2.支援に携わる際の留意事項

2-1 犯罪被害者等に対応する際の基本的な留意事項

《具体的な応対にみる留意点》

 具体的な会話例をもとに、心情を踏まえた応対の留意点を示します。応対の参考にしてください。なお、下記の事例はあくまでも一般的なものであり、個々の犯罪被害者等に応じた誠実な支援者の態度が何よりも大切です。

【不適切な応答】

不適切な応答の例を次に示します。犯罪被害者等の心情を踏まえないこれらのような言葉は、犯罪被害者等を更に傷つけることにもなりかねません。

《不適切な応答例》
  • 気を強く持って、前向きに生きましょう。
  • あなた一人が苦しいのではありませんよ。
  • どんなに悲しんでも、死んだ人は戻ってこないのですから。
  • 泣いてばかりいると、死んだ人が浮かばれませんよ。
  • 早く元気にならなければいけませんよ。
  • 辛いことは、早く忘れましょう。
  • 起きてしまったことを後悔しても仕方ありません。
  • まだ子どもがいるじゃないですか。
  • 命が助かっただけでも良かったと思わなければいけませんね。
  • あなたは強い方だから大丈夫ですよ。
  • あなたにも悪いところがあったのではないですか。

【適切な応答】

 適切な応答の例を示します。なお、これらは適切ではあるものの、安易に使用すると、逆に、犯罪被害者等を傷つけてしまったり、不信感を招くことにもつながるので注意して下さい。

《適切な応答例》
  • ご心中、お察しします。
  • 本当にお気の毒です。
  • このことは、あなたにとって大変辛いことだと思います。
  • 悲しんでいいのですよ。
  • あなたが怒りを感じられるのは当然だと思います。
  • そのことを認めるのは、とても辛いことに違いありません。
  • (このような体験をしたら)今までのように仕事や家事が出来なくなるのも当然だと思います。
  • 何をする気力も無いのは当たり前のことだと思います。
  • 無理をする必要はありません。
  • よく頑張ってこられましたね。
  • ここでは、安心してご自分の感情を出していいんですよ。