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警察庁ホーム > 犯罪被害者等施策 > もっと詳しく知りたい:犯罪被害者等施策推進会議等 > 各検討会の開催状況 > 経済的支援に関する検討会 > 第16回議事要旨

経済的支援に関する検討会(第16回)


(開催要領)

日時:平成19年5月16日(月)15時~16時35分
場所:中央合同庁舎第4号館 共用第2特別会議室
出席者:
座長國松 孝次(財)犯罪被害救済基金常務理事
座長代理瀬川 晃同志社大学法学部教授
構成員飛鳥井 望(財)東京都医学研究機構東京都精神医学総合研究所参事研究員
岩村 正彦東京大学大学院法学政治学研究科教授
大久保 恵美子(社)被害者支援都民センター理事兼事務局長
佐々木 知子帝京大学教授、弁護士
白井 孝一弁護士
高橋 シズヱ地下鉄サリン事件被害者の会代表世話人
平井 紀夫元オムロン(株)特別顧問
荒木 二郎内閣府犯罪被害者等施策推進室長
巽 高英警察庁長官官房総括審議官
三浦 守法務省大臣官房審議官
代理出席振角 秀行金融庁総務企画局参事官
中野 雅之厚生労働省政策評価審議官
安井 正也経済産業省商務情報政策局消費経済政策課長
説明者吉田 和史国土交通省自動車交通局保障課企画係長

(議事次第)

1.開会

2.経済支援制度のあるべき姿についての検討(11)

3.その他

4.閉会


(配布資料)

資料1 中間とりまとめ叩き台資料  [PDF形式:35KB]
資料2 内閣府資料  [PDF形式:14KB]
資料3 大久保構成員資料  [PDF形式:28KB]
資料4 平井構成員資料  [PDF形式:13KB]
資料5 法務省資料  [PDF形式:14KB]


○経済的支援制度のあるべき姿の検討について
 概略以下のとおり議論が行われた。
(事務局) 議事次第にあるように、本日は、前回に引き続き、構成員の私案をもとに、経済的支援のあるべき姿の中間とりまとめに向けて、できれば最終調整ということでよろしくお願いしたい。
(構成員) それでは、ただいま事務局から説明のあったように議事を進める。
経済的支援制度のあるべき姿についての検討に進みたい。何点か資料がありますので、事務局から御説明をお願いします。
(事務局) 資料の1であるが、構成員私案として作成された中間とりまとめの叩き台である。前回と同様に、青と朱書きでそれぞれ修正がなされており、後ほど構成員の方から御説明をいただくことにしている。
それから、資料の2であるけれども、これも事前に配付をしているが、中間とりまとめの叩き台の「第1 はじめに」のところで用いている「自助・共助・公助」の用語について、関係の資料をつけさせていただいた。
それから、資料3から資料5については、資料1の構成員私案に対して、構成員から提出された意見に関する資料である。叩き台の検討の中で、それぞれ御発言を賜れればと思っている。
それから、構成員の方からパンフレットが提出されているので、お読みをいただければと思う。
(構成員) それでは、本日の検討に入る。
資料1のたたき台に沿って検討を進めていく。朱書きと青書きがあるが、これは前回以降の検討を踏まえて修文をしたものであるけれども、朱書きでの修正の部分というのは、構成員の皆様から御意見をいただくために、5月7日に事前に配付した5月7日配付版というのがあると思うが、それと同じものである。更にそれに加えて青書きの部分があるが、これは朱書きの修正文に対して、その後いろいろな御意見を頂戴した。それを踏まえて、更に、いわば新しい修文部分が青で示されているというように御理解いただきたいと思うが、この青色部分のとりまとめにずいぶん時間がかかってしまい、本当に直前の配付となり恐縮であるが、御了解をいただきたい。
それでは、順を追って検討を始めたい。
まず、「第1 はじめに」という前書きの部分がある。ここでは、朱書きの部分、5月7日にも配付した部分であるが、これはいわば細かな、「てにをは」的なものを直しているだけで、内容を変えるものではない。ただ、ここの部分について、構成員から事前に何点か御意見が出ているので、構成員から御発言をお願いしたい。
(構成員) 「はじめに」という部分で、ここの部分で余り細かい部分に触れるということなく、例えば今までのプロセスであるとか、それを書くに当たっての「はじめに」という部分であれば、特に問題とするところはないと思うので、これで結構である。
(構成員) 特に御意見の出ていた「自助・共助・公助」という言葉の意味がよくわかりにくいという趣旨があったが。
(構成員) 私自身がよくわからなかったので。
(構成員) これは配付資料で書いてある。
(構成員) 資料をいただいてわかったので、これで結構である。
(構成員) その他の部分についてはよろしいか。構成員の方から特によろしいか。
(構成員) 結構である。
(構成員) ほかに「はじめに」の部分で何か御意見があればお願いする。よろしいか。
それでは、ここから本論である。次に進む。「第2 提言(案)」の「1 経済的支援の理念、目的、財源について」というところの最終検討に入る。ここの部分は何点か御意見も出ているけれども、事前に文書で頂戴をしたところはない。脱字とか修正その他の部分がある。「自賠責」という記載については、「自動車損害賠償責任保険」との記載が適切であるという指摘を国土交通省の担当部局から頂戴して直したわけであるが、これについて、構成員から御意見があるようなので、文書ではいただいていないが、口頭でお願いする。
(構成員) 本当にこれは文書上の問題ではあるが、2ぺージの青字訂正部分で、「自動車損害賠償責任保険と同水準の給付で行われていることを参考とし」というふうに訂正されたので、それを訂正すること自体はいいが、「同水準の給付」というところがちょっと正確ではない。それは、自動車損害賠償責任保険の場合は、加害者から損害賠償金を一度取っても、保険から差し引かない仕組みになっている。ところが、政府保障事業の方は差し引く仕組みになっている。それで、今までずっとこの検討会で討議してきて、私の方から、なるべく差し引かない、責任保険と同じような仕組みでやるべきだということをずっと主張したと思うけれども、最終的にはそれは通らなかったが、その点をもし正確に表現するとしたら、「ほぼ同水準の」という言葉であれば、実はここに国土交通省の自動車損害賠償保障法の逐条解説というのがあって、この逐条解説の文章によれば、「責任保険の場合とほぼ同様であるが」、しかし、これこれの点で違っているという表現になっているので、そういうふうにすれば、より正確になるのではないかと思う。
(構成員) その御指摘を受けて、これは主管部局の方からの御意見をお願いする。
(説明者) 構成員の御指摘の点であるけれども、御指摘いただいたとおり、自賠責保険と政府保障事業では他法令からの給付に関する調整など若干違う点もあるので、おっしゃられたとおり、「ほぼ同水準」という言い方の方が正確だと思うので、そちらでいいと思う。
(構成員) それでは、今、構成員から御指摘のあった点を踏まえて、ここは「自動車損害賠償責任保険とほぼ同水準の給付」という形に加筆をさせていただきたいと思う。
(構成員) 正確を期せばそういうことであるので、そのように変えたいと思う。
ほかに、財源、それから(4)の基金までを含めて、御意見があったらお願いしたいと思うが、実は理念、目的のところは、今までいろいろな御意見が出ていて、特に理念のところは、尊厳ある自立の支援を行うことがこの経済的支援の新しい制度の理念であるというようにしている。これは、前々からの議論が原案になっているが、この点について、最終的に何か御意見があれば承りたい。この点、いかがか。
 「立ち直り」とか、いろいろほかの言葉も考えたが、立ち直りを含めて自立をしていく。それを支援するという言葉で簡潔にしたらいかがかというのが私の案である。この案について、御異論、何か別の表現があれば御指摘をいただければ、ここの席でまた御検討いただきたいと思うが、いかがか。
(構成員) 前回もちょっと発言させていただいけれども、ここに書かれている趣旨そのものに別に反対するわけではないが、被害者の方によっては、早く自立しなさいと後ろからお尻を叩かれているような気持ちにさせられるということで、がんばりなさいというふうに言われているような感じを受けるということなので、できればもう少し表現を変えていただきたいという希望は依然としてある。どうしても変えてほしい、そうでなければだめだというわけではないが、例えば「立ち直りを支援することによって尊厳を守る」というような、そういう最後の語尾の方を尊厳を守るというような形に表現の仕方を工夫していただくとか、そういうことがもし可能であればお願いしたい。
(構成員) そうすると、「尊厳ある自立の支援」ということの1つの代案としては、「立ち直りを支援し、その尊厳を守る」という表現でどうかという御趣旨だと思う。内容的にそう変わるわけではないと思うが、ただ、確かに与える印象がどうかというのは、これは個人によっていろいろ違うと思う。この点については、私案をつくった私自身それほどこだわっているわけではないので、本日の各構成員の御議論の大勢に従っていけばよろしいのかなと思っているので、御意見があればよろしく御発言をお願いする。いかがか。
(構成員) 私自身も、どちらかというと構成員案の「尊厳ある自立」という言葉で構わないと思うが、そういう異論もあるということであれば、もう1つ、例えば「犯罪被害者等の尊厳ある被害からの回復を支援する」というと、ちょっと内容がぼやけてしまっておかしいか。
(構成員) 「尊厳ある被害からの回復」というのはちょっとおかしいのではないか。
(構成員) 言葉としてはおかしい。では、私は「尊厳ある自立」のままで、特に問題としなくてもいい。
(構成員) 立ち直りを支援することによって尊厳を守る。
(構成員) 構成員は「立ち直り」であるか。
(構成員) 以前にはそういう案を出したけれども、当方としては特にどちらということにこだわっているものではない。
(構成員) 私もここで数度意見を申し上げているが、基本計画から自立の内容というか、中身は何なのかという点から考えると、いわゆる精神的、身体的、そして経済的、社会的な自立回復ということになるのではないか、私自身はそう考えたわけであるが、そういう点と、先ほどの社会保障・社会福祉制度全体についての「自助、共助、公助」という方向性の中で、そういった意味合いを含めて「自立」なのか、「立ち直り」なのかということを考えると、私は、そういう意味では、「自立」の方がより正確に言えているのではないかというように今も考えている。ただ、先ほどの御意見もあるので、何度も主張を繰り返してもいけないので、そういうことだけ申し上げて、むしろ構成員の方でよりいい文言があるのであれば、それにお任せするというのがいいのかなというように思っている。
(構成員) わかった。構成員、この辺は感じの問題になってしまうのかもしれないけれども、どうか。
(構成員) 私は「自立」で抵抗なかったし、「立ち直り」の方が私は抵抗があるけれども、人の受けとめ方、好みの問題もあると思う。
(構成員) 立ち直るというと、よく非行少年の立ち直りとかというふうに使われるような感じがするが、やはり漢語表現の方が締まるので、「自立」でよろしいのではないかと思う。
(構成員) 構成員はどうか。
(構成員) 私も、今の構成員と同じで、漢語の方が法律の書き方としては適切と思う。「立ち直り」というと条文にするのはどうかという感じがして、「自立」の方が、非行少年というのもあるけれども、立ち直るというと、もとの状態に戻るような印象もないわけではないので、「自立」ということで、どちらかというと、むしろ前向きなイメージと考えた方がいいのかなという感じであるので、私はこの案でよろしいというふうに思う。
(構成員) 順番に聞いて恐縮であるが、構成員。
(構成員) 私も、「尊厳ある自立を支援する」ということで、それで結構だと思う。恐らく、100人の人にすべて納得してもらうというのは、言葉の問題であるので、そこはなかなか難しいのではないかと思う。大体の方に意味が通じるということであればよろしいのではないかと思う。
(構成員) 構成員、何か御意見があれば。
(構成員) 特にない。ただ、議事録に、こういう形で積極的な意味があるということを残してよかったのではないか。次に進んだ方がいいのではないかと思う。
(構成員) 構成員に申しあげるが、私の使う「自立」という言葉の意味も、当然「立ち直り」を含んだ意味であって、立ち直るまでの過程を抜いて自立しろという趣旨で使うわけではないということは御理解をいただきたい。大体そういうことで、今一当たりお伺いしたが、ここはパブリックコメントでまたいろいろとどうなるかというところがあるが、今の議論を議事録に残した上で、一応ここのところは「尊厳ある自立の支援」ということで、先に進ませていただこうと思う。
御意見は、文書ではっきりした形ではないが、実は基金の部分について、「浄財」という言葉はいかがかというのを構成員からいただいていると聞いているが、ここのところは「浄財」という言葉より「寄附」という言葉の方がやはりよろしいか。
(構成員) 余り深い意味はないが、「浄財」というと少し古めかしい感じもあるかなというので、それだったら端的に「寄附」ということでいいのかなということで、それほど深いこだわりはない。端的に「寄附」でよろしいのかなということだけである。わざわざ表現を使い分ける意味がそれほどないのではないかということだけである。
(構成員) ここは、必ずしも非常に明確な意思で使い分けているわけではないが、民間からのお金を募るまでの過程のお金というのは、出す方のことを考えて、公的な意味のあるものに出すという意味で浄財をいただくということで、いただいた後、例えば税制上の優遇措置というようなことを考える場合には、浄財に税制上の優遇措置というのは何となくおかしいので、そこは「寄附」というように、入る前と後を若干書き分けた。事務的に言うと、余り意味のある説明になっていないかもしれないが、構成員の御意見を聞いたのをどういうように整理したらいいかということを検討したのであるが、そのような割り振りでここは書いているというぐらいで、こちらも余りこだわるような話ではない。
(構成員) 私も別にこだわっているわけではないので、そういうことであれば原案のとおりで結構である。
(構成員) では、そういうことでやらせていただいて、税制上の優遇措置ということになった場合には、当然、民間の寄附ということで書き換えているつもりである。
ほかに何かこの点についての御意見があれば。「第2 提言(案)」の1、理念、目的、財源、それから基金ということについて、御意見があればお願いする。よろしいか。
それでは、次の「経済的支援の内容について」に入る。カウンセリングの費用について、平仄や表現の統一を図ったほか、前回の検討会での構成員からの御意見を踏まえて修文をしているところである。事前にこの項目について御意見を承っているところはないが、医療費のところの部分も含めて、何か御意見があればお願いしたいと思う。これはこの程度の表現でよろしいか。
(構成員) 修正していただいた内容で結構だと思う。
(構成員) ほかにあるか。あとは平仄の変更だけである。青字部分についても、平仄だけである。
「必要がある」と「べきである」は、全部「べきである」に統一したのか。
(事務局) 啓発、情報提供等のところで、構成員の方から御意見をいただいたので。
(構成員) ここは構成員の方から、「必要がある」というのは「べきである」とした方が強くなるということがあるので、それはそのとおりに変えている。ただ、ほかも修文があるので、全部統一している。
(構成員) それで結構だと思う。
(構成員) ほかにあるか。
それでは、次に進ませていただく。「3 経済的支援の手続、給付方法、管理・運営、法形式について」というところであるが、(1)の(2)併給調整に関して、構成員から事前に御意見が出ている。この御趣旨について、構成員から御説明をお願いする。
(構成員) 今気がついたけれども、「必要がある」を「べきである」にしたということであるが、一番最後の「なお、犯罪被害者本人のほか」というところは、「その充実を図る必要がある」で終わっているが、これはこれでよろしいのか。先ほどの(2)のところである。
(事務局) 「啓発・情報提供等の取組を行うべきである」と、そこだけ「べきである」として、その後は「必要がある」と。要するに、啓発・情報提供等のところだけを「べきである」で統一しているということである。
(構成員) 「必要がある」すべてを「べきである」というふうにしたわけではないということである。
(構成員) そうではないのか。
(事務局) そうではない。啓発・情報提供のところだけである。
(構成員) これは、国においてだから「べきである」ということであるということか。
(構成員) そういうことである。私の説明がちょっと舌足らずであった。ここは「べきである」としたということである。
(構成員) それから、「カウンセリングの必要性、重要性に鑑み、その充実を図る必要がある」というのは、「必要」が2つ重なっているので、文章的には余りきれいではないので、「べきである」にするのであれば、その方がいいかなと今思った。
(構成員) これは日本語としてちょっと美しくない。
(構成員) 終わりの方も「べきである」としてしまえばいいのか。
(構成員) そういうことである。こだわらないのであれば、「その充実を図るべきである」と。
(構成員) その方がいいか。
(構成員) その方がきれいだと思う。
(構成員) では、そのように変えるようにする。そういう修文上のことがあれば、またその都度御意見を言っていただきたいと思う。
2のところはこれでよろしいか。ほかには。
それでは、3の方に移る。併給調整について、構成員からお願いする。
(構成員) これも深くこだわっているわけではないけれども、もしできれば、必ずしも併給調整されなくても、わずかな額であっても、国から給付金が出たということを被害者自身が感じ取ることができれば、被害回復にはとても大きな役割を果たすと思ったので、初めから併給調整はすべきではないと断定的にしないで、何かゆとりをもったような表現がないかと思って書かせていただいた。通常、文を書く上で、このような形ではないと、こうした方がいいということであれば、それ以上はこだわらない。
(構成員) そうすると、構成員の意見は、国から出る支給額が小さい場合であっても、国からの給付が出たことが被害者の回復に大きな役割を果たすと。
(構成員) そうである。
(構成員) 併給調整というのは、ほかから出ているものとの調整ということであるか。
(構成員) 差し引かれるということである。差し引かれて、国からのものは何もなくなるということはよくあることだと思う。例えば加害者からの賠償金は入ったけれども、それでも国からも給付金が多少出たというような形がもしとれるような場合があれば、そうあってほしいという願いである。
(構成員) そうすると、損害賠償金との調整というのはむしろ個別の事情に応じて、やらない方がいい場合があるという御趣旨であるか。
(構成員) そうである。
(構成員) 私、前の検討会のときも申し上げたように、必ず加害者側は、死亡事件でも、あるいは重大な被害の事件でも、これはお見舞金であるということで、本当は8,000万円も9,000万円もの損害賠償のような事件であるが、とりあえず加害者側の弁護士がお見舞金として50万円持ってくる、30万円持ってくるということがよくある。そういう場合に、受け取ったものまで全部併給調整すべきなのか。そういう意味でいくと、構成員が言われているように、事情によってはそれは削らなくてもいいのではないかというようなものもあるわけであるが、それを何とかうまく表現していただきたいし、そういう意味では、私も構成員意見に賛成である。
(構成員) これは私の意見であるが、ここはあくまで実務の運用というよりも、むしろ制度設計としてどういうように書くのだろうかということが今問題になっていて、それで、制度をつくる上では、例えば損害賠償金について、併給調整をしない場合があるということを個別事情に応じて書くということになると、逆に、これは大変面倒くさいことになって、具体的に言えば、それでは幾ら以下はいいのかとか、どういう状況で持ってきた場合はいいのかとか、そういうことを全部詰めないと書けないだろうと思う。
だから、制度設計の問題としては、やはり併給調整というのは賠償金についてはやらないと書いておく。ただ、私の聞いているところでは、賠償金といっても、少額の賠償金を持ってきたというような場合は、現場的にも、そういうものを賠償金の支払いとは余り考えずにやっていくということもあるように聞いているし、実際に今お二方から出ているような事例、ケースについての取り扱いは、制度設計の問題というよりも、むしろ現場の運用に任せてやった方がいい問題ではないか。あくまで運用の問題ではないだろうかという感じがする。
したがって、制度設計上の課題をどう書くかということになると、やはり損害賠償金は併給調整はしないとしか書けないのではないか。あとは、それでは損害賠償金というのは一体何かといったら、そんなわずかの見舞金のようなものは余り関係ないのではないかということでやっていけばいい。それをしっかり書かなければいけないというのは制度の問題になるから、そうすると、幾らかというふうな話になってくる。殺人事件の場合は幾らとか何とかというのは書きにくい話であるので、ここはちょっとぶっきらぼうなような形であるので、表現の問題としては、例えば「給付金は支給しないこととすべきである」などと書いてあるけれども、「支給しない」で切ってしまうとか、その方が何となく表現がやわらかいと言えばそういうことである。ただ、趣旨としては、併給調整というのは損害賠償の場合は当然として、相当の額の賠償金と言われるようなものが支給されたら、それは調整するということだろうと思うので、これは制度設計上は譲れない線になるのではないかと思うわけであるので、あとは、現場の運用に任せておけばいいのではないかと思う。いかがか。
ここは構成員のようなお話で、「個々の事情に鑑み対応する方途を検討する」と書くと、その方途とは何かということを検討しないといけないことになってくると、これはなかなか難しいことになるという感じである。構成員、いかがか。
(構成員) わかった。制度設計上、かえって難しくなるということであれば、先ほど構成員がおっしゃったように、「給付金は支給しないこととする」というやわらかい表現で止めるというのはだめか。そうすると、ほかのところと全部「すべきである」と今統一されたが、ここだけ違うということは、運用を効かせよということがおのずとわかるのではないか。
(構成員) わかった。当検討会としては、しないということであるので、「しないこととする」ということでいかがか。よろしいか。
では、そういうことでやや歩み寄っていただき、やはり制度設計のいろいろな検討をするということはちょっと書きにくいということである。では、そういうことでお願いする。
この問題はそれでよろしいか。
ほかに何かあるか。併給調整、給付方法、法形式のところであるが、何かほかに。申請期間、併給調整、遡及適用等については、これでよろしいか。
(構成員) 遡及適用であるけれども、この書き方だと何か切られてしまっているみたいで、どうしてというのが出てくるような気がするけれども、その理由は書けないか。税制上の問題からとか、それは難しいか。
(構成員) 遡及適用することができない理由か。
(構成員) そうである。希望していた者としては、一言その前に何々だから難しいとか、できないとか、何かすごく冷たく突き放されてしまったような感覚がある。
(構成員) これは、法律の1つの建前みたいなものがあって、新法ができた場合に、よほど特別な事情がない限りは、前に遡らずに、そこから後のことについて適用するというのが原則というふうになっている。だから、遡及してやる場合というのは、むしろ逆に、大変特別な事情があって、特に書かなければならないようなことがあった場合に遡及をしていくということになるだろうと思う。
今回の場合はそういうものはないが、ただ、犯罪被害者支援の場合には例外的な、非常に特異なケースがあって、問題が起こるのではないかということで、このただし書きが出てきているわけで、原則的には遡及適用というのはない、これが法の建前だけれども、ただ、昔に起こった事件で、法律そのものを遡及適用するわけにいかないけれども、前の事件によって今現在の時点においても被害の状況が続いているというような事態がある場合には、それは、今も続いているという事実に着目をして何らかの救済を考える。ただ、法律は遡及できないということが原則である。今度引き上げになる給付金とか、そういうものは出すわけにいかない。そういう場合にこそ、民間の寄附による基金において柔軟に対応していくという道によって、実質的には遡及適用と同じ効果を持たせるようにする。大変例外的なお気の毒な場合に限るんだろうと思うけれども、そういうことができる道を制度として1つつくっておく。こういう趣旨であるので、むしろただし書き以降にここは意味がある。遡及手続が、こういう場合にはいいとか、こういう理由だからできないというのは、むしろ遡及をする場合に、特にこういうものがあるから適用するということを書くわけであるので、そういうものはちょっと考えられないのではないか。ただ、そういう場合は、遡及適用とか何とかではなくて、別の観点から、現在の被害に着目して、基金においてやっていく。基金というのは、そういうときに、力を発揮するのではないかというのがここの趣旨である。
(構成員) 今の構成員の御説明は法律家としては非常によくわかるが、しかも、なぜ遡及適用できないかということを説明し出すと結構長く書かなくてはいけないということもあるので、1つの考え方は、ここは表現を変えて、「ただし」を取って、ただし書きの方を頭に持ってきて、そして「検討すべきであるが、新たな法制度を遡及適用することはしないものとする。」というような書き方をすれば、少しは趣旨が御理解いただけるのではないかという気もする。
(構成員) わかった。それは、後ほど修文で最終案を皆さんにお配りするということでよろしいか。
(構成員) 勿論、今すぐにということではないが、多分、構成員の御趣旨はむしろただし書きの方にあるというふうに伺ったので、そうであれば、むしろただし書きの方を重点として前に持ってきて、一般的な遡及適用はしないというのを最後につけるということであれば、もう少し構成員がおっしゃったところがより伝わるのかなという気がしたということである。検討いただきたいと思う。
(構成員) わかった。検討する。
ほかに御意見はないか。申請期間と遡及適用についてであるが、これについて何かあるか。
それでは、次は(2)の給付方法についてであるが、(2)の給付の迅速化に関しては、構成員からの事前の御意見を踏まえて、「べきである」スタイルに青書きで修文をしている。これでよろしいか。
(構成員) 結構である。
(構成員) (1)給付方法及び(2)給付の迅速化、(2)の給付方法に関して、御意見があればお願いする。よろしいか。給付の方法については、特に修文していないところについての御意見があればお願いする。よろしいか。
 それでは、次に進む。(3)の経済的支援制度の管理・運営についてである。アドバイザー制度については、前回の検討会での構成員からの御意見、犯罪被害者相談員とか司法書士を入れるということを踏まえて、ちょっと赤字の修文が入っている。それから、認定機関、不服申立機関については、従前のとおりとなっている。ここの部分について、何か御意見があればお願いする。よろしいか。
それでは、次に進ませていただく。(4)経済的支援制度に関する法形式についてである。これは赤字、青字両方で修文が入っているところであるが、この両方の部分を含めて、構成員から御意見が出ているので、御趣旨を説明いただきたいと思う。構成員からお願いする。
(構成員) 今までの文章であれば、犯罪被害者への経済的支援を手厚くする、その方法は犯罪被害給付金制度そのものであるというような印象を受ける文章であったので、もう少し全体に経済的な支援を手厚くするというような何か文言が入ればと思って意見を出させていただいた。
ただ、今日の私案を見せていただくと、「改正によることが適切であると考えられる」というような表現になっているので、これでもよろしいかなと思う。ただ、欲を言えば、もう少し何か経済的に手厚くしたというような表現があれば、入れていただければと思うが、私自身も、では、どういう表現がよろしいのかといっても、なかなか適切なものが浮かんでこないというのが現状である。
(構成員) では、構成員からお願いする。
(構成員) そういう意味では、私の意味合いも、今、構成員がおっしゃったような趣旨からということと、もう1点は、前回のこの場での討議においても、ほぼ全員の皆様から法律の名称についての意見が出て、一定の方向性があったのではないかというように私自身は理解していたので、今回の構成員の最終の文案から、その点が少し欠けているのではないかという意味合いで、法律の名称の改正について提案をさせていただいた。文章にこだわるわけではない。基本的には、私としては、ただし「犯罪被害者等保障金の支給等に関する法律」というような、例えばこういうような名前でいかがかという意見である。
理由の1つは、この給付金がいわゆる見舞金という形で位置づけられて、その後、金額的にも改善されているわけであるけれども、ここで言うまでもないが、改めて基本法ができ、基本計画ができ、そして新しい理念のもとで経済的支援、特に給付金の内容を変えるということであるので、単に従前からの給付金の数字が倍になったという意味合いではないのではないか。それは、数字を見られたらそうであると思うが、理念としては変わっているというか、一番最初のここの理念の討議でもあったけれども、そこから一歩前へ進んだ考え方で考えていくというのが最初の議論のスタートであった。そういう意味合いから、名称を変えるということが、先ほどおっしゃった構成員からのメッセージにもつながると、私はこう思って意見を出させていただいた。そして、私の現時点の理解では、給付という言葉自体にも、いわゆる一定の規定に従って保険金が支払われるという意味合いがあるので、そういう意味では、新しい仕組みも、給付ではあるわけであるが、一般的な理解としては、給付の内容として、特定の相手に何らかの物品もしくは便宜を与えるというような意味合いがあるので、文章の意味からも、この言葉を変える必要があるのではないか。そして、保障という点については、そういう意味では、今回検討した意味合いそのものではないかというように私は考えたわけである。保障の意味合いとしては、それが守られる手段を講じるという意味合いであるので、まさに尊厳ある自立を支援するということで、その手段を講じるということであるから、そういう意味合いから、「保」という言葉を使うのが一番望ましいのではないかということで、ぜひ名称の改称については御議論いただきたいし、私自身としては、ぜひその言葉は必要だというように思って意見を出させていただいた。
(構成員) わかった。この点について、何かあるか。
(構成員) 私も構成員の今の御意見に賛成である。今から内容をいじるということではないわけで、名称については、できる限り犯罪被害者の方々に、新しいものができたと、そういう希望を与えるような名称にしていただいた方が、国としても、それだけ国は一生懸命がんばったということを国民にアピールする意味でも非常にいいのではないかというふうに思う。賛成である。
(構成員) わかった。今お3方の御意見をお聞きしたことについて、私自身も決して異論を唱えるわけではないが、例えば保障金とすると、表題を保障金とするのは、それはそれでいいのかもしれないが、法律の内容として、今までずっと検討してきたのは、給付金のことであるわけである。表題だけ保障金として、では、中身も全部保障金に変えろということになると、これはまたいろいろ別な意味が出てくる。これもまた国語の問題になってしまうのかもしれないが、保障金というのは、例えばまさに自賠責がそうだと思う。自賠責の制度があって、1つの車社会という限られたサークルというか、世界がある。その中で加害者、被害者がいろいろとやりとりをする。勿論、そこで損害賠償が生じてくるわけであるが、そういうところからちょっと外へ出てくる無保険者とか、ひき逃げとか、そういうのがいるので、そこのところは政府が保障してやらないとよくないという話で「保障」という言葉が出てくる。
したがって、何かコアになる1つのきちんとしたサークルがあって、それを全体として保障していくというようなイメージがある。まさに政府保障事業というのはそういう意味だろうと思うが、犯罪被害者の場合は、実は何か特定の自賠責のときのような世界というか、領域というか、人的なサークルというのはないわけである。だから、それでも保障でいいということになるのかもしれないけれども、「保障」という言葉はちょっと内容に合わないのではないか。逆に言うと、私の国語の感覚では、まさに給付をするわけで、そう色のついた言葉ではないので、そこをなぜ保障金としないといけないのかなというのがよくわからないところがある。これは、構成員はどうか。今の保障金、給付金というあたりで、実際に犯給法を運用される立場から。
(構成員) 「給付金」あるいは「支給」という言葉は非常に幅広く法律用語としては使われていて、特段、特定の意味を持つのではなくて、むしろ中立的な意味で、客観的に政府から給付金を支給するというような形で使われている。例としては非常にたくさんあって、余り恩恵的な意味合いは特段ないのではないかと思っている。
それで、これは例として適当かどうかわからないけれども、例えば北朝鮮に拉致された方々に対して特別法ができている。この法律の名称は、「北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律」という法律で、支給されるのは拉致被害者等給付金というのが支給されているということであって、これは1つの例であるけれども、それ以外にも普通に使われている。
それから、もう1つは、犯罪被害者等基本法においては、その13条で「国は犯罪被害者等に対する給付金の支給に係る制度の充実等必要な施策を講じる」ということを言っていて、ここでも「給付金の支給」という文言を使っているということもあるので、直ちにこの言葉を変える必要があるのかどうかという点については、必要がないと考えているところである。
(構成員) これは広く社会保障・社会福祉の一環としての問題にもなるわけであるけれども、そういうお立場で構成員から何かあるか。非常に微妙なというか、感覚の問題みたいなところがあるが、この点、いかがお考えか。
(構成員) 「給付金」という言葉自体、あるいは広く「給付」という言葉自体は、社会保障の領域で別に恩恵的という意味合いを持って使っているわけではない。社会保険のような場合についても、すべて「給付」という言葉を使っているので、「給付金」という言葉を使ったからといって、そういう意味合いがあるというふうには私も思わない。ただ、多分、構成員がおっしゃるのは、「給付金」という言葉自体が、犯罪被害者との関係で言うと、もともと見舞金的な色彩があって、そういう沿革からの印象というのがあるので、御趣旨としては、そこから脱却したいということなのかなというふうには思う。
ただ、私自身の個人的な感じとしては、今回のこの報告書の考え方でいくと、恐らく目的規定が書き換えられるということもあり、それによって、従来とは考え方が変わっているということ自体は、法律上はっきりするということもあるので、あえて名前を変えないとイメージの一新が図れないということはないのではないかというようには思う。ただ、それでもという話になったときには、全くのアイデアであるけれども、むしろこの検討会の名前そのものを生かした形で新法の名前にする。例えば「経済的支援に関する法律」とか、そういうようなやり方の方がより適切だし、趣旨には一番合っているのかなという気もする。私自身は、そこまで踏み込まなくても、目的規定がかなり踏み込んだ形で変わるということを考えると、現状の法律名でも差し支えないのかなというふうには思う。
(構成員) 構成員、いかがか。
(構成員) 1980年にできた給付金の法律のとき、それ以前には被害者補償という言葉を使っていた。80年にこの法律ができて、こういう形で定着したというふうに思う。今回の中間とりまとめの内容にどちらがふさわしいのか。私は、経済的支援という点から見れば、この中間とりまとめの方向ではまだまだ不十分な点が恐らく被害者の方から見るとたくさんあると思うし、実際には、もっと拡大した経済的な支援を想定しておられた方もたくさんおられると思うので、そういう点から言うと、残念ながら、そこまでは踏み込んでいないというふうに私は認識している。新聞を見ても、倍増という見出しがあるようであるけれども、やはりそこに今回のポイントがあるというふうに私も思うので、給付金を拡大したという意味では、法律名を拡大するまでには至っていないというふうに私は現状認識として思っている。
ただ、今後、この法律をてこに、もっと経済的支援が拡大していけばいいと思うけれども、しかし、現状ではいろいろな制約から、こういう形になったので、私は現行のままでいいのではないかというふうに考えている。ただ、偶然であるが、先ほど構成員がおっしゃったように、いずれは経済的支援法という形での法律ができるような状況があればいいなというふうに個人的には思っているけれども、羊頭狗肉にならない方がいいというふうに考える。
(構成員) ほかに何か御意見があればお願いしたいと思うが、たしか先ほど構成員がおっしゃっておられたけれども、理念、目的というのは今回のこの検討会の結果、はっきり書くことになるので、その限りにおいては法律の中身というのは変わってくるというところはあると思う。ただ、それが、実はこちらの検討でも、経済的支援法とか何とかという書き方もないだろうかということも私自身も考えたが、ちょっとぼやけてしまうような感じもするので、結局は、余りいい事例が出ない。どうも「給付」とか「支給」という言葉は変えた方がいいのではないかという御意見があるのは何となくわかるような気がするが、それではどういうふうに変えたらいいのかというのはちょっと難しい。「保障金」というのも、羊頭狗肉とまでは言わないけれども、要するに、中身と合わない表題をつけるというのはいかがなものかという議論もあって、これは私として、この原案だけというのもいかにもぶっきらぼうというか、検討会の今のような大体の御趣旨を表現しているとは思われないので、この後に「また」とか「なお」という形で書いて、今回の改正というのは、とにかく抜本的な改正が行われるということは間違いのないことであり、その限りにおいては、今までの犯給法は大きく性格を変えることになるわけである。
それと、もう1つつけ加えると、法律の名前というのは、結局のところは内容を決めてから内閣法制局に持っていって、そこでいろいろ決まってくるというところもあるので、ここで余り細かいことを言っても、それがそのとおりになるかどうかというのはよくわからないところもある。したがって、当検討会としては、今までの御議論を踏まえて考えるのは、抜本的な改正が行われたということを如実に反映するような名称を、行政当局で考えてくれということを希望するという表現で、何かいい知恵を出してくれと。これは丸投げではないと思う。やはり当検討会として、実際に法律をつくってやっていくときに、今度の抜本的な改正がよくわかるような名前に変えてくれと。そんなふうに「給付」とか「支給」という言葉は、その場において、各行政当局、あるいは内閣法制局において、いい名前が出ればそれに従っていただく。
とにかく、当検討会としては、そうした抜本的な改正、性格が大きく、飛躍的に、抜本的に変わるということがわかるような名称に変えることを検討するよう希望するという趣旨の文言を、書き方はこれから検討するが、そういう趣旨の言葉をここに補って、この名称問題については、当検討会として、現在時点においては、そういう結論にさせていただいたらというように考えているが、いかがか。
(構成員) 恐らく、それ以上のお考えはないと思う。先ほど構成員が内閣法制局と言われたが、恐らく内閣法制局と相談しないと、これはいくら言っても通らないのでは。漠然とした印象であるけれども、特に内閣法制局というのは、いい意味では厳密であるけれども、悪い意味ではうるさいところなので、そこは十分折衝していただいて、適切な名前ということでいいのではないか。
(構成員) ただ、勿論、内閣法制局にこの答申案を出すわけであるが、そのときに、当検討会としては、やはり名称についてもよく考えてくれと。要するに、今までと全く同じで、一歩前進というか、一段ステップを上がっただけではないという趣旨のところをはっきりわかるような名称にしてほしいという希望、意見を添えておけば足りるというか、当検討会としては、その程度でとどめておいていいのではないかということであるが、そんなところでよろしいか。
(構成員) 私自身も、保障ということにこだわっているわけではないので、より適切な言葉があれば、少なくとも名称を変えるという改称という方向で検討いただきたいということを明確にしていただければ結構である。
(構成員) そういう趣旨なので、文言を今ここで文章化できないので恐縮であるが、今言った、今度の抜本的な改正が反映できるような名称を検討してほしいと。それは我々の希望、意見であるということを書き加えたいと思う。よろしいか。
それでは、そのような形でこの部分はおさめさせていただく。
それでは、次に進む。「経済的支援の対象について」である。これについては、前回の検討会でお示しした案からの修文はないし、事前にも御意見はない。このとおりでよろしいか。
次の「テロ事件の被害者等に対する特例的措置について」も同じである。何か御意見あればお願いしたい。ここの部分はよろしいか。
それでは、次に進む。6の「併せて検討することとされているものについて」であるが、(1)損害賠償責務の国による立替払及び求償の是非、これは我々に与えられた表題であるが、これについての検討に入る。ここの(1)の部分については、前回検討会でお示しした案からの修文はないし、御意見の提出もない。これは、このとおりでよろしいか。
では、次に(2)の方である。これは、いろいろと御意見がある。公費による弁護士選任(被害直後から)、それから国による損害賠償費用の補償等の是非についての検討に入る。
(1) の公費による弁護士選任(被害直後から)となっているが、損害賠償費用の補償等の是非について、前回の検討会で構成員から御意見が出て、及び構成員からの御意見も出ているので、それを踏まえて、朱書きと青書きの部分で修文が行われている。6ぺージの赤書きの部分、「適当でないが」の後のところは、構成員から頂戴した文章をそのままずっと書いている。それから、構成員からの御意見も頂戴しているので、「マスコミ対応」というところを入れているとか、構成員から、法律問題ではないのではないかということで落としたが、これは犯罪被害者等法律援助事業についての説明の中に入っている文言で、わざわざ落とすことはないという御意見を頂戴して、そのとおりと思うので入れてある。
それから、途中のあたりで青字で「犯罪被害者等の支援のために」ということがあるが、これは後ほどまた構成員からお話をいただいたらと思うが、支援センターの業務のウエートの置き方を、もう少し犯罪被害者のためにウエートを移してくれという趣旨のことをより明確にするために、「犯罪被害者等支援のために更に充実が図られるよう」と直している。
それから、「裁判所においても」というところは、これは警察・検察だけでなくて、裁判所においても同様のいろいろな配慮が必要であるということを書き加えたものである。これは構成員の御意見を入れているところである。
 そういうことで今回の叩き台は構成されているが、構成員から何かあるか。
(構成員) 今、構成員の方からお話があったように、法テラス関係については、どちらかというと被害者支援という視点が実際の業務に反映されて、被害者にとても役に立っているとは思えないというさまざまな相談事案などもあるので、ここの文言の中に「犯罪被害者等の支援のために」と入れていただいたので、それでよいと思う。
それと、下の「裁判所においても」ということは、やはり裁判所の中においても、なかなか被害者の現状が理解されていない中で、不適切な対応を受けるというようなこともあるので、この中に「より一層の配慮が望まれる」ということを、「裁判所」という言葉を入れるのがとても難しかったのではないかと思うけれども、入れていただいたので、これで結構である
(構成員) この点については、構成員から御意見がある。
(構成員) まず最初に、今の構成員のお話の関係で、法テラスにおける犯罪被害者に対する対応や、業務について、御意見をいただいた。確かに、業務開始からまだそう長い月日がたっているわけではないので、必ずしも十分配慮の尽くされた対応ができていないところもあろうかと思う。そういった御意見も踏まえて、また構成員の都民センターにもいろいろ御協力をいただいて研修を積み重ねるといったようなこともやってきているし、また引き続きその点については努力をしていきたいと考えているところである。
それから、提言の修文であるが、構成員資料でこの点については記載をしており、意見としてはそこに書いたとおりである。例えば犯罪被害者法律援助事業、日弁連が法テラスに業務委託する事業について、10月から従前のものを引き継いで行われるということであるので、それを適切に実施してもらうということが第一ではないかということである。また、その充実を図るということも、結局、制度の見直しということになってくると、何をどうという中身の話になってくるので、そういったことを考えると、このような修文にするのが適当ではないかというのが私どもの意見である。先ほど構成員の言われた業務の中身の改善ではなく、制度を見直していくような話であれば、その中身の話が検討されなければいけないので、こういった意見を出したというところである。
(構成員) ここは、構成員の御意見は私自身よく読ませていただき、御趣旨はわかるのであるが、実は構成員がまさに御指摘になったような点があり、法テラスがもう少し被害者支援の方にウエートを置いた形にしていただく。それからもう1つは、弁護士などについても、被害者支援のことについての実務的なノウハウというものをもう少し身につけてやっていただくとか、そういうようないろいろなこともあり、そういうことを含めて充実をする。つまり、犯罪被害者等の支援のために更に充実が図られるように努める。その充実の中身は何だというのは、それはいろいろあるということではあるのかもしれないが、やはりこの言葉は入れさせていただいて、法テラスに対して、こういう我々の意見を申し述べるというのがいいのではないかと思い、構成員の御意見にやや背く形になるけれども、ここはやはり入れさせていただいたということであるので、この趣旨を受けて、また構成員におかれても、法テラスの方にいろいろとお願いをしていただいて、もう少し犯罪被害者支援のためにいろいろな御努力をいただけるように御連絡をとっていただければいいと思うわけである。そういう趣旨で、余り内容を詰めて、充実を図るというのはこういう点をという、金目のかかるものをやれというような、そういうところまでを言っているわけではないわけであるので、そういう趣旨を含めて、ここのところは構成員の修正案でなくて、更に充実が図られるように努めるべきであるという点を入れさせていただきたいと思っている。
ほかに何か御意見があればお願いする。よろしいか。
それでは、(2)の方であるが、新たな制度導入に伴う公費による弁護士選任(公的弁護人制度)についてであるが、この点については構成員から御意見があるので、御発言をお願いする。
(構成員) 裁判所の部分か。
(構成員) そうである。公費弁護士で。(2)の方である。(1)の方はよろしいか。
(構成員) それで結構である。
(構成員) 公的弁護人制度の方である。これは、上の方で構成員の意見も入れているのでよろしいか。
(構成員) 前の部分できちんと出していただいているので、これはないことにしていただいて結構である。
(構成員) わかった。それでは、御指摘のあった中で、犯罪被害者等法律援助事業の中身をここに列挙している。被害者相談とか、マスコミ対応とか、刑事告訴とか、法廷付添いとか、訴訟記録の閲覧謄写というふうにずっと書いているので、これが出る前の御意見のようであるから、これはこれで構成員の方も御納得のようであるから。
ほかに何か御意見があればお願いする。
(構成員) (2)の関係で、特に刑事裁判に参加する制度の関連については、前回御意見を申し上げたのでその点は繰り返さないが、要望であるけれども、こちらの刑事裁判の参加に関連する法案の方は、明日から国会で審議が始まる予定であって、当然、国会の審議の状況を見ていただく必要があるわけであるけれども、その上で、この検討会で最終的に意見をとりまとめるまでの間、若干時間がまだあろうかと思うので、この点についても検討、議論をしていただく機会をつくっていただければと思う。
(構成員) その点は了解している。ただ、今のところは、いつ通るのか、今国会で通るのか何ともわからないので、ここは確かに結論が出れば、当然それに従って当検討会としてやるべきことが出てくればまた検討するということになると思う。その点は了解した。
ほかに何か。
(構成員) 細かい日本語のことになって申しわけないけれども、7ぺージの上から3行目の段落であるけれども、「このうち、『民事法律扶助』は、加害者に対する」となっているが、「加害者に対して損害賠償請求の法的手続をとる際に」というのが正しい日本語ではないかと思うが。
(構成員) 「『民事法律扶助』は、加害者に対して損害賠償請求の法的手続をとる際に」ということか。
(構成員) 正しい日本語はそうだと思う。
(構成員) わかった。その方が明確であると思う。そのように修文をさせていただく。
ほかにあるか。
以上、やや駆け足であったが、第2までが終わっているが、振り返って、細かな修文でも結構である。何か御意見があればお願いしたいと思う。よろしいか。
それでは、「おわりに」という部分である。もう少しいろいろ書いたらいいのかなという気もしないではないが、ここはこの程度にとどめてあるわけである。この「おわりに」に対する感想が構成員から出ているので、感想をお述べいただきたいと思う。
(構成員) 私も法律に反映する文書の書き方というものには素人であるので、素人として考えると、せっかくの「おわりに」はもう少し中身もあった方が更に皆さんに周知されるのではないかというような考えで意見として出させていただいたが、余り書き過ぎると、またしっかりと伝わっていかないということも今までの討論の中でわかったので、私はこの「おわりに」でそのままで結構である。
(構成員) 私自身がぶっきらぼうな人間であるので余り書かないが、これは「はじめに」と「おわりに」というのは一応考えて書いているつもりである。「はじめに」のところは、これからどういうポイントで、どういう点を考えに入れて検討するんだということを3点ほど書いておく。一番最後は、今までいろいろと、基金をつくるとか、給付金の引き上げをしろとか、カウンセリングについてはこういうことをしてくれとか、いろいろ書いてきているわけであるが、「おわりに」のところは、これで書いたから、あとは政府でちゃんとやってくれということを書けばいいので、その書き方はいろいろあるのだろうけれども、とにかく本提言が着実に実施されるように、これから犯罪被害者等施策推進会議にかけて、それからずっと上がっていくわけであるが、そういうプロセスを経て本提言が着実に実施され、犯罪被害者等に対してできるだけ手厚い経済的支援が行われることが望まれる。そのようにお願いをしたいということを書いて、ほかにいろいろ書こうと思ったら書けないこともないのであるけれども、この程度にしている。ただ、パブリックコメントの段階でいろいろ御意見が出てくると思うので、そういうものも含めて、最終答申とするとまた少し変わってくるかもしれない。とにかく、この中間取りまとめ案は、各構成員を急かせて恐縮であったが、ここで書いてあることは、ほとんど全部来年度の予算で措置をしていただこうというつもりで、それに合わせて書いてあることであるので、そういう意味では、やや実務的に過ぎる文章になっているかもしれないが、その点は御了解をいただきたい。今の構成員の御感想は参考にさせていただいて、またパブコメと、その後について、検討する必要があればまた検討させていただきたい。もう少し書き方があるのではないかという点は、私も引き続き検討させていただきたいと思うが、中間取りまとめ案としてはこの程度にとどめたいというのが私の意見である。
何かほかに御意見があればお願いする。
全体を通して、何か御意見があればお願いする。
いろいろと御意見をいただいた。それでは、これまでの検討をもって、「経済的支援に関する検討会」としては、中間とりまとめとしての最終案の内容は各構成員の合意ができた。引き取って、先ほどの新たにつくるであろう法律の名称などについてはちょっと考えさせていただくのと、構成員などから頂戴した文章は、当然そのとおり直すのでやや直るが、そういう点を含めて、大体の点は合意ができたというように理解させていただきたいと思うが、それでよろしいか。
それでは、今後、今の若干の字句の修正等を含めて、事務局において中間とりまとめを清書して、構成員の皆様に最終の御確認をいただくべくお配りしてチェックをしていただく。そして、中間とりまとめの案としたいと思っている。
そして、来月中旬の予定と承っているけれども、中間とりまとめについて、私から基本計画推進専門委員等会議に報告をさせていただく。そして、その後、犯罪被害者等施策推進会議への報告を経て、パブリックコメントを行い、広く一般の国民の皆様方からの御意見を募ることになっている。パブリックコメントで寄せられた御意見については、また事務局で整理をして、検討会を開催して構成員の皆様に御検討いただくことになる。
ここで事務局から何か補足的な説明があればお願いする。
(事務局) 昨年4月以来、長期間にわたり熱心なご議論をいただいた。ただいま構成員から説明があったとおり、この中間とりまとめについて必要な字句修正等を事務局で行い、皆様に配付、御確認を願いたいというふうに考えている。その上で、6月の中旬に専門委員等会議を開催して、3つの検討会それぞれについて中間とりまとめを各座長より報告をいただくこととしている。その後、官房長官を会長とする閣僚級からなる犯罪被害者等施策推進会議に報告をして、パブリックコメントを行い、国民からの意見を広く聴取する。これが大体一ヶ月ぐらいの期間をいただき、そのいただいた意見を整理した上で、恐縮であるが、もう一度お集まりをいただいて、パブコメの意見も踏まえて最終報告へ向けての御検討をお願いすることになろうかと思う。
(構成員) それでは、私からも一言、各構成員の皆様に御礼を申し上げる。
 この「経済的支援に関する検討会」も今回で16回を数え、その間、大変御熱心な御討論をいただいた。おかげさまで、必ずしも満足のいく内容になっているとは私自身も思っていないけれども、とりあえず中間とりまとめということで、今までの犯罪被害者等に対する給付金のレベルアップの抜本的な水準を含めて、経済的支援の充実を図ることのできる一応の内容のものがこの中間とりまとめの中に盛り込まれているというように考えるところである。ただ、まだまだ御検討いただくべきこともあるわけであるが、先ほどもちょっと申あげたけれども、ここで検討した結果については、来年度の予算要求において実現をしていっていただくという、ある意味でのタイムリミットがあったので、ややせかせかとした議事の運びになったことを大変恐縮に思っているが、御理解をいただきたいと思う。
なお、今、事務局からも御説明があったように、パブリックコメントを国民の皆様から頂戴した後、またもう一回、いろいろと検討する機会があるわけであるので、そのときも引き続きよろしくお願い申し上げたいと思う。



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