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第9回基本計画策定・推進専門委員等会議及び
第1回「犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会」・「犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討会」合同会議
議事録

(開催要領)

日時: 平成23年6月8日(水)午前10時~正午
場所: 中央合同庁舎7号館12階共用第2特別会議室

「基本計画策定・推進専門委員等会議」
出席者: 議長 冨田 信穗 認定NPO法人全国被害者支援ネットワーク副理事長
・常磐大学大学院被害者学研究科教授
瀬川 晃 同志社大学法学部教授
中曽根えり子 (公益社団)にいがた被害者支援センター理事・支援局長
小西 聖子 武蔵野大学人間関係学部教授
松坂 英明 弁護士
松村 恒夫 全国犯罪被害者の会(あすの会)代表幹事代行
久保 潔 元読売新聞東京本社論説副委員長
川出 敏裕 東京大学大学院法学政治学研究科教授
中島 聡美 (独)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所成人精神保健部犯罪被害者等支援研究室長
太田 裕之 内閣府犯罪被害者等施策推進室長
  坂口 正芳 警察庁長官官房総括審議官
  中野 祐介 総務省大臣官房企画課企画官
  伊奈川 秀和 厚生労働省社会保障担当参事官室長
  新垣 慶太 国土交通省総合政策局政策課政策企画官

「犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会」
出席者: 座長 冨田 信穗 認定NPO法人全国被害者支援ネットワーク副理事長
・常磐大学大学院被害者学研究科教授
瀬川 晃 同志社大学法学部教授
川出 敏裕 東京大学大学院法学政治学研究科教授
黒澤 正和 (財)犯罪被害救援基金常務理事
中曽根 えり子 (公益社団)にいがた被害者支援センター理事・支援局長
番 敦子 弁護士
松村 恒夫 全国犯罪被害者の会(あすの会)代表幹事代行
太田 裕之 内閣府犯罪被害者等施策推進室長
坂口 正芳 警察庁長官官房総括審議官
中川 清明 法務省大臣官房審議官
  伊奈川 秀和 厚生労働省社会保障担当参事官室長
  新垣 慶太 国土交通省総政策課政策企画官

「犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討会」
出席者: 座長 小西 聖子 武蔵野大学人間関係学部教授
中島 聡美 (独)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所成人精神保健部犯罪被害者等支援研究室長
太田 達也 慶応義塾大学法学部教授
加藤 智章 北海道大学法学研究科教授
久保 潔 元読売新聞東京本社論説副委員長
松坂 英明 弁護士
太田 裕之 内閣府犯罪被害者等施策推進室長
坂口 正芳 警察庁長官官房総括審議官
中川 清明 法務省大臣官房審議官
伊奈川 秀和 厚生労働省社会保障担当参事官室長
  有松 育子 文部科学省スポーツ・青少年総括官

※出席者は、専門員等会議及び各検討会ごとに記載しているため、一部重複する。


(議事次第)

  1. 開会
  2. 構成員紹介
  3. 専門委員等会議の議長代理及び各検討会の座長代理の指名について
  4. 犯罪被害者等施策推進会議決定等について
    • 犯罪被害者等施策推進会議決定について
    • 議事の公開について
  5. 第2次犯罪被害者等基本計画の概要について
  6. 第2次犯罪被害者等基本計画策定時における2つの検討会設置に至る経過について
  7. 各検討会のスケジュールについて
  8. 各検討会における検討事項及び検討の進め方について
  9. 自由討議
  10. その他
    • 第2回各検討会の開催について
  11. 閉会

(議事内容)

○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官)
ただいまから第9回基本計画策定・推進専門委員等会議及び第1回「犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会」・「犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討会」合同会議を開催いたします。
最初に、共生社会政策担当の村木政策統括官からごあいさつ申し上げます。
○内閣府共生社会政策統括官 おはようございます。内閣府の政策統括官の村木でございます。委員の皆様におかれましては、今日は大変お忙しい中をお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。犯罪被害者等施策でございますが、平成16年の犯罪被害者等基本法の成立以降、様々な取組が進められ、この間、皆様の御尽力によりまして、被害者参加制度が創設されるなど、着実に進展をしてきております。
一方で、犯罪の被害に遭われた方々からは、特に精神的あるいは経済的支援の拡充を求める要望が数多く寄せられております。こうした要望を踏まえまして、今年の3月に閣議決定をされました第2次犯罪被害者等基本計画には、犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設。それから、犯罪被害者等に対する心理療法の公費負担についての検討を行うという、この2つのことが盛り込まれたところでございます。
今般設置された、この2つの検討会は、この課題について御検討をいただくために、有識者の皆様や関係省庁の皆様にお集まりをいただいて開催をするものでございます。
委員の皆様におかれましては、幅広い視点で、多角的に議論を深めていただき、基本計画にありますとおり、給付補償制度に関する検討につきましては3年以内、それから、心理療法の公費負担に関する検討につきましては、2年以内を目途に結論を出していただきますようお願いを申し上げます。
皆様方には、大変な御苦労をおかけするものと思いますが、犯罪被害に遭った方々への支援の一層の充実を図るために、是非、活発な御議論をお願いいたしたいと思います。
私も事務局として、9月からこのポストにおりますが、一生懸命やらせていただきたいと思います。個人的に申し上げますと、犯罪とか、司法制度とか、いろんなことを身近に感ずるような経験もいたしましたので、事務局として一生懸命やっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) 引き続きまして、当室、太田室長からも一言ごあいさつ申し上げます。
○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 皆さん、おはようございます。これまでも大変お世話になってまいりましたけれども、これからもこの会議及び検討会におきまして、事務局の担当をさせていただきます。内閣府大臣官房審議官で内閣府の犯罪被害者等施策推進室長をしております太田でございます。よろしくお願いします。
私からは、合同会議の初めに、基本計画策定・推進専門委員等会議、それから犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会及び犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討会、この3つの会の議長及び座長につきまして、御紹介をさせていただきます。
基本計画策定・推進専門委員等会議の議長につきましては、推進会議決定に基づきまして、蓮舫担当大臣から指名がございましたので、冨田構成員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
また、2つの検討会の座長につきましては、犯罪被害者等施策推進会議会長でございます枝野内閣官房長官の御指名がございましたので、犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会の座長には、これまた冨田構成員、よろしくお願いいたします。
また、犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討会の座長につきましては、小西構成員によろしくお願い申し上げます。
それでは、これから議論をお願いしたいと思います。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) それでは、次第の2、構成員紹介に移らせていただきます。
本日は、第9回の基本計画策定・推進専門委員等会議、それから第1回の犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会、犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討会、この3つの合同会議でありますので、有識者構成員の方々に自己紹介をお願いしたいと思います。
なお、犯罪被害者等施策推進会議、基本計画策定・推進専門委員等会議及び2つの検討会の構成や関連する条文につきましては、今日、配付しております資料の1-1、ここに構成図、それから1-2に参照条文、これを掲げております。
また、各会議や検討会の構成員につきましては、資料2-1から2-4まで、2-1が推進会議、2-2が専門委員等会議、2-3が給付補償の検討会、2-4が心理療法公費負担の構成員名簿となっておりますので、それぞれ御参照ください。
今般、専門委員等会議の有識者構成員におかれましては、任期満了に伴いまして、新たな任命が行われました。また、2つの検討会の構成員につきましても、推進会議の会長により指名がなされました。
そして、当室、室長からありましたとおり、専門委員等会議につきましては冨田構成員が議長に指名されました。また、給付補償制度創設の検討会の座長につきましては冨田構成員が、心理療法費用公費負担に関する検討会の座長につきましては、小西構成員がそれぞれ指名されました。
まずは、冨田議長兼座長と小西座長に自己紹介を兼ねてごあいさつをお願いしたいと思います。
それでは、冨田議長からお願いします。
○冨田議長 皆さん、おはようございます。先ほど、大変な大役を仰せつかりました冨田でございます。
私は、茨城県水戸市の常磐大学大学院の被害者学研究科というところで、被害者学及び被害者支援の研究と教育に携わっているほか、全国にあります民間の犯罪被害者支援団体の集まりであります、全国被害者支援ネットワークの副理事長として、理事長である山上皓先生の補佐をしているということで、被害者支援の実践にも携わっているところでございます。
先ほども申し上げましたように、今回、このような大役を仰せつかって、非常に緊張しているところでございますけれども、会議の運営等につきましては、委員の先生方の御協力を得ながら何とか運営してまいりたいと考えております。皆様方の御協力をお願いして、私からのあいさつに代えさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) では、小西座長、お願いします。
○小西座長 ただいま、犯罪被害者等に関する心理療法の費用の公費負担に関する検討会の方の座長を御指名いただきました。武蔵野大学の小西と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
私は、精神科医ですが、大学では臨床心理学、心理療法を教えておりまして、専門は犯罪や暴力の被害者の方の臨床治療、臨床研究です。犯罪被害者の問題に1990年代から関わってきまして、この心理療法の公費負担ということは、多くの被害者の方が常に思われてきたことで、恐らくここにおられる方もそう思っていらっしゃると思います。
ところが、なかなか制度がうまく設定されないというようなこともあって、これまで行われてきませんでした。普段の臨床の中で、私はそれを毎日本当に痛感しているものでございます。是非、何らかの形で実現できればと、微力ながらそういうふうに思っております。いろいろ皆様方に御迷惑をおかけすることがあると思いますが、是非、御協力をよろしくお願いいたします。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) ありがとうございました。次に、専門委員等会議及び各検討会の有識者構成員に自己紹介をお願いしたいと思います。
今回、専門委員等会議の有識者構成員には、2つの検討会のいずれかの構成員となっていただいております。そして、各検討会は、更に専門委員等会議の構成員以外の有識者3名ないし2名の方にも構成員となっていただいております。
そこで、犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会の瀬川構成員から着席順に自己紹介をいただきました後に、犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討会の中島構成員から着席順に自己紹介をお願いいたします。
なお、気温の設定が高くなっておりますので、どうぞ、上着の方は脱いでいただいて結構です。また、ごあいさつは着席でしていただいて結構ですので、よろしくお願いいたします。
では、瀬川構成員、お願いします。
○瀬川構成員 同志社大学法学部の瀬川です。私の専門は刑事法で、刑事政策あるいは被害者学にも及んでいます。この会議自体は、難しいテーマが残ってしまったという感じがしておりまして、委員の方々と知恵を出し合って、うまくランディングできればと思っております。そういう意味で、忌憚のない御意見を皆さんで出し合って、意義のある検討会にしていただきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。
○川出構成員 東京大学の川出でございます。私は、大学では刑事政策と刑事訴訟法を担当しておりまして、その両方に関わるものとして、犯罪被害者の問題について研究をしてきました。
そのようなこともありまして、今回から、本会議に加わらせていただくことになりました。取り上げられるテーマは非常に難しいもので、どのような解決が望ましいのか、まだよくわからないというのが正直なところですが、それを見つけるうえでの何がしかのお役に立てればと思っております。どうかよろしくお願いいたします。
○中曽根構成員 おはようございます。中曽根えり子と申します。にいがた被害者支援センターの理事と支援局長を、今、やっております。13年前に交通事故の被害者遺族になりまして、そこからいろんなことがございましたが、平成18年ににいがた被害者支援センターが立ち上がるときに、事務局長として一応関わらせていただきました。13年前からでは、いろいろな基本計画等ができまして、被害者にとっていろんな意味で変化の大きい支援がなされてきていると思いますけれども、まだまだ足りない部分があるのではないかと、実際、現場に立たせていただいて感じていることは多々あります。微力ではございますけれども、少し意見等を述べさせていただく機会がありましたら、述べさせていただきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○松村構成員 松村でございます。私は、全国犯罪被害者の会、あすの会の代表幹事代行です。
私は、1999年の11月に、文京区護国寺で起きました、文京区幼女殺害事件の被害者の遺族でございます。それから、犯罪被害に関わってきたわけですが、2001年からあすの会に携わりまして活動を始めました。その後、岡村先生や弁護士さん、会員と一緒に犯罪被害者の公訴参加制度の実現だとか、公訴の廃止延長等に携わってまいりました。
前回の第2次基本計画の策定のときに当たりまして、岡村代表からあとをやるようにと言われまして、この会に関わりました。そして、その結果、犯罪被害者に対する経済補償制度、新しい制度をつくってくださいという訴えをしましたら、それを認めてくださいまして、今回、論議されることになりました。非常にうれしく思っております。ですから、今後、犯罪被害者等が真に必要とする制度にするように、皆さんと共に協力してやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○黒澤構成員 黒澤でございます。公益財団法人犯罪被害救援基金の専務理事をいたしております。
ちょうど20年前でございますけれども、平成3年、私は警察庁OBでございまして、当時、給与厚生課長兼犯罪被害給付室と当時申しておりましたが、室長を兼ねておりまして、犯罪被害者支給法がちょうど10周年の記念すべき節目の年にそういうポストにおりまして、それ以来、犯罪被害の関係に携わっているものでございます。
微力ながら最善を尽くしますので、どうぞ、よろしくお願いいたしたいと存じます。
○番構成員 弁護士の番敦子と申します。第二東京弁護士会に所属しておりまして、この5月まで2年間、日弁連の犯罪被害者支援委員会の委員長を務めておりました。仕事も活動も被害者一色という、ある意味で偏っていると見られている弁護士です。被害者の関係は、本当に施策がどんどん進みましたが、やはり経済的な問題、これはまだまだ残されている問題です。とても大きな問題だと思いまして、この補償制度についての議論に加わらせていただくことはとても光栄に存じております。
私ごとでは、内閣府の方の男女共同参画会議の女性に対する暴力に関する専門調査会に今年から加わらせていただきまして、ここでは性暴力被害者についての議論もさせていただくことになりました。被害者のために施策が進むことを祈りまして、私も微力ではございますが、議論に加わらせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○中島構成員 国立精神神経医療研究センターの中島と申します。私も精神科医で1990年代から冨田議長や小西座長と一緒に犯罪被害者の方のメンタルヘルスに関わらせていただきました。
2006年に、私どもの研究所に犯罪被害者等支援研究室ができまして、そこの室長に就任しております。以降、犯罪被害者の方の精神健康の実態や、PTSDや悲嘆に関する認知行動療法を進めさせていただいております。ちょうど、6月に私どものセンターでも認知行動療法センターがつくられましたので、このような会議の中で、被害者の方に有益な心理情報を普及できる委員会に携わらせていただいたことに、本当に感謝しております。今後ともよろしくお願いいたします。
○久保構成員 久保と申します。よろしくお願いいたします。私も1次計画から参加させていただいておりますけれども、最近の情勢から見まして、犯罪被害者等を取り巻く情勢というのは、ますます厳しさを増していると思いますので、何か最善の道はないものかというふうなことで、いろいろと考えさせていただければと思っております。
○松坂構成員 弁護士の松坂でございます。日弁連の副会長を平成18年度にさせていただきました。その時期は、犯罪被害者の刑事訴訟手続参加の法制度の議論が非常に激烈に行われているときでありましたが、その問題などにもいろいろ関わらさせていただいたことが御縁でありまして、その後、日弁連の中の犯罪被害者支援委員会の方に関わるようになったということであります。
昨年の3月からこの会議の構成員として参加させていただいておりますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。
○太田構成員 慶應義塾大学の太田でございます。今回からお世話になります。専攻は刑事政策、それから被害者学、それからアジアの法制度についての研究を行っております。
大学時代から昨年お亡くなりになられました慶應義塾大学名誉教授の宮澤浩一先生の研究室におりました関係で、被害者の問題について勉強してきております。
また、そういった御縁と、それから、私は海外の非常に治安の悪い国にいた関係で強盗の被害なんかにも遭ったことがございます。そういう御縁かどうかわかりませんけれども、被害者支援都民センターの方の活動にも従事させていただいております。微力ではございますが、一生懸命努めさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○加藤構成員 北海道大学法学部の加藤でございます。専攻は社会保障法でございまして、公費負担医療、余り授業する機会もありません。これまで余り研究を進めてこなかった領域ですが、今回、こういう機会を与えられましたので、精一杯勉強させていただきたいと思います。どこまでお力になれるかわかりませんが、精一杯努めさせていただきますので、よろしくお願いします。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) ありがとうございました。本日は、御欠席されておりますが、社会保障法が御専門である、東京大学の岩村正彦教授にも有識者構成員として御参加をいただくことにしております。検討会は、犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会の方でございます。
なお、資料2-2にありますように、専門委員等会議ですが、内閣府、警察庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省、国土交通省の専門委員も構成員となっております。
また、資料2-3と2-4にありますように、犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会については、内閣府、警察庁、法務省、厚生労働省、国土交通省の職員、犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討会については、内閣府、警察庁、法務省、厚生労働省、文部科学省の職員もそれぞれ構成員となっております。
それでは、これより議事に入りますので、司会を交代いたします。合同会議ということでありますので、本日の以後の司会を専門委員等会議の議長である冨田議長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○冨田議長 それでは、これから司会を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、お手元の議事次第に従いまして進めてまいります。
まず、次第の3でございます。専門委員等会議の議長代理及び各検討会の座長代理の指名について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) それでは、事務局から御説明いたします。
まず、今回、任期満了に伴いまして、新たに基本計画策定・推進専門委員等会議の専門委員の任命及び議長の指名が行われておりますので、議長代理の指名についても行う必要があります。
資料3-1「基本計画策定・推進専門委員等会議の開催について」をごらんください。
4項におきまして、専門委員等会議の議長は、自らに事故があった場合に、議長に代わり専門委員等会議を主宰する者として議長代理を指名することとされております。
そこで、議長代理の指名をお願いしたい思います。
○冨田議長 ただいま議長代理につきまして、議長が指名することについて御説明があったところであります。議長代理につきましては、瀬川構成員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) 次に、資料3-2の方をごらんください。「『犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会』及び『犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討会』の開催について」でございます。
これも4項におきまして、各検討会の座長は、自らに事故があった場合に、座長に代わり検討会を主宰する者として、その構成員のうちから座長代理を指名することとされております。
冨田座長、お願いします。
○冨田議長 ただいま2つの検討会の座長代理については、各座長が指名することについて御説明があったところです。
まず、犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会の座長代理につきましては、瀬川構成員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
続きまして、犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討会につきましては、小西座長に座長代理の指名をお願いします。
○小西座長 ただいま、犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討会の座長代理を座長が指名することについて御依頼がありましたので、座長代理は中島構成員にお願いしたいと思います。
○冨田議長 それでは、座長代理が決まったところで、次に移りたいと思います。項目の4でございます。2つの検討会に関する第9回犯罪被害者等施策推進会議における決定について、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) それでは、事務局の方から御説明をいたします。資料3-2をごらんいただきたいと思います。
本年、3月25日付の推進会議の決定でございまして、2つの検討会の開催についてということでございます。
1項は2つの検討会をそれぞれ開催するということ。
2項は、各検討会の構成員を会長が指名するということ。
3項は、検討会の座長を会長が指名するということ。
4項は、今、読み上げましたが、座長が座長代理を指名するということがそれぞれ規定されております。
5項は、各検討会は、行政機関の職員たる構成員以外の構成員の出席が半数に満たないとき、開くことができないということを定めております。
6項は、検討会は、必要に応じ、関係行政機関の職員その他の者の出席を求めることができるとしております。
7項と8項は、議事の公開に関するものでございます。これにつきましては、議事の公開の具体的な方法について、この後、まとめて御説明をいたしますので飛ばします。
9項は、検討会の庶務を内閣府の犯罪被害者等施策推進室において処理するということが定められております。
10項は、そのほか、検討会の運営に関する事項、その他必要な事項は、内閣府特命担当大臣(犯罪被害者等施策担当)が定めるとしております。
それでは、議事の公開について、この具体的な方法につきまして、まず、事務局案を御説明させていただきます。
7項と8項にございますように、検討会は、非公開となっておりますが、7項で、検討会終了後、速やかに適当と認める方法により、議事内容を公表するとされております。
また、8項では、検討会終了後、遅滞なく議事要旨及び議事録を作成し、公表することとされております。
ただし、議事録の公表につきましては、当該議事録が行政機関の保有する情報の公開に関する法律、第5条各号に掲げる情報のいずれかを含む場合は、座長が検討会の決定を経て、当該議事録の全部又は一部を非公表とすることができるとされております。
そこで、議事内容、議事要旨、議事録の具体的な公表方法なのですが、まず、議事内容につきましては、本日のような第1回会合というような節目となる検討会の後には、検討会の直後にマスコミの方に事後ブリーフを行うということにより公表することといたしまして、それ以外の検討会では、議事次第と配付資料リスト、必要に応じて補足説明を加えたもの、これを当室のホームページに掲載するということで公表したいと思っております。
次に、議事要旨についてですが、第2次基本計画策定に向けた専門委員等会議の議事要旨程度の内容をホームページに掲載することで公表したいと考えております。
どのようなものかといいますと、開催要領、議事次第、配付資料のリストに加えまして、議事の内容として議論された論点や説明された事項を摘示するという程度のものでありますが、これをホームページに掲載して議事要旨の公表としたいと思います。
次に、議事録についてですが、これまで当室が事務局を務めてきた会議や検討会における議事録同様、発言者等の名前を記載し、議事にかかる発言及び議事進行について、原則全て掲載したものを当室ホームページに掲載することにより、公表することとしたいと思います。
ただし、先ほど読み上げましたように、各項のただし書きがございますので、情報公開法の5条各号に掲げるいずれかの情報を含む場合には、座長が検討会の決定を経て一部又は全部を非公表とするという扱いになります。
私からの説明は、以上です。
○冨田議長 ただいま事務局から議事の公開について詳細な御説明がありました。この点につきまして、事務局案の説明のとおりでよろしいでしょうか。
特に御意見もないようですので、議事の公開につきましては、事務局からの御提案のとおりといたします。どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、次第の5の第2次基本計画の概要について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) それでは、事務局の方から御説明をいたします。資料は4と5になります。
この場に御出席いただいている皆様方は、つい先だってまで、第2次基本計画の策定に向けて御議論をいただいた方がほとんどでございますので、余り長く時間をかけることはしないようにと思っておりますが、今回から御参加いただいた方もございますので、ごくごく大まかなところを御説明させていただきたいと思います。
最初に資料4の方をごらんいただきながら、お聞きいただければと思います。
平成16年に犯罪被害者等基本法が制定されまして、これに基づきまして、平成17年の12月に第1次の犯罪被害者等基本計画が策定されました。この第1次の基本計画の計画期間は、平成22年度末までとなっておりました。そのため、今年の3月25日ですが、第2次犯罪被害者等基本計画が3月に閣議決定をされて、新しい計画ができたということでございます。計画期間は、平成23年4月から平成27年度末までという5年間を計画期間としております。
この第2次基本計画の策定に当たりましては、まず、平成21年の9月から11月でしたが、全国7か所で要望聴取会というものを開催いたしまして、合計35の犯罪被害者団体、犯罪被害者支援団体から、基本計画の見直しに関する要望を聴取いたしました。そして、これに基づきまして、論点整理というものも行いました。
また、基本計画策定・推進専門委員等会議、専門委員等会議と略して呼ばせていただきますが、ここで、第1次犯罪被害者等基本計画に基づく施策の進捗状況の評価というものも行いました。
こうした評価や聴取いたしました要望を踏まえて、第2次基本計画に盛り込むべき事項について検討を重ねてまいりました。平成22年の2月から平成23年の1月まで専門委員等会議で御議論をいただいたというところでございまして、その間、中間取りまとめにつきまして、骨子という名称ですが、パブリックコメントに付して多数の意見をいただきまして、それを踏まえた検討もいたしまして、最終的なものが推進会議で決定されて閣議決定されたというものでございます。
資料4は、第2次基本計画の概要ということで、基本方針と重点課題を(1)で示しております。これは、第1次基本計画と同じでございまして、4つの基本方針、尊厳にふさわしい処遇を権利として保障すること、個々の事情に応じて適切に行われること、途切れることなく行われること、国民の総意を形成しながら展開されること、ということを掲げております。また、5つの重点課題もそこにありますとおりで、第1次計画と同じであります。
施策の数につきましては、5つの重点課題にそれぞれ振り分けまして、合計で241施策ということになっております。
第2次基本計画に盛り込まれました主な施策でございますけれども、第1の損害回復・経済的支援等への取組から、第5、国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組まで、字が少し細かくて申し訳ありませんが、ここに掲げられているようなものでございます。
大きいところで、今回のこの2つの検討会を設置して、犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関して検討していくということ、それから、カウンセリング等、心理療法の費用の公費負担について検討していくということがございます。
また、第2精神的・身体的被害の回復・防止への取組というところの下から2つ目のポツでありますが、性犯罪被害者のためのワンストップ支援センターの設置促進という施策もございます。
これは、内閣府におきまして、民間団体や関係省庁の協力を得て、ワンストップ支援センターの開設運営の手引を作成して、犯罪被害者支援団体、医療機関、地方公共団体、警察等に配付するというものでありまして、これは今年度の事業ということで、内閣府で関係省庁や有識者の方々の協力を得ながら、少しずつ、今、作業を始めているところでございます。
次に、資料の5をごらんいただきたいのですが、これは、第2次計画におきまして、検討期限が明記されている施策を一覧にしたものでございます。第2次計画につきましては、特段の検討を要することなく実施できるものについては、そのまま施策を実施するということで書いておりますが、一定程度検討の期間を要するようなものにつきましては、期限を明記しております。
第1の損害回復・経済的支援等への取組というところでいきますと、日本司法支援センターによる支援の検討及び施策の実施ということで、法務省ですが、2年以内となっております。
また、この2つの検討会が3年以内、2年以内となっております。
また、生活保護制度における犯罪被害者等給付金の収入認定除外についての検討は、1年以内ということで厚生労働省となっております。
また、公営住宅への優先入居等につきましては、2年以内ということで国土交通省となっております。
被害直後及び中長期的な居住場所の確保につきましては、平成26年度までにということで厚生労働省となっております。
ページをめくっていただきまして、第2、精神的・身体的被害の回復・防止への取組というところでありますが、判決確定、保護処分決定後の加害者に関する情報提供拡充の検討及び施策の実施。これは、3年以内を目途ということで、法務省になっております。
また、一時保護場所の環境改善等は、平成26年度までにということで、失礼しました、これは再掲でございます。厚生労働省です。
それから、配偶者等からの暴力被害者の安全確保の強化についての検討及び施策の実施が3年以内ということで、内閣府、警察庁、法務省、厚生労働省となっております。
第3の刑事手続への関与拡充というところですと、再掲分を除きますと、被害者参加人への旅費等の支給に関する検討ということで、2年以内で法務省となっております。
また、仮釈放等審理における意見陳述に資する情報提供の拡大についての検討及び施策の実施ということで、3年以内を目途で法務省となっております。
2次計画の施策の進捗状況につきましては、フォローアップをすることとしておりまして、各省庁にフォローアップ、どうなっているかということで聞いていきまして、そういった内容を専門委員等会議に御報告するということもございますので、今日、年度が変わっての最初の専門委員等会議の場で資料として配付させていただいた次第でございます。
私からは、以上です。
○冨田議長 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。それでは、続きまして、次第の6です。第2次犯罪被害者等基本計画策定時における2つの検討会設置に至る経過について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) それでは、事務局の方から2つの検討会設置に至る経過概要について御説明いたします。
なお、便宜上、犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会については、検討会1、犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討会については、検討会2と略して御説明させていただく場面もございます。
それでは、資料の方ですが、6-1から6-3をごらんいただきたいと思います。
6-1は、各検討会に関係する犯罪被害者等からの御要望でございます。今、御説明いたしましたとおり、第2次計画は、犯罪被害者団体及び犯罪被害者支援団体から要望を聴取、これに基づきまして論点整理を行って、そして、第2次計画に盛り込むべき施策について議論をいたしました。資料6-1の上段は、この聴取した要望のうち、検討会1に関係するものを抽出したものでございます。
表の一番上の犯罪被害者に対する自賠責並みの保障という項で、犯罪被害給付制度は最高額というだけでなく、補償の内容を自賠責並みにしてほしいという要望、あるいは下から3つ目ですが、給付金の遡及適用というところで、救済の必要性については、改正前の被害者も改正後の被害者も同様であることから、適用を遡及的に認めてほしいなど、検討会1での検討事項になり得ると考えられるものであります。
資料6-2の方をおめくりいただきたいのですが、これは、検討会1の設置に至る経過概要であります。
左側は、犯罪被害給付制度の拡充に関する論点のうち、給付額の更なる引き上げに関する論点について議論の概要を示したもの、右側は、検討会設置に関する議論の概要を示したものであります。
ごくかいつまんだ説明で申し訳ありませんが、犯罪被害給付制度の給付額の更なる引き上げにつきまして、所管官庁であります警察庁からは、主に次のような見解が示されました。
まず、経済的支援に関する検討会、これは平成18年から19年まで行われていたものですが、この最終取りまとめを受けまして、遺族給付金と障害給付金の最高額を自賠責並みに引き上げるなど、犯罪被害給付制度を拡充する法令の改正を行い、平成20年7月から改正法令が施行されておりますが、拡充後の制度が適用された事例は、なお、少数にとどまっており、当面は運用状況を適切に評価することが必要である。
自賠責保険の制度は、原因者負担の原則に基づく責任補償制度であり、財源は加入者の保険料であるのに対し、犯罪被害給付制度は、社会連帯共助の精神から国が全額公費で給付金を支給する制度であり、両制度、同一に論ずることは困難である。
犯罪被害給付金算定方式は、他の類似制度等とのバランスを取りながら作っているものであり、このバランスは考慮せざるを得ない要素であるというようなものでございます。
これに対しまして、有識者構成員からは、犯罪被害給付制度の算定方式を見直して、実質的にも自賠責並みの補償をするべきである、犯罪被害給付制度と自賠責保険制度は算定方式が異なるので、同じ額に引き上げるのが難しいというのであれば、抜本的に新しい方法を考える必要がある、このような意見が出されました。
こうした議論を経まして、警察庁から、犯給制度の拡充については、経済的支援に関する検討会と同程度の多角的検討が必要であり、また、平成20年7月の拡充後の犯罪被害給付制度の運用実績を踏まえて検討を行う必要がある旨の見解が示されました。
こうした議論の一方で、有識者構成員からは、生活保障型の新たな補償制度を提案するので、これを取り上げてもらいたい旨の意見が出されました。
制度の概要は、まず、治療費や医療関係費について、すべて現物支給とする、一時金の支給に加え、十分な年金を毎月支給する、過去の被害者にもさかのぼって補償する、社会保険や社会保障制度とは無関係に、この制度だけで被害を回復できる十分な補償とするというようなものでございます。
これに対し、他の有識者構成員からは、現行の犯罪被害給付制度は、まだ改善の余地があるように思われる、新しい提案も大事だが、現行制度の改善も検討すべきであるとの意見が出されました。
以上のような議論を経まして、犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設については、有識者及び関係省庁から構成される検討会で検討することとされまして、検討期限を3年以内を目途として検討会1が設けられたということでございます。
次に、検討会2の設置の経過を御説明いたします。再び資料6-1をごらんください。
この下段の方でございます。これも犯罪被害者団体、犯罪被害者支援団体から聴取した要望のうち、検討会2に関係するものを抽出したものでございます。
下から3番目になりますが、長期にわたる精神疾患等への援助の拡充の項で、犯罪被害を原因とするPTSDの治療については、自己が負担する部分について国が負担するようにしてほしいですとか、上から2番目、PTSDの治療の方ですが、PTSDの治療のためのカウンセリング、認知行動療法や曝露療法について健康保険の適用を認めてほしいなど、検討会2で検討事項になり得ると考えられるものでございます。
今度は、資料6-3に行っていただきたいんですが、資料6-3は、検討会2の設置に至る経過概要でありまして、左側は、犯罪被害者等に対するPTSD治療、カウンセリング等の費用の公費負担に関する論点に関する議論の概要を示したもの、右側は検討会設置に関する議論の概要を示したものでございます。
犯罪被害者等に対する治療、カウンセリング等の費用の公費負担に関する議論では、まず、有識者構成員から次のような意見がございました。犯罪被害者等に対するカウンセリングはその立ち直りに有効でありながら、お金がないのでカウンセリングを受けることができない者が多くいるという指摘がなされました。
また、犯罪被害給付制度の重傷病給付金を拡張してカウンセリング費用を公費で負担してはどうかという具体的な提案もなされました。
提案の骨子は、まず、支給対象者についてですが、犯罪被害給付制度の重傷病給付金の支給を受けられる者及びその家族のうち、医師が犯罪被害後のメンタルヘルスの悪化に関し、心理療法、カウンセリングが必要であると認めたものとする。カウンセリング提供者については、担当機関及び専門家から構成される委員会により、被害者カウンセリングのガイドラインに沿ったカウンセリングを行うための要件を備えていると認定されたカウンセリング機関とする。
それから、提供するカウンセリングについては、このガイドラインに沿ったものとするなどというものでございます。
これに対して、所管官庁である警察庁からは、重病病給付金は、傷病を負った者が共通して負担を余儀なくされる保険診療による医療費の自己負担部分が傷病の程度を的確に表していると考えられることから、健康保険制度の適用される医療行為に係る費用が対象となっていること、臨床心理士等によるカウンセリングの費用は、健康保険制度が適用されないことから、重傷病給付金の対象とはなっていない。
臨床心理士等によるカウンセリング費用を重傷病給付金の対象とするためには、健康保険制度の中にカウンセリングを位置づける必要がある。臨床心理士とは何かを明確にする法律があり、健康保険につなげていけば、重傷病給付金の対象として検討できるなどという見解でございます。
これに対しまして、有識者構成員からは、提案のように、担当機関と専門家が公費負担の対象となるカウンセリング提供者やカウンセリング内容をあらかじめ定めるなどすれば、カウンセリングの質を担保することは可能なのであり、カウンセリングが医療に準じているものと位置づけられていないことは、公費負担を妨げる原因にはならないのではないかといった意見が出ました。
一方、カウンセリングに対する健康保険の適用についてですが、これは所管官庁では厚生労働省から、健康保険の関係についてPTSDの治療についても躁うつ病、神経症、心因反応といった社会生活を営むことが著しく困難な場合に、一定の治療計画の下に、対人関係の改善、社会適応能力の向上を図るための指示や助言といったことを継続的に行う通院、在宅精神療法が認められている。どこまで対象にするかについては、診療報酬改定の際に適応拡大を図ることをやっており、精神的な被害に有効とされる療法を保険適用するかという点は、関係学会など、専門家の意見を伺いながら、今後も検討していきたいという見解が示されました。
また、臨床心理士の国家資格化につきましては、所管官庁である文部科学省から、臨床心理技術者の国家資格制度の創設については、その業務範囲等について関係者の意見が一致しておらず、結論が出ていない。引き続き、関係議員連盟等における国家資格制度の創設に関する検討状況を注視しつつ、関係各方面の意見を踏まえ、どのような対応が可能であるか、関係省庁も含めて検討されている状況であるとの見解が出されました。
以上のような議論を経まして、継続的にこの問題を検討できるよう、検討会を別途設けることとなりました。
そして、事務局からカウンセリング費用の公費負担については、有識者構成員から提案された新たな補償制度でも給付対象となっていることなどから、犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設と併せて検討する旨の案をお示しいたしました。
これに対しまして、有識者構成員からは、犯罪被害給付制度の拡充や新たな補償制度の創設については、かなり抜本的なところで被害者支援をどう考えていくかという問題を含んでいる大きな検討テーマであるが、カウンセリング費用の公費負担については、議論が大分詰められ、問題がかなり絞り込まれていること、犯罪被害給付制度の拡充も新たな補償制度の創設も、警察に届け出ない被害者を対象にして考えるのは難しいと思われるのに対し、カウンセリング費用の公費負担については、警察に届出をしない被害者も含めた検討が要望として出されており、両者を同じ土台で議論できるか疑問であることなどから、犯罪被害給付制度及び新たな補償制度の創設に関する検討とは別に検討をするべきであるというような御意見が出されました。
そこで、犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担につきましては、別立ての検討会、別個に検討会を立てるということで、検討会2が設けられることとされまして、その検討期限は2年以内目途とされました。
少々長くなりましたが、私からの説明は、以上です。
○冨田議長 ただいま2つの検討会設置に係る経過について詳細な説明がありました。どうもありがとうございます。
よろしいでしょうか。では、先に進んでまいります。
次に、次第の7でございます。各検討会のスケジュールについて事務局から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) 議長、説明の便宜上、スケジュールと、それから議事次第の8の検討会における検討事項と進め方をまとめて御説明してもよろしいでしょうか。
○冨田議長 はい、それでは、そのようにお願いします。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) 申し訳ありません。説明の都合がございますので、この2つを併せて御説明したいと思います。資料は7と8でございます。
まず、検討会のスケジュールにつきまして、事務局案を御説明いたします。資料7の方をごらんください。
7-1は、犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討のスケジュール案でございます。
7-2は、犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討スケジュール案でございます。
まず、検討会1は、検討期限が3年となっております。この約3年間の期間を第I期から第III期までの3つに大きく分けております。第I期は、今年の6月から平成24年4月まででありまして、検討事項や論点の抽出・整理、それから有識者、所管官庁、犯罪被害者等からのヒアリングや現状調査等による犯罪被害者等の経済的状況に係る現状の把握、それから、諸外国の制度の調査、これを同時並行で実施するということを考えております。
なお、諸外国制度の調査につきましては、調査対象国に赴きまして、関係機関等からの聞き取りを行うことを考えております。その実施時期は、準備に相当程度の時間がかかることや、相手方機関があることなどを考慮いたしまして、平成24年の2月か3月ではどうかと考えております。
第II期ですが、平成24年5月から平成25年3月までになりまして、第I期に抽出・整理した論点ごとに現状把握の結果や問題点を踏まえて検討し、座長試案を御提示いただき、これを検討し、中間取りまとめ案を作成いたします。
そして、基本計画策定・推進専門委員等会議及び犯罪被害者等施策推進会議に報告して了承を得た後、パブリックコメントに付すということを考えております。
第III期は、平成25年4月から平成26年3月まででありまして、パブリックコメントの結果を踏まえて、更に検討し、最終取りまとめ案を作成し、専門委員等会議に報告して了承を経た後、推進会議決定を得るということを考えております。
次に、検討会2ということで、資料7-2をごらんいただければと思います。
検討会2の方は期限が2年となっております。ここで、約2年間の期間を大きく第I期と第II期に分けてあります。第I期は、今年6月から平成24年の10月までで、ここでは検討事項の整理、それから所管官庁、犯罪被害者等、心理療法実施者等からのヒアリングによる現状把握、論点整理、整理した論点ごとに現状把握の結果を踏まえた検討、座長試案提示検討、中間取りまとめ案作成、中間取りまとめ案について、専門委員等会議及び推進会議に報告、了承、パブリックコメント実施ということでどうかと考えております。
第II期ですが、平成24年10月から平成25年3月までありまして、パブリックコメントの結果を踏まえ、更に検討、最終取りまとめ案作成、専門委員等会議に報告、了承、推進会議決定ということを考えております。
検討会1、2のいずれにつきましても、お示ししましたスケジュールは、あくまでも現段階の大まかなものであり、検討の進捗によって変わり得るものであると考えております。
なお、各検討会は、2か月に1回の割合で開催することとし、一方の検討会は、奇数月開催、他方の検討会は、偶数月開催というように、基本的に毎月いずれかの検討会が開催されているというような形で進めていきたいと思っております。
次に、各検討会における検討事項及び検討の進め方についての事務局案を御説明いたします。
資料は、8-1から8-3になります。8-1は、検討会1の検討事項及び検討の進め方についての事務局案、おめくりいただいて、8-2は、検討会2の検討事項及び検討の進め方についての事務局案、そして、8-3は、2つの検討会の関係や当面の進め方についての事務局案であります。
ここで、資料8-1に戻っていただきまして、まず、検討会1について御説明いたします。
検討事項につきましては、第2次基本計画策定時の議論などから考え得るものを抽出いたしました。ごくごく大まかなものでございます。
検討の順番ということは、ひとまず置いておくといたしまして、検討事項としては、犯罪被害者等への経済的支援の在り方や理念、それから給付・補償の対象者、具体的には、親族間犯罪の被害者や海外で犯罪被害に遭った者などを含めるかといったことなど。
それから、給付内容、具体的には、医療費、介護費、義足費、自宅改造費、通院費等の現物給付などを含めるか、また、カウンセリング費を含めるかというようなことです。
なお、カウンセリング費用のところに括弧を付けてありますが、これは後ほども御説明いたしますが、検討会2の方で検討することとされておりますので、基本的にはカウンセリング費については、こちらの検討に委ねるという趣旨でございます。
それから、検討事項といたしまして、給付額、また、給付の形態などもあると思います。具体的には、一括支給なのか、年金型支給なのか、両者併せたものなのかなどです。
また、財源ですとか、制度の設計、犯罪被害給付制度の拡充なのか、新たな補償制度の創設なのかなどあるかと思います。そういったところが考えられるのではないかということでございます。
次に、検討会1の当面の進め方についてですが、御案内のとおり、犯罪被害者等への経済的支援につきましては、第1次基本計画に基づき、平成18年4月から経済的支援に関する検討会で検討がなされまして、この検討会で最終取りまとめが取りまとめられました。
そして、平成19年11月の推進会議決定で、この最終取りまとめに従って施策を推進することとされまして、これに基づきまして、犯罪被害給付制度が拡充されるなどいたしました。
しかしながら、被害者の方々からは、さらなる拡充を求められまして、先ほど御説明した第2次基本計画策定時の議論を経まして、同計画に基づいてこの検討会1で検討することとされたという経過がございます。
そこで、そういう経過を踏まえますと、まずは、こういったこれまでの議論等を踏まえて検討課題を抽出していって、そして、検討事項を整理していくということがまずは必要であろうと考えております。
また、検討を進める上で、現状把握する必要がある事項、具体的には、犯罪被害給付制度、社会保障制度等、既存の制度の内容、運用状況ですとか、犯罪被害者等の経済的状況についてヒアリングや調査等をすることも考えております。
更に、諸外国の制度について調査することも必要であると考えております。
具体的には、犯罪被害者等に対する給付の制度や社会保障制度の内容、運用状況について調査するほか、できましたら、具体的なモデルケースを設定いたしまして、我が国の制度の運用状況と比較するといったこともできるかと思っております。
調査対象国へ赴いての調査は、先ほどスケジュールのところでも御説明したとおり、来年の2月か3月ころと考えておりますが、調査対象国をどこにするのかですとか、調査方法をどうするのか、調査事項はどうするのかなどといったことについては、検討会で御議論いただきながら詰めていきたいと考えております。
こうした検討事項の抽出・整理、現状把握のためのヒアリングや調査、諸外国制度の調査に向けた議論や現地調査につきましては、ヒアリングならヒアリングを一通り終えた後に検討事項の抽出だとか、海外調査の議論に移るということではなくて、これを同時並行で進めていきたいと考えております。
ですので、ヒアリングをし、そして、それを踏まえつつ検討事項を整理するなどの議論をし、その中で、現状把握すべき事項が見つかるので、今度は、ここもヒアリングとして聞いてみる必要があるのではないかという議論で、そのヒアリング先にお願いをしてヒアリングしていただくなど、このような形で第I期は進めていきたいと思っております。
このように検討事項の整理をしながらヒアリングや調査を行って、現状把握をすることによりまして、おのずと現状の問題点というのが明らかになり、論点というのも抽出できるようになってくると思います。
そこで、抽出した論点を整理し、論点ごとに現状把握結果ですとか、問題点を踏まえた検討を行っていく。その後、座長試案を御提示いただきまして、これを検討して中間取りまとめ案、最終取りまとめ案を検討すると、こういう進め方をしていきたいと考えております。
次に、資料8-2をごらんいただきながら、検討会2について御説明いたします。
検討事項につきましては、先ほど検討会1と同様、第2次計画策定の議論などから考え得るものを抽出いたしました。これも検討の順番はひとまず置いておくといたしまして、検討事項としては、犯罪被害者等に対する心理療法の公費負担の在り方、公費負担の対象となる心理療法の内容、具体的には、公費負担の対象となる犯罪被害者等の範囲、心理療法実施者の範囲、心理療法の中身等、それから公費負担の仕組み、具体的には臨床心理士等による心理療法への医療保険適用の可否、犯罪被害給付制度の拡充による公費負担の可否、新たな仕組みの導入等、などといったところが考えられるのではないかと思っております。
次に、検討会2の当面の進め方についてですが、第2次基本計画策定における議論などを踏まえて、まず、検討事項を整理いたしまして、それから現状の把握ということで、現行の犯罪被害者等に対する心理療法の公費負担制度の導入、拡充に至る経過、こういったところも含めて、制度内容がどうなっているか、あるいは運用状況などはどうなっているか、そんなところにつきまして、所管官庁などからヒアリングするとともに、犯罪被害者等に対する心理療法の実施状況などにつきまして、心理療法実施者等からヒアリングをするなどして、現状を把握するということを考えております。
そして、ヒアリング等により現状把握して、現状の問題点が明らかとなったところで論点も整理し、各論点について検討を行っていくということ。そして、その後に座長試案を御提示いただきまして、これを検討し、中間取りまとめ、最終取りまとめを検討すると、このような詰め方をしていきたいと考えております。
そして、資料8-3になりますが、2つの検討会の関係についてというところでございます。
検討期限は、先ほど来、申し上げておりますとおり、検討会1は3年、検討会2は2年というふうになっております。
また、これまでの御説明で明らかなとおり、検討会1の検討事項には、犯罪被害者等への給付内容としてカウンセリング費用も含めるかといった点もございますので、検討会2の検討事項、論点というのは、検討会1の検討事項、論点に含まれているというものでございます。
しかしながら、心理療法の公費負担につきましては、議論も大分詰められ、問題点がかなり絞り込まれ、専門的な検討も要するなどとして、検討会2で別立てで検討しようということになった、このような経過がございますので、検討会2の検討に委ねる。心理療法の公費負担については、検討会2の方で検討するというようなことにしたいと思います。
したがいまして、当面の進め方につきましては、心理療法の公費負担については、第一義的に検討会2で検討する。各検討会においては、事務局の方からもう一方の検討会における検討状況について報告を行うなどして、連携を図りながら検討を進めるということにしていきたいと思っております。
なお、各検討会の検討状況につきましては、中間取りまとめ、最終取りまとめなど、検討の節目、節目にそれぞれの検討会から専門委員等会議に報告をしていただいて、必要な調整を行った上で、推進会議に報告をするというようなことになっていこうかと思っております。
以上、事務局案でございますが、スケジュール案と、2つの検討会の今後の進め方等につきましての説明を終わります。
○冨田議長 どうも、詳細な説明をありがとうございます。次に、自由討議に移ります。
ただいま事務局から資料の7、そして資料の8を用いての説明がありました、各検討会のスケジュール、各検討における検討事項、そして検討の進め方、2つの検討会の関係等について御意見がありましたら御発言をお願いしたいと思います。
また、抱負のようなことでも結構でございますので、御発言をしていただければ、大変ありがたいと思います。どなたからでも構いませんので、お願いいたします。
どうぞ。
○松村構成員 海外調査を実施されることを聞きまして、大変うれしく思います。というのは、あすの会では、2004年に、経済補償制度に付き海外調査を実施しました。これは、ドイツとたしかイギリスだと思いますけれども、それ以後、かなり改定がくだされているということを聞いていますので、是非、その点の改善された点を調査していただいて、是非取り入れていただければと思います。期待しております。
○冨田議長 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
どうぞ。
○中島構成員 これは、質問ですが、検討会2と検討会1では、検討期間が3年と2年ということで、期間が異なるということになっています。こちらのタイムスケジュール、7-2を見ると、心理療法の検討会については、25年の3月に終了して、検討会1は26年の3月ということです。心理療法の結論を反映するとはなっていますけれども、実際に、運用される形になるとしたら、この検討会1の議論が終わってからというふうになり得るという理解でしょうか。よろしくお願いします。
○冨田議長 この点について、今、御回答できれば、お願いいたします。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) 私ども事務局の方としましては、運用を検討会1の結論まで待つということではなく考えておりますけれども。
○冨田議長 ほかに、太田構成員、お願いいたします。
○太田構成員 私も1と2の議論の進め方の関係なんですけれども、確かに検討会2の方がペースが若干早いということがあるので、その結果を踏まえての1の議論ということもできるかと思うんですけれども、ある程度途中からお互いの、勿論、議事録も公開されますから、事務局もおりますので、情報交流ができるんでしょうけれども、例えば検討会1の方でかなり大きな制度改革が検討課題になってきたときに、例えば検討会2の方では重傷病給付金の方のこういう改正の方が望ましいでしょうとなると、1の方で改めて改革の内容を考えないと、2の結果が1にうまく反映できないということも検討会1の方の給付金制度の改正によってはあり得るので、その2と1の連携、2の結果を尊重して1に反映するということは勿論そうなのかもしれませんけれども、そこら辺の交流を、これは合同会議というんですか、特に検討会1の方が給付内容や給付対象辺りになったところで合同の会議を開くとか、もしくは逆の方のフィードバックというか、検討会1の方でこういう方向性での重傷病給付金、例えばかなり抜本的な意見というのが、この前でも出されておりますね、生活保障型とか、それを大きな方向性に変える場合は、そのことを踏まえての心理療法の方の負担ということも考えなければいけないので、その関係を密にしながら、議論していくというような仕組みが非常に重要ではないかと思います。
○冨田議長 どうもありがとうございました。小西座長、お願いします。
○小西座長 この2つの検討会をどうやってスムーズに連携させていくかというのは、非常に大きな問題だと思いますが、基本的には、おっしゃったように、情報の交換を常にするということは必要だと思うんですけれども、ゼロのところを待っていて、そこからスタートするということになると、今度は、具体的な制度を考えていくときに、やっぱり時間が足りなくなりますね。
双方を見ながらなんですけれども、とりあえず、今の制度にのっとった形で議論していきながら検討会1の方の結果とも常に照らし合わせていくと。
もし、その結果に従って、何らかの組み替えが必要な場合には、また速やかにそれを考えていただく。
要するに、こちらが終わった段階でもまだ続いているわけですね。その辺は連携しながらやらないといけないのではないかと、私も思っております。
○冨田議長 どうもありがとうございます。お願いします。
○番構成員 第1の検討会の正式名称は、犯罪被害者給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会とはありますが、私としては、犯給法の今までの給付金制度をずっと拡充、拡充という形だけで今まで経済的支援については、そこで止まっていたけれども、今回、新たな補償制度の創設という題名が付きましたので、まず、こちらがメインだという理解でおります。
給付金制度を拡充していくというときに、いろいろな支障等があったりしていたわけで、そこを乗り越えて、財源問題もあってとても大変だということは理解しておりますが、是非、その検討会の名称である新たな補償制度というところまでこぎつけなければいけないのだろうと思います。3年という長い期間を与えられましたので、やはりこちらの議論をきちんとしていく。現状の給付金制度の調査とかを通じて、現状を知るということは勿論重要だと思いますが、力点は、「及び」と並んではいますが、力点は、後者の方なんだと思っております。
○冨田議長 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。2つの検討会の関係でも結構ですし、そのほかのことでも構いませんので。松坂委員、お願いいたします。
○松坂構成員 質問といいますか、事務局に対するお願いでもあるかもしれません。私は、検討会2の方に配属されております。ところで、心理療法については、小西先生、中島先生を始め、専門家の方もいらっしゃいますが、心理療法そのものについては、門外漢の私のような人間には、なかなか難しい分野の議論です。そこで最終的には国民の方々に御理解をいただく制度設計をするわけでありますから、まずは、議論を始めるについて、医療法に基づく医療行為としての心理療法、それからいわゆる一般的にカウンセリングと言われているもの、加えて、それらの言葉が広義の意味で使われたり、狭義の意味で使われたりしているようですが、それらの用語の定義を共通の認識にしていただきたいと考えます。
あと、いわゆる曝露療法という言葉があったり、認知行動療法という言葉があったり、いろんな言葉がひとり歩きをしていて、それが一括して心理療法を構成しているようです。。
それから、先ほど検討事項の<2>のところで、心理療法の内容について議論するということで事務局から説明があったとおりですが、犯罪被害者に対するということで、対象者は特定しているとしても、今度は、だれが心理療法をするのかという観点からいうと、いわゆる医師だけではないようです。今度の制度設計は医師だけではなくて、いわゆる臨床心理士、それから新たな国家資格としての何らかの資格の創設とか、いろんな考え方があるようです。、そこで、お願いですが、あらかじめこれから議論する際に出てくるような言葉について、ある程度切り分けをしていただいて、みんなが共通の認識で議論できる用語の定義集のようなものをおつくりいただけるとありがたいと思います。
○冨田議長 どうもありがとうございます。ほかいかがでしょうか。
○松村構成員 今、番先生のお話がありましたように、今回の経済補償の問題については、とにかく今までの犯給制度は一応限界に達しているんだということで、その枠を超えた、新しい制度をつくるというふうに重点を置くということに賛成でございます。是非、その点に向かってやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○冨田議長 いかがでしょうか。さまざまな御意見が出たところでありますが、まだ、ありましたら、よろしく。
黒澤構成員、お願いいたします。
○黒澤構成員 第2の検討会との関係、それから今、番先生等からお話が出ましたけれども、新たな補償の創設に関する検討、資料8に検討事項、検討の進め方ということで、網羅的に、同時並行的にと書いてありますけれども、やはりどういうところを目指すかによって、順番とか、よく整理をして検討する必要があるのではないかと思います。特に、今、出ておりますような新たな補償ということを抜本的に考えるということになれば、各論を最初に始めてもしようがありませんし、それはやはり総論から行くんでしょうし、検討事項と、それから検討の順番、こういったことをよく考えて整理する必要があるのではないかと、余計な感想でございます。
○冨田議長 どうもありがとうございます。いろいろ2つの検討会の関係あるいは議論の進め方について御意見をちょうだいしたところでありますけれども、ほかに、この点についてでも構いませんし、あるいはほかの点でも構いません、あるいは先ほどから申し上げているとおり、基本的なお考え等でもありがたいと思いますので、御発言を是非、お願いいたします。
瀬川構成員、何かありましたら、お願いします。
○瀬川構成員 指名はなしで、お願いします。松村委員のおっしゃっている新たな補償制度の提案は、この検討会最大の問題だと思います。
ただ、いわゆる犯給制度をどうするかということを検討しないまま、新たな補償制度の問題というのは議論できないのではないでしょうか。その点、若干時間的な差はあるにせよ、まず、この辺から始めないと、いきなり新たな補償制度ということには、いかないんではいないかと考えます。そういう点では、現行制度がどういう運用状況にあって、どういう問題点があるかを、やはりまず、我々自身が理解しないと、恐らく次の議論にはいかないんではないかと。
もし、犯給制度をもう廃止するという前提で議論すると、現行制度を否定するということになりますので、現行制度で何か改善点はないのかという論点が抜け落ちてしまいます。 したがって、どの程度の時間をかけるかというのは、恐らく進捗状況によると思いますけれども、ただ、松村委員には、犯給制度の議論だけで終わって、新たな補償制度が何も検討する時間がなくなるんではないかという御懸念があると思うので、この点も事務局あるいは我々委員もしっかり認識して進めるべきだと思っています。
○冨田議長 どうもありがとうございました。瀬川先生から指名はなしにしてくださいとありましたけれども、川出構成員も何かありましたら、お願いしたいと思います。
○川出構成員 私も瀬川先生と同じ意見です。当面の検討の進め方の案の中に、「現状把握が必要な事項についてのヒアリング、現状調査等」というのがありますので、その際に、現在の制度のどこが不十分なのか、さらには、現在の制度ではそもそも限界があるのかといった点を出していただくのが先決だと思います。その上で、今の制度の枠組みでは限界があって、新たな制度が必要であるというのであれば、それをどう作るべきかを考えるという手順になるのだろうと思います。
○冨田議長 どうもありがとうございます。本当に御指名ばかりで恐縮ですけれども、もし、加藤構成員、何かありましたら、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤構成員 私が気にしているのは、今のお話を聞いた中では、やはり公費負担の部分をどうするかという問題は、財源をどういう形で賄うかということの問題というのと密接に絡んでくると思いますので、それで、新たな補償制度ということというのは、なかなか、どういう制度設計をするかということとも関係があるんでしょうから、とりあえずは、今までの流れでいくと、犯給制度の限界というのをまず見極めた上で、それでどこが足りないのかということを認識すべきなのかなと聞いておりました。
以上です。
○冨田議長 どうもありがとうございました。ただいま蓮舫大臣が到着されました。大臣には、最後にごあいさつをいただくことになっております。よろしくお願いいたします。
いろいろ意見が出ているところでありますけれども、ありましたら、小西先生、お願いします。
○小西座長 検討会2についての皆様の御懸念は、本当にそのとおりであると思います。
ただ、私の印象で申し上げますと、むしろこのカウンセリングの問題は、犯給あるいはその犯罪被害者等基本法がここまで進む前の段階で、既に制度化されていなければおかしいと申しますか、諸外国の制度のでき方を見ても、既にあるはずのことで、ここは後れているというふうに私は思っております。
これを、また、次の制度を待って、3年待ってそれからという形にするのは、ここだけ置いていく形になる。
今、おっしゃっている問題点は、十分みんなで把握した上で、やはり抜け落ちている部分を何とかして補完していくということを現実にやっていくんだというふうにお考えいただければと思っております。
○冨田議長 ほかにどうでしょうか。このスケジュールや検討事項、それから検討の進め方につきましては、たくさんの御意見をちょうだいしたところでありますけれども、これらの御意見を踏まえまして、今後の検討を進めてまいりたいと思います。
また、この点について、是非触れておきたいということがありましたら、引き続きお願いしたいと思います。
どうぞ。
○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 今、いろいろと御提言がございました。事務局として、方向性というか、今、考えていることについて申し上げます。
まず、1つ、犯給法の拡大でいくのか、新たな云々と、これは言葉の問題であると、私は思っておりまして、要は現在の制度の中で十分対応できていないものについて、対応できるためにはどういうものがあるのかと、そういうふうなものをいろいろと制度設計していく中で、犯給法が拡充する形で、その問題がクリアーできれば、それでいいんでしょうし、また、その結果として、それは実は犯給法という今の枠ではなく、これは確かに新たな制度と言った方がいいんではないかというような形になっていけば、それは新たな制度になるんであって、犯給法か新たな制度かというふうに分けるんではなくて、何が、今、被害者の人たちに求められている制度なのかということで、結果、でき上がったものをどう理解するかという形になるんではないかと。
ですから、決して対立的な考え方ということではなく、先ほど来出ていましたように、まず、現状に何が足りないのかということを十二分に把握した上で、それに応えていくためにはどういうものが必要かという議論展開をしていただければ、結論はおのずから出るのかなと、そういう意味で同時並行的にという趣旨でございます。
あと、1と2の検討会の関係ですが、先ほど小西座長からお話がございましたけれども、犯給法は、いろいろと問題というか、十分ではないという点があるにしても、それなりに制度としてあるけれども、この問題は、スポットが抜け落ちた部分があるんではないかというところがあって、これについては、やはり必要性については、かなりの程度合意がされておりますので、それを、ではどういうふうな形で対応していくことが可能なのかということ、これは余り時間をかけることなく対応していく必要があるんではないかということで、2年という形で検討会1よりは短い期間で結論を出したいという趣旨でございます。
そういう意味では、小西座長が言われたような考え方で、こういうふうな枠組みにしたというのが事務局の基本的な考え方というか、これからの進め方の、現時点における方向性ということでございます。参考までに。
○冨田議長 どうもありがとうございました。いろいろ御議論が出たところでありますけれども、先ほど申し上げたとおり、今日の御意見を踏まえて今後検討を進めていきたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、次第の最後になりましたが、その他に、第2回の各検討会の開催についてでございます。事務局から、御説明をお願いいたします。
○事務局(内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官) それでは、事務局から次回の開催日時につきまして御連絡いたします。
まず、検討会1の方でありますが、7月19日火曜日午後3時から午後5時ころまでめどということで開催いたしたいと思います。第2回になります。
開催場所ですが、現時点では未定でございますので、決まり次第、御連絡をさせていただきます。
次に検討会2の方ですが、日時は8月19日金曜日午後1時半から午後3時半ころめどということでございまして、こちらも開催場所は未定でありますので、決まり次第、御連絡をいたしたいと思います。
本日、2つの検討会の進め方などにつきまして、皆様方から御意見をいただきましたので、こういったことも踏まえながら、それぞれの検討会をどうやって進めていくか、また、第2回をどうやっていくかを詰めていきたいと思いますが、今のところ、やはり現行の制度がそれぞれどういう内容で、どのような運用状況なのかなどについての御説明というのは、比較的最初の方でやる必要があるかなと思っておりまして、関係省庁にその辺りもお願いしていきたいと思っているところでありますが、また、事務局から別途お願いをいたしますので、御協力、よろしくお願いいたします。
私からは、以上です。
○冨田議長 どうもありがとうございます。ちょっと、私の方の司会進行が混乱しており、ちょっと戻るような形で恐縮ですけれども、是非、多くの先生方から御意見をちょうだいしたいと思いますので、また、御指名のような形になって恐縮ですけれども、御発言なさっていない構成員の方には、是非、御発言をお願いしたいと思いますが。中曽根さん、いかがでしょうか。
○中曽根構成員 先ほど、もう先生方の方で意見を言ってくださっているので、ほとんどないんですけれども、平成20年度以降の犯罪被害給付制度の運用実績を逆に知りたいというか、それを知ってからというふうなことを思っています。新潟の逆に現場では、犯罪被害給付制度の精神科医のカウンセリングの適用というのが、改正後にあるわけですけれども、実際に被害者の方はそこの制度を知って使っているかというと、これは意外とまだわかっていなくて、被害者支援センターからこういう制度がありますよねという形で被害者支援室に確認をしたりしながら被害者の方に情報をお伝えしている状態ですので、犯罪被害給付制度が改正後もきちんと適用されているのかどうかというところは、平成20年度以降の確認を逆に私は、どの程度運用実績があるのかを知りたいと思っています。
○冨田議長 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、また、日程関係にも戻りますけれども、この第2回の検討会の日程について御説明がありました。それから、先ほど来、いろいろな御意見を出していただきましたけれども、本日の議論を踏まえまして、検討課題でありますとか、論点の整理あるいは、今、御意見をちょうだいしたところでありますけれども、現状把握について、さらなる御意見などがございましたら、事務局の方に是非お寄せいただければありがたいと思います。
また、それぞれの検討会におきまして、第2回目以降の準備のため、事務局から検討課題や現状把握が必要な事項について有識者及び省庁の構成員の皆様に御依頼をさせていただくこともあろうかと思いますので、その際には御協力いただきますようお願いいたします。
それでは、先ほどから蓮舫大臣がお越しいただいておりますので、最後になりましたけれども、蓮舫大臣にごあいさつをいただきたいと思います。
報道関係者の方の準備がありますので、少しだけお待ちいただきたいと思います。

(報道関係者入室)

○冨田議長 それでは、大臣よろしくお願いします。
○蓮舫大臣 お疲れ様でございます。犯罪被害者等施策を担当しております蓮舫でございます。
実は、今日、第1回目ということでしたので、是非、冒頭から出席をさせていただきたかったんですが、今日は参議院の本会議等がありまして、遅れてきたことを大変申し訳なく思っております。
もう既に第2次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた検討事項の犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設、犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担、この必要性というのは、もう皆様方、御案内のところだと思っております。そして、今日、2つの検討会が立ち上がりました。限られた期間ではございますが、是非、皆様方の御知見あるいは御専門性の中から様々な意見、提案をいただいて議論を深めていただきたいと思います。だれでも犯罪被害の当事者になりますし、だれでも愛すべき人がいつ犯罪被害者になるかわからないわけですから、そのときに、国は何をして差し上げることができるのか、先ほど中曽根委員からもありましたけれども、既にある犯給法が、実際どういうふうに活用されているのか、周知されているのか、今までの不備な部分も含めて、どうすればいいのか、より具体的な審議をしていただけることが、日本の犯罪被害者の救済のために大きな礎になると思っております。皆様方にお願いしたいのは、本当に忌憚のない闊達な御議論をいただいて、政治の方ではしっかりとまとめていただいたものを形にするということを是非約束をさせていただきたいと思っております。貴重なお時間をこれからもいただくことになろうかと思いますが、是非、御配慮をいただきながら積極的な参加をよろしくお願いしたいと思います。どうぞ、これからもよろしくお願いします。
○冨田議長 大臣、どうもありがとうございました。

(報道関係者退室)

○冨田議長 それでは、本日予定いたしました議題は終了いたしましたので、これをもちまして、第9回基本計画策定・推進専門委員等会議及び第1回「犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会」また「犯罪被害者等に対する心理療法の費用の公費負担に関する検討会」合同会議を終わります。長時間にわたりましてありがとうございました。

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