刑事手続とは、犯人を明らかにして犯罪の事実を確定し、科すべき刑罰を定める手続のことを言い、「捜査」→「起訴」→「裁判」のプロセスをとります。
※加害者が少年(20歳未満)の場合には、手続などに違いがあります。
捜査とは、犯人を発見、確保し、証拠を収集するなどによって、犯罪事実を明らかにすることを言います。捜査機関によって犯罪の嫌疑があるとされている者であって、まだ起訴されていない者を法律上「被疑者」と言います。一般に、警察は、逃走や証拠隠滅のおそれがある場合などには、被疑者を逮捕して捜査を行い、48時間以内に事件を検察官に送ります*4。これを受けた検察官が、その後も継続して被疑者の身柄を拘束して捜査する必要があると認めた場合には、24時間以内に裁判官に対して勾留の請求を行います。裁判官がその請求を認めた場合、被疑者は通常10~20日間勾留されることになります。そして、被疑者が勾留されている間に、捜査機関は様々な捜査を行います。
検察官は、警察官から送られた書類や証拠品と検察官自ら犯人を取り調べた結果などを検討し、被疑者を刑事裁判にかけるかどうかの決定を行います。裁判にかける場合を「起訴」、かけない場合を「不起訴」と言います*5。
※起訴処分には、公開の法廷で裁判を開くことを請求する「公判請求」、書面審理だけの裁判を請求する「略式命令請求」などがあります。
被疑者が起訴され、裁判が開かれる日(これを「公判期日」と言います。)が決められた後、裁判所で審理が行われ、判決が下されます。刑事事件に関して起訴され、その裁判がまだ確定していない者を「被告人」と言います。検察官や被告人が、判決の内容に不服がある場合には、更に上級の裁判所に訴えることになります。
※一定の犯罪については、犯罪被害者等は刑事裁判へ参加し、証人への尋問や被告人への質問などができる場合があります(被害者参加制度:「4. 各機関・団体における支援業務」参照)。
刑事裁判で犯人の有罪が確定しても、刑罰が決まるだけで犯人から賠償金や慰謝料などが支払われるわけではありません。財産的損害、精神的損害の賠償を求める場合は、民事上の損害賠償請求を行う必要があります。
なお、一定の犯罪については、刑事裁判所が刑事事件について有罪の言渡しをした後、犯罪被害者等の被告人に対する損害賠償請求について審理・決定をすることができます(損害賠償命令制度:「4. 各機関・団体における支援業務」参照)。
*4被疑者の身柄を拘束せずに捜査が行われる場合もあります。また逮捕された場合でも、場合によっては、検察庁に送られる前に被疑者が釈放されることもあります。なお、検察官等が被疑者を逮捕する場合もあります。
*5被疑者の身柄を拘束せずに捜査が行われる場合もあります。また逮捕された場合でも、場合によっては、検察庁に送られる前に被疑者が釈放されることもあります。なお、検察官等が被疑者を逮捕する場合もあります。
逮捕され、引き続き勾留されたとしても必ず起訴されるわけではなく、不起訴になることもあります。不起訴になれば、被疑者は釈放されます。