3.様々なニーズに対応するための関係機関・団体の連携

3-2 関係機関・団体の連携の実際

(2)連携の際の留意点

(ア)相互理解・信頼関係構築の必要性

関係機関・団体においては、まずは、互いの支援内容、活動目的等を理解し合うことが重要です。互いの役割をよく理解していないと、相談内容に応じた適切な機関・団体を選択できないばかりでなく、連携の目的について共通理解が得られず、連携が容易に進まない、といったことにもなりかねません。
日頃から、事例検討や情報交換等を通して、担当者同士が関係を密にしておくことが重要です。

(イ) 犯罪被害者等の心情への配慮

自機関・団体に、相談内容に適した事業がなく、他機関・団体を紹介する場合には、その旨を丁寧に説明し、犯罪被害者等が「たらい回しにされた」と感じることがないように努めてください。「たらい回しにされた」というような印象を与えることは、犯罪被害者等の心を傷つける上に、自機関への信頼を損ねることに繋がります。場合によっては、犯罪被害者等支援の関係機関・団体全体への信頼感を損ね、支援者との関わりを犯罪被害者等が望まなくなる場合もあります。

(ウ)正確な情報提供

他機関・団体の情報を犯罪被害者等に伝達する場合には、正確な情報を伝えるとともに、支援の詳細は直接相談してみなければわからないことを伝えてください。不用意に曖昧な情報を伝えることは、犯罪被害者等を混乱させたり、期待していた支援を受けることができず、後に落胆させてしまう結果となります。当該被害者等が必要とする支援を自機関・団体で行っていないこと、○○機関・団体に尋ねることがよいと思われること、希望があれば、その機関・団体を案内することについて、事務的な印象を与えないよう十分配慮しながら伝えることが重要です。

(エ) 情報管理の徹底

機関・団体同士で犯罪被害者等の個人情報について伝達する際には、必ず犯罪被害者等の同意を得るとともに、口頭の場合には周囲に聞こえないようにする、FAXの場合には誤送信を防ぐため短縮ダイヤル等を利用する、Eメールの場合にはパスワードを付す、被害者等の実名の記載は避けて、アルファベットのイニシャルのみにするなどの工夫をするなどし、絶対に情報が流出することのないように注意してください。不安の強い被害者等の場合は、被害者の目の前で関係機関に電話をかけたり、書簡で情報伝達する際には書類に目を通してもらうなど、当事者が確認し、安心できる手続を踏みましょう。