1.犯罪被害者等の抱える様々な問題

1-2 具体的に困難な状況

(5)捜査、裁判に伴う様々な問題(負担)

捜査や裁判にあたり、事件について何度も説明せざるを得ないため、その度に事件のことを思い出し、つらい思いをします。
捜査の過程では特に、事件に関する情報が犯罪被害者等に十分に提供されず、当事者である犯罪被害者等が捜査から置き去りにされているという感覚を強く抱くことがあります。
さらに、警察や検察における捜査、裁判の傍聴、証言、陳述などのために、時間的・身体的に負担を強いられるほか、刑事裁判では、慣れない法廷の場に身を置く、加害者の弁護人から、「被害者に問題がある」といった主張がされるなどの精神的負担を強いられることもあります。
損害賠償請求に係る民事裁判において、訴訟費用、労力、時間が必要とされるほか、とりわけ弁護士に依頼をしない場合には、加害者と法廷において直接向き合う可能性もあり、そのような場合には心身ともに更なる負担を与えられるのみならず、訴訟に関する知識不足、一人では証拠が十分に得られないなどの多くの困難に直面することもあります。