第28回基本計画策定・推進専門委員等会議 議事録

開催要領

日時:令和元年7月23日(火)午後2時00分~午後4時00分
場所:中央合同庁舎第4号館12階・1214特別会議室

出席者

「基本計画策定・推進専門委員等会議」
議長 飛鳥井 望 医療法人社団青山会青木病院院長
  太田 達也 慶應義塾大学法学部教授
  中島 聡美 武蔵野大学人間科学部教授
  中曽根 えり子 (公益社団)にいがた被害者支援センター理事
  正木 靖子 弁護士
  伊藤 冨士江 上智大学総合人間科学部社会福祉学科教授
  菊池 馨実 早稲田大学法学学術院教授
  小木曽 綾 中央大学大学院法務研究科教授
  川出 敏裕 東京大学大学院法学政治学研究科教授
  加藤 裕司 犯罪被害者遺族
  内藤 浩文 警察庁長官官房審議官(犯罪被害者等施策担当)
  赤羽 史子 警察庁長官官房参事官(犯罪被害者等施策担当)
  堂前 康 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長
  伊藤 信 内閣府大臣官房審議官(男女共同参画局担当)
  中山 貴洋 総務省大臣官房企画課長補佐
  西山 卓爾 法務省大臣官房政策立案総括審議官
  串田 俊巳 文部科学省大臣官房総括審議官
  阿部 幸生 厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室室長補佐
  石井 昌平 国土交通省総合政策局次長

議事次第

  1. 開会
  2. 第3次犯罪被害者等基本計画の評価及び第4次犯罪被害者等基本計画(仮称)策定のスケジュール案について
  3. 第3次犯罪被害者等基本計画の評価方針について
  4. 第3次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた具体的施策の進捗状況について
  5. その他
  6. 閉会

配布資料

 資料1 第4次犯罪被害者等基本計画(仮称)策定等スケジュール(案)
     資料2 第3次犯罪被害者等基本計画の見直しに関する要望・意見聴取要領
       資料3 第2次犯罪被害者等基本計画(平成23年3月25日閣議決定)の実施状況の評価
         資料4 警察庁提出資料
        • 4-1 性犯罪被害相談電話に係る全国共通番号の運用の充実
        • 4-2 警察におけるカウンセリング等費用の負担軽減
         資料5 内閣府提出資料
        • 5-1 性犯罪・性暴力被害者支援交付金
        • 5-2 行政が関与する「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」一覧
         資料6 法務省提出資料
        • 法務省における主な取組について
          •  資料7 国土交通省提出資料
            • 交通安全対策人材育成等経費

              参考資料

              • 参考資料1 令和元年版 犯罪被害者白書
              • 参考資料2 第3次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた具体的施策の進捗状況の把握方法(修正版)
              • 参考資料3 前回会議における質問事項に対する回答

              議事内容

              • 飛鳥井議長 それでは、定刻になりましたので、会議を始めたいと思います。議長を務めさせていただいております飛鳥井でございます。よろしくお願いいたします。
                 本日は、お忙しいところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。ただいまから、第28回基本計画策定推進・専門委員等会議を開催いたします。本会議の主たる目的は、第3次基本計画の評価方針及びまだ仮称の段階ではありますが、第4次犯罪被害者等基本計画の策定スケジュール案並びに第3次基本計画に盛り込まれた具体的施策の実施状況のフォローアップとなりますので、よろしくお願いいたします。
                 まず、会議の初めに当たりまして、今年の5月、本会議の構成員の改選が行われまして、新たに構成員になられた方が4名いらっしゃいます。そこで、新しく構成員になられた太田構成員、正木構成員、菊池構成員並びに加藤構成員から順に一言ずつ御挨拶を賜れればと思いますので、お願いいたします。それでは、太田先生から。
              • 太田構成員 慶應義塾大学の太田でございます。よろしくお願いいたします。
                 私は被害者学と、それから刑事政策を専攻しておりまして、もともとバックボーンが刑事法であるため、犯罪者の処罰であるとか処遇において被害者の声であるとか地位をどのように加味していくか、配慮していくかということに関心を持って研究をしております。
                 実務家ではありませんけれども、実務のほうでは今の被害者支援都民センターの前身であります難治疾患研究所にできました被害者相談室のところで研修等のお手伝いをさせていただくところから関わっておりまして、今では東京都の都民センターの方に微力ながらお手伝いをさせていただいております。
                 微力ながらお手伝いをさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
              • 正木構成員 弁護士をしております正木でございます。所属は兵庫県弁護士会でございます。昨年度、日弁連で副会長として犯罪被害者支援委員会を担当させていただきました。その御縁で本会議の委員に選任されたものと理解しております。
                 若干、日弁連の活動について御報告させていただきますと、日弁連は5つの課題を重点的に取り組んでいるところでございます。1つ目が損害の回復で、2つ目が経済的支援の充実です。それから、3つ目が公費による被害者支援弁護士制度の創設、そして、4つ目が性犯罪・性暴力被害者のために、病院拠点型のワンストップ支援センターを都道府県に1つ設置するということ、それから最後5つ目が、犯罪被害者条例の制定、この5つの課題について重点的に取り組んでいるところでございます。
                 私もこの課題の実現に向けて尽力したいと思っているところと、私は、この9月から予定でございますけれども、日弁連の総合法律支援本部の副本部長に就任する予定でございますので、この課題の1つであります公費による被害者支援弁護士制度の創設、これにつきましては2つの面から尽力していきたいと思っております。この会議においても、微力ながら何らかのお役に立てればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
              • 菊池構成員 早稲田大学の菊池と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
                 私は、早稲田の法学部で社会保障法という分野を専攻してございます。犯罪被害者関連のそのものの専門家ではございませんので、どこまでお役に立てるか心もとない部分がございますが、前回の犯罪被害者給付金制度の見直しの際に、社会保障の観点から発言をしてほしいという御依頼をいただきまして加わらせていただきました。その人の生活そのものを地域でどう支えていくかという、それは福祉の視点だと思いますので、そういった視点から何がしかでもお役に立てればと思ってございます。どうぞよろしくお願いいたします。
              • 加藤構成員 岡山からやってまいりました加藤と申します。私は、約8年前に娘を強盗強姦殺人、死体損壊死体遺棄ですとか、窃盗という被害で亡くした犯罪被害者の家族の1人でございます。法律云々ということは専門外なので先生方にお任せするとして、本当に被害者の家族の1人として生の声というか、本当に実際はこうだということを私だけではなくて、私が今所属しております「あすの会」の後続であります「つなぐ会」の一員として幅広く被害者の声を集めてここに御紹介、御披露させていただくということで参加をさせていただければありがたいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
              • 飛鳥井議長 4人の構成員の方、ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
                 なお、伊藤構成員に当たりましては、しばし遅れるとの御連絡を受けております。また、武構成員につきましては、所用のため本日の会議を欠席されるとの連絡を承っております。
                 それでは、まず本日の議事及び配布資料につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
              • 警察庁長官官房参事官(犯罪被害者等施策担当) 事務局でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
                 それではまず、お手元の議事次第を御覧ください。本日の議事は3点ございます。
                 まず1点目ですが、議事次第の2でございますけれども、「第3次犯罪被害者等基本計画の評価及び第4次犯罪被害者等基本計画(仮称)策定のスケジュール案について」でございます。この議題の関係で、資料1としまして、第3次基本計画策定時のスケジュールをもとに事務局が作成いたしましたスケジュール案をお付けしております。また、資料2としまして、「要望・意見の聴取要領」をお配りさせていただいております。
                 議題の2点目は、「第3次犯罪被害者等基本計画の評価方針について」でございます。この議題の関係では、資料3としまして、「平成27年11月18日付け、犯罪被害者等施策推進会議決定でございます第2次基本計画の評価」をお配りしております。
                 議題の3点目は、「第3次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた具体的施策の進捗状況について」でございます。各府省庁から御提出いただきました資料をお手元の資料4から資料7としてお配りしております。
                 また、参考資料1としまして、令和元年版の犯罪被害者白書をお配りしておりますので、こちらのほうは白表紙になりますけれども、適宜御参照ください。
                   また、参考資料2としまして、「第3次基本計画において、施策の進捗状況の点検においては定量的に把握することに努め、これが困難な場合もできる限り定性的に把握する」とされていることを踏まえまして、本年度修正したものをお配りしております。
                   また最後に、参考資料3としまして、前回の会議で中曽根構成員からいただいた御質問に対する回答をお配りしております。
                 事務局からは以上でございます。
              • 飛鳥井議長 ありがとうございました。それでは、議事の2、「第3次犯罪被害者等基本計画の評価及び仮称ではありますが、第4次犯罪被害者等基本計画策定のスケジュール案」についてに入ります。事務局から説明をお願いいたします。
              • 警察庁長官官房参事官(犯罪被害者等施策担当) まず、お手元の資料1を御覧いただきたいと思います。
                 冒頭で御説明申し上げたとおり、こちらは前回のスケジュールをもとに事務局で作成しました第3次基本計画の評価及び仮称ですが、第4次基本計画の策定に関するスケジュール案でございます。
                 全体のスケジュールですが、第3次基本計画の期間が満了する令和3年3月までに閣議決定を行うこと、また、その前にパブリックコメントを実施することなどを考えますと、構成員の皆様には御負担をおかけすることになりますけれども、来年の年明けからおおむね月に1回のペースでこの会議を開催する必要があると考えているところでございます。
                 また、こちらには記載しておりませんけれども、いわゆる児童ポルノ禁止法におきまして、被害児童の保護に関する施策の検証を行う機関として、犯罪被害者等施策推進会議が明記されております。
                 第3次基本計画策定時にも、1回、基本計画策定・推進専門委員等会議を設けまして、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律に基づく児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童の保護施策の実施状況に係る検証・評価について」というものをまとめまして、第3次基本計画とあわせて犯罪被害者等施策推進会議にお諮りしております。
                 こちらにつきましては、現在、内容等を調整中でございまして、本日は具体的なスケジュールはお示しできませんけれども、いずれかのタイミングで検証を実施する必要があると考えております。スケジュール等決まりましたら改めて御相談、御報告させていただきたいと思います。
                 なお、第4次基本計画は、犯罪被害者等施策に関する事務が内閣府から国家公安委員会、警察庁に移管されてから初めて策定する計画でございます。国家公安委員会での決裁等の事務的な手続が多いことも踏まえまして、内部の事情で大変恐縮でございますが、第3次基本計画策定時のスケジュールと比べて、約1か月前倒しにさせていただいております。こちらの資料1の内容につきまして御了承いただけましたら、このようなスケジュールで進めさせていただきたいと考えております。第3次基本計画の評価方針・方法につきましては、この後御議論いただくことを予定しております。
                 続きまして、資料2を御覧ください。
                 第3次基本計画の評価・見直しの前段としまして、本年7月末から8月末までの間、新たな計画に盛り込むべき事項に関する要望・意見について、国民の皆様から聴取することを予定しております。
                 第3次基本計画策定時と同様に犯罪被害者団体、犯罪被害者支援団体はもちろんのこと、団体に所属していない個人の犯罪被害者の方や有識者の方も含めまして、広く国民の皆様から意見を聞くため、警察庁のホームページ等で広報した上、郵送、ファックスまたは電子メールにおいて要望・意見を受け付けることを考えております。あわせて特に犯罪被害者団体、犯罪被害者支援団体の方々に対しましては、東京及び大阪におきまして、要望・意見聴取会を開催することも考えております。
                 事務局からは以上でございます。
              • 飛鳥井議長 ありがとうございました。それではまず、資料1にあります全体のスケジュールについて御意見、御質問等はございますか。なかなか皆様の日程調整等も大変になると思うのですけれども、よろしく御協力をいただくことで、特に御質問等はよろしいでしょうか。ありがとうございます。
                 それでは、資料2の要望・意見を聴取することについてはいかがでしょうか。何か御質問等がありましたらお願いいたします。中島構成員。
              • 中島構成員 2点質問があります。
                 1つは時期ですが、こちらのほうの資料1では、要望聴取が7月から9月になっておりますが、資料2のほうだと8月29日までで、これ8月までになっていますが、それでよろしいのでしょうか。
                 2点目は、この募集期間が若干短いと感じたというのもありますが、国民の方に対する意見・要望を求めるに当たって、どのような形で広報をされるのかというのをお伺いしたいと思います。というのは、警察庁で行いました犯罪被害類型別調査で、犯罪の被害に遭っても、約8割の方は地方自治体の総合支援窓口を知らないと回答していました。それを踏まえると、パブリックコメントは、犯罪被害者支援について知っていただくよい機会ではないかということもあります。ですので、できるだけ広く国民の方に周知していただけるといいと思いまして、このように質問させていただきました。
              • 飛鳥井議長 事務局、お願いします。
              • 警察庁長官官房参事官(犯罪被害者等施策担当) 事務局でございます。
                 まず御質問の1点目でございますけれども、時期につきましては申し訳ございません、資料2のほうが正確でございまして、こちらの期間でやりたいと思っております。
                 御質問の2点目でございますけれども、こういった御意見、御要望を聴取しますという周知、広報の仕方でございますが、まず、警察庁のホームページに掲載して周知いたします。あわせてマスコミの方にも周知・広報を依頼します。また、私どもは、フェイスブックあるいはメールマガジンといったツールも利用しておりますので、こういったものも活用いたします。
                 また、あわせて前回の第3次基本計画策定の際の要望・意見聴取会にお越しいただいた被害者団体及び支援団体の方々には個別にお知らせもしたいと考えているところでございます。
              • 飛鳥井議長 よろしいでしょうか。ほかの方、何か御意見はよろしいでしょうか。
                 それでは、要望・意見を聴取することを含め、第3次基本計画の評価及び第4次基本計画策定のスケジュール案については、御了承いただきました。
                 それでは次に、議事の3、「第3次犯罪被害者等基本計画の評価方針について」に移りたいと思います。お手元に資料3として、第2次基本計画の評価をお配りしております。前回及び前々回はこの資料のように基本計画の各項目ごとに講じられた主な施策についての評価を行い、最後に計画全体を総括するという形をとっております。ほかに考えられる方法としましては、施策は261ありますが、その1つずつについて評価を行うか、あるいは計画全体についてのみ評価を行うなどが考えられますが、これについても御意見があればお伺いしたいと思います。
                 ただ、施策の1つずつの評価を行うのは時間的制約から難しく、また計画全体のみの評価ではあまりにもあらあらで大雑把過ぎると思われますので、今回も前回及び前々回と同様の形で評価を行うことが妥当かとも思われますが、この点について御意見がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか、これまでと同じような方法で評価をさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
              • 加藤構成員 すみません、意味がもう一つよくわからないのですが、この基本計画の実施状況の評価というのはどういうことなのでしょうか。どのレベルまで実施されているというような判定を下すということなのか、全くできていないという判定を下すのか、計画はできたけれども、まだ実施はされていないなど、どういう評価という形になるのでしょうか。
              • 飛鳥井議長 資料の3を御覧いただきまして、ある程度個々の施策についての意見を踏まえた上で、それをまとめた形で項目ごとに評価をして、それから、全体としての評価をするといったような形でこれまではしてまいりましたけれども。
              • 加藤構成員 はい。ここに書いてありますように評価で一番末尾に何々していく必要があると書かれていますけども、これが妥当だと解釈するという、あるいは妥当ではないと解釈するということなのですか、評価するということは。
              • 飛鳥井議長 そうですね、これまでと同じような形式でよいか、もうちょっと別な方法がいいかといったようなことで御意見をいただければと思っています。
              • 加藤構成員 新たな意見があれば特にということですね。はい、わかりました。ありがとうございます。
              • 飛鳥井議長 ほかの構成員の方、よろしいでしょうか。
                 それでは、第3次基本計画の評価については、前回及び前々回と同様の形で行うということにいたしたいと思います。事務局から何か補足はございますか、よろしいですか。
              • 警察庁長官官房参事官(犯罪被害者等施策担当) では、1点、補足でございますけれども、具体的な評価の進め方でございますが、これから各府省庁から御説明いただく施策の具体的な実施状況ですとか、第3次基本計画の見直しに関してお寄せいただく御要望とか御意見等を踏まえまして、私ども事務局で評価の原案を作成いたしますので、先ほどのスケジュールに沿って、令和2年1月頃に開催予定の会議で皆様に御議論いただければと考えております。
                 以上でございます。
              • 飛鳥井議長 ありがとうございました。
                 それでは、次の議事ですが、第4、「第3次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた具体的施策の進捗状況について」に移りたいと思います。
                 平成28年の4月1日に閣議決定されました第3次犯罪被害者等基本計画は、その計画期間を5か年としておりまして、各府省庁が担当施策を推進していくこととされており、今年でちょうど4年目となります。
                 先ほど全体のスケジュールを御了承いただき、今後、第3次基本計画の評価や新たな計画の策定について、御検討をいただくことになりますが、その前提として現在の施策の実施状況を各府省庁から御報告いただきたいと思います。
                 各構成員からの御質問、御意見等は全ての府省庁からの報告が終わった後にまとめてお伺いいたしたいと思います。
                 それではまず、警察庁の方からお願いいたします。
              • 警察庁長官官房審議官(犯罪被害者等施策担当) 警察庁の審議官の内藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
                 それでは、第3次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた具体的施策のうち、警察庁が推進主体となっております施策のこれまでの進捗状況について、御説明申し上げます。
                 なお、時間の関係もございますことから、ここでは特に進捗が見られたものについて参考資料1の白書等に沿って御説明をいたします。
                 初めに、被害が潜在化しやすい性犯罪被害者等に対する警察における施策として、施策番号201の性犯罪被害者による情報入手の利便性の拡大及び施策番号209の被害が潜在化しやすい犯罪被害者等に対する相談体制の充実及び理解の促進でございます。これに関連して、性犯罪被害の相談電話に係る全国共通番号の運用の充実について、御説明をいたします。
                 資料4-1を御覧いただきたいと思います。
                 平成29年8月から導入しております全国共通電話番号♯8103、これはハートさんと呼んでおりますけれども、これにつきましては、これまで24時間対応に向けた取り組みを進めてまいりましたところ、導入当時の23道府県から本年4月には全ての都道府県で24時間対応が可能となっております。
                 さらに、性犯罪被害に遭われた方の経済的負担を考慮し、ハートさんの無料化を推進してきましたところ、今月1日から全ての都道府県で無料化が実現しているところでございます。今後とも、相談しやすい環境の整備や適切な相談対応にさらに努めてまいりたいと考えております。
                 続きまして、実際に犯罪被害に遭われた方等への警察における支援として、施策番号15のカウンセリング等心理療法の費用の負担軽減及び施策番号58の警察における性犯罪被害者に対するカウンセリングの充実について御説明いたします。
                 資料4-2を御覧いただきたいと思います。
                 警察では、臨床心理士資格等を有する警察部内カウンセラーの配置を促進しているところでございまして、本年4月現在、前年度比ですと4県増えてございますけれども、44都道府県において166名、前年に比べますと31名増加しておりますけれども、166名の警察部内カウンセラーが配置されております。
                 また、平成28年度から犯罪被害者等が自ら選んだ精神科医、臨床心理士等を受診した場合のカウンセリング費用を公費で負担する制度の全国展開を進めてまいりましたところ、昨年の7月、全ての都道府県警察で制度の整備が完了しているところでございます。
                 続きまして、犯罪被害者等の支援については、警察の取組はもとより地方公共団体等における取組が非常に重要でありますので、地方公共団体における犯罪被害者等支援の進捗状況について、御説明いたします。
                 ここで御説明させていただくのは、施策番号150及び151の総合的対応窓口の設置及びその充実についてであります。
                 白書の62ページを御覧いただきたいと思います。
                 警察庁では、地方公共団体に対しまして、犯罪被害者等への適切な情報提供等を行う総合的対応窓口の設置を要請しており、平成23年度までに全ての都道府県・政令指定都市において総合的対応窓口が設置されておりましたけれども、その他の市区町村につきましても、本年4月現在、前年に比べまして6市町村増えて全国1,721の市区町村の全てにおいて総合的対応窓口が設置されております。
                 このように、地方公共団体における総合的対応窓口の設置自体は完了しましたことから、今後はその機能の充実を促進し、犯罪被害者等の生活支援を効果的に行うことが課題であると考えております。
                 そこで警察庁におきましては、地方公共団体に対し研修会等のさまざまな機会を通じ、総合的対応窓口の機能の充実等を要請しているところでございます。
                 また、新たな取組といたしまして、今後、警察庁において、総合的対応窓口に関するポスター等の作成、配布を始め、ホームページやSNSを利用した広報等を予定しており、それによって犯罪被害者等の方々のみではなく、一般の方々に総合的対応窓口を周知するとともに、地方公共団体の総合的対応窓口担当職員等の担当業務に対する意識及び能力の向上が図られるよう会議や研修事業を行ってまいりたいと考えております。
                 また、その機能を充実させるためには、最大限その機能が発揮できるような枠組みを整備する条例の制定等が重要でありますことから、施策番号153及び154の地方公共団体における総合的かつ計画的な犯罪被害者支援の推進について御説明をいたします。
                 白書の64ページを御覧いただきたいと思います。
                 警察庁では、犯罪被害者白書や地方公共団体等に電子メールで配信している犯罪被害者等施策メールマガジンにおいて、犯罪被害者等の支援に特化した条例を取り上げ、その条例に基づく主な支援施策等を紹介するなどして、地方公共団体に対する情報提供に努めているところでございます。
                 本年4月現在、63の都道府県・政令指定都市、588の市区町村において、犯罪被害者等に関する条例の制定又は計画・指針の策定が行われているところでございます。
                 特に、全国の地方公共団体において、犯罪被害者等の支援に特化した条例を制定する動きが広がっておりまして、同月現在、17の道府県、6政令指定都市、272の市区町村においてこのような特化条例が制定されているところでございます。
                 そして、こういった条例制定の動きが広がる中、警察庁におきましては、住民に最も身近な市区町村の連携協力の促進を図るため、これまで市区町村の犯罪被害者支援担当者を集めた研修に講師等として職員を派遣しておりましたほか、昨年度は、犯罪被害者等施策の総合的推進に関する事業として、青森県、愛知県、滋賀県、大阪府、奈良県及び熊本県で、重大事案発生時における対応力強化等事業や市町村職員等を対象とした研修等を実施いたしました。今後も、地方公共団体と連携し、地域における犯罪被害者等支援体制の一層の整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
                 地方公共団体における取組が重要であることは、ただいま述べたとおりでございますけれども、その取組がより実効性を持つためには、国民一人一人に犯罪被害者等が置かれている状況等を理解していただき、犯罪被害者等に対する配慮・協力を一層促していくことが必要であります。
                 そこで最後に、施策番号239及び241の「犯罪被害者週間」にあわせた集中的な啓発事業の実施及び一般国民に対する効果的な広報啓発の実施について御説明いたします。白書106ページを御覧いただきたいと思います。
                 警察庁は、11月25日から12月1日までの間を犯罪被害者週間と設定し、これにあわせて全国各地でさまざまな啓発事業が行われている中、当該期間にあわせて、これまで集中的に啓発事業を実施してきたところでありますが、本年も同時期に、東京における中央イベントを始め、栃木県及び富山県における地方大会を予定しております。
                 昨年の中央イベントで行われたパネルディスカッションでは、「犯罪被害に遭った子供の兄弟姉妹に対する支援を考える」をテーマとして議論が行われまして、犯罪被害者等が置かれている状況等についての理解や共感が得られたものと考えているところでございます。
                 警察庁からの具体的な施策状況に関する報告は以上でございます。
              • 飛鳥井議長 ありがとうございました。それでは、続いて内閣府、お願いいたします。
              • 内閣府大臣官房審議官(男女共同参画局担当) 内閣府の官房審議官の伊藤と申します。よろしくお願いいたします。
                 私からは性犯罪・性暴力被害者支援の一環といたしまして、第3次犯罪被害者等基本計画、第4次男女共同参画基本計画に基づきまして進めていただいております被害直後から相談を受け、医療的な支援、心理的な支援を可能な限り1か所で提供するという性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの運営の安定化及び質の向上を始めといたしました内閣府の取組につきまして御説明いたします。資料につきましては資料5-1を御覧いただきたいと思います。
                 ワンストップ支援センターにつきましては、第4次男女共同参画基本計画におきまして、令和2年までに各都道府県に最低1か所を設置するということとする成果目標が設定されておりますけれども、昨年、平成30年10月に前倒しで全都道府県への設置が実現したところでございます。
                 内閣府におきましては性犯罪・性暴力被害支援交付金、これは今年度予算額は上のほうにございます2億1,000万円でございますけれども、これを活用し、相談員の人件費等のワンストップ支援センターの運営に要する経費ですとか警察に相談できない被害者の医療費等の都道府県の負担につきまして、財政的に支援をすることとしてございます。
                 この交付金を活用いたしまして、24時間対応可、あるいは拠点となる病院の整備・促進等、ワンストップ支援センターの運営の安定化及び質の向上を図りますほか、今後とも関係機関との連携強化等、地域の実情に応じました被害者支援の充実に関しまして、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えてございます。
                 また、ノンペーパーでございますけれども、内閣府におきましては性犯罪の被害者等が被害を訴えるということをちゅうちょせずに、安心して必要な相談支援を受けられる環境整備の促進を図るために、行政職員ですとかあるいはワンストップ支援センターの相談員等を対象にいたしました研修を行ってございます。
                 さらに、先般発生しました児童虐待事件に関しまして、DV対策と児童虐待対策の連携・協力を強化してまいりますために、配偶者暴力相談支援センター及びDV被害者支援のための民間シェルター並びに児童相談所を対象といたしましてDVと児童虐待の特殊性、関連性に関する理解の促進や関係機関における的確な連携強化によりまして、被害の早期発見、早期介入に向けた支援に資する取組等を今後進めることといたしております。
                 今後とも引き続き関係省庁と連携して被害者支援に取り組んでまいりたいと考えてございます。
                 以上でございます。
              • 飛鳥井議長 ありがとうございました。では、続きまして総務省の方からお願いいたします。
              • 総務省大臣官房企画課長 総務省の大臣官房企画課、中山でございます。私の方からは総務省の施策の進捗につきまして御説明を申し上げます。
                 まず、施策番号83関係のドメスティックバイオレンス等の被害者の保護のための住民基本台帳事務における支援措置がございます。これは既に発出されております通知がございますけれども、それらに基づきまして市町村において適切に事務処理が行われるよう助言をしているところでございます。
                 さらに、昨年12月には最高裁判所とも協力をいたしまして、加害者の方から裁判所に提出する必要があるとの理由によりまして、被害者に係る住民票の写し等の交付の請求又は申出があった場合には、本人には交付せず、裁判所からの調査嘱託に基づき、裁判所に交付する方法によることとしたなどにつきまして、市町村及び裁判所に周知を行ったところでございます。今後とも市町村におきましてDV等の被害者への支援措置に関する事務について、適切に行われるように助言、情報提供等を行ってまいります。
                 それから、ドメスティックバイオレンス等の被害者に係る選挙人名簿の抄本の閲覧に関する取扱いの周知徹底もございますけれども、これにつきましても加害者から被害者に係る閲覧の申出がなされた場合には、その申出を拒否することなどを内容とする通知を発出しているところでございまして、引き続き市町村の選挙管理委員会に対しまして、これらの取組の周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
                 以上でございます。
              • 飛鳥井議長 ありがとうございました。それでは、引き続きまして法務省の方からお願いいたします。
              • 法務省大臣官房政策立案総括審議官 法務省政策立案総括審議官の西山でございます。本日は法務省の関係する施策のうち主立った4点の進捗状況を御報告いたします。机上の配付資料でございます、資料6に沿って説明をいたします。
                 まず、「損害回復・経済的支援等への取組」に関連し、債務者の財産状況の調査に関する制度についてでございます。この度の第198回通常国会では、債務者の財産状況の調査に関する制度の実効性の向上を目的の1つとした民事執行法等一部改正法が成立いたしました。
                 今般の改正では、債務者自身の陳述から情報を取得する現行の財産開示手続の申立権者の範囲を拡大し、財産開示期日における債務者の不出頭等に対する罰則を強化するとともに、債務者以外の第三者からの情報取得手続として、債務者の不動産や預貯金債権等に関する情報を取得する手続や、さらには生命・身体の侵害による損害賠償請求権の債権者等からの申立てにより、債務者の勤務先に関する情報を取得する手続を新設いたしました。
                 この改正は民事執行一般に関するものではございますが、犯罪被害者の方の中には加害者に対して損害賠償請求をしようとしても、債務者の財産の状況を把握することが困難であるために請求を断念せざるを得なかった方もいると考えられます。この改正により勝訴判決等を得た債権者である犯罪被害者は債務者の財産を把握しやすくなり、強制執行が容易になることで、犯罪被害者の権利実現の実効性の向上にも資するものと考えております。
                 続きまして、施策番号111のビデオリンク等の犯罪被害者等の保護に関する制度の運用についてでございます。検察庁におきましては、公判段階での被害者支援として、証人の証言時の負担・不安を軽減するため、証人に別室に在席していただいて、法廷と別室とをケーブルで結び、モニターを通じて尋問を行ういわゆるビデオリンク方式と証人尋問の際の付添いや遮蔽の措置を実施しております。
                 従来は同一構内におけるビデオリンク方式のみ認められていましたが、平成28年の刑事訴訟法改正により、平成30年6月1日から構外ビデオリンク方式、すなわち公判裁判所とは別の裁判所に証人を在席させたビデオリンク方式による証人尋問を実施できるようになり、犯罪の性質、心身の状態等から同一構内への出頭が難しい場合や、遠隔地に居住する証人で公判裁判所に出頭することが著しく困難な場合等においても、ビデオリンク方式による証人尋問が可能になりました。
                 平成30年6月から12月までの間、15人について構外ビデオリンク方式による証人尋問が実施されているところです。
                 なお、平成30年中に構外ビデオリンク方式も含めたビデオリンク方式による証人尋問は延べ317人と、昨年よりも92人増加しており、証人尋問の際に付添いの措置が採られた証人の延べ数は144人と昨年より66人増加、遮蔽の措置が採られた証人の延べ数も1,462人と昨年より357人増加しております。
                 続きまして、今年度開催しております更生保護の犯罪被害者等施策の在り方を考える検討会について御報告いたします。犯罪被害者等の方々から仮釈放等に関する意見等を聴取する意見等聴取制度や犯罪被害者等から聴取した被害に関する心情等を保護観察中の加害者に伝達する心情等伝達制度を始めとする更生保護における犯罪被害者等施策は、開始から10年以上が経過いたしましたが、これまで犯罪被害者の方々や外部有識者から客観的にかつ詳細に評価、検討される機会がございませんでした。
                 そこで法務省では、次期犯罪被害者等基本計画の策定も見据えながら、更生保護における犯罪被害者等に関わる業務全般を客観的かつ詳細に評価し、課題を御提言いただくことにより、施策をより充実させるとともに、犯罪被害者等の心情を踏まえた保護観察処分を実現させ、犯罪被害者等の思いに応える更生保護を実現することを目的といたしまして、本年5月、更生保護の犯罪被害者等施策の在り方を考える検討会を立ち上げました。
                 この検討会では学識経験者や犯罪被害者の方々を構成員とし、更生保護関係者や実際に心情等伝達制度等の制度を利用された犯罪被害者等の方々からヒアリングを行い、一層充実した施策の在り方について検討することとしております。
                 最後に、法務省における児童虐待防止に向けた対応についてでございます。検察庁では昨年7月の児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議において取りまとめられました児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策において、協同面接、我々で代表者聴取と言っておりますけれども、「協同面接(代表者聴取)の適切な実施と情報共有の推進」が盛り込まれたことを受け、「警察及び児童相談所との情報共有の強化について」の通知を発出したところであり、これをも踏まえ、今後とも引き続き関係機関との連携の充実に努めてまいります。
                 また、少年鑑別所では、少年鑑別所法第131条に基づき、地域援助と呼ばれる地域社会の非行・犯罪の防止に向けた活動を行っており、「法務少年支援センター」として、子供や保護者等の個人からの相談に応じています。寄せられる相談の中には児童虐待の可能性がある場合も少なくなく、児童福祉機関等の関係機関と連携して早期発見に努めるとともに、子供の非行や問題行動等に悩む保護者に対して、心理教育プログラムを実施するなど、児童虐待の未然防止を図るための体制強化に取り組んでいます。
                 次に、人権擁護機関による児童虐待防止に向けた取組として、全国の小中学生に配布している「子どもの人権SOSミニレター」、電話相談窓口である「子どもの人権110番」やインターネット相談窓口「子どもの人権SOS-eメール」を始めとする人権相談等を、対象者本人のみならず、その兄弟姉妹等の近親者に対する児童虐待事案等を発見するための手段としても活用しており、虐待等の疑いのある事案を認知した場合には、関係機関と連携し、適切な措置を講じております。引き続き、これらの相談窓口の周知広報を積極的に行ってまいります。また、人権擁護委員が、地域の啓発活動等を通じて、これまで発生した児童虐待事案を十分意識して情報収集に努めております。
                 さらに、施策番号186にもありますように、法務省が所管する日本司法支援センター、通称法テラスにおきましても、総合法律支援法に基づき、児童虐待事案や児童虐待を伴うDV事案等について、資力の有無を問わない法律相談援助を実施しております。
                 法務省としては、今後も引き続き児童虐待の根絶に向け、これらの取り組みを確実に進めてまいります。
                 法務省からの報告は以上となります。
              • 飛鳥井議長 ありがとうございました。それでは、続きまして文部科学省からお願いいたします。
              • 文部科学省大臣官房総括審議官 部科学省総括審議官、串田でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。文科省におきましては第3次基本計画に基づきまして、精神的、身体的被害の回復・防止への取組、体制の整備、理解促進等の施策を進めてございます。今日はお配りしている資料はございませんけれども、参考資料2の進捗状況の把握状況、あるいは先ほどから触れられております白書等を御覧になっていただきながら、参考にしていただければと思います。
                 主な施策を紹介したいと思います。まず施策番号54に関連しまして、学校及び相談所等との連携の関係でございますけれども、やはり学校と児相等との連携を図っていくことは重要でございますけれども、昨年11月には警察庁との共催で連携ブロック協議会を開催いたしまして、学校、児相、警察等現場での関係機関の連携を充実させるということを周知しております。
                 それから、施策番号55でございますけれども、カウンセリング体制充実の部分でございますけれども、生徒の心理に関しましてはスクールカウンセラー、それから、福祉的な面につきましてはスクールソーシャルワーカーの配置を推進しておりますけれども、スクールカウンセラーにつきましては、全公立小中学校に配置、スクールソーシャルワーカーにおきましては全中学校区に配置することを目標としておりまして、スクールカウンセラーにおきましてはほぼ、平成29年度において実現、2万6,337カ所に配置しております。スクールソーシャルワーカーにつきましては1万人が目標でございますけれども、実人数は2,000人にとどまっておりますので、目標達成に向けて充実に努めてまいりたいと思っております。
                 施策番号89に関連いたしまして、早期対応のための体制整備等についてでございますけれども、児童虐待防止に資するよう、家庭教育が重要と考えておりまして、家庭教育支援チームによる取組を推進しております。チームの組織化あるいは経費補助等の事業、あるいは優秀な活動を行っているチームに対する大臣表彰といったような施策を行っております。
                 それから、体制整備に関しての施策についてでございますけれども、これは施策番号190になりますけれども、学校内の連携、相談体制に関しまして、昨年9月におきまして独立行政法人の教職員支援機構というのがございますけれども、ここに教育委員会指導主事、研修担当主事、学校の教諭、養護教諭等91人を集めまして、その指導者養成の研修等を行っているところでございます。
                 それから施策番号191、教育委員会の連携等について、窓口機能の部分でございますけれども、教育委員会が相談窓口に心理学の専門職員等の配置を行っていくということで、平成29年度、市町村における教育相談機関について1,467か所の設置、来所相談数41万件、電話では25万件、訪問では11万件等々、合計で85万件の教育相談があったということでございます。
                 それから、理解促進の面でございますけれども、これは施策番号では232番に関しまして、生命のかけがえのない教育ということでありますので、道徳教育がメインになってくるかと思いますけれども、昨年5月から順次先ほどの教職員支援機構と連携いたしまして、指導主事を集めた研修等を行っておりまして、これまでトータルで1,000人を対象に、全国7か所でマネジメント研修等を行っているところでございます。
                 施策番号235ですけれども、子供への暴力抑止のための学習ということでございまして、今年1月ですけれども、全国いじめ問題子供サミットを開催いたしまして、子供同士の中でいじめのストレスの受けとめ、被害に遭った児童・生徒への対応等について、子供たち自らが主体的に考えるといったような機会を設けたところでございます。
                 文科省からは以上でございます。
              • 飛鳥井議長 ありがとうございました。それでは、続いて厚生労働省からお願いいたします。
              • 厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室室長補佐 厚生労働省の阿部でございます。白書や参考資料2に基づきまして、厚生労働省関係の具体的施策の進捗状況について、代表的なものを御説明差し上げます。
                 白書12ページの施策番号でいうと26でございますけれども、被害直後及び中期的な居住場所の確保と一時保護場所の環境改善等でございます。今年度末までにこの個別対応できる児童相談所、一時保護所の環境改善を実施することとされてございますけれども、平成30年4月時点で個別対応できる児童相談所、一時保護所の数につきましては全136か所中121か所個別対応できるという状況になってございます。
                 白書の14ページ目、施策番号38ですけれども、被害回復のための休暇制度の周知・啓発でございます。被害回復のための休暇制度について認識不足という状況が引き続きあるということですから、厚生労働省についてアンケートによる実態調査を行いまして、リーフレットを6万2,000部ほど作成、配布してございます。そのほかセミナー実施等により周知・啓発を行っております。
                 第2の精神的、身体的被害の回復防止ということで、白書20ページの施策番号48でございますけれども、高次脳機能障害者への支援の充実ということで、これにつきましては、高次脳機能障害及びその関連の障害に関する支援の充実ということで、支援普及事業の実施を通じまして、全国111か所の支援拠点に総合支援コーディネーターを385名配置しているほか、研修会を全国で359回開催しまして、2万人を超える参加をいただいているところでございます。引き続き高次脳機能障害に対する支援体制の整備を図るとともに、ライフステージに応じた支援方法や都道府県における取組の共有等、支援の充実に努めてまいりたいと思います。
                 次に施策番号49、白書で21ページでございますけれども、思春期の精神保健の専門家の養成でございます。厚生労働省においては平成13年から医師、看護師等を対象としました思春期精神保健の専門家の養成研修を継続して実施していて、昨年度の平成30年度では5回実施して、303人が参加したところでございます。
                 次に施策番号52、白書22ページでございますけれども、児童虐待に対する夜間・休日対応の充実ということで、児童相談所において夜間・休日問わずいつでも相談に応じられる体制の整備を図ると。24時間365日体制強化事業を実施してございます。これにより児相での設置数全ての自治体でその体制を確保しているということです。
                 それから第4、支援等のための体制整備の取り組みといたしまして、施策番号214、91ページ目ですけれども、児童虐待防止対策に関する調査研究ということで、厚生労働省におきましては児童虐待防止対策に関する必要な調査研究を行うこととされてございまして、直近の平成30年度におきましては、児童虐待事案の対応における警察と児相、市町村の連携等に関する調査研究等を実施したところでございます。
                 最後になりますけれども、第5の国民の理解の増進と配慮協力の確保の取組といたしまして、白書113ページですけれども、施策番号248でございます。犯罪被害者等施策の関係する特定機関における広報啓発事業の実施でございまして、平成16年から毎年11月を児童虐待防止推進月間という位置づけで、関係省庁、関係団体と連携して広報活動を行っているところでございますけれども、30年度におきましても全国フォーラムの開催、ポスター、リーフレットの配布等によりまして社会全体で児童虐待を解決すべき問題であるということを周知啓発して取り組んでまいりました。引き続き関係機関、自治体等を含めまして、施策の推進に努めてまいりたいと思ってございます。
                 厚生労働省からは以上でございます。
              • 飛鳥井議長 ありがとうございました。それでは、最後に国土交通省からお願いいたします。
              • 国土交通省総合政策局次長 国土交通省総合政策局次長の石井です。よろしくお願いいたします。国土交通省からは第3次犯罪被害者等基本計画にて定められた当初関連施策のうち、主な施策5点ほどにつきまして取組状況を御報告いたします。
                 まず1点目でございますが、施策番号5、7、8の保険金支払の適正化等について御報告いたします。国土交通省では、自賠責保険に関して保険金支払の適正化を図るため、指定紛争処理機関に対する監督や死亡等重要事案に関する支払等についての保険会社等からの届出に対する審査を引き続き着実に実施しております。また、自賠責保険への請求ができないひき逃げや無保険車による事故の被害者に対しても、政府が加害者に代わって保障金を支払う政府保障事業により、被害者救済を引き続き着実に実施しております。
                 続きまして第2点目、施策番号20の公営住宅への優先入居等について御報告申し上げます。公営住宅への優先入居、目的外使用は平成17年12月に発出した通知「犯罪被害者等の公営住宅への優先入居、目的外使用に係る特段の配慮についての地方公共団体に対する要請」により、着実に推進しているところであります。
                 また、犯罪被害者等の公営住宅の目的外使用について、一定の要件を満たす場合は地方整備局長等に対する事後報告により補助金適正化法の承認があったものとして取扱う旨を、地方公共団体に周知しております。
                 続きまして3点目、施策番号47の交通事故による重度後遺障害者に対する医療支援の充実等について御報告いたします。重度の後遺障害が残る交通事故が依然として多発している中、国土交通省及び独立行政法人自動車事故対策機構では、療護施設の設置運営に加え、在宅で介護を受ける自動車事故被害者とその家族に介護料の支給をはじめとする支援を行っております。
                 続きまして4点目、施策番号172、交通事故相談活動の推進について御報告いたします。国土交通省は都道府県の交通事故相談員が交通事故被害者等から刑事手続等の相談を受けた場合には、警察、検察、法テラス、被害者支援センター等の支援活動について適切に教示するよう、研修等の場において通知することとしております。今年度におきましても昨年度と同様、各種研修等を通じて交通事故相談員への周知を図る予定であります。
                 最後に5点目、施策番号の173、公共交通事故被害者への支援について御報告いたします。国土交通省では、平成28年に発生した長野県軽井沢スキーバス事故について、御遺族からの御相談等への対応、再発防止策についての意見交換会の開催等、御遺族や被害者の気持ちに寄り添った対応を行ったほか、他の公共交通事故につきましても被害者等に対し、相談窓口の周知を含む支援活動を行っております。また、公共交通事業者への被害者等支援計画の策定促進に向けた啓発活動の一環として、公共交通事故被害者等支援フォーラムを実施したほか、支援にかかわる国土交通省職員等を対象とした研修を実施しております。
                 国土交通省からの報告は以上でございますが、今後とも第3次犯罪被害者等基本計画に基づき、関係機関とも連携しながら、当省関連施策を着実に進めていきたいと考えております。よろしくお願いします。
              • 飛鳥井議長 ありがとうございました。各府省庁から現在の施策の実施状況について、御報告をいただきました。
                 それでは、早速、質疑応答に移りたいと思います。ただいまの関係省庁からの御報告に対しまして、御質問、御意見等のある方はよろしくお願いいたします。
                 それでは、早速質疑応答に移りたいと思いますが、ただいまの関係府省庁からの御報告に対しまして、質問、御意見等がある方はお願いいたします。
                 中島構成員。
              • 中島構成員 私の方で事前に質問をお送りするのが昨日になってしまったので、今日改めて御返答いただければと思います。まず警察庁に関しまして、ハートさんの無料化、全国で対応は大変すばらしい事業と思います。ただ、せっかくこんなすばらしいものがあることの周知というのは非常に重要と思っております。したがって、これを使った相談というのはどのぐらいあるのかがわかりましたら教えていただきたいと思います。あと2つありますが、まず順番にお願いします。
              • 飛鳥井議長 これは警察庁の方からお願いします。
              • 警察庁長官官房審議官(犯罪被害者等施策担当) ハートさんの利用状況等についてお答え申し上げます。
                 ハートさんの導入によりまして、性犯罪被害に遭われた方が警察に相談しやすくなり、性犯罪被害の潜在化防止が期待されるところでありまして、その周知を図っていくということが必要と考えているところでございますけれども、この利用件数につきましては技術的な理由によりまして、現在把握できていないところでございます。いずれにいたしましても、警察といたしましては今後ともハートさんに関する広報周知を積極的に行うなど、性犯罪被害に遭われた方が1人で悩むことなく、警察に相談しやすくなるよう環境の整備に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
              • 飛鳥井議長 よろしいでしょうか。では次の質問。
              • 中島構成員 ハートさんの件はわかりました。これは意見ですけれども、この事業は男女共同参画局の性暴力被害の防止とも関わっておりますので、広報等ではぜひ男女共同参画局と連携した形で広報されるといいのではないかと思っております。
                 2点目の質問ですが、私が座長をしておりましたので非常に進捗が気になるところですが、カウンセリング費用の公費負担が進んでいるということは大変嬉しく思います。警察のカウンセラーの配置でまだ全部の都道府県で行われておりません。私も被害者支援関係の連携を地方の警察と行うことがありますが、心理カウンセラーの役割が大変重要であるという認識をしております。なかなか配置ができないというのはどういった理由でしょうか、費用かあるいはその地域での雇用の問題なのか、お伺いできればと思います。
              • 飛鳥井議長 これは部内カウンセラーですね。まだ未配置のところがあるということですが。
              • 警察庁長官官房審議官(犯罪被害者等施策担当) それでは、お答え申し上げます。
                 まず、警察部内のカウンセラーにつきましては、犯罪直後の急性期において犯罪被害者等に寄り添い、専門的な見地から精神的支援を行うのは非常に重要な存在だと認識しているところでございます。こういったことから警察庁におきましても都道府県警察に対しまして、部内カウンセラーの確実な配置について指導してきたところでございまして、平成26年4月時点で33都道府県警察に119名という状況であったところ、先ほどご説明申し上げましたとおり、31年4月現在では44都道府県警察に166人と増加しているところでございます。
                 しかしながら、新規の採用予定であった方が採用辞退した場合といったことなどもございまして、配置ができていない県もあるところでございます。
                 なお、こういった配置のない県にありましては、部外の精神科医等に対するカウンリング業務の委嘱等によりまして、カウンセリング体制を整備しているものと承知しているところでございます。
                   引き続き都道府県警察に対しまして、臨床心理士資格等を有する部内カウンセラーの確実な配置に努めるよう指導してまいりたいと考えているところでございます。
              • 飛鳥井議長 はい、どうぞ。
              • 中島構成員 警察庁への質問を引き続きで申し訳ありません。カウンセリング費用の公費負担制度は、どのくらい使われているでしょうか。現時点で、何ケースぐらい使われているとか、金額でも結構ですけれども、お教えいただけると嬉しいです。
              • 飛鳥井議長 お願いします。
              • 警察庁長官官房審議官(犯罪被害者等施策担当) カウンセリングの公費負担制度でございますけれども、これは平成28年度から犯罪被害者が自ら選んだ精神科医、臨床心理士等を受診した際の診療料、あるいはカウンセリング料を公費で負担するという制度でございますけれども、これに要する経費については予算措置を講じ、30年7月までに全国において制度が整備されたところでございます。
                 この制度の利用状況でございますけれども、現在詳細を御説明できる資料を持ち合わせていないところでございますけれども、およそ4分の3の都道府県警察において、実際に利用実績があるものと承知しているところでございます。引き続き都道府県警察に対しまして同制度の適切な運用を図るとともに、その周知に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
              • 飛鳥井議長 よろしいでしょうか。それでは、ほかの方いかがでしょうか。
                 正木構成員、どうぞ。
              • 正木構成員 3点ほどあるのですけれども、一挙に言ってしまってよろしいでしょうか。
                 まず、1点目ですけれども、警察庁に対してですけれども、条例につきましては被害者支援に特化した条例の制定が進んでいるということで大変喜ばしいことかとは思うのですけれども、仮に都道府県で見てみますと17ということで、全都道府県は47あろうかと思いますので、まだ割合的には非常に少ないということで、この状況によりますと、やっぱりどこに住んでいるかによって支援の状況が変わってしまうという状況にあるのかと思うのですね。
                 仮に直近の例を挙げますと、京都で京都アニメの悲惨な事件が発生しました。お亡くなりになられた被害者の方だけでも30何名、40名近い被害者、もっと増えるかもしれませんが、出ていたと思います。全員が京都に住んでいる訳ではなくていろいろな都道府県にまたがっていると思うのです。そうしますと被害者の方は京都に住んでいる人、その他のいろいろな都道府県に住んでいる人によって、同じ被害に遭いながら支援の程度が住んでいるところによって違ってくるという状況が生じてしまうという現状にはなっているかと思うのです。
                 やはり市町村、都道府県それぞれの独自性があるというのはよくわかるのですけれども、やはり被害に遭われた方から見ると、住んでいるところによって支援の内容が違うというのは納得できない面があるのではないかと考えるところです。そういう意味である程度均質で質の高い、どこの都道府県、ないしはどこの市町村に住んでいても受けられるという体制が今後必要ではないかと考えるところでございます。
                 そのような考え方についての御見解と今後どのようにそのあたりのところをケアしていくのかということについて、お尋ねしたいというのが1点です。
                 続けて言ってしまっていいですか、3点ほどあるのですが。
              • 飛鳥井議長 これは条例運用によって地域での格差が出てくるのではないかということですが、これは警察庁の方でよろしいですか。
              • 警察庁長官官房参事官(犯罪被害者等施策担当) 警察庁の方からお答え申し上げます。施策番号153に関する御質問だと思われます。
                 まず前提といたしまして、先ほど都道府県で制定された条例の数が17と御指摘いただきましたけれども、いわゆる「特化条例」すなわち被害者支援に特化した条例の数についての御指摘であると理解しております。被害者支援に特化せず、条例の中に何らかの形で被害者支援に関する規定が盛り込まれているものも含めて数えますと、33の都道府県に条例が整備されていると把握しております。
                 同じ日本でも住んでいる場所によって格差が出てしまうという御指摘については、私どももそのとおりであると思っております。ただ、他方で、地方自治という観点からは、やはり、条例につきましては、各地方の議会において御議論いただいて、その地方の実情に合った形で整備していただくという観点もございます。ですので、私ども警察庁といたしましては、各自治体に対しまして、情報提供という形で、あちらの地域ではこういった条例ができていて、その結果こういう形の支援が実現しているとか、支援の具体的な好事例等を会議の場や研修の場等で共有させていただいている状況でございます。
                 今後も、御指摘いただいた問題を踏まえつつ、地方自治という観点とのバランスをとりながら、被害者支援により資するような形で条例の整備が進むように情報提供等努めてまいりたいと考えているところでございます。
              •   
              • 飛鳥井議長 よろしいでしょうか。
              • 正木構成員 どうもありがとうございました。
              • 飛鳥井議長 では、次の御質問をどうぞ。
              • 正木構成員 次は内閣府に対してなんですけれども、ワンストップ支援センターについての取組について御質問させていただきたいのですけれども、資料5-2を見させていただきますと、病院拠点型のワンストップ支援センターというのは今数えましたところ7つか8つだったかと思うのです。やはり被害者支援に資するというところで、病院拠点型が非常に大きな役割を果たしているのではないかと考えているところで、なぜ病院拠点型のワンストップ支援センターが進んでいかないのか、その点についてどのようにお考えなのかというところと、連携というところはたくさんあるのですけれども、連携、連携といっても連携にも大きな差があると思うので、この連携の実態がどのようになっているのかというところについて、御説明いただきたいということで御質問させていただきたいと思います。
              • 飛鳥井議長 よろしいでしょうか。
              • 内閣府大臣官房審議官(男女共同参画局担当) 病院拠点型はおっしゃるとおりでございますけれども、連携のところにつきましてもおっしゃるとおりいろいろな形があります。地域によってそれはおっしゃるとおりいろいろな形がありますが、私どもも病院拠点型のワンストップ支援センター設置促進に向けて、今後とも地方公共団体とは御相談をさせていただきたいと思っておりまして、最近も地方に実情をお伺いに行ってお話を聞いたりしているところでございますけれども、地方それぞれの事情があることを伺っているところでございまして、その中でどういうふうなことができるのかということを今後私どもとしても引き続き検討課題としつつ、地方公共団体と相談をしてまいりたいと考えてございます。
              • 飛鳥井議長 よろしいでしょうか。
              • 正木構成員 どうもありがとうございます。
                 最後1点ですけれども、これは御説明にはなかったことですけれども、保護観察においての専門的なプログラムのことですけれども、これは大変重要ではないかと思っています。薬物被害とか性犯罪についてどういうふうに専門的プログラムを処遇していくかというところは大変重要ではないかと考えているところで、この辺の実態がどのようになっているか、運用がどのようになっているかということを教えていただければと思いまして質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
              • 飛鳥井議長 それでは、法務省の方からお願いいたします。
              • 法務省大臣官房政策立案総括審議官 法務省でございます。保護観察では専門的処遇プログラムというのがございまして、具体的に言いますと、現在のところ、性犯罪者処遇プログラム、薬物再乱用防止プログラム、暴力防止プログラム、それから飲酒運転防止プログラムがございまして、それぞれいわゆる認知行動療法も取り入れた形でやっているということでございまして、その受講については、改善更生のために特に必要と認められる範囲内において、特別遵守事項で定めているところでございます。
              • 正木構成員 追加でよろしいでしょうか。それはどれぐらいそういう処遇プログラムを実施していて、どの程度成果が上がっているかというのはわかるのでしょうか。
              • 法務省大臣官房政策立案総括審議官 平成30年における特別遵守事項による専門的処遇プログラム、これは先ほど御紹介した性犯罪、暴力防止、飲酒運転防止でございますけれども、この開始人員が、性犯罪処遇プログラムが908人、暴力防止が259人、飲酒運転防止が259人ということでございまして、その効果の検証につきましてはなかなか難しいところもございますので、今のところお答えしようがないということで御容赦いただければと思います。
              • 正木構成員 どうもありがとうございました。
              • 飛鳥井議長 ほかの構成員の方、いかがでしょうか。
                 伊藤構成員。
              • 伊藤構成員 伊藤です。よろしくお願いします。
                 今の御説明の中にはなかったかと思うのですが、ちょっとお尋ねしたいと思います。この第3次計画の中で特に専門職の育成、養成ということが大きな柱の1つにもなっていたかと思いますが、施策番号でいいますと67と152でしょうか。警察庁と厚労省も関係しており、日本社会福祉士会、精神保健福祉士協会、あるいは日本看護協会に働きかけ、こういった犯罪被害者支援に関する専門的な知識や技能を有する人材を育てていくということになっていたかと思います。この辺どのような進捗状況かについて、特に厚労省に関しましては、ちょうど社会福祉士や精神保健福祉士の養成課程が変更になる時期を迎えておりますので、こういった中に被害者支援のことを盛り込むといったことで推し進めていただくことも可能かなと思っております。その辺の御意見を伺えたらと思います。
                 あとは施策番号の152に関しましては、ここも同じです。社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士という言葉を入れていただいて、こういった専門職の活用を働きかけるということになっておりますので、この辺具体的にどのような形で推進されているのか、強化されているのかということをお聞きしたいと思います。またそういう効果的な被害者支援を把握するということについて、そういった効果的事例の提示ということについてもどうお考えかということをお聞きしたいと思っております。
                 すみません、もう1つ、関連することですけれども、施策164と221というところにコーディネーターということで、コーディネーターとしての役割を果たせる人材の育成ということを挙げたのですが、この辺のことがどうなっているのかということをお聞かせ願えたらと思います。よろしくお願いいたします。
              • 飛鳥井議長 それでは、専門職養成については厚生労働省の方から御回答を願います。それから、コーディネーターの問題は、警察庁にそれぞれお願いいたします。
              • 警察庁長官官房参事官(犯罪被害者等施策担当) 続きまして警察庁でございます。
                 まず施策番号66、67の犯罪被害者等に関する専門的知識・技能を有する専門職の養成等についてでございますけれども、私ども警察庁といたしましては、一般社団法人日本臨床心理士会に働き掛けをしまして、犯罪被害者に関する専門的知識・技能を有する臨床心理士の養成及び研修の実施を促進しているほか、都道府県臨床心理士会の被害者支援担当者を集めた研修会に私どもの職員を派遣しまして、犯罪被害者等施策に関する講義を実施しております。また、私どもが犯罪被害者週間を実施するに当たりましては、日本臨床心理士会及び都道府県の臨床心理士会、また、臨床心理士受験資格に関する指定大学院等に対し、広報啓発のポスターや啓発イベントの開催案内をお送りするなどして、参加を呼び掛けております。
                 また、社会福祉士に関しましては、公益社団法人日本社会福祉士会に協力させていただき、犯罪被害者等に関する専門的な知識・技能を有する社会福祉士の養成及び研修のためのeラーニングのコンテンツ作成について協力をさせていただいております。
                 さらに、先ほどと同様に、犯罪被害者週間の実施に当たっては、社会福祉士会等に開催案内を送付して参加を呼びかけるなどさせていただいております。
                 続きまして施策番号152番の地方公共団体における専門職の活用及び連携の強化という点でございますけれども、こちらにつきましては、私どもは年に1回、自治体の犯罪被害者等施策の担当の方を集めて、会議を開催しておりますが、そうした会議の場等で専門職の活用について働きかける、あるいは専門職の方に御講義いただくなどして、地方公共団体に対し、専門職を含めた関係機関・団体とのさらなる連携・協力の充実・強化を要請しているという状況でございます。
                 ちなみに、平成31年4月現在の自治体における専門職の配置の状況でございますけれども、13都道府県・政令指定都市、また80の市町村におきまして総合的対応窓口等に専門職を配置していると把握しております。
                 最後に、施策番号164、221のコーディネーターとしての役割を果たせる民間支援員の養成への支援というところでございますけれども、こちらにつきましては全国被害者支援ネットワークが例年開催しております春季研修会に私ども警察庁から講師を派遣しております。また、警察庁と各自治体、昨年でいいますと青森県、大阪府、熊本県におきまして、各自治体と警察庁の共催という形で関係機関の職員等を対象とした研修会を実施しまして、コーディネーターとしての役割を果たせる民間支援員の養成への支援に取り組んできたという状況でございます。
                 警察庁からは以上でございます。
              • 伊藤構成員 1点だけいいですか、すみません、追加で。
                 今、厚労省の方から御説明いただきましたけれども、1つの例として社会福祉士という専門職が養成課程をちょうど見直す時期なので、今まであった科目を変更して刑事司法と福祉という中に被害者支援を入れていただけるようになったと伺っています。刑事司法と福祉ですが、そうしますと加害者のことが中心に出やすいので、ぜひ被害者のことも半分か半分以上は入れていただいて、単に福祉につなぐというよりもいわゆる援助技術、対人援助技術のソーシャルワークが大事なので、その辺を強調していただけるような内容が望ましいので、その辺強調していただけたらと思っています。追加ですけれども、よろしくお願いいたします。
              • 飛鳥井議長 ほかの構成員の方、いかがでしょうか。
                 では中曽根構成員。
              • 中曽根構成員 すみません、中曽根です。
                 国土交通省の方にお願いいたします。第2次基本計画の時から公営住宅への優先入居について、目的外使用ということで配慮をしてきてくださっているということをお聞きして、本当にありがたいと思っております。実際何年も目標として挙げてきて、実際に目的外使用で犯罪被害者の方が、DV等の被害者の方以外にもいろいろな犯罪の被害者の方がおられると思いますが、実際にどのぐらい入ることができたのか数は把握しておられるものでしょうか。
              • 国土交通省総合政策局次長 お答え申し上げます。平成30年12月時点で都道府県及び政令市における入居状況といたしまして、犯罪被害者等の公営住宅への目的外使用入居戸数は59戸でございます。
              • 中曽根構成員 全国でですか……。
              • 国土交通省総合政策局次長 さようでございます。
              • 中曽根構成員 ありがとうございました。
              • 飛鳥井議長 よろしいですか。ほかの方いかがでしょうか。はい。
              • 小木曾構成員 小木曾です。先ほどの御報告に直接は出てまいりませんでしたけれども、施策番号でいいますと220番台だろうと思います。民間の団体への支援の充実に関係することですが、支援団体どこも活動資金をどうするかということで非常に苦労されていると思います。
                 これは全国犯罪被害者支援ネットワークもそうだろうと思いますが、そこで、預保納付金の一部をファンドレイジング等にも使えるようにする改正があったと記憶しておりますけれども、それがどのぐらいの地域で利用され、また、その効果が上がっているのかいないのかといったことも把握なさって、もしその効果が上がっていないとすると、その原因がどこにあって、では、これから民間団体の活動資金をどのように援助するか、していったらいいのかということについて、検討課題とすることも必要ではないかと考えます。そのための条例制定ということでもあろうかと思いますが、まずは実態を把握されるとよろしいのではないかと思います。
              • 飛鳥井議長 これは警察庁の方からでよろしいですか。
              • 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 警察庁の犯罪被害者支援室でございます。御指摘のように民間支援団体の活動を行うについて活動資金が必要だということで、確かにそのとおりでございまして、預保納付金の関連についてはファンドレイジングの活動ができるような形になっていることは承知しているところでございます。
                 現状ということでいうと、私どもの方で例えば全国被害者支援ネットワークですとか各犯罪被害者支援センターの方でどのぐらいの数のファンドレイザーを配置して、どのぐらい獲得しているかということについては、現在手元に資料がないので御報告申し上げられないところではございます。
                 ただ、警察庁といたしましては、先ほど話がございましたような公費負担の話も含めまして、各都道府県警察に対しまして2億6,000万円ほどの補助金を出させていただいているところでございますし、また、財源確保のための方策についても現在いろいろ取り組んでいるところでございます。これからも引き続き努力をしていきたいと考えているところでございます。
              • 飛鳥井議長 よろしいでしょうか。ほかの構成員の方、いかがでしょうか。
              • 中島構成員 文科省と厚労省の方に、今回、御報告のなかったことについて御質問をさせていただきたいと思います。まず文科省に関してです。これは明確な施策番号でどれとは言いにくいところがあるのですが、おそらく55、56あたりが関係していると思います。先般、登戸において非常に残酷な児童が巻き込まれる被害が発生したかと思います。そういった場合の危機介入につきまして、私は必要があって調べたのですが、文科省の方では学校の危機管理マニュアル作成の手引きという大変すばらしいものを作成されていらっしゃるのですね。登戸事件は私立学校ですから、実は連携の難しい地域だったのではないかとは思うのですけれども、ああいったマニュアルがつくられていて、それがきちんと整備されていて使われているとしたら、私どもメンタルヘルス関係者としてはとても安心できるところでございます。今日お話になるのは難しいと思いますが、文科省としてあのマニュアルというのは、どの程度各学校において、特に私立も含めまして整備されているものなのか、把握されていらっしゃるのでしたら御教示いただければと思います。
              • 文部科学省大臣官房総括審議官 今、こういうふうにお聞きになったので、ちょっと手元にはお答えできるデータはないのですが、当然文科省としてはああいったものを作成して、全校に届くように公立学校であれば各都道府県教育委員会、私立学校であれば各都道府県私立学校主管課の方に配布していると思いますので、その活用のされ方等については調べてみたいと思います。
              • 飛鳥井議長 今すぐ御回答いただけないということで、後日また調べて何か資料があれば御提出いただければと思います。
              • 中島構成員 もう1つは厚生労働省に対してです。今回は、これは御報告がなかったので、今後にあるのかと思いますが、社会保障審議会児童部会の「児童買春・児童ポルノ被害児童の保護施策に関する検証・評価専門委員会」の進捗等につきまして、できれば、ここで評価も行いますので、会議の際にはぜひ御報告をいただけたほうがよろしいかというのがまず1点でございます。
                 あと2点目が、これは文科省も関係するのかと思いますが、犯罪被害者白書にも少し触れていただいていますが、公認心理師の制度が発足して、実際に国家試験第1回目が行われ、公認心理師が認定されてきております。これは、国家資格ですので、厚生労働省、文部科学省ともに、犯罪被害者に関する専門家養成の対象として公認心理師をぜひお取り上げていただきたいと思います。ブループリントのほうにはちゃんと犯罪被害者支援について触れられていますけど、より充実した形で大学において学習がなされるようにと思います。せっかくできた国家資格ですので御検討いただきたいと思うのですが、そのあたりはもう既にこのようになっているとかありましたら、お話しいただければと思います。
              • 飛鳥井議長 では、文科省の方からお願いします。
              • 文部科学省大臣官房総括審議官 公認心理師につきましては法制化されて、国家資格化されているわけですけれども、それに対する支援の方法とか総合的にどう取り組んでいくのか、今いただいた御指摘等も踏まえて、ちょっと引き取らせていただいて、また御報告できればと思います。
              • 飛鳥井議長 厚生労働省、よろしいですか。
              • 厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室室長補佐 厚生労働省です。手元にあるものだけで説明するのであれですけれども、公認心理師に関しては現行のカリキュラムに基づいて行政試験を行っているのですけれども、被害者支援の充実という社会的な要請が結構多いので、法律の施行後5年、令和4年9月に見直し規定があるので、そこでカリキュラム検討会が行われることも想定されることなので、それはちょっと検討事項として犯罪司法分野のカリキュラム充実というのは検討していきたいということは言えます。
                 児童ポルノの話ですけれども、それは御要望として進捗はどこまで言えるかどうかというところもありますけれども、検討したいと思います。ありがとうございます。
              • 飛鳥井議長 よろしいでしょうか。はい、どうぞ。
              • 中曽根構成員 すみません、法務省の方にお願いいたします。
                 主な取組について先ほど御説明をいただきました。債務者の財産状況の調査に関する制度とか更生保護の犯罪被害者等施策の在り方を考える検討会とかですが、特に更生保護の犯罪被害者等施策につきましては、先回私もいろいろ意見を述べさせていただきましたので、こういう検討会が発足したということで、今後も被害者の方の気持ちに配慮した施策を考えていただきたいと思います。
                 プラス先ほど施策番号186にストーカーとかDVの被害者の方は資力にかかわらず、法律相談援助制度の創設をされたと。確かに30年1月からDVの被害者の方が実際に弁護士の先生方にスピーディに相談を受けておられているのを私も支援させていただいて見ているのですけれども、これはほかの犯罪の被害に遭われた方たちに対しても、例えば国選被害者参加弁護士制度等、資力要件がありますよね。ああいうところで資力要件をなくしていただくとかできないものなのでしょうか。
              • 法務省大臣官房政策立案総括審議官 まず、御指摘いただきました30年1月から施行しているDV、ストーカー、児童虐待の被害者に対する法律相談援助ですが、これについては資力の有無を問わないで法律相談はするのですけれども、その後に一定の資力がある方については、後からお金を頂戴するという制度になっております。つまりこの方々は資力要件を確認するようないとまがなく、緊急に法律相談が必要だということなので資力要件を問わないということでありまして、全て無償ということとは違うということを御理解いただきたいと思います。
              • 中曽根構成員 資力に関わらず弁護士の相談料等はということをお伝えしたのは、つまり被害に遭うはずがないのに遭ってしまったということから、資力に関係なく弁護士の相談というのは無料になるべきなんじゃないかという意味合いで言ったということですけれども、すみません。
              • 法務省大臣官房政策立案総括審議官 そのあたりは当然議論があるところではございますけれども、どこまで国で負担するのが適切かという、これは犯罪被害者に限らず法テラス、民事法律扶助の制度も含めて議論はあるところでございまして、全体のバランスの中で検討しなければならないというところで、引き続きの課題とさせていただきたいと思っております。
              • 中曽根構成員 お願いいたします。
              • 飛鳥井議長 ほかの構成員の方、いかがでしょうか、まだ若干時間がありますので。
              • 川出構成員 警察庁に伺いたいのですが、先ほど、施策番号11の関係で、法務省から、債務者の財産状況の調査に関する制度について、民事執行法の改正がなされたという説明がございました。この施策番号11では、警察庁が日弁連等の協力を得た上で、実態把握のための調査を行い、その結果を踏まえて必要な検討行うということになっていますので、現在の検討の状況を御説明いただけないでしょうか。
              • 飛鳥井議長 警察庁、お願いします。事務局ですか。
              • 警察庁長官官房参事官(犯罪被害者等施策担当) 警察庁でございます。
                 御指摘の施策番号11の実態把握のための調査につきましては、既に日弁連の協力を得て実施し、第24回の専門委員等会議で、日弁連の森山博先生から御報告をいただいたところでございます。
                 この調査の結果でございますけれども、やはり、犯罪被害に遭われた方のうち、債務名義を取った、あるいは示談するなどして賠償に関する書面を作成したにもかかわらず、結局その賠償金を得られなかったという方が相当数いらしたということがわかりました。また、全額回収できなかった方のうち、全額回収できなかった理由として、「債務者の財産が不明だったため強制執行手続をとることができなかった」と回答された方が一定数おられたわけですが、その全ての方が財産開示手続を利用していなかったという結果になりました。
                 そして、財産開示手続を利用しなかった理由としましては、手続を利用しても実効性がないと思ったという回答が非常に多いという結果になりました。この結果を受けて、やはり、財産開示手続の実効性が乏しいことが非常に問題であると私どもも認識しまして、検討しておりましたところ、これはすなわち債務名義を取ったのに強制執行できないという民事執行の問題であり、この点が、今般、民事執行法の枠組みの中で改正されるということになったわけでございます。私どもとしましても、犯罪被害者の方等に対して、法務省と連携しながら、改正民事執行法の内容の周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。
              • 川出構成員 そうすると、民事執行法の改正によって、とりあえずここで必要とされている検討は終わっており、白書7頁で「関係省庁と協議している」と書いてありますけれども、これも、民事執行法の改正後の債務者財産の開示制度を実効的に行っていくための協議をされているということであって、現在、何かこれ以上のことを検討しているわけではないと理解してよろしいわけですね。
              • 警察庁長官官房参事官(犯罪被害者等施策担当) 私どもは、犯罪被害者等施策の取りまとめという立場にございまして、具体的な施策の実施機関を持っていないところもございます。ですので、現段階で、今の民事執行法の改正に加えてこれという解決策をお示しできる状況でないというのが正直なところでございます。
              • 飛鳥井議長 はい。
              • 太田構成員 今の問題との関連で一般の民事訴訟ではなくて2007年にできました損害賠償命令申立制度に基づいて、かなり認容判決がたくさん出ておりますけれども、これについての実際に支払い状況については、日弁連の方でわずかなケースを調査されたものはあるのですけど、それ以外の状況は全くわかっていないので、今回の調査では特に調査されたことがあったのかどうかということと、それから、今後、刑の執行段階、特に保護観察の段階で保護観察対象者に対して損害賠償の実効性を担保するような処遇をしていこうという方向で今検討が行われているのですけど、それとの関連でこれは法務省になるかもしれませんけれども、そういう損害賠償の状況を受刑者の処遇調査の段階で調査するということになっているのですけど、ほとんどどうも把握されていないようであります。
                 一般の民事訴訟の状況がわかりにくいというのはわかるのですけど、損害賠償申立命令はかなり刑事手続との連動性が高いのにもかかわらず、それについての把握状況がほとんどなされていないようなので、これについても一体どういう状況になっているかということを、今日はちょっとお答え頂くのが難しいと思いますので改めて御教示いただければなというふうに思っております。
              • 警察庁長官官房参事官(犯罪被害者等施策担当) 警察庁でございます。
                 先ほどの調査の中では、債務名義を得たという176件のうち損害賠償命令が75件というところまではわかっておりますが、その後結局回収できたかという問いの中では、損害賠償命令だったのか、それとも民事訴訟の判決だったのか、刑事和解だったのか、その辺は区別せずに回答されておりますので、そういった意味では、わかるのはそこまでという状況でございます。
              • 飛鳥井議長 正木構成員。
              • 正木構成員 今確かに民事執行法は改正されましたけれども、この民事執行法の改正でどれだけ効果があるかというのは、あまり効果がないのではないかと思われるところですけれども、今後そのような現状を踏まえて、損害賠償というのは非常に重要だと思うのですけれども、何か新たな施策を考えるとか検討しているとかそのようなことはあるのでしょうか。
              • 飛鳥井議長 よろしくお願いします。
              • 警察庁長官官房参事官(犯罪被害者等施策担当) 警察庁でございます。
                 民事執行法が改正されてまだ施行前というところもございまして、ひとまず施行後の状況も見ながら検討を進め、必要に応じて検討を重ねていくというところかなと考えております。
              • 飛鳥井議長 法務省の方からいかがでしょうか。太田構成員、正木構成員からの今の御意見は。今日お答えできる範囲で何かコメントがあれば。
              • 法務省大臣官房政策立案総括審議官 犯罪被害者の損害賠償の請求権に関しましては、民事執行法の改正のときに国会の審議で、附帯決議がされておりまして、参議院では、「公的機関による養育費や犯罪被害者の損害賠償に係る請求権の履行の確保に関する諸外国における法制度や運用状況に関する調査研究を実施し、我が国におけるそれらの制度の導入の是非について検討を行うように努めること。」ということがございます。衆議院の方は、「公的機関による養育費や犯罪被害者の損害賠償に係る請求権の履行の確保に関する諸外国における法制度や運用状況に関する調査研究を実施し、我が国におけるそれらの制度の導入の是非について検討を行うように努めること。」ということで、衆参両方で附帯決議がなされておりますので、これに沿いまして検討はやらなければならないというふうには認識はしております。
                 今後、法務省としましても関係機関と連携して、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
              • 飛鳥井議長 両構成員の方、よろしいでしょうか。
              • 太田構成員 繰り返しになりますけれども、受刑者がそういった債務を有しているということについては、刑の初期の執行段階による処遇調査を行うことによって、その中に被害者への弁償状況を調査することになっていますし、仮釈放の審理においても被害者に対する賠償の有無等を調査することになっているのですけれども、実際に判決書きの中に賠償が既になされているという記載があったり、受刑者が自ら、民事裁判で損害賠償の認容判決が出ているとか、損害賠償命令の決定が出ているということを申告すればいいのですけれども、基本的に情報は受刑者に対する調査という形で聞き取っている関係で、実際の状況はあまり明らかになっていない場合があるということが一般的に言われていますけれども特に損害賠償命令申立制度ができた後、矯正の側、もしくは保護の側でも、他機関への照会の権限の規定もありますので、どれだけそういった債務があるのかどうかということについて情報収集されているのかどうか、もし次の機会にでもわかれば御教示いただければと思います。
              • 法務省大臣官房政策立案総括審議官 現状についての御説明になりますけれども、先生がおっしゃったとおり、刑執行開始時に調査がございまして、そのときに被害者等の状況についても調査しているところでございます。その中で被害者等に対する被害弁償の状況と損害賠償命令があるかどうかということも可能な範囲では把握するということにはなっております。これにつきましては、一つの端緒としては、刑事事件の判決謄本や刑の執行の指揮に当たって検察官から通知を受ける処遇上の参考事項調査票に記載されておれば把握できる。あるいは先生おっしゃったように、受刑者からの聞き取りということになります。あとは端緒としてあり得るとすれば、損害賠償命令の決定書が刑事施設に送られてきた場合はそれを把握することができるということでございます。
                 聞き取りをやりましても、内容の正確性には一定の限界がございますし、先ほどの決定書が刑事施設に送られてくるかどうかという問題もございますので、一定の限界はあるのはやむを得ないのが現状ではございます。
              • 飛鳥井議長 よろしいでしょうか。はい、どうぞ。
              • 伊藤構成員 すみません、伊藤です。この第3次基本計画では連携という言葉が随分出てきて、連携を何とか充実させていこうという方向性だったと思うのですが、今見ていまして施策番号178、179、180のところに連携の、これは検察庁、あと180は保護観察所におけるものですが、結局把握できない理由として、現時点で連携に関する具体的施策を明示することができないので、把握できないというような理由があるのかと思います。これだと進捗状況、せっかく調べるべきなのにここでこういう回答になってしまうのはとても残念な感じがします。
                 ですので、178、179の施策においては連携とうたっているわけですので、あと180もそうですが、具体的にどういうことをイメージして連携をしようとしていたのか、うまくいかなかったら、それではこういう点で問題があったということでもいいので、何かしらの事例を出していただくのがよろしいのではと思います。
              • 飛鳥井議長 これも法務省いかがでしょうか。検察庁、保護観察所ですね。
              • 法務省大臣官房政策立案総括審議官 進捗状況につきましては、現状は御説明をきちんとしたいと思っております。ちょっとここの部分は定性的または定量的に把握できないというところの理由を書いただけでございましたが、本当に先生がおっしゃるとおりでございまして、進捗状況についてはきちんと御説明をしたいと考えております。
              • 伊藤構成員 よろしくお願いいたします。もう1点だけいいですか。
              • 飛鳥井議長 どうぞ。
              • 伊藤構成員 施策番号181について、また法務省ですが被害者担当になった保護観察官と保護司に対して研修するのは当然だと思いますが、これをもうちょっと広げて加害者担当の保護司さんは多くおられて、地域に根差していろいろ活動をしているわけなので、こういう地域の保護司さんに被害者のことを知ってもらう方向性があってもいいのかなと思います。それが当然加害者処遇にも生かせるでしょうし、被害者支援に関してももっと力を入れることが広がっていくのではないかと思います。地域の保護司の活用について広げて考えていただけたらと思います。これは意見ですけれども、以上です。
              • 法務省大臣官房政策立案総括審議官 すみません、十分に把握できているかどうかは心もとない部分はありますけれども、少なくとも保護司さんになられた最初のときに、研修がございますけれども、そのときにはきちんと被害者保護の関係についてもコマとして入れているということでございます。それで十分かどうかという問題はございますので、引き続き先生の御指摘も踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
              • 伊藤構成員 よろしくお願いします。
              • 飛鳥井議長 まだ少し時間がありますが、ほかの方。はい、どうぞ。
              • 太田構成員 この施策の中のどこか特定の場所というわけではないのですけれども、いわゆる大規模被害が生じた場合の被害者への支援体制の構築ということについて、今後御検討いただければと思っております。つい先日も京都で多くの被害者が出る放火事件が起きましたけれども、そういったものについて何か警察の方で検討されているのかどうかということと、そういったものがなければ今後の対応として検討課題に入れていただきたいと思っております。
                 以前相模原の障害者施設で起きました事件においては、神奈川県の場合は県警と県と被害者支援民間団体が特徴的なサポートステーションという体制をつくっている関係で、警察の方のチームとサポートステーションが連携して、被害者や遺族のみならず、施設の職員等に対しても非常に広範囲に支援を行ったと伺っています。現在、京都でも何かそういった動きがあって、またそれを一般化しようという動きがあれば教えていただければと思います。
              • 飛鳥井議長 神奈川県は大規模事案の支援について条例に盛り込んでいたと思います。警察庁の方からいかがでしょうか。
              • 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 警察庁の犯罪被害者支援室でございます。御指摘のように大規模な事件が起きたときに、被害者の方は多うございますので、警察といたしましても同様な形できちんと体制を組んで、被害者支援に当たっていくことが大切ということは非常に認識をしているところでございます。
                 各県の取組といたしまして、構成員からもお話がございました神奈川県については、大規模事件が発生したときの被害者支援の要領は定めているところでございまして、これはおそらく今手元にはないのですけれども、ほぼ全国でできているのではないかと考えているところでございます。ちなみに今回の京都府の火災の事件につきましては京都府の方では被害者支援班を作って、おおむね100名体制でございますけれども、被害者の方の対応に当たっているということでございますし、先般の神奈川県の登戸の事件につきましても、神奈川県警の方で被害者支援本部をつくって対応に当たっているということでございます。
                 今後もそういった形で引き続き努力をしていくように、私どもも指導していきたいと考えているところでございます。以上です。
              • 警察庁長官官房参事官(犯罪被害者等施策担当) もう1点、警察庁でございますけれども、先ほど申し上げたとおり、私どもは、地方公共団体に対して、研修等を実施するなどして関係機関との連携を促しているわけですけれども、その中で、昨年、愛知県と警察庁の共催という形で、先進的取組支援事業として、大規模事件発生時の対応力強化事業を愛知県で実施しております。
              • 飛鳥井議長 それでは、よろしいでしょうか。それでは、特にほかに御意見がなければ、そろそろ会議を終わりにしたいと思います。ただいまの構成員の皆さんからの御意見等を踏まえまして、関係府省庁においては引き続き第3次基本計画に盛り込まれた具体的施策の確実かつ適切な推進をお願いしたいと思います。
                 また、お時間となりましたので、ここでさらなる御意見がある場合には、後ほど事務局の方にお寄せいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
                 では、最後に事務局から次回の日程に関する連絡がありますので、お願いいたします。
              • 警察庁長官官房参事官(犯罪被害者等施策担当) 次回でございますが、来年1月頃に現行計画の実施状況の評価の検討及び聴取しました要望の整理について御議論いただきたいと思っております。後日日程調整をできるだけ早い段階で行わせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
                 事務局からは以上でございます。
              • 飛鳥井議長 ありがとうございました。
                 それでは、これをもちまして第28回基本計画策定・推進専門委員等会議を終了いたします。本日は皆様、ありがとうございました。
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