付を行うということができるが、日本ではまだ民間資格であるから、それに対して個別に公的給付を行うということについてはかなりいろいろな問題が出てくるかと思う。そうすると、被害者支援センターだとか、例えば臨床心理士会等に各地域で手を上げてもらって、そこに委託をしたり補助金を出すということが具体的に考えられるだろうという問題。
 こういったA型、B型、あるいはさらに折衷したような案もあるかと思う。裏を見ていただいて、私の主張としては、今得られている情報で医療型の方にちょっとメリットがあるのではないかというように考えている。全国一律の制度利用が可能であるということと、非医療型の場合はも手上げ方式であるので、どうしてもすばらしいシステムをつくる地域もあるし、あるいはほとんど受け皿がないような地域も出てくるということで、かなりばらつきが出てくるということと。
 それから、臨床心理士は、が大都市ではいろいろな心理相談室というのがたくさんある、あるいは開業している心理療法士というのがいるけれども、地方に行くともうほとんどの臨床心理士は医療機関に所属をしているので、被害者にとって人材だとか実施機関、アクセスを考えると、やはり医療機関の中で行ってもらうものが利用しやすいという問題がある。
 それから、重傷病給付金と制度的に統合すると、何といってもいろいろ申請とか認定といったような手続が一本で済むので、新しい制度になってまたそこで申請し認定を受けて申請を受けて給付を受けなければいけないというと、またこれ被害者に新たな負担を強いることになると。だから、同じ理由で事務作業量としても新制度でさらにまた時間的、経済的コストがをかかけるということを考えれば、犯給法の中で一本の申請・認定作業から給付作業まで一本化することで重複を避けるというふうなメリットがあるけれども。しかし、この医療型の場合はクリアすべき2つの大きな問題がある。これも小さくない問題である。
 1つは、保険適用外の自由診療に公的給付を行う、その根拠と妥当性はやはりしっかりいるということで、それをどういうふうにクリアしていくかということと。それから、これは例えば厚生労働省の方にとって大きな問題になると思うが、混合診療に引っかかってくるのではないか。これを保険診療と自由診療、同じ医療機関で薬も出した、片方で臨床心理士の人が自由診療でカウンセリングもした。これは混合診療の問題に引っかかってくるので、そこをどういうふうにクリアできるような運用方法があるのかということがあってある。、これが実はちょっとあまり小さくはない、大きな問題で頭が痛いところなのだと思う。ただし、それを省けば医療型にはメリットがあるけれども。
 ということで、案としては医療型でも非医療型でも何らかの形で心理療法あるいはカウンセリングに対して、早期カウンセリングの後のそういう精神的なケアに対して給付が受けられるようになるというのは大きな前進だと思うのでぜひ実現していただきたいと思うけれどもが、具体的にはこういったような問題があって、各構成員の方のご意見も伺って何とか方策はないかと考えているところである。以上である。
(構成員)事例についてはまた読んでいただければカウンセリングが必要なケースはかなりあるし、なかなか途中でやめてしまうような場合にも経済的な問題が1番。次には、やはり適切なカウンセリングを受けることができない。それは今、構成員の方からのお話の中にも少し含まれていたかと思って、なかなかそういう国家資格にもなっていない中で、同じ臨床心理士さんにかかってもかえって悪化してしまって二次被害を受ける、そういうこともあるということは言えるかと思う。
 私が出させていただいた資料の1ページを見ていただけるとよろしいかと思うが。こちらの方には一応都民センターの方でカウンセリングが必要だと思われた事例を平成15年から17年まで少し洗い出しをして載せてみた。もちろん総件数はこの3年間では7,000件を超えているが、この中では一応こちらの方に書いてある被害別のケースとして2,138件を出してみた。その中でカウンセリングを必要としているというものは199件あった。当然例えばここに載っていない財産的な被害あるいはその他の事故に遭って精神的支援が必要だとしている方もたくさんいる。
 次には支援センターでカウンセリングを希望する理由の1つとして、支援センターでは例えば1回1万円というような形での支払というものはないので、あるいは無料というところもあるので、経済的な意味から支援センターで受けたいということを希望する方が多いし、なかなか自分で適切な機関を見つけることもできないということを言っている方もいた。
 あと、こちらの図として、カウンセリングを必要とする事例の場合、どういう被害別に多いのかということを資料1の図、ブルーと紫で出したものに載せてみた。これを見てみると、例えば殺人などの場合は168人中36名の、パーセントにすると21.4%であった。交通死亡事故については大体21.7%、性的被害については14%、そのほかだんだん低くなって、例えばストーカーであれば1.5%というような形で、重大な被害に遭った人たちがやはりカウンセリングを望んでいるということがこの表の中からわかった。
 全国に今40都道府県に42の被害者支援センターがあるが、そちらの方ではどのようなカウンセリングをしているのかということも合わせて少し調べてみた。それでは、有料の専門家というのは、実は支援センターの理事だとかあるいは専門の相談員というような立場にある人たちが支援センターで例えば1件いくらというような費用を負担してその理事あるいは相談員の方にお願いをしてあるというところが結構あった。
 支援センターによるカウンセリング費用の負担状況については3ページの図4のところを見ていただければ出ている。
 それと、出すのをうっかりしていて、今日机の上に配らせていただいた。費用の点について、白黒、都民センターはカラーコピーがないので白黒であるが、準備をしてきたので、これを見ていただくと大体1回の費用がどれくらいかかるのかというあたりがわかっていただけるかと思う。
 支援センターによっては、例えば1事例10万円というような上限を決めて、医療機関なりあるいは臨床心理士さんのいるようなクリニックなりにお願いをして、そしてそこからの請求によって支払をしている、そういうところもあった。ただ、それでも回数からすると四、五回ぐらい、それ以上になると後は自己負担でというような形になって、その後続かなくなるということを訴えている方もいる。
 支援センターもまだもう1つの検討会の方で民間支援団体への援助ということが検討されているように、支援センターそのものも財政的には大変脆弱な中にありながら、カウンセリングが必要な方がいればそのセンターがお金を出して理事さんをやっている臨床心理士さんとかに支払をするというような形になっているので、結構支援センターにも大変負担がかかっているという状況がわかっている。
 それと、4ページ以降はカウンセリングが必要な事例の中から幾つか代表的な形ということで出させていただいたので、また参考に見ていただければと思う。
 ただ、被害者支援センターにいると、実はカウンセリングというのは被害者支援のごくごく一部で、やはり被害に遭って破壊された日常生活を取り戻していくというところに視点を当ててこの経済的支援のあり方も考えていかなければいけないのではないかというように思っているので、これはごくごく一部で、あとはもっともっと幅広く経済的な支援というものを検討していっていただければと思っている。
(構成員)もちろん経済的支援、カウンセリングだけが問題でないのはそのとおりであるが。私などから見てみると、このカウンセリングの部分だけがどうも何か構成員のご指摘を待つまでもなく、今の犯罪被害者支援の中で少しレベルが低く押さえられている分野ではないのかなと思うので。これはひとつ今回のこの議論で経済的支援の枠内で何ができるかということをご議論いただく必要があるのかなと思っている。
(構成員)構成員にお聞きしたいのだけれども。被害者の方が法廷に行くとか検察庁に行くとかそういうような場合にボランティアの方の付添いだけではなくて、実際にそういう症状が非常に重篤で臨床心理士などの資格を持った方の付添いも必要とされるというような場合はないのだろうか。それから、構成員の資料で性被害の方々が非常にカウンセリングの要請が強いわけであるけれども、性被害の場合には被害申告率が非常に低いということで、実際にはまだ警察にも行けないけれども、そういうカウンセリングというか相談を受けたいというようなそういう方々もかなりいるのか、そこら辺を聞きたいのだけれども。
(構成員)まず1つ目の質問に対してであるが、一人で、例えば公判の場に立つあるいは公判に行くだけでも被告人の顔を見るだけで体が震えてしまうので行きたくても行けない、そういうような場合は支援センターとしては付添い支援ということをやっている。ただ、私は日本の被害者支援は外国をまず初めはまねをして始めたもので、どうしても被害者支援イコール話を聞く、傾聴というような形の部分があまりにも大きくとらえられているのだと思う。外国のボランティアというのは自分の専門職を自分の空いた時間に生かすというような形であるので、日本のボランティアとはやはり少し質の面で違うような気がするわけである。
 都民センターではボランティアセミナーをやって、毎年ボランティアを養成はしているけれども、よほど人柄がいい方であってもまたある程度被害者の方に直接接していただくようになるまでには3年とか4年かかる。公判に行くような緊張する場にボランティアでいいということは決して被害者のためにはなっていないと思う。だからこそ犯罪被害者等早期援助団体でもきちんと指定されるような犯罪被害相談員、きちんとした訓練を受けた方であれば、私は何も職種にはこだわらなくても、そういう方でも被害者支援はできると思う。かなりの訓練された方が必要だと思っている。
 それと、性被害の方については確かに相談電話の中でも警察にはまだ行きたくない、だけれども、とても混乱をしているのでと言われるので、当然面接をする必要性は感じるので一回は来ていただく。でも、その後、例えば今回の被害のことだけではなくて、それまで何か受けたトラウマなどがあると、それは支援センターは医療機関ではないので、きちんと時間をかけて専門的にかかわっていただけるような医療機関に紹介をするケースがある。今までも何ケースかお願いはしたが、そういう方の中にもやはり金銭的に続かないのでということでまた支援センターの方に連絡が入るが、支援センターとしましてもそこまでの力量も人材もないので、気にはなりながら今かかっているドクターからどこかをまた紹介をしてもらうような形になることも多いわけである。そういうあたりでは支援センターとしては大変無力感を感じるが、中途半端にはかえって関われないということも感じているので、それは問題だと思っている。
(構成員)構成員というよりむしろ構成員にお話をお聞きした方がよろしいのか。カウンセリング費用の支援をどういうようにやっていくかという問題になる場合に、1つは、早期支援団体がやっている支援段階からもっと継続的にやっていくということになる。その場合にニーズがどの程度あるのかというのが。継続治療の必要性である。これについてどういう実態になっているのかということについて。今、構成員の資料の中でカウンセリングを終了時点でのチェックリストのようなもの、評価をどの程度継続治療を必要としているのかというような概算データを得ることが可能であればそこでやればいいのではないかということがあるが。これは構成員などのやっいるようなセンターなどでそういった早期支援団体のカウンセリングから引き続いて継続治療が必要であるというようなことを示すようなデータというのはまず出てくるものであろうか。それが私の質問。
(構成員)資料1の図であらわしたように、重大な事件の場合はやはり継続的にずっと、都民センターでは「カウンセリング」という言い方はしないで「面接」という言い方をしているけれども、面接が必要な方というのは例えばご遺族の場合であれば3年、4年というような長きにわたりって必要だと感じている。ただ、初めのころは1週間に1回であっても、それから1カ月に1回、二、三カ月に1回あるいはもっと年数がたてば半年に1回というような形での支援は必要なものだと感じている。
(構成員)今ジャンルとしては疫学的な調査ということになのでなあるが、なかなか難しいものがあると思う。今、各県警の被害者支援室にもケースが上がってくるけれども、それはやはり現場の捜査官のフィルターがかかっている。そこでこぼれている。、やはり現場の捜査官が見たらこれは問題だというケースはが上がってくるけれども。1つは明らかにストレス症状関連のものがあったりとか、それからいろいろ精神的な問題があって上がってくるのであるが、最初の段階で自分があまりもう被害を受けたことを回避していたりとか感情麻痺などを起こしていると、もう結構、結構と言って一見元気に振る舞って援助を求めないということはPTSDの場合非常に多いものである。それから、早期の支援の時期を過ぎてしばらくしてからだんだんと感情麻痺などが取れてきて症状が出てくるという例も珍しくないので。必ずしも警察も早期カウンセリングで全部をきちっと拾えているかどうかというところには疑問は残る。
 したがって、本来一律に全部チェックリストを使って症状評価すればデータはとれるだろうけれども、なかなか現場の犯罪捜査のレベルでそういうことをするのはいろいろ問題もあるだろうし、ご本人の同意その他の問題が出てくるので難しいかとは思うけれども。ただ、今警察で、警察庁の方から先ほど報告があった各県警での早期カウンセリングを行っているので、それがおそ恐らく終了したぐらいのところで何かチェックリストのようなものを使ってどの程度まだ精神的なケアのニーズがあるかということについては概算のニーズの把握というのはできる可能性はあるかとは思っている。
(構成員)今のお尋ねの点については、先ほどご説明した資料の後に、資料でお配りをしているが、。警察の部内あるいは部外に委嘱してカウンセリングを行う。、これは数千件の単位であるわけだが、それについて現時点でその後どういうふうにすべきかという分析がきっちり行われているというわけではない。これは各県でも運用が大きく違っているということもある。ただ、現実の問題としてどのくらいの方を精神科医等に引き継いだかというのを数字をとってみたわけであるが、平成17年度中で46人とこういうことであった。警察で現実に動いたのはこのぐらいは出てきているとこういうことである。
(構成員)それから、先ほど既に構成員から問題として指摘をされているいわゆる医療型がメリットは多いのではないかということであるが、それがクリアしなければならない点が8ページに書いてある。保険適用外の自由診療に公的給付を行うことの根拠と妥当性ということで。もう1つはこの混合診療に当たらないという運用方法というのがあるのかどうかというか、この辺は直ちにはお答えできないかもしれないが。
(構成員)次回までに担当のところに。なかなかこれは難しい問題があると。
(構成員)これが実は悩ましいところであって。特に混合診療というのは大変大事だと思うので。
(構成員)規制改革絡みでも議論があるので。
(構成員)この構成員から出た2点について、何らかの厚生労働省としてのお立場を次回お示しいただけると思うので、担当の方に言っておいていただけるか。
(構成員)はい。
(構成員)今日は担当行政庁の意見は、担当の方が来ておられないので聞けないが、ここが一番の問題であろうと思う。
 先ほど構成員からあったように、何か一歩前へ出るということが必要なわけである。その辺のクリアができないとどういう制度設計をしたらいいのかちょっと見当がつかない。
 1つの質問であるが、非医療型というのはさっきもあったように、地域でばらつきが出てなかなか難しいと思うが、制度設計のやり方として、こちらでいけるというのは何かあるか。そういうばらつきなどを是正しながらやっていくという方法もあり得るのか。
(構成員)これだと、例えば国から半分、それぞれの自治体から半分ということで、自治体の財政事情、体力の問題もあってる。それから、実際には臨床心理士の方が中核になると思うが、臨床心理士の数なども各県によって大分ばらつきがあるので、やはり先ほど言ったように、もうすばらしいシステムをつくれるところと、もうほとんど維持するのが困難でどこも手を上げてくれるところがないといったような地域とで、これはなかなかこの格差を埋めていくのは難しいと思う。ただ、それを少しでも均等にしていくためには、それこそ5年、10年といったようなことが必要だと思う。そこら辺は医療型の方がまだ格差は少ないし、それからそういう大きな問題に、結局は今の臨床心理士の方は特に地方ではほとんど医療機関につながっているので、医療機関、自分の勤めているところでカウンセリングができればそれでもいいのだけれども、非医療型の場合はそのための心理室か何か、それもまた手当をしなければいけいないということで、全体のコストとしてはもう非医療型の方が大分かかるだろうなと思っている。コストパフォーマンスで見たら大分違ってくるだろうなと。
(構成員)それで、医療型でいった場合に、これを犯給法の中で一本化してできるということもご指摘があったが、これは警察庁の方としてはどういうお考えか。
(構成員)重傷病給付金に準じた手続というふうに資料には書かれていて、ご案内のとおり、現在の重傷病給付金は保険診療の対象になるというのが大前提で、それが標準的な適切な治療という前提に立っているわけであるけれども、基本的にはそこへ乗せていく方向がまずあるのだろうというふうに思う。
 仮に自由診療、保険診療の外のものを重傷病給付金に乗せるとすると、これは法律を変えればできると言えばできるのかもしれないが、通常の医療の外にあるものの中で、たくさんあると思うが、この部分はぜひ必要だという状況がやはり医学的にもあるいは実際のニーズの場面ででもそれなりのきちんとした裏づけができないとなかなか法律として制度化するというのはそう簡単なことではないのだろうと思う。その辺は、これは保険診療でいくとしてもあるいはそうでないとしてもかなり詰めていく必要があるだろうというふうには思う。
(構成員)それで、私の冒頭、意見というより基本法の精神をお話しさせていただいたけれども、。これは本当に調査しようと思うと大変な調査になる。どこまでの正確なデータというものが必要なのか。それならば、なぜ基本法は精神的外傷の治療ケアを充実しろということを出したのか、何を根拠にああいうことを出したのかということである。充実しなければいけないというコンセンサスは既にあるのだと思う。今からなぜ充実させなければいけないのかということを調査をしろというのは、本当にそこまで必要なのかどうか。実際海外ではもうそういうことが行われていることがあるわけで。
 私はこの対策としてはもちろんニーズの問題もあるし、果たして提供できるだけの人材はあるのか、有効性はどうなのかといった個々の議論はある。それは専門家としても1つ1つ努力すべきだと思うけれどもが、全体としてやはり明らかにそういったような必要性があるということがあるので、では、どうやって具体的に展開しようかということの大きな指針をここの検討会で出していただくのがここの役割なのかなというふうに考えているけれども。
(構成員)その場合に、全く何もないのは少し困るので、要するにそんな詳細な大調査をやらなかったらいけないようなことは必要ないだろうと思うが、どういう必要があるのかということは構成員の方の大体の現場を扱っておられる方が必要なんだというあたりでよろしいのかもしれないけれども。ある程度のデータがないと何か前へ進まない。
 それから、やはりそこをやや法律的には非常に面倒くさい話をしないといけないところがあるものだから、そこは少しある程度は必要なのかなと思う。とにかくまずは当検討会の方向としては基本法の精神にのっとってやるわけであるので。
(構成員)了解していて、そこで私のクリアすべき自由診療に公的給付を行うその根拠と妥当性、どの程度の根拠と妥当性がいるのかというのを逆にここで検討していただいて、では、何を調べてどういうデータを出せばいいのかということをむしろそういうことをご議論していただいた方がいいかと思う。
(構成員)私は、京都の被害者支援センターの関係しているわけであるが、基本的に先ほど構成員がおっしゃったようなことだと思うのだけれども。京都のケースでは、やはりだれが相談に乗るかということによって随分結果というか、異なってくると。それは、相談員の経験と質というかそういうものによっていわゆるカウンセリングが必要かどうかという判断も随分と異なるというか状況である。したがって、先ほど都民センター、全国のデータから見ても相談員が過半の相談を専門家よりもしているという実情があるわけであるので、そういう意味では私は経済的支援の枠内ではないかもわからないけれども、そこのいわゆる今でいう専門家でない相談員、トレーニングを受けていく相談員の質的レベルというか、これを同時に向上させていくということが被害者にとって最適のカウンセリングを受けることにつながるのではないかと。
 京都も10年近くの経験によって、こういうケースの場合どのカウンセラーあるいはこれはカウンセリングではなくて弁護士の問題だとかそういう判断がだんだんとできるようになってきたというような経験も考えると、被害者にとっての最適なカウンセリングというように考えた場合に、そういう全体の中でこのが質的に上がっていく中でより専門的なカウンセリングが必要な方は適切に受けられるという仕組みを考えていくことが大切ではないかというように考えた次第である。
(構成員)もちろんそのとおりであるが、問題は一種の早期支援団体なりその辺で、後で前裁きというかやるというのは非常に必要な、適切な前裁きをやるというのが必要になって。今これから我々が議論しないといけないのは、その後の専門性の非常に高いカウンセリング、ある程度資格のある保険外だけれども、かなりの専門性の高いカウンセリングをやる場合の費用をどうみていくのか、保険外だったらどうするのか、混合診療とどう違うかというそこのややこしい議論をしないと話が進まないところがある。
 その専門性の高いカウンセリングを受ける、それを受けさせるというか、受けていただくような仕組みというのは当然必要であるけれども、その場合の金の出方というか、それは経済的支援の枠内でどういうふうにやっていくのかというのが問題になってくるんだろうと思う。これを何とかクリアしないといけないということだと思う。
(構成員)その補償の対象なのだけれども、カウンセリングの場合の。直接の被害者の方ではなくてそのご家族の中とかそういう方も補償の対象、カウンセリングの費用を補償する場合にそういう方も必要になると思うので、それも考えておく必要があるのではないかと。
(構成員)都民センターなどもそういう被害者自身でなくて、親族というのもあるわけだね。
(構成員)ええ。かえって、例えば子どもさんが性被害を受けたというような場合はその親御さんのカウンセリングをするということが一番という場合もあるので、要望に合わせてこちらでそれが必要と判断した場合は適切な対応をしている。
(構成員)今、構成員が出されたお子さんが被害の場合は必ず親子でカウンセリングをするので、当然親も含まれる。それから、実際、「犯罪被害者等」と書いてあるけれども、遺族の方のためのカウンセリングというのも大きなニーズになっていることも確かである。
(構成員)実は、その上の医療費について、1年を超える医療費の自己負担分、今の犯給法の制限があるわけであるけれども、これについて、1年を超える医療費の自己負担分についても国が負担することになるのが妥当なのかどうか。言葉を変えると医療費の無料化ということなのだが。
(構成員)やはりその被害者の方がもとの生活にできる限り近づけるようにということであれば、医者がまだ治療が必要だと言っている限りは補償を継続すべきだというふうに思うけれども。
(構成員)これは現段階では例えば1年を何年にするかとかそういう考えを持っていない。やはりこの被害者給付なりあるいはこれに代わる制度かもしれないが、そういう制度をどういう考え方で組んでいくかというのと関わっている話なのだろうというふうに思う。
(構成員)地下鉄サリン事件の被害者の場合には、労災を受けられた被害者に関してはアフターケア制度というのがあって、いろいろな検査はしていただくけれども、その検査によって治療が必要だとなった場合に、それはやはり自分たちで医療機関に行って支払っているということなので。それは原因がやはり事件ということなので、そこら辺も補償していただければいいのではないかというふうには思っているけれども。
(構成員)あと重度の障害が出たときの介護費用であるとかリハビリ費用というのは障害者保健福祉施策でカバーされているわけであるが、それとは別に支給をする必要があるのかどうか、これも一種のエビデンスというか、こういう場合にはやはり支給すべきだというようなケースがあるかどうかということであるけれども。これは構成員の方で何かそういう事例というのは現場であるだろうか。障害者関係だと1割負担になるわけだが。
(構成員)今は新しい法律で1割負担で。
(構成員)それが払えない方とか。
(構成員)法律はできているけれども、新しい障害者自立支援法に基づいて一体どの程度のものをやっていただけるのかという具体的なことがわからないのである。それなので、被害者の方に聞いてもその専門のソーシャルワーカーの方に聞いても、ちょっと今のところまだ具体化していないのでと言われてしまう。
(構成員)それは多分きちんとまたこちらの方で相談を受けた中をもう一度きちっと調査みると多分あるのではないと思う。生活保護になってしまっている場合は無料だけれども、そうでもなくて市町村税が控除されているような対象の方たちも多いかと思うし。そういう方々もやはり1割負担ということは確かにかかってはくるので。
(構成員)そういう問題があるということ程度で。本当にそこに手を差し伸べなければならないようなケースが出てくるのかどうか、構成員から話があったように、自立支援法の方もまだこれからのところもあるのでよくわからない、経緯を見なければわからないというところがあるのかもしれない。
 通院費とか付添い費など、医療を受けることに付随する費用を国が負担すべきかどうかということがあって、これを負担すべきだというようなご意見も出ておったわけであるが。
 後遺障害を負った場合に要する費用、これは補装具費というのか、それとか環境整備費ということで車いすであるとか義肢などの補装具費。これもまた今の話に戻るけれども、新障害者保健福祉施策ということで、これはある程度現行でも出ることになるわけであるけれども、それを別に支給する必要があるものがあるかどうかということ。あるいはこれは住宅だとか自動車の改造費など、犯罪被害者にあってはそれが必要な場合もあるわけであるがが、そういうもののいわば一種の環境整備費で、これも障害者保健福祉施策とは別に支給する必要があるものがあるかどうかというようなことについて。
(構成員)ちょっとこれもわからないが、脳をやられて、おやじ狩りにやられて、それで感染症を併発されて、その感染を防止するためのいろいろなエプロンとかそういうものを買わなければならないとか、それからおしめとかそういうものも実はお願いしたいという意味である。そういう車いすとかという大物ばかりではなくて。そういう治療費でないけれども、いろいろ日常的にかかるものでお金が、日用品の自己負担というようなのがかかるものがある。そういうものも含めて言っているのだけれども。 (構成員)今言ったような割と細かなというか、必要だけれども細かなという問題がある場合、この取り扱いのあり方というのは2通りあると思う。1つは、そういうのを項目を抜き出して、例えば我々の意見の中に今のようなものは項目としてぜひいくらいくら補償していくべきであるという形で明確にしていく。項目的に1つの補償、支援をしなければならない項目としてやっていくというやり方が1つと。
 それから、そのほかにもいろいろと現在の犯罪被害者給付制度もそうだが、一時金的なものがある。一時金というのはどういう形で一時金の額を決めるかというと、積算根拠というか、何を根拠にしてその額が出てくるのだというのがあるわけである。そういうものの中に今言ったような点も組み込んで額を決めていく、いわば積算根拠の中に入れてしまうというやり方と、それを外へ出してやるという場合と2通り扱い方がある。
 だから、これからいろいろと議論するのでちょっとお伺いをしておきたいのは、今言ったような形で外に出さなければならないような費用というのは一体何があるのだろう。あまり細かいことまで全部挙げていくと大変なので、ある程度は一時金の中の積算根拠でやってしまうというかそういう取り扱いをするというものもあるんだろうと思う。
 お伺いしたいのは、被害者の立場からというか被害者の立場で考えた場合、この項目だけはきちんと外に、今言った外に出しておいてもらわないと困るというようなものは一体何があるのだろうかという点についてのご意見があれば、それがこの我々のこれからの議論の1つの方向を示してくれるのではないかなと思う。
 これは、将来いろいろここでどういう給付の内容を充実するのか、とにかく我々は充実するためにいろいろ議論しているわけであるから、充実するかといったときにどういう項目があるかということと、それは一時金というかそういう中で積算の中で考えればいいのではないかというものと、外へ出すのと。これは1つでき上がった制度の顔形にも絡んでくることで。だから、被害者のお立場として、これはやはり顔として外に出しておいてもらわないと困ると、何か腹の中に入っっているだけでは困るというのは何があるのか。その辺の区分け、それについてもちょっとご意見を言っていただかないという感じがしている。
(構成員)ほかの方の補償がどの程度実現できるのかともかかわってくると思う。例えば3級、2級、1級ぐらいの介護の必要な方については別に介護手当を、毎月毎月の介護手当を別に支給するようなそういう制度をとっているものもある。そういうような場合にはそういうふうに毎月支給されるものの中で支弁してもらいたいというような場合はいいのだけれども、今言ったようなずっともう毎月毎月、今私どもがお聞きした方はそういう費用が毎月毎月医療費とは全然別に1万2,000円とか2万円とかかるらしい。そうすると、それだけでも相当な。ご主人がそういう状態になってしまって最低限のものしかいただいていないところへもってきてそういうお金が毎月出ていくらしい。そうすると、それを一時金の中でもう払ったからそれで全部まかなってくれということもちょっと言えないのではないかと。毎月ランニングコストでかかってくるようなものは。
 だから、もしそういうふうに介護手当は別に支給するみたいなふうにやっていただけるのであれば、じゃあ、我慢しようかというような面もあるけれども。ほかの補償のものとも兼ね合うようなことにもなると思うけれども。
(構成員)結局そういうことにもなるのかもしれない。前回も自賠責並みというような議論が1つ出た。これはしっかり詰めないといけないと思うが、給付額がどの程度まで上がるのかということとの兼ね合いにはなってくるとは思う。
 ただ、この問題は先ほど申したように、1つの顔形という言い方はおかしいが、こういうものをきちっと手当しているということが外に出ているというのも意味があるのだろうと思う。だから、そういう観点からまた今日でなくて結構なので、後ほどどういうものをリストアップしたらその顔形がよくなるのかということについてのご意見も承ったらと思う。中に入れるか外に入れるかという問題だけではない問題もあるのではないかというふうに思う。
 ある程度どちらかというと非常に具体的なというか、個別の給付内容の問題にもなるが、この補装具、環境整備費、住宅とか自動車の改造、これは自動車改造費は地方公共団体によって出ているところもある。この辺も少し地方によってでこぼこがあるようだけれども、そういった問題も含めて今後その必要性というのを検討していただかなければならないというふうに思う。
 その他犯罪被害者、家族・遺族への給付というものについてのいろいろな論点が出ている。整理をすると、結局今私が言ったような話になるが、現行の犯罪被害者給付制度では個別の費用や損害を積算せずに、使途を限定しない一時金として給付しているところもあるわけであるが、個別の費用や損害を積算し、あるいは考慮すべき場合、その対象となるものは何だろうかという問題、いわゆる外出しの問題にもなるのではないかと思う。
 ここにあるのは、逸失利益、あるいは被害者及び介護者の休業補償、あるいは葬儀費用、あるいは慰謝料といったようなものが各構成員からのご意見の中に出ていた。
(構成員)一応私の方でこの休業補償を出しているのは、現在犯給法では後遺障害となったときにその後遺障害の障害給付金を出すというのと、それに重傷病で治療期間中の一部医療費を負担するというそういう形になっていると思うのだが、その後遺症として障害給付金をいただく前に、長期のそういう療養で仕事ができない場合の休業補償というものと別に、障害補償給付とは別に出していただきたいと、こういうことである。それは、死亡の場合も、それから被害者本人の方の場合も同様なわけである。例えばこの前言ったように、強盗殺人でご主人を失った方の場合でも、もうたちどころに生活に困っていて、生活保護も出ないということで生活が困っているわけである。そういうこともあって、一時金がすぐに出る場合にはいいけれども、一時金が障害の場合には障害等級が認定されるまでは一時金の補償金が出ないと、長期の療養を必要とするということでその期間中の休業補償をということになる。それで、死亡の場合も、これは仮給付の問題になるのかわからないけれども、死亡の場合もお店を休業状態にされてしまって全く収入が途絶えてしまうというようなそういうケースもあるから、そうした補償をどうするかということである。
(構成員)ご趣旨はそのように私も理解しているので、これは検討しなければいけない問題ではあると思う。ただ、一応一時金という考え方でいく場合、それが出ない場合どうするのということで、逸失利益とか休業補償とか葬儀費とかこういってくると、保険制度の中で処理するのであればそういうのも出てくるのであるが、犯罪被害者に対する支援という形で休業補償というのがどういう考えで入ってこれるのかというのはちょっとなかなか難しい問題があるんだろうと思う。保険と少し違うので。
 だから、その点、要するに考え方としては一時金がきちんと速やかに出るということであれば、今、構成員が言った問題点というのはかなり解決する面もあるだろうと思う。だから、その辺の外に出してというか、休業補償という概念の給付というか支援をこれからやっていくのかどうかという問題というのはなかなか難しい問題もあるのではないかと思う。
(構成員)治療するに従って症状も次第に軽快していくわけで、最終的には後遺障害として症状固定に残るのが比較的軽い場合もあるが、そこにいくまでの間、例えば6カ月間ぐらい全然仕事ができないと。その結果、ある程度療養した結果、後遺障害はなくなったとか、あるいは後遺障害があってもせいぜい14級ぐらいの程度で済んだというような場合があるが。そうすると、最終的に障害給付金で一時金としてもらっても、非常に少ないものしかもらえないわけである。自分が休んでいた期間の収入減よりもはるかに低い補償しか受けられないと、そういうこともあって。
 短い期間、10日や2週間ぐらいの短い期間のものであればいいけれども、6カ月とか1年とか長い療養期間になった場合には、やはりある程度休業補償金というものも障害補償給付とは別に考える必要も、そういう事例もあるのではないかと思う。
(構成員)それから、慰謝料というのは、これは実は理念の問題とも絡んできて、要するにドイツ流の国家賠償というような立場からいうと割とすんなり慰謝料というのは出てきやすいのであるが、そうでなくて社会連帯であるとかあるいは自立支援という立場からこの経済的支援をどうするのかということになると、慰謝料というその言葉の使い方、概念がちょっと出にくいところもある。
 だから、この辺も理念との絡みで議論していかなきゃいけないとは思うが、慰謝料というのを支給するという話になると当然理念の問題との絡みも出てくると思うので。この点は少し難しい問題が出てくると思う。
(構成員)私どももそれを検討したときに、やはり今の犯給法がやっているように、ある程度一律に金額を定めていくという方法が簡便だし、それからやはり被害者の方の事故前の事件前の収入の高によってあまり大きな開きが補償額で出てしまうというのも、これもまたなかなか国民の納得を得られないところではないかということで。そうすると、ある程度平均的に決めていかざるを得ないとなると、個別積算方式みたいにやると差が大きくなってしまうので、それで慰謝料金額を参考に、自賠責の場合の慰謝料金額というのは事故前の収入の高に関係なく等級で決まっているので。それで金額的にはそれを参考にしただけで、別に中身が慰謝料というわけで言っているわけではないわけない。
 だから、イギリスのように若干逸失利益も加味しながら、かつ、ある程度そんなに大きな差ができないで各等級ごとにある程度決まった金額ということになると、あまり細かく個別費目をやるというのはなかなか難しいのではないかと思ったわけであるけれども。
(構成員)要するに若干この一律支給の名目というか、慰謝料的支給というのがあっていいのではないかという、こういうご趣旨か。
(構成員)要するにあまり差が大きくならないで、かつ標準金額を自賠責並みにするにはどうしたらいいかということを工夫して、それならば慰謝料金額を参考にしたらいいのではないかと、中身が慰謝料というわけではなくて、そういう意味である。
(構成員)そういうご趣旨でいろいろとまた考えていく。
 今、犯給法の一時金の積算根拠は今言ったような、どのように考慮してやっているのか。
(構成員)犯給法の場合は基本的にはやはり収入とかを見てはいるが、ただ、どこまででも際限なく高くなるとか安くなるというふうにはならないように、上限と下限をつくってやる形をとっている。したがって、非常に貧しい人でも全然なくなってしまうとかそういうことは決して起こらないわけである。現在の形でベストかどうかはいろいろご議論があると思うけれども、それなりに今おっしったような趣旨、ある意味では一律の部分もあるし、ある意味では所得補償的なめりはりがつく部分もあると。それを両立させているつもりではあるということである。
(構成員)結局額の問題になってきてしまうのか、最終的には。
(構成員)やはり個別具体的なケースに当てはめてみて、納得できるような額になっているかどうかということで最後は判断するしかないと思う。
(構成員)話はそこへいってしまうのか。先ほどから何べんも繰り返すようであるが、どういう費目というものをこの障害者一時金などの外に出していくのかというのは、あるいは中に入れてしまうのか、今おっしゃる慰謝料的なものは要するに一時金の中身に積算根拠の中で考えてもらえばいいのではないかというようなご趣旨、それでよろしいわけか。
(構成員)そういう意味ではない。そういう意味で私たちの案であの金額を出したのはそういう慰謝料という意味で出しているわけではなく、その慰謝料の金額をとりあえず参考の金額として掲げたということなので。中身としてはやはり逸失利益的なものも含まれるということにはなると思うけれども。イギリスの場合のように完全にタリフスキームと逸失利益をまた別立てにして、それでしかも逸失利益の算定方法に上限を設けて平均賃金の1.5倍までを上限とするみたいな形で逸失利益の補償を別立てで加算するというような方式も考えられたわけだけれども。そうすると、やはりかなり金額が高くなってしまうので、一応1級から14級までということを前提にしながら、かつ金額を上げてもらうということにした場合の1つの参考基準としてそういうふうに出したということである。
(構成員)おっしゃっていることはよく理解できるし、非常に実際的なに補償が必要な場合があり得ると思う、実際にケースがあると思うけれども。先ほどから構成員がおっしゃっているように、新たな法律をつくるときには言ってみれば合理的な理由づけというか、あるいは法体系全体を崩さない前提というのは非常に必要なので、単に犯罪被害者に特化してというかその補償する部分でやれるだけの根拠というのはやはり示さないとなかなか難しいと思う。
 それで、慰謝料というものをそういう形で項目立ててやるということは、私は法律の仕組み家としては若干消極的であって、非常に難しい。必要ないという意味ではなくて、必要あるのだろうけれども、その算定の仕方とかそういうことを難しさも考えると、なかなか慰謝料というのを項目として出すことは難しいのではないか。構成員も今おっしゃっている意味は、それを実際質的に組み込んでほしいというような趣旨かと思うので、補償額の引き上げを目指しつつ、その中に組み込んでいくという努力をして、構成員のおっしゃるような実際の場面で、ケースでそういうことを救えるような体制を整えたらいいのではないかと。それも難しいかもわからないけれども、恐らく法律としてはそういう仕組みしかつくり得ないのではないか。慰謝料を全面に出してこれを補償するということについてはよりリスクを伴うというかマイナス面を伴うような気がする。
(構成員)現在、犯罪被害者等給付金は課税をされていないが、それ以外にも税制上犯罪被害者等優遇する措置を講ずる必要のあるものはあるかという設問に整理してあるが。
構成員からの給付金の非課税枠を設けるというご意見があったので、それをこういうふうな形にしているわけである。この点について、構成員の方から何か。非課税枠という趣旨をもうちょっとご説明いただくとありがたいのだが。
(構成員)結局被害によって、それ以前と同じだけの収入が得られなくなったりした場合に、やはりそこのところで税率というか、非課税にしていただきたいというようなことである。要するに収入は減るということで。
(構成員)その人が被害者の所得が減るので、そのものにかかる税金を特に被害者であるがゆえに少し軽減しろと、こういう趣旨か。
(構成員)そうである。
(構成員)実はこの給付金そのものには課税されなくても、収入と見なされるとその次の年、例えば保育所の保育料が上がったりとかいうこともあるので、そのあたりの改善をしていただくことがいいと思う。給付金はそのまま、そのときは課税はされなくてそのまま来る。でも、次の年になると、前の年にそれが収入としてあったということで、前年度の税金によって支払う額が変わってくるようなものが結構ある。一部負担金というものが。例えば保育料などもそうである。いくら税金を納めているかによって月々の保育料は違ってくる。
(構成員)少し私はそれについて認識が甘かったのかもしれないが、そういう問題があるわけで、それを。
 構成員の趣旨もそういうことか。非課税枠をしないと、所得が減って……。
(構成員)例えば通院とかで勤務時間が減ったりして、それがボーナスに影響したりとかというと全体の収入が減るということが、ということがある。
(構成員)それ減ったから税金も少し……。
(構成員)そうである。
(構成員)だから、これは一時金が税金あるないとかその問題とは少し違うわけで。
(構成員)もちろんそうである。その分に関しては、例えば損害賠償金も非課税で申告はするけれども、非課税になるということで。そういうことではない。
(構成員)先ほどの方の例であるけれども、事件が起きたのが11月だった。そうすると、その年はある程度の収入があるわけで、翌年収入が全然なくなってしまったにもかかわらず、前年度の収入実績で課税がなされてくる。それで、もう地方税を、国税の場合は予定納税についてはそういう場合には減免の申請ができるけれども、地方税の場合にはもうその実績でもって課せられてきてしまうことから、健康保険料とか、そういうことで、それだけでも何とかならないかと言われているけれども。
(構成員)それからこの前配布資料で9.11のご遺族の補償を受けたその補償金に関しても資料を入れさせていただいたけれども、1億何千万という補償を受けられた方が多いと思うけれども、それが日本に来たら亡くなった方のお金を遺族が相続したということで相続税が5割近くかかって。たまたまあれは日本の企業が間に入っていることがあって、そういう会社の方から税務署にお願いして、交渉してそれが、早く言えば日本で言えば損害賠償金なので非課税になったということがあるけれども。こういうことが今後起こると、一々それに対応していかなくてはならなくなるけれども。これはきちんと海外での補償を受けられた場合には、それはもう日本での損害賠償金と同じだから非課税というふうに一文あれば、そういう被害者はこのことに対して一々悩まないで済むというふうに思っている。
(構成員)カウンセリングのところで少し追加させて、厚生労働省の方に持ち帰ってご回答いただけるということで、ちょっと2点ほど注文があるのだが。
 1つは、やはりPTSD等に対する時間のかかるし専門性も高いカウンセリングなり心理療法なのだが、これを迅速に将来保険点数化していくためにはどういったような道筋があるのかということをぜひ何か教示していただければと思う。それから、先ほどの頭の痛い混合診療の問題であるが、これもまかりならぬというお返事だけではなくて、こういうふうな運用をすればその問題はクリアできるといったような何かサジェッションのようなものをぜひご回答のときにはご用意していただければと思う。それは私からのお願いである。よろしくお願いする。
(構成員)では、私も1つ厚生労働省の方にお願いをしたいのでだが。生活保護を受けるとき、クーラー等は最近持っても大丈夫ということになったということは聞いているが、車はだめだというように言われるわけである。でも、犯罪被害に遭った方というのは、例えば人ごみに出るのが怖い、電車、バスに乗れないということで大変苦しんでいるわけである。車だったら何とか外へ出れる、仕事にも行けるというときに、生活保護を受けるのであれば車をすぐに手放しなさいと、そう言われるとその方はもう生活ができないわけである。そういうあたり、特別な配慮というものは全く考えられないのか、それとも個別に対応していただけるのか。
(事務局)事務局から、前回の厚生労働省からの回答の中で、前回の資料9に生活保護との関連が出ていて、自動車は原則は認めていないけれども、そういう障害者の通院や通学とかそういうものに必要だというときには実施機関が判断するときはその保有を認めても差し支えないと、こういう回答が厚生労働省から来ているので、よろしくお願いしたいと思う。
(構成員)今そのことで大変悩んでいて、今その担当のところへ行かなければと思っているので。わかった、そのことを聞いて。


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