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犯罪被害者等施策
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犯罪被害者等施策推進会議(第2回)議事要旨

日時:平成17年8月9日(木)
17時15分~17時40分
場所:総理大臣官邸3階南会議室
会長細田 博之内閣官房長官
委員井上 正仁東京大学大学院法学政治学研究科 教授
大久保 恵美子社団法人被害者支援都民センター事務局長
小西 聖子武蔵野大学人間関係学部教授
山田 勝利弁護士
南野 知惠子法務大臣
村田 吉隆国家公安委員会委員長
国務大臣(犯罪被害者等施策担当)

藤 井 基 之厚生労働大臣政務官

荒木 慶司総務省大臣官房総括審議官

平 山 芳 昭国土交通省総合政策局次長
報告者山 上   皓犯罪被害者等基本計画検討会座長代理
(東京医科歯科大学難治疾患研究所教授)

※ なお、委員に限らず全ての出席者の発言について、便宜上、「委員」と表記した。


(議事次第)

1.開会

2.会長あいさつ

3.犯罪被害者等基本計画案(骨子)について

4.今後の予定について

5.自由討議

5.閉  会


〔附属資料〕

  資料 1犯罪被害者等施策推進会議委員名簿[PDF形式:12KB]
  資料 2犯罪被害者等基本計画案(骨子)(案)[PDF形式:118KB]
  資料 3犯罪被害者等基本計画案の検討スケジュール(予定)[PDF形式:12KB]
  資料 4犯罪被害者等基本計画案(骨子)に対する国民からの意見募集について(案)[PDF形式:11KB]

犯罪被害者等施策推進会議(第2回会合)は、一部持ち回りとして開催された。


○ 冒頭、会長(内閣官房長官)より、概略次の通り、挨拶があった。
 「有識者委員の皆様におかれては、ご多忙のところご参会いただき、厚く御礼申し上げる。4月の第1回推進会議以降、7回の基本計画検討会が開催され、構成員の皆様に毎回長時間にわたって活発なご検討を積み重ねていただいた。改めて御礼申し上げる。ご検討いただいた結果については、後ほど犯罪被害者等基本計画検討会座長代理からご報告をいただき、当会議において議論の上、犯罪被害者等基本計画案の骨子として取りまとめることとしている。各委員におかれては、活発なご審議を賜りますようよろしくお願いしたい。
 また、関係大臣各位におかれては、それぞれの所管の立場にとらわれず、国務大臣としての高い視点に立ったご審議をいただくようお願いする。
 皆様方のご議論の結果を踏まえ、犯罪被害者等の権利利益の保護が図られる社会が実現されるよう、全力で取り組むことを改めてお約束申し上げ、挨拶とさせていただきたい。」

○ 犯罪被害者等基本計画案(骨子)(案)(資料2)について
 犯罪被害者等基本計画検討会座長代理から、犯罪被害者等基本計画案(骨子)(案)の検討の取りまとめについて報告があり、座長代理からは、本案について推進会議においてご議論いただき、ご決定いただいた後、犯罪被害者等基本計画案(骨子)として公表して、広く国民から意見を求めていただくことを希望する旨、発言。
 骨子案については特段の意見等がなく、基本計画案(骨子)については基本計画検討会からの報告の案のとおりとすること、骨子を公表して国民からの意見を募集すること、及び12月の基本計画案の作成に向け、基本計画検討会において引き続き検討を行っていただくこととされた。

○ 今後の予定について
 今後の予定及び自由討議については、司会進行を会長から犯罪被害者等施策担当大臣に引き継いで行われた。まず、犯罪被害者等施策担当大臣から、基本計画検討会の招集者の立場から、概略次のとおりの発言があった。
「私は、基本計画検討会の招集者として、基本計画検討会に毎回出席し、議論を見守ってきた。その中で、基本法が具体的な事項にまで踏み込んで、犯罪被害者等のための施策を求めていることをよく踏まえ、各省庁とも原点に立ち返り、既存の枠組みを越えて考えていかなくてはならないことを申し上げた。有識者の方々にも、ご多忙の中、ご無理申し上げて、ハイペースで長時間かつ中身の濃い議論をしていただいた。こうした経緯を経て、骨子を策定するに至ったところであり、改めて感謝を申し上げたい。」
 続けて、担当大臣から犯罪被害者等基本計画検討会座長代理に対し、これまでの検討会における議論についての紹介及び先週行われた第7回基本計画検討会において議論された今後の検討会の進め方について、その概要の報告を求めた。
 座長代理の発言は、概略次のとおり。
「先ほどご決定いただいた骨子は、4月28日の第1回推進会議以降、約3か月の間に合計7回の検討会を開催して取りまとめたものである。検討会では白熱した議論が行われ、予定していた検討時間を大幅に超過し、5時間を超える検討がなされたことも度々あった。
 検討会では、犯罪被害者団体等からのご要望すべてについて、政府としてどのような施策が可能かを検討した。検討に当たっては、犯罪被害者等からの要望に係る各施策について、その施策の実現がかえって犯罪被害者等のためにならなかったり、公共の福祉の理念に反したり、あるいは他により有用な施策があったりするものでない限り、骨子案に盛り込む方針で議論を進めた。そのような方針のもと、大変多くのご要望について一つ一つ議論した結果、今後、講じていく施策として200を超える施策を盛り込むことができたものである。
 次に、犯罪被害者等基本計画案の検討スケジュール(資料3)について、先ほど、骨子について国民から意見を募集する、いわゆるパブリック・コメントに付するご決定をいただいた。検討会としては、パブリック・コメントと並行して、全国9か所で基本計画案の骨子に関して犯罪被害者団体等からご意見をお聞きする会を開催したいと考えている(詳細については資料4)。検討会では、国民からの意見募集と犯罪被害者団体等からの意見募集の結果を踏まえて検討を行い、12月までに犯罪被害者等基本計画案の原案を取りまとめ、第3回推進会議に報告することとしたいと考えている。」

○ 自由討議
 犯罪被害者等施策担当大臣より、各委員に対し、これまでの検討会での検討について感想や、今後、基本計画案の策定に向けての抱負等について、発言を求めた。

(委員)ただいま座長代理からご報告があったように、この検討会では、回数は限られていたものの、ほぼ毎回、予定の時間を大幅に、はるかに超過して、白熱した熱心な議論が行われた。関係省庁等におかれても、すぐに措置できるものは直ちに実施していただくとともに、さらに検討を重ねないといけないものについても、その方向性を確認するとともに、年限を切って、結論を出して実施をしていくということが盛り込まれたので、犯罪被害者等の方々の権利を適正に保護し、救済すべきところは必要な救済の措置をとっていくということに向けて大きな前進であり、大変意義のあることだというふうに受けとめている。
ただ、犯罪被害者の方々あるいはその関係者の方々のご要望があまねく、ストレートに、あるいは直ちに、この骨子案に盛り込まれたというわけでは必ずしもない。そういうふうに恐らく受けとめられるであろうと思われるが、特に大きな制度改革を伴ったり、人的、財政的な手当が必要であるということについては、言うまでもないことだが、他の配慮を要する事柄との関係についても慎重に検討した上で、バランスのとれた安定した制度を構築していくということこそ、真に犯罪被害者等の方々の利益にかなうように思う。その方向で、今後、精力的に具体案づくりに努めていただきたい。自分も一委員として、力の及ぶ限りそれに協力し、努力させていただきたい。そういうふうに覚悟を新たにしているところである。

(委員)本当に、4月28日に第1回の推進会議が開催されてから3か月少しで、今日、このような短期間の中で基本計画案を会長にお出しすることができたということを大変うれしく思っている。これもひとえに寝食を忘れて取り組んでくれた内閣府の犯罪被害者等施策推進室の皆様と関係省庁の皆様、そして見守り続けてくださった超党派の国会議員の皆様のおかげだと、心から感謝をしている。
とはいえ、今、委員からも発言があったように、具体的な施策はこれからになるので、基本法の前文にあるように、犯罪被害者等の視点に立った新たな一歩を踏み出し、ということで、世界に誇れる犯罪被害者等基本計画にしていただけるよう、今後ともぜひお力を貸していただきたいと思うし、また、私たちも精いっぱいの努力を今後ともしていきたいと思っている。本当に皆様には心からの感謝を申し上げたいと思う。今後ともよろしくお願いしたい。

(委員)本当にハイペースで、しかもこれだけたくさんのことを話す会合というのは本当に初めてであったけれども、推進室の皆様、それからずっと出ていただいた担当大臣にも、本当に感謝している。関係省庁の方でも、私にとっては思ったように答えてくれなかったことも実際にあったが、随分準備されるのにご苦労されたというふうに聞いているので、感謝申し上げたい。 ただ、皆様と同じになるが、やはり財政的な措置を伴う一番大きな問題について、これからである。もちろん、具体的な施策が一つ一つ決まっていくことは大変意義のあることだと思うけれども、ここで緩めず、私どもも、それから関係者の皆様も、またやっていかなくてはいけないというふうに思っている。
今までずっと見ていて、私は大臣に「既存の枠を超えてやるんだ」と言っていただいたこととか、やはりそれがとても大きかったと思っているので、ぜひこれからも、強力なリーダーシップでもって、ぜひこの問題にかかわっていただけたらと思っている。よろしくお願いしたい。

(委員)大変充実した3か月の会議であったと思う。当初、スケジュールとテーマを拝見したときは、これは大丈夫かと、消化できるかと正直思ったが、本当に見事な会議であったと思う。 それにしても、長い間、顧みられなかった犯罪被害者の方々、理解を得られなかった犯罪被害者の方々のために、今ようやく春が来つつあるということを実感して、本当によかったと思う。それにつけても、皆様方がどれほどご苦労されたことだろうとつくづくと思った。ぜひとも実現できていったらいいなと思う。
そうした中にあって、日弁連は公訴手続参加、附帯私訴のこの2点については、ブレーキをかけたわけであるが、それと申すのも、一言で言うならば、長い歴史の産物として、人類の知恵として現在構築されているこの制度を相当程度に揺るがすようなことが、簡単に、短期間に取り入れられ、行われるということに対する危惧を持つからである。よほど慎重に検討してみなくてはならない。そして、こういったことを法律家団体で申し述べられるのは日弁連かなと思うわけである。導入する、しないは別として、ぜひとも真剣に検討をしていきたいと、私も思う次第である。
これから具体的な検討に入るが、非力ながら一生懸命協力させていただきたいと思っている。また、政府の方々には、ただいまもお話があったように、予算面、財政面での何とぞのお力添えをお願い申し上げたいと思う。

(委員)今回、ご報告いただいた犯罪被害者等基本計画案の骨子については、短期間で取りまとめることを求められていた中で、検討会の構成員の方々が、毎回、長時間にわたりご熱心に議論を重ねられた成果である。まず、そのことについて、この場をお借りして感謝申し上げたい。
この基本計画案の骨子には、当省において検討すべき事項や実施すべき施策等が多数盛り込まれており、その責任の重さを感じている。これまでも犯罪被害者や、そのご家族の方々の立場に配慮して、様々な保護や支援を図っていくことの重要性を強く認識し、検討会に積極的に参加させていただき、犯罪被害者等の方々のご要望にどのような形でお答えすることができるか、真剣に検討してきたが、引き続き年末に予定されている基本計画の策定に向けて努力してまいりたいと思う。

(委員)本当に委員の先生方には、精力的なご審議に感謝。今年の4月から開催された基本計画検討会に、犯罪被害者の方々のご要望について、その方々の視点に立って活発な議論が交わされて、極めて精力的に、また極めて細かな検討が、精密な検討がなされたというふうに承知している。
ご案内のとおり、当省の業務所掌は幅広く、いろいろな分野について当省は責任を持たざるを得ない立場にあるが、本件に関しても同様であり、犯罪被害者の方々に対して、例えば心のケアが必要な方々への相談支援とか、虐待などの被害者を受けている子どもさんであるとか、女性の保護といった保健医療であるとか、福祉サービスなどの必要な施策、この骨子にも盛り込まれたところである。引き続き、この会議に寄せられた犯罪被害者等の実情やご要望を十分踏まえつつ、12月の犯罪被害者等基本計画策定に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと考える。引き続き、よろしくご指導いただきたいと思う。

(委員)当省においては、住民基本台帳の閲覧制度のあり方について、犯罪被害者保護の観点も含め、現在、検討を進めているところであり、この秋をめどに検討結果を取りまとめることとしたいと考えている。また、地方公共団体においては、被害者支援制度に係る情報の提供や相談窓口の設置など、犯罪被害者等のための施策を講じているところが増えてきているが、さらに今後、関係省間の窓口の連携、ネットワーク化などの取組が重要であるので、これにできるだけの協力をしてまいりたいと考えている。

(委員)大臣が都合によりどうしても出席できないので、大臣のあいさつを私が代わって読み上げさせていただきたい。
春以降の7回にわたる基本計画検討会においては、犯罪被害者団体等からの要望を真摯に受け止め、大変活発な議論が行われたと聞いている。基本計画骨子案の取りまとめに当たられた座長、座長代理をはじめ、検討会の構成員の皆様方のご労苦に敬意を表する次第である。
基本計画骨子には、当省が取り組んでいく施策として、交通事故被害者に対する自賠責保険の適正な支払いを通じた支援や、現在、住居に住むことが困難となっておられる被害者等の公営住宅への単身入居や優先入居などが盛り込まれている。また、関係省庁と連携・協力して、犯罪被害者の方々への情報提供等のあり方の検討なども行っていくことになっている。これまで同様、12月の閣議決定に向け、犯罪被害者基本計画の策定に積極的に取り組むとともに、これら施策の活用、充実を図り、犯罪被害者の方々の期待にこたえてまいる所存である。

(委員)現段階で取りまとめられた基本計画案の骨子の中には、犯罪被害給付制度における重傷病給付金の支給範囲等の拡大など、新たに取り組むべきことが求められているもののほか、警察がこれまで取り組んできた施策をより一層充実強化していくこととされているものも多数ある。今後、これらについて必要な検討を速やかに行っていくものと考えるが、骨子案策定の過程におけるさまざまな議論や、犯罪被害者等の方々のご要望を踏まえて、警察における被害者支援がより一層充実したものとなるよう、私としても、警察を督励してまいりたいと考えている。

(委員)基本計画の検討会の案の中では、その施策検討を例えば1年以内に、あるいは2年以内をめどに結論を出して当該施策を実施するという言葉も多いかと思うので、ぜひとも被害者支援のことを十分理解している方もその検討会の中に入っていただいて、被害者の視点を取り入れたものにぜひつくり上げていっていただきたいと願っている。

(委員)ただいまの委員からのご発言について、座長代理におかれても、今ご要望のご趣旨を踏まえて、今後ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思う。

○ 最後に、犯罪被害者等施策担当大臣より、締め括りとして、概略次の通り発言。
 「本日の議論を踏まえ、事務局において骨子の公表と国民から意見を求める手続を開始させていただきたいと思う。この結果を踏まえ、秋以降、骨子に肉付けをして、基本計画の案を固めていく作業に取りかかることになる。犯罪被害者等の視点に立った施策が講じられ、犯罪被害者等の権利利益の保護が図られる社会の実現に向け、引き続き皆様方のご協力をお願い申し上げる。」

(以上)


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