開催要領
日時:平成28年1月26日(火)午後4時00分~午後6時00分
場所:中央合同庁舎8号館6階 623会議室
出席者
議長 | 椎橋 隆幸 | 中央大学大学院法務研究科教授 |
瀬川 晃 | 同志社大学法学部教授 | |
中島 聡美 | (国立研究開発法人)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 成人精神保健研究部犯罪被害者等支援研究室長 |
|
中曽根 えり子 | (公益社団)にいがた被害者支援センター理事・支援局長 | |
森山 博 | 弁護士 | |
飛鳥井 望 | 医療法人社団青山会青木病院副院長 | |
伊藤 冨士江 | 上智大学総合人間科学部社会福祉学科教授 | |
渡邉 保 | 犯罪被害者遺族 | |
安田 貴彦 | 内閣府犯罪被害者等施策推進室長 | |
村田 隆 | 警察庁長官官房総括審議官 | |
野川 明輝 | 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 | |
吉井 俊弥 | 総務省大臣官房企画課課長補佐 | |
高嶋 智光 | 法務省大臣官房審議官 | |
佐野 太 | 文部科学省大臣官房総括審議官 | |
坂本 裕一 | 厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室室長補佐 | |
鈴木 義弘 | 厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課課長補佐 | |
英 浩道 | 国土交通省総合政策局政策課政策企画官 | |
小林 明生 | 内閣府男女共同参画局推進課暴力対策推進室長 | |
錦織 功政 | 金融庁総務企画局企画課調査室長 |
議事次第
- 開会
- 第3次犯罪被害者等基本計画案について
(1) 前文について
(2) 骨子に対するパブリックコメントを踏まえた具体的施策について - 児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく被害児童保護施策に関する検証・評価について
- 閉会
配布資料
資料1 国民からの意見募集(パブリックコメント)の結果概要
資料2 国民からの意見募集(パブリックコメント)により寄せられた意見及びその対応(案)
資料3 第3次犯罪被害者等基本計画(案)(見え消し版)
資料4 第3次犯罪被害者等基本計画(案)(反映版)
資料5 「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム」について
資料6 損害賠償請求に係る債務名義の実効性に関するアンケート調査 集計結果
資料7 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律に基づく、児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童の保護施策に係る検証・評価について(案)
議事内容
- 椎橋議長 本日は、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、ただ今から第24回「基本計画策定・推進専門委員等会議」を開催いたします。
なお、川出構成員におかれては本日欠席との連絡を受けております。また、文部科学省の佐野太総括審議官が新たに専門委員に任命されておりますので、一言御挨拶をお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。 - 文部科学省大臣官房総括審議官 文部科学省の佐野でございます。どうか皆様、よろしくお願いいたします。
- 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、まず本日の議事及び配付資料について、事務局から説明をいただきます。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。
お手元の議事次第を御覧ください。
本日の議題の1つ目は「第3次犯罪被害者等基本計画案について」でございます。まず前文について御議論いただきまして、その後、パブリックコメントを踏まえた具体的施策について御議論いただきたいと思います。
2つ目は「児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく被害児童保護施策に関する検証・評価について」御議論いただくこととしております。
配付資料につきましては、資料1から資料7でございます。
資料1は第3次基本計画についての国民からの意見募集の結果概要でございます。
資料2は、国民からの意見募集により寄せられた意見及びその対応(案)でございます。
資料3は、昨年11月18日の推進会議において決定されました基本計画の骨子からの修正箇所が明らかになるように、前文を除いて見え消しで作成いたしました第3次犯罪被害者等基本計画案でございます。
資料4は、その反映版でございます。
資料5は、金融庁提出の資料でございまして、預保納付金のプロジェクトチームに関する資料でございます。
資料6は、日本弁護士連合会において実施されました、損害賠償請求に係る債務名義の実効性に関するアンケート調査の集計結果でございます。これにつきましては、後ほど森山構成員より御説明いただくこととしております。
資料7は、前回会議での討議に基づき事務局において、児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童の保護施策に関する検証・評価の案を取りまとめたものでございます。
以上です。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、具体的な検討に入る前に、事務局からパブリックコメントの結果概要について説明をいただきたいと思います。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。
前回会議でも口頭で御説明させていただいたところでございますが、資料1を御覧いただければと思います。
パブリックコメントは、平成27年11月19日から12月10日までの3週間にわたり実施いたしました。インターネット等を通じて募集しました結果、62個人28団体から延べ約640件の意見をいただいたところでございます。これらの意見の中には重複するものもございましたことから、事務局におきまして377件の意見に整理いたしました。
この意見につきましては、一部内容を要約するなどをいたしまして、資料2の「意見内容」の欄に記載しております。
以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、早速、最初の議題であります、第3次犯罪被害者等基本計画案の前文に関する検討に入りたいと思います。
前文について、まず事務局から御説明をいただきます。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 それでは、資料3に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
1枚おめくりいただきましたところから前文でございます。
第3次犯罪被害者等基本計画の骨子は、昨年11月18日に犯罪被害者等施策推進会議で決定されたところです。しかしながら、骨子では前文は項目立てのみでありましたので、事務局におきまして、論点等に関する専門委員等会議における議論やパブリックコメント等も踏まえまして、前文の案を作成したところでございますので、御説明させていただきます。
まず「はじめに」でございます。
第1次基本計画及び第2次基本計画の実施状況の評価も踏まえ、主な成果を概観した上で、第1次基本計画及び第2次基本計画の下で、犯罪被害者等施策は着実に進展してきたとしております。
しかしながら、これにより犯罪被害者等の抱える問題が全て解決したわけではなく、犯罪被害者等からは依然、広範囲・多岐にわたる要望意見が寄せられており、また、自ら被害を訴えることが困難な犯罪被害者等の声なき声にも耳を傾けなければならないとしております。
最後に、犯罪被害者等施策の業務移管についても触れ、引き続き関係府省庁の緊密な連携の下、犯罪被害者等施策を強力に推進していくこととしております。
なお「はじめに」において「海外での犯罪被害者等に対して弔慰金等を支給する『国外犯罪被害弔慰金等の支給に関する法律』が成立した」と記載しておりますけれども、現時点では法律は成立しておりません。そこで、この部分につきましては議長とも御相談しながら、タイミングを見て、法律が成立しないということであれば、この「はじめに」の当該部分を削除の上で、具体的施策の一つとして、海外での犯罪被害者に対する経済的支援を追加するということを考えているところでございます。
次に「I 第3次基本計画の策定方針及び計画期間」についてでございます。
骨子にもありましたとおり、計画期間につきましては平成28年4月1日から平成32年度末までの5か年としております。
「II 基本方針」でございます。1枚おめくりいただきたいと思います。
第1次基本計画及び第2次基本計画と同様、4つの基本方針を設定しておりますけれども、専門委員等会議における論点の検討やパブリックコメントに寄せられた意見等も踏まえまして新たな方向性や視点等を盛り込んでおります。
「② 個々の事情に応じて適切に行われること」の部分でございますが、被害が潜在化しやすい犯罪被害者等とともに、自己が直接の犯罪被害者ではないものの、兄弟姉妹が被害に遭ったことなどにより、その心身に悪影響を受けるおそれがある子供等についても、そのニーズを把握し、適切に支援していかなければならないとしております。パブリックコメントにおきましても、犯罪被害者の兄弟姉妹に対する支援の充実を求める意見が寄せられております。
4ページの「③ 途切れることなく行われること」でございますけれども、中長期的な視点を持って、犯罪被害者等のためだけに設けられた制度以外の制度や民間の取組等も十分に活用しつつ、犯罪被害者等の生活の再建を支援するという観点が必要である、犯罪被害者等の誰もが、必要なときに必要な場所で適切な支援を受けられるよう、途切れることのない支援等を実施していかなければならないとしております。
次に「III 重点課題」についてでございます。
重点課題についても、第1次基本計画及び第2次基本計画と同様、5つ掲げているところでございます。
1枚おめくりいただきまして、5ページの「① 損害回復・経済的支援等への取組」でございますけれども、加害者の損害賠償責任が果たされず、犯罪被害者等が十分な賠償を受けられないことに対する不満や、犯罪被害者等が負うこととなる様々な経済的負担からすると、現行の犯罪被害者等に対する経済的支援の施策が不十分であるとの指摘を踏まえて、犯罪被害者等の損害を回復し、経済的に支援するための取組等を行わなければならないとしております。
次に「④ 支援等のための体制整備への取組」でございます。犯罪被害者等に対して生活全般にわたる支援を提供できるよう、継ぎ目のない支援体制を地方公共団体や犯罪被害者等の援助を行う民間の団体とともに構築し、犯罪被害者等を中長期的に支援するという視点からの体制整備への取組が行われなければならないとしております。
また、体制や取組等を整備しても、これらについて国民が承知していなければ、犯罪等により被害を受けた際に適切な支援にたどり着くことが困難であることから、取組等について適切に周知していく必要があるとしております。
次に「IV 推進体制」についてでございますが、8つの項目を掲げております。
①で、1枚おめくりいただきまして、7ページのほうで「(1)国の行政機関相互の連携・協力」でございますけれども、犯罪被害者等施策の内閣府から国家公安委員会(警察庁)への移管に伴い、支障が生ずることがないよう、関係府省庁間において、より一層の連携・協力に努めるとしております。
「(2)地方公共団体との連携・協力」においては、内閣府から業務の移管を受けた警察庁が、地方公共団体との連携・協力を確保し、各地方公共団体における窓口部局との間の情報共有等を図ることとしております。
また「(7)フォローアップの実施」のところでございます。ここでは、施策の進捗状況の点検においては定量的に把握することに努め、これが困難な場合もできる限り定性的に把握するとしております。パブリックコメントにおきましても、定量的又は定性的な目標を書き込んではどうかという意見が寄せられております。
なお、パブリックコメントの御意見といたしまして、前文に個人情報の適切な取扱いについて書き込んではどうかというものがあったところでございます。犯罪被害者等に係る個人情報の適切な取扱いの確保につきましては基本法でも規定されており、また、特に配慮を要する事項につきましては具体的な施策として、施策番号69や70の犯罪被害者等の受診情報等の適切な取扱いや、施策番号79~83の犯罪被害者等に関する情報の保護に明記されていることから、前文には盛り込まなかったところでございます。
以上です。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、ただ今事務局から前文についての説明がありましたけれども、これについて御質問・御意見等がございましたら、どなたからでも結構ですので、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。 特にはございませんか。御異論はないようですね。
それでは、第3次犯罪被害者等基本計画案の前文につきましては、まだ法律が成立していない国外犯罪被害弔慰金支給法案の部分を除いて、構成員皆様の合意が得られたということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり) - 椎橋議長 ありがとうございます。
それで、先ほど事務局からも御案内がありましたように、国外犯罪被害弔慰金支給法案の部分については議長に御一任いただいて、様子を見て処理することとして、処理したもので確定させていただくということにさせていただきたいと思います。その結果については事務局からお知らせいたします。
なお「IV 推進体制」の「(7)フォローアップの実施」においてでございますが、施策の進捗状況の点検においては定量的に把握することに努め、これが困難な場合もできる限り定性的に把握するということが盛り込まれておりますけれども、是非各省庁におかれましては事務局とも連携しながら、第3次基本計画に盛り込まれる各具体的施策の進捗状況について、まずは定量的に把握することに努め、これが困難な場合も、できる限り定性的に把握していただければと思います。専門委員等会議としても、進捗状況について監視していきたいと思います。
こういう形で決めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
瀬川構成員、どうぞ。 - 瀬川構成員 。質問のタイミングを逸したかもしれませんが、定量的・定性的という言葉は熟した一般用語なのかどうか。一般市民を前提とすると、定量的・定性的と聞いて分かる人は多いのかどうか疑問に思います。
- 椎橋議長 これは、事務局のほうはどういうふうに捉えておられますか。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 当然、世論調査をしたわけではございませんので、これがどの程度一般的かということを、それこそ定量的に申し上げられるわけではございませんけれども、ただ基本的には、要するに数量・数値的な把握をなるべくしていただきたい、例えば我々内閣府のほうで特に力を入れているところで言えば、地方公共団体の総合的な対応窓口であれば何カ所、何%設けられているのですかということです。そういったことは定量的にということで一般的には御理解いただけるのかなと思います。
定性的にというものが少し分かりにくいかりのかもしれませんけれども、特に被害者の支援の中で、被害者の方々の精神的な、心理的な満足度といいますか、回復の度合いというものもそう簡単に数字的に測れるものではないだろうと思っておりますので、例えば定性的にということであるならば、今回新たに基本計画に盛り込んだ、各種施策の中でこういった好事例がありますとか、あるいはこういった考え方を、例えばトレーニングを行うときにテキストの中に新たに書くようになりましたとか、こういったことが言ってみれば定性的な把握として進捗状況というふうに言えるのかなとは思っております。
もっと別の表現、定量的・定性的以外に、国民的に分かりやすくてコンセンサスが持てるような表現ぶりというものがもしあれば、また御議論させていただければと思いますけれども、今のところ、これでいかがでしょうかということでございます。 - 瀬川構成員 他に御意見がなければこれでいいのですけれども、私はかなり難しい用語だと思います。
もし使われるとしても、「すなわち」という形で、今、おっしゃったようなことを具体的に記してはどうですか。少しお役所の文章、あるいは専門的な文章の感じがしますので、特に被害者の方が御覧になるような文書で、こういう言葉を使っていいのかどうか私は疑問に思います。 - 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 全体の分量との兼ね合い等もありますので、何か別の表現を付け加えることができるかどうか、少し検討させていただきたいと思います。また議長とも御相談させていただければと思います。
- 椎橋議長 今の点について、何か御意見はございますか。こういうふうにしたほうがいいのではないかということについて、御意見をいただければ。
飛鳥井構成員、どうぞ。 - 飛鳥井構成員 我々はよく量的・質的という言葉を使うのですけれども、伊藤先生のほうがお詳しいかなと思いますので。
- 伊藤構成員 正にそうなのです。量的調査・質的調査という形で用います。それのほうが分かりやすいかもしれないです。
ですから、例えばここで「定量的に把握する」ではなく「量的調査により把握することに努め、困難でもできる限り質的調査によって把握する」とか、そういう言い方もあるのかなという感じがしますけれども、どちらかといいますと、そちらのほうが一般的なような気がします。
定量的・定性的は、専門書で定性的データという使い方はしますが、余り一般的ではないかなと思います。 - 椎橋議長 ここはフォローアップの関係で書いている言葉で、どのくらい、この政策が実現されたのかということについて、具体的に量で示せるものはなるべく数値で示す。そうでないものについては、先ほど室長が説明されましたようなことでお願いしたいということなので、構成員の方々からいただいた御意見を基にして、どういう形にするか、これを残して説明を加えるような形にするのか、あるいは質的に、量的にという形に変えるのか、ちょっとお時間をいただいて、事務局と私と相談させていただいて、より分かりやすい形に表現したいということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり) - 椎橋議長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。次の議題は、骨子に対するパブリックコメントを踏まえた具体的施策の検討でございます。
まずは事務局から説明をお願いします。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。
それでは、資料2の表紙部分をまず御覧いただきたいと思います。冒頭御説明いたしましたように、事務局におきましてパブリックコメントに寄せられた意見を377件にまとめたところでございます。その上で、資料2の表紙に記載しておりますように、これらの意見をA~Fの6つに分類しております。
まず、Aは検討の対象とするものでございまして、具体的にはこれまでの基本計画の検討において取り上げられていない意見でありまして、その対応を検討する必要があるものでございます。
Bは、施策実施に当たっての要望として、担当府省庁において参考とするもの。
Cは、単に賛意や感想を述べているもの、個別の事件に関するもの。
Dは、既に検討済みのもの。
Eは、基本計画の見直しの中での検討になじまないもの。
Fは、事実誤認に基づくものに分類しているところでございます。
そして、Aに分類いたしました意見につきましては、1枚おめくりいただいて御覧いただければと思いますけれども、備考の欄にその対応案を記載しておりまして、全部で13件ございます。Aに分類いたしました意見への対応案につきまして、担当の各府省庁で検討していただきました結果でございますので、事務局からまとめて御説明をさせていただきます。資料2と併せて資料3を御覧いただくような形でお願いしたいと思います。
まず、資料3の全体に関係することを少し御説明したいと思うのですけれども、この第3次犯罪被害者等基本計画は平成28年4月1日から実施ということになっております。皆様御案内のとおり、この4月1日から犯罪被害者等施策の推進に関する業務については内閣府から国家公安委員会に移管されることになっております。
骨子作成の段階では、内閣府の犯罪被害者等施策推進室が推進主体となっておりました具体的施策につきましては内閣府(犯被)という形で書いておりましたけれども、移管されるということでございますので、今回この内閣府の犯罪被害者等施策推進室が推進主体となっておりました施策につきましては、その主体を内閣府(犯被)から警察庁に変更した形で書いております。
また、具体的な施策で再掲しているものにつきましては、具体的な施策の後に括弧書きで「再掲」と明示しております。明示の方法は第2次基本計画と同様の記載方法に統一しているところでございます。
それでは、Aに分類した意見への対応案について順次御説明させていただきます。
1件目で、資料2の1ページの1番でございます。こちらに対応するものは資料3の7~8ページにかけてを御覧いただきたいと思います。
まず意見の内容は、先ほども御説明いたしましたが、定量的若しくは定性的な目標を書き込んではどうかというもので、このような御意見は既に一部反映しているところもあったわけでございますが、今回、前文の「IV 推進体制」の中に定量的・定性的な把握ということを明記させていただいたところでございます。先ほど御指摘をいただきましたので、また書きぶりについてはちょっと調整をさせていただきたいと思っております。
2件目で、資料2で、すぐ下の2番でございます。資料3では3~4ページにかけてでございます。
意見の内容につきましては、犯罪被害者の兄弟姉妹に対する支援の充実を求めるというものであります。これにつきましても、先ほど御説明いたしましたように、前文の「II 基本方針」の「② 個々の事情に応じて適切に行われること」のところに、自己が直接の犯罪被害者ではないものの、兄弟姉妹が被害に遭ったことなどにより、その心身に悪影響を受けるおそれがある子供等に対する適切な支援の推進を明記したところでございます。
3件目でございます。資料2で言いますと、3番でございます。
これも前文のところで御説明いたしましたけれども、意見の内容といたしましては、前文に個人情報の適切な取扱いを書き込んではどうかというものでございました。こちらは一応、Aとして検討いたしましたけれども、前文には明記しないということで、先ほど申し上げたとおりでございます。
4件目で、資料2の4ページを御覧いただければと思います。22番になります。こちらにつきましては、資料3では10ページ、施策番号の11で、赤字で修正が入っているものでございます。
加害者の損害賠償責任の実現に向けた調査の実施の関係でございますけれども、意見の内容は、調査にとどまらず、検討まで踏み込むべきではないかというものでございます。これについては、後ほど森山構成員から御説明をいただきますが、日弁連の調査結果が取りまとめられたということでございますので、検討した結果、資料3のほうに記載したとおり、「調査を行い、その結果に応じて、必要な検討を行う」と修正することにいたしました。
5件目でございますけれども、資料2の6ページを御覧いただければと思います。番号は32番でございます。こちらは、資料3では同じく10ページの施策番号12、犯罪被害給付制度に関する検討の部分でございます。
意見の内容といたしましては、検討や施策の実施をいつまでに行うのか明示したほうが良いのではないかというものでございます。これについては、検討していただいた結果、3年以内を目途と明記するということとしたところでございます。
6件目で、資料2で言いますと12ページで、71番でございます。こちらは資料3で申し上げますと、13ページでございます。13ページの施策番号37番、一番下の赤字の修正が入っているところで、被害回復のための休暇制度の周知・啓発のところでございます。
意見の内容は、項目名は被害回復のための休暇制度の周知・啓発となっており、具体的施策の目的も被害回復のための休暇制度の周知・啓発であることから、これを明確にしてはどうかというものであります。これについて検討した結果、被害回復のための休暇制度というものを本文中に明記するという形にさせていただきました。
7件目の御意見でございます。資料2で申し上げますと17ページの一番上、103番でございます。資料3では、おめくりいただきまして15ページ、施策番号で言いますと47番でございます。
こちらについてでございますけれども、意見の内容につきましては、施策の実施主体を明記するとともに、事業名を訂正するべきであるということでございます。これにつきましては、検討の結果、資料3のほうに記載のとおりの修正を加えた次第でございます。
8件目で、資料2で申し上げますと、ちょっと飛びまして、28ページの179番でございます。資料3のほうでは、対応するものが21ページの施策番号87番で(9)のイでございます。
意見の内容でございますけれども、これは内容が分かりづらいという御意見でございました。これについて検討した結果、分かりやすくということで、記載のような修正を加えているところでございます。
9件目で、資料2の39ページでございます。番号で言いますと265番でございます。資料3のほうでは、31ページの施策番号では150番でございます。
意見の内容につきましては、地方公共団体の総合的対応窓口の充実の促進に関して、その人材育成や機能強化について、より詳細に言及してはどうかというものでございました。こちらはAという分類をさせていただきまして検討いたしましたけれども、現行の記載よりも詳細に記述することは、政府が定める施策の大綱という基本計画の位置付けからすると若干なじまないのではないかと考えまして、修正等は行っておりません。
10件目でございますけれども、資料2の41ページをお開きいただきたいと思います。こちらの284番でございます。資料3のほうでは33ページ、施策番号で言いますと164番で「(12)地方公共団体の取組に対する支援」でございます。
意見の内容といたしましては、施策番号164番の犯罪被害者支援に係るワンストップ・サービスの構築と、性犯罪被害者のためのワンストップ支援センターの設置促進との違いが分かりづらいという御指摘でございました。これにつきまして検討した結果でございますが、施策の主たる対象を明確にするということで「配偶者等からの暴力被害者」に修正することといたしました。
11件目で、資料2のほうでは46ページでございます。番号で申し上げますと326番になります。資料3のほうでは41ページをお開きいただければと思います。こちらの施策番号208でございまして「2 調査研究の推進等」の「(1)犯罪被害者等の状況把握等のための調査実施に向けた検討」となっております。
意見の内容でございますが、男性の被害や性的マイノリティーの被害についても調査研究をすべきというものでございます。これについては、検討した結果「被害が潜在化しやすい犯罪被害者等」というものを明記することにいたしました。
12件目で、資料2で言いますと48ページでございます。番号は342番になります。資料3では44ページ、施策番号228で「(6)警察における民間の団体との連携・協力の強化」の部分でございます。
御意見の内容は、犯罪被害者等の援助を行う民間の団体にあっては、警察による支援及び指導・助言が不可欠であることから、支援及び指導・助言の文言を盛り込むべきというものでございます。これにつきましては、記載のとおり修正をすることといたしました。
13件目でございます。資料2の51ページになります。番号で申し上げますと360番と361番でございます。資料3のほうでは46ページ、施策番号で言いますと240番で「(11)被害が潜在化しやすい犯罪被害者等に対する相談体制の充実及び理解の促進」という部分でございます。
御意見の内容でございますけれども、男性等の性犯罪被害者に係る相談に当たっては配慮が必要であるというものでございます。これにつきましては、検討した結果、被害が潜在化しやすい犯罪被害者等からの相談に適切に対応ができるよう、体制の充実に努めるという点を明記することといたしました。
また、これに伴いまして骨子のほうでは、この施策は重点課題のうち、第5の「国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組」のところにのみ記載しておりましたけれども、第4の「支援等のための体制整備への取組」についても記載して、再掲という形にさせていただいております。
パブリックコメントを踏まえた修正は以上のとおりでございますが、そのほか、骨子の決定後に関係省庁のほうで案文を修正したものがございますので、これらについては資料3のほうだけ御覧いただきながら御説明させていただければと思っております。
まず、1件目でございます。資料3の12ページでございます。施策番号で言いますと30番で、一番下のところです。「(3)性犯罪被害者等に対する自立支援及び定着支援」の部分であります。
この施策の支援対象ですけれども、性犯罪被害者に限られるものではないということでございますので「性犯罪被害者を含む」という形で修正を加えております。
2件目で、15ページを御覧ください。施策番号の46番でございます。「(9)交通事故による重度後遺障害者に対する医療の充実等」であります。
こちらは、療養施設機能一部委託病床の立地等の在り方について検討を行うというふうに元々なっておりましたけれども、検討期限を設けるということで「平成28年度末までに」と明記させていただいたところでございます。
3件目で、資料3の20ページを御覧いただければと思います。こちらは施策番号の82番で(7)のエのところでございます。
こちらですけれども、犯罪被害者等に関する情報の保護を図るために、新たに2通の通達が発出されていることから、それらを明記させていただいたという修正でございます。
4件目で、32ページまで飛びますが、御覧いただければと思います。施策番号の154番でございます。「(6)地方公共団体における性犯罪被害者支援への取組の促進」というところであります。
こちらは、性犯罪被害者支援の取組は男女共同参画センターのみを想定しているわけではないということから「等」という文言を一言追記しております。
5件目でございます。ちょっと飛びますが、46ページを御覧いただければと思います。施策番号で言いますと、241番で「(12)犯罪被害者支援のための情報提供」でございます。
こちらは、支援の対象を明確にするために、配偶者からの暴力等の被害者というふうに明記することにいたしました。
また、ちょっと細かい話でありますけれども、こちらは御覧いただかなくてもよろしいかと思うのですが、「配布」、「配付」という文字の統一がなされていなかった部分がございましたので、そちらについては今回修正を加えております。
最後に、前文のところでも御説明いたしました、海外での犯罪被害者等に対して弔慰金等を支給する法律の成立の関係でございます。現時点で法律が成立していないということでございますので、議長と相談しながら、タイミングを見ながら修正を加えたいと思っております。
資料3の11ページにお戻りいただけますでしょうか。「(8)海外での犯罪被害者に対する経済的支援」という項目を加えているところでございます。法律が成立しないということであれば、前文の「はじめに」の当該箇所を削除の上、こちら、資料3の11ページの(8)の施策をこの部分に加えたいというふうに考えているところでございます。
ちなみに、これが加わりますと施策の番号がちょっとずれていくことになりますので、この点については最終的に事務局のほうで処理いたします。処理したもので御了解をいただければと思っております。
長くなりましたが、以上です。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
ただ今事務局から、骨子に対するパブリックコメントを踏まえた修正内容について説明をいただきました。当初の13件と、それから、骨子の決定後、関係省庁において案文を修正したものが、海外での犯罪被害者に対する支援というものを入れると6件でございますけれども、これらについての説明がございました。 これらの説明について、これに関して、まず関係省庁から追加すべき事項がありましたらお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
警察庁の方、どうぞ。 - 警察庁長官官房総括審議官 資料3の10ページの犯給制度の関係で補足説明をさせていただきたいと思います。
警察庁では、構成員の皆様やパブリックコメントにより国民の皆様から寄せられた意見を参考といたしまして、調査・検討につきましては3年以内を目途に行うということを計画中に明記することといたしました。この制度の実施を円滑にするために、今後、この間にどのように調査・検討を行っていくのかにつきまして簡単に御説明させていただきたいと思います。
4項目ございました。1点目が、重傷病給付金の関係でございます。この支給対象期間や支給金額につきましては、重傷病給付金受給者の方が置かれている実情を把握するために昨年実施いたしました調査、これは全国の都道府県警察から約500件の回答がございましたけれども、このデータの集計がほぼ終了いたしました。現在は、この集計中の調査結果や他の公的給付制度における給付金額等との均衡を考慮しつつ、必要な改正内容の検討に着手しているところでございます。
第22回会議でも申し上げたとおり、現行の支給対象期間である1年以内に治療を終えている方は全体の約6割となっております。過去の調査のときには1年以内に治療を終えている方が約7割いるということでございましたので、情勢の変化がうかがえるという結果が出ております。引き続き、検討会の取りまとめに従いまして、具体的な制度改正の検討を進めてまいりたいと思っております。
なお、この論点につきましては、検討に必要な調査が既にほぼ終了しているということから、3年という期限にはこだわりません。可能な限り速やかに検討結果を取りまとめたいと考えております。
4つの論点の2点目、犯罪被害者に負担の少ない支給の在り方につきましては、これは以前から申し上げているとおり、当庁に知見のない新たな取組であることから、現行の犯給制度に取り入れることができる仕組みかどうかについて明らかにするため、例えば現物支給という形を取り入れている労働者災害補償保険制度や公害健康被害補償制度等の他の公的給付制度について調査を行っている旨、説明をさせていただいたところでございます。
第22回会議以降、実際にこれらの制度を所管されている厚生労働省や環境省の担当者の方にヒアリング等も行わせていただいており、制度内容や運用状況、実務上の手続等についてお話を伺っているところでございます。この論点につきましては、当庁に知見がない新たな制度を構築するものでございますので、実現可能な制度を様々検討するに当たりまして相応の時間を要すると考えておりますけれども、今後も必要に応じてヒアリング等を行いまして、関係省庁の知見を賜りながら、被害者の方に負担の少ない支給の在り方を実現するとすればどのような制度が取り得るか検討を進めてまいりたいと考えております。
3つ目の論点が、親族間犯罪被害に係る犯罪被害者等給付金の支給の在り方についてでございます。これにつきましては、「犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会」の取りまとめにおいて言及されておりますとおり、現在の犯給制度が前提としてきた立法事実と異なる立法事実が実際にあるのかといった親族間犯罪の実態を把握するための調査を行うことがどうしてもエビデンスといいますか、不可欠であります。
第22回会議におきましては、来年度以降実施する全国調査に先駆けまして、まず警視庁を対象として先行調査を行うということを説明しておりましたけれども、昨年11月から既に先行調査を開始しているところでございます。警視庁は最大100件ぐらい対象となる事件があるのですけれども、これらについて警察署にいる実際の捜査に携わった刑事に対して捜査関係書類等をつぶさに読み込むなどの作業を依頼しているところでございまして、これは時間がかかりますが、今年の3月までに取りまとめ、来年度以降の全国調査につなげたいと考えております。
警視庁の先行調査の対象となる親族間犯罪は最大で約100件なのですけれども、全国調査の対象事件については、最大で約700件弱に上る見込みでございます。先行調査を踏まえ、来年度以降全国調査を行う予定であり、これは相当時間がかかるかと思いますけれども、この調査結果を踏まえまして、原則と例外を見直す実態があるのかといったところをはっきりとエビデンスを出して検討していきたいと考えております。
また、この点につきましては、平成26年に規則改正を行い、別居の兄弟姉妹及び児童虐待事案等につきましても全額支給を可能とする特例を拡大しているところでございます。この効果につきましても検証を要するものと考えているところでございます。これらの調査結果や解析結果の検証結果に基づきまして、必要な制度改正について検討を行っていきたいと考えております。
4点目の、若年被害者等に対する手厚い給付につきまして、2点目の犯罪被害者に負担の少ない支給の在り方と同じなのですけれども、当庁において知見がございません。新しい取組であるということから、実現可能な制度を検討するために、若年被害者等に手厚い給付を行う公的給付制度を所管する他省庁等の知見を賜りながら検討してまいりたいと考えております。
なお、この論点につきましては、第22回会議において構成員の方から御指摘いただきましたように、例えば奨学金の拡充等の取組とも併せて実現を図ることができるのではないかと考えているところでございます。
以上、説明させていただきましたとおり、犯給制度に関する論点につきましては、これらの調査及び検討につきまして3年以内を目途として行い、必要な施策を実施してまいりたいと考えております。警察庁におきましては、支援を必要とする被害者の方々のために、一刻も早く効果的かつ実現可能な施策を実施できるよう、関係省庁の知見をお借りしながら鋭意取組を行っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、そのほかに関係省庁からございますか。
金融庁の方、よろしくお願いします。 - 金融庁総務企画局企画課調整室長 金融庁でございます。
この資料3と別に、次にございます資料5のほうを御覧いただけますでしょうか。1枚紙で、私どもからお配りしております「『振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム』について」という紙で御説明申し上げます。
いわゆる振り込め詐欺救済法に定めます預保納付金の取扱い等につきまして、これまでの運用状況等を検証し、犯罪被害者等の支援の充実に向けた方策を検討するため、昨年11月でございますが「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム」を設置いたしまして、現在検討を行っているところでございます。
「1.検討課題」につきましては、本会議におかれましても御指摘いただいておりますように、預保納付金による奨学金事業の在り方及び団体助成事業の在り方について検討を行っておるところでございます。
「2.構成メンバー」といたしましては、金融庁、内閣府の犯罪被害者等施策担当、そして財務省の3政務官から成る会議といたしておりまして、オブザーバーとして警察庁、法務省、預金保険機構にも御参加いただいているところでございます。
「4.これまでの開催状況」で、11月に第1回を開催いたしまして、関係省庁からのヒアリングを行いました。第2回目は、昨年12月に担い手でございます日本財団及び現場の各実施団体からお話を個別に伺ったところでございます。
今後の方針については「3.検討の進め方」でございます。現在、関係省庁と関係機関からお話を伺いましたので、次回は有識者からヒアリングを行う予定でございます。この後、本年度内を目途に取りまとめを行う予定でございます。
また、今回の基本計画の中には、まだこのプロジェクトチームについて記入できていない段階になっておりますけれども、できれば進捗に応じましてこの文書を修正させていただきたいと思いますので、また会議の日程ときれいに合うかどうか分かりませんが、必要な時点で事務局の方と御相談しながらリニューしていきたいと考えておりますので、その方向で御検討をよろしくお願いいたしたいと思います。
私からは以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、先ほど事務局からの御案内にもありましたけれども、関連府省庁以外に、森山構成員から日弁連の調査について御説明をいただいて、その後、御質問・御意見をいただきたいと思っております。
森山構成員、お願いいたします。 - 森山構成員 資料6の1枚目から15枚目までありますが、昨年8月4日付けでアンケートを実施した集計結果を報告させていただきます。
まず、集計結果の資料としましては、集計結果の概要を簡潔にまとめた基礎データのほか、事件名別、書面上の賠償額別に回答結果をまとめた集計表。それから、それぞれの回収率の平均値を視覚化した棒グラフ。それから、全額回収したケース、全く回収できなかったケースにおける債務名義の割合をまとめたものを資料とさせていただいております。
資料の1枚目から4枚目は、基礎データとしまして本アンケートの回答の概要が書かれております。全国の会員を対象としまして224件の回答事件数を得ておる結果です。
それで、各問の回答集計は資料を御参照いただくことになりますが、問6と問9は棒グラフにまとめております。これが14枚目辺りに出ております。
問9の一部のみの回収にとどまっている理由については、債務者の資力がないことが明らかで、強制執行による回収が期待できないというものが一番多い結果になっています。これは3枚目に書いてあります。
それから、問10の全く回収できない理由についても、債務者が任意の支払いをしないのほか、やはり同じように、債務者の資力がないことが明らかというのが出てきております。
問11で、財産開示手続の利用については、会員は全員が利用していないという回答結果になっています。
問12で、利用していなかった理由としては、手続を利用しても実効性がないと思っているという回答が多く見られております。
資料の5枚目から13枚目に、それぞれの事件別、賠償額別のデータを集計にまとめた結果があります。14枚目に、この回収率の平均を棒グラフにまとめております。この棒グラフを見ますと、茶色になっておりますが、事件名別としては殺人、殺人未遂等が低くなっています。また、下のほうですが、賠償額としてはやはり金額が多くなると回収できた割合が少なくなっている傾向がこの青いグラフを見ると分かってきます。
なお、事件名別の平均として100%、強姦未遂、強制わいせつがなっていますが、これは母数が少ないためのものでして、比較的少ない中での算出結果になっているということであります。
以上で報告を終わります。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
ただ今警察庁、金融庁の方々から、前にもこの会議でも議論になった点につきまして追加の説明をいただきました。それから森山構成員からは、日弁連が実施した損害賠償請求に係る債務名義の実効性に関するアンケート調査の集計結果についての御説明をいただきました。
これらを基にして、パブリックコメントを踏まえた具体的施策について御質問・御意見がありましたら、お伺いしたいと思います。どなたからでも結構です。どうぞ、お出しいただきたいと思います。 - 森山構成員 ちょっと整理的な意味でお聞きしたいのですが、犯罪被害者等施策が警察庁に移管するということで変わっておりますが、内閣府は以前から内閣府としてのいわゆる担当部署があるということで、内閣府もいろいろなものが残っておりますね。それは具体的にどういうものが今後、内閣府のほうで所管事項になってくるか。残るものと移すものとを教えてください。
- 椎橋議長 では、事務局からお願いします。
- 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 簡単に申し上げますと、現在、内閣府の犯罪被害者等施策推進室で行っている犯罪被害者等施策に関する総合調整の業務が警察庁のほうに移管になるということになります。それで、総合調整業務以外に、犯罪被害者等施策推進室のほうではいろいろ地方自治体の関係の施策、基本計画の中にも入っておりますけれども、そういうものをやっておりましたが、それも併せて警察庁に移るということになっております。
現状で、この移った後に残る内閣府の犯罪被害者等施策の関係は何かと申しますと、基本的には性犯罪被害者支援とか男女共同参画局等が御担当の業務について、この基本計画の中には内閣府という形で残っているという形で御理解いただければと思います。 - 椎橋議長 よろしいですか。
- 森山構成員 はい。
- 椎橋議長 それでは、どうぞ。御質問・御意見がありましたら、お願いいたします。
中島構成員、どうぞ。 - 中島構成員 3点あります。
まず1点目は、パブリックコメントの番号2で出てきたきょうだいの施策についてです。前文の中に入れていただいたのは非常に良かったと思うのですが、例えば具体的施策のほうで反映することはできないのでしょうか。基本計画の16ページに、12番の厚生労働省の施策、被害少年のための治療等の専門家の養成、あと、15番の被害少年の保護、これは文部科学省、厚生労働省です。16番の文部科学省のカウンセリング体制です。これは全部、被害少年が対象になっていますけれども、おそらく、そのきょうだいに対しても行われていると思います。例えば、ここを被害少年本人に限定せず、きょうだいまでも含むという書きぶりにすることはできないだろうかというのがまず1点の意見です。 - 椎橋議長 区切りましょうか。
- 中島構成員 区切りましょう。
- 椎橋議長 この点、いかがでしょうか。
担当の省庁は厚生労働省ですね。お願いいたします。 - 厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室室長補佐 すみません。今、御指摘いただきました、例えば(12)の部分ですが、施策の詳細が、対象者が限定されているかどうかというのは、今日は資料を持ち合わせていないので、一度持ち帰らせていただいて確認をさせていただければ、もし被害少年本人に限定していないということであれば、可能であれば文章についても検討させていただければと思います。
- 椎橋議長 分かりました。
それでは、後で御報告をいただくということで。 - 中島構成員 文科省のほうは。
- 椎橋議長 そうですね。文科省の方、お願いいたします。
- 文部科学省大臣官房総括審議官 文科省も全く同じでございまして、もし、この中身に含まれていないということであれば、そこは検討してみたいと思います。「等」を入れるとか、いろいろな書き方があるかと思います。
- 椎橋議長 この2省でよろしいですか。
- 中島構成員 はい。
- 椎橋議長 それでは、この点については、もし、ほかの省庁にも関係することがあれば、それぞれ御確認をいただきたいということをお願いしたいと思います。
それでは、次の点についてお願いします。 - 中島構成員 2点目です。こちらのほうはパブリックコメントの46ページの、男性被害、性的マイノリティーの被害についても調査研究していくべきであるというところに関する対応で、基本計画の41ページの「2 調査研究の推進等」の(1)において反映するということになっています。これは内閣府の男女共同参画のほうが女性に対する暴力の被害について調査を既にされていると思うのですが、そこでは、配偶者間暴力は実は男女ともに調べているのです。
ところが、この調査では性的暴力については、女性しか調べていないのです。なので、これは男性も調べることが可能であればこういった男性被害について把握することが比較的容易なのではないかと思います。ここの文面に書くかどうかは別にして、内閣府のほうで男性の性暴力被害についても、この調査の中で検討していただくことは考えられるのでしょうかということが2点目です。 - 椎橋議長 今の点についてはいかがでしょうか。
男女共同参画局の方、お願いします。 - 内閣府男女共同参画局推進課暴力対策推進室長 内閣府の男女共同参画局です。
御指摘の調査自体が3年に1度やっているものでございまして、次回のものをどうするかということをこれから検討しますので、御指摘も踏まえて考えていきたいとは思いますけれども、現時点で計画にそれを書くというところまでは難しいと思います。きちんと御指摘を念頭に置いて、今後考えていきたいと思います。 - 椎橋議長 現時点では、この第3次基本計画に書くのは難しいという御回答でした。それについて、何かございますか。
- 中島構成員 せっかくしているのに、ここで女性だけというのはかねがね不思議に思っていたので、是非、していただけたらなと思います。
- 椎橋議長 室長、どうぞ。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 以前も潜在化しやすい被害者の中の一つの類型として、確か小西先生から御指摘があったのではなかったかと記憶しておりますけれども、この専門委員等会議の中でも男性の性犯罪被害者という点についても御指摘があったところでございますので、どこでどういう調査をするかということはまた御検討いただけると思いますし、また、実際の支援という意味でも、視野を広げて、配慮して展開していただけるようにお願いして参りたいと思います。
- 椎橋議長 よろしいですか。
- 中島構成員 はい。
- 椎橋議長 それでは、3点目をお願いします。
- 中島構成員 3点目は質問なのですが、第3次基本計画の46ページの(12)です。先ほど御説明のあった内閣府の犯罪被害者支援のための情報提供なのですが、男女共同参画が内閣府ということで、配偶者からの暴力等の被害に限定されたと思うのですが、移管される前の内閣府のホームページが犯罪被害者の支援に関する情報をもっといろいろ提示していたと思うのです。
例えば民間被害者支援団体についてとか、自助グループ、そういう当事者団体についての情報とか、元々が既に持っていたわけなので、そこの情報もこういう犯罪被害者支援のための情報提供に含まれるのではないのかと思い、あえて内閣府だけの配偶者の暴力に限定されてしまったのはどういうことなのかなと思いまた。警察庁に移管されるなら警察庁のホームページでも元々のそういった情報を提示なさればよろしいのではないかと思ったのですが、いかがなものでしょうか。 - 椎橋議長 その点については、室長のほうからお願いします。
- 内閣府男女共同参画局推進課暴力対策推進室長 そこの箇所の元々の意味が配偶者からの暴力という意味で書いていたので、そういうことを明確にするという趣旨で書いておりますので、中身を変えたわけではございません。
それで、ほかのところでどうするかというのは、すみません、こちらでは答えられないところですので。 - 椎橋議長 次に事務局からお願いします。
- 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 様々な支援情報のホームページにおける提供というものにつきましては、資料3の40ページの(45)、施策番号で言いますと206番になりますけれども、そちらのほうにホームページの充実という項目を掲げさせていただいております。赤線で消してあるのは、これまで内閣府(犯被)においてということになっておりましたが、今般、警察庁に移管という形になるということで、内閣府の犯罪被害者等施策のホームページにあったものは基本的には警察庁のほうにそのまま引き継いで、また情報提供を行っていくというところでございます。
- 中島構成員 了解しました。しかし、多分、見た人が私と同じような疑問をこの文章で感じるのではないかという危惧が若干あり、この(12)のタイトル自体がそういったものなのですよというものが分かったほうが良いのではないかと思います。
- 椎橋議長 ありがとうございました。
ほかにはいかがでしょうか。
森山構成員、どうぞ。 - 森山構成員 パブリックコメントの22番、資料2の4ページで「調査を行い、その結果に応じて、必要な検討を行う」となっております。今回、日弁連がアンケート等に基づいて調査しましたが、これ以外にも必要な調査があると思われるのですが、この検討期間についての具体的な計画期間といいますか、期間についての明示というものはやはり、ある程度きちんと出しておくべきではないかと思うのですが、その辺、期間を明示しなかったのは何かあるのですか。
- 椎橋議長 事務局、いかがでしょうか。
- 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局といいますか、内閣府としてお答えいたします。
ひとまず日弁連に御協力いただきました調査の結果を見てみないことには、どのような施策を検討していくべきなのかという判断もつかないということと、さらに追加で調査をする必要性があるかどうかなどについてもちょっと判断がつかないということでございましたので、この施策につきましては明確な期間の設定は難しいかなと考えて、このような案文にさせていただいたところでございます。 - 椎橋議長 よろしいですか。
森山構成員、どうぞ。 - 森山構成員 このパブリックコメントにもあるのですが、賠償が実現していない調査結果が出ることは容易に想像されるというパブリックコメントになっています。日弁連の集計結果でもそういうものが出ておりますので、少なくともこれから調査をするといっても、民事的な情報なものですから、関係省庁でどれだけの数字といいますか、どれだけのものをつかんでいるかというのはなかなか難しい面はあると思うので、調査ということに時間を取られるのも余りいいことではないのではないかという気もします。
日弁連の、今回、資料6に出したものを一応見ていただいて、なるべく検討に早く着手していただきたいという要望として申し述べておきます。 - 椎橋議長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
渡邉構成員、どうぞ。 - 渡邉構成員 先ほど警察庁さんから説明をいただいたのですけれども、この施策を3年以内をめどに実施するというお言葉をいただいて非常にうれしく思っています。その中でも重傷病については調査がほぼ終わっているということで、近々着手できるような検討を進めているということですので、3年を待たなくても日々被害者は出ているということがありますので、できるだけ速やかに実施できるような方向で検討していただければと思います。
それと、現物給付については、先ほど労災とかそういったものを調査してというお話をされましたけれども、他の省庁でできているものが優秀な警察庁ができないわけがないと思いますので、是非これもなるべく早く実施できるような形をとっていただきたいと思います。
あと、親族間については言いたいことは山ほどあるのですけれども、とりあえずここではどちらにしても堂々めぐりですので、控えさせていただきます。
若年の被害者に手厚い給付金をという点でも、3年以内に結論を出していただくということですので、期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
それと、内閣府にお願いしたいのですけれども、先ほど来出ている海外の被害者に対するお見舞金の件ですが、これが先の国会でも一応継続という形で成立できていないということですので、なるべくこれは早期に成立させるということで国会のほうに働き掛けて掛けいただきたいと思います。よろしくお願いします。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
ご発言は、御意見・御要望ということで承ってよろしいですね。 - 渡邉構成員 はい。
- 椎橋議長 ほかにいかがでしょうか。
中曽根構成員、どうぞ。 - 中曽根構成員 資料3の26ページです。「第3 刑事手続への関与拡充への取組」の中の「(6)犯罪被害者等と検察官の意思疎通の充実」という法務省さんのところなのですけれども、その(6)のイのところになります。「法務省において、刑事裁判の公判前整理手続等の経過及び結果に関し」と続くのですが、ここのところでは「また、被害者参加人等が公判前整理手続の傍聴を特に希望する場合において、検察官が相当と認めるときは」と続くのです。
ここなのですけれども、まず被害者参加人等が公判前整理手続の傍聴が基本的にはできないのだというふうに弁護士の先生のほうでもおっしゃる方も多くて、これは基本的にはできるということがこの前、確か説明を受けたと思うのですが、そういう意味で「傍聴を特に希望する」という「特に」という言葉を逆に取っていただくことはできないか。結構、被害者の方で、やはり公判前整理手続の動きやらがすごく気になっておられる方もいますし、傍聴もされたいと思っておられる方もたくさんおられると思いますので、そういう意味では検察官が裁判所にお願いするという形になるのでしょうけれども、傍聴できるということがもう少し被害者の方に知られるといいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
法務省の方、いかがでしょうか。 - 法務省大臣官房審議官 法務省でございます。
まず、刑事訴訟法上、この公判前整理手続への被害者の参加がどういうふうに規定されているかという法律上の大前提の話でありますが、実は公判前整理手続において被害者参加人が同席できるという規定はありません。かつ、これについてはむしろできないという考え方も非常に強くて、例えば検察事務官はどうなのかとか、それから、弁護士事務所の事務員さんはどうなのかという大激論があるところでありまして、実は法律上、ここは明確に規定していないので、最終的には個々の裁判所の訴訟指揮によるという扱いになっております。しかし、消極説が非常に強いのが現状でございます。
ただ、では法律に違反するのかという問題が出てまいりますと、いろいろな様々な事情を、すなわち公判はもちろんオープンにするわけですけれども、公判前整理手続は一般人が傍聴できるという形にしなかった趣旨は一体何かというところに遡って、やはり個々の手続の迅速性・円滑性とか、あるいは秘密性とか、そういうことが考慮されるわけですが、それらの趣旨に反しない範囲で、この場合はいいだろう、この場合はだめだろうという個別的な判断になるものと思われるのですが、少なくとも原則的に権利として出席できる、参加できるという形にはなっておりませんので、ここで「特に」というふうに書いたのは、むしろ常にできるという誤解をされるとまた支障が生じますので、そういう場合は裁判所に非常に強く訴えていく。しかし、だからといって、これは常に認められるとは限りませんという実態を反映させたこういう表現でございます。
そういうことですので、そういう意味でこの「特に」という言葉が入っていることを御理解いただいたほうが良いのではないかと思います。むしろ「特に」を取ってしまって、原則的に参加できるのだということになると、それもまた誤解を生ずるおそれがあるのかなと考えております。 - 椎橋議長 中曽根構成員、どうぞ。
- 中曽根構成員 分かりました。
被害者参加も絶対できるとは限らないという形で言われていますよね。被害者参加は検察官が裁判所に申し出てということで、被害者参加も必ずできるとは限らないということで聞いてはいますが。 - 法務省大臣官房審議官 公判への被害者参加というものは、事件の罪名が限定されておりますけれども、原則的にできます。
- 中曽根構成員 できない場合もあると。
- 法務省大臣官房審議官 原則的にできます。裁判所の判断が入ります。常にというわけではありませんけれども、原則的にできます。
私の経験から言いますと、できないと判断された例は承知しておりません。その被害者の方が法廷にいると法廷の審理に支障が生じるような極めて例外的な場合というふうに考えられます。 - 椎橋議長 よろしいですか。
- 中曽根構成員 はい。
- 椎橋議長 ほかにいかがでしょうか。
森山構成員、どうぞ。 - 森山構成員 質問ですけれども、先ほどと同じパブリックコメントの22番の次の23番のところに、これは損害賠償の関係ですが、Bとされておるというのは各省庁で要望を参考にするということですが、この但書で書かれている内容が、15回のときに私が質問して答えられたことに関してなのだと思うのですが「『加害者の損害賠償債務の国による立替払制度』については既に検討済みとして、検討の対象外とすることが了承された」と書いてあるのですが、議事録を見てもそういう書き方のものはなかった。
むしろ、私が5つの重点課題として、そのほかにそういう被害者庁みたいなものとか組織の問題とか、そういうものについて検討の対象になるのですかという質問をして、いや、それは椎橋議長のほうから、経済補償というところの中の枠組みには入りますねというお話があったことは記憶しているのですが、ここまで検討の対象外とするというのはどの議事録でどういう、要するに基本計画に入れなかったということをただ言っている話なのか。
この書き方がちょっと気になるものですから、いずれにしても、今後の各省庁が検討するときに、いわゆる調査の結果、どういうことが損害賠償の被害の回復のために必要かを検討するときに、この但書但で書かれていると、これは立替払い制度については一切、今後検討しないというふうに読めるようにも書いてあるので、その辺はいわゆるこれから検討するわけで、その検討の内容について縛りをつけるような意味ではないということだけは確認したいと思っているのです。 - 椎橋議長 ここは確認すべきことだろうと思いますが、事務局、いかがでしょうか。
- 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 加害者の損害賠償責任の実現方策としての立替払い制度につきましては、最初に要望意見を整理している段階で、立替払い制度を除く形で検討するという方向性で事務局としては説明させていただいていると認識しております。
その理由でございますけれども、今回お配りしている資料にも書いてありますが、既に検討済みの事項である、第1次基本計画の下で開催されました経済的支援に関する検討会でも、立替払い制度については犯給制度があるからということで検討の対象外とされた。その状況は今も特段変わっていないということで、立替払い制度については検討の対象とするものではないというふうに事務局としては説明しているつもりでございます。
あと、被害者庁の関係について森山構成員から御発言があったということについて記憶しておりますけれども、被害者庁の話、組織の話と立替払いという制度の話は別問題でございますのと、被害者庁につきましては、そもそもこの施策を検討する場での検討には少々なじまないのではないかという発言も他の構成員からあったところであるというふうに承知しているところでございます。 - 椎橋議長 よろしいですか。
- 森山構成員 ここの第15回の会議の議事録には全くこういうことが書いていないので、ここだけは確認しておいてください。私はどこを見てもこういう文章を見ていないので、どこか違うところの評価で出てくる話だと思うのです。
- 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 資料として立替払い制度を除くという形で記載したものをお配りしております。青色のファイルを本日、卓上の資料としてお配りしておりますけれども、5ページの26番に加害者の損害賠償責任の実現という形で、整理案としてはAとしておりますが、除く立替払い制度という形で記載はさせていただいているところでございます。
それで、26番の上の25番のほうに立替払い制度についてダイレクトに要望があったところでございますけれども、これについては先ほど私が申し上げましたとおり、経済的支援に関する検討会の最終取りまとめで、給付制度と異ならないというふうにされたということで、検討の対象外とするというCという整理にさせていただいたと我々としては認識しているところでございます。 - 森山構成員 最終的なそういう整理で確定したのは、その後の会議ではないのですか。こういう説明はそのときにありましたけれどもね。
- 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 少なくとも、我々といたしましては立替払い制度については検討しないということで皆さんの合意があったという理解をしています。
- 森山構成員 説明があったのは分かりますけれども、それが最終的に確定したのはその会議ではないのではないですか。
- 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 手元に議事録がないのであれなのですけれども、改めて御説明を申し上げるのであれば、事務局といいますか、内閣府といいますか、一応、スタンスとしては立替払い制度については検討の対象外ではないかというふうに考えているところでございます。
- 森山構成員 そうしますと、この22番のほうで「その結果に応じて、必要な検討を行う」という場合の検討の中でどういうものが出てくるかについては全く関係ないということになりますか。
- 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 立替払い制度については、基本的には対象外であろうと我々としては考えているところでございます。
- 森山構成員 警察庁において調査して、その結果を、必要な検討を行うということで、その検討の内容、どういう検討をするかについて、立替払い制度を含まないという前提でするということでよろしいのですか。
- 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 今、申し上げたとおりでございます。そのとおりと御理解していただければければと思います。警察庁といいますか、現在は内閣府において担当しておりますので、内閣府でそういうふうに考えているものが警察庁のほうに引き継がれるということでございます。
ただし、こちらは元々内閣府の犯罪被害者等施策推進室のほうで検討してきた施策でございますけれども、もちろん、内閣府から引き継がれた警察庁だけで施策を検討するという話ではございませんので、その他、関係しそうな府省庁とまた一緒に検討していく形になろうかと思っております。 - 椎橋議長 ほかにいかがでしょうか。
伊藤構成員、どうぞ。 - 伊藤構成員 伊藤です。
細かい点も含めて、3点ほどお聞きしたいと思います。
資料2になります。パブリックコメントのものですけれども、48ページの342番で、パブリックコメントを反映して修文を行うということになっていて、ちょっと長いですが「警察において」から始まって「民間の団体との連携の一層の強化を図るとともに」とあります。警察においての支援というものがよく分からないのですが、警察による支援というものはここではどのようなことを意味されているのか、お聞かせ願えますか。 - 椎橋議長 警察庁の方、どうぞ。
- 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 警察庁です。
従来から警察において、いわゆる財政的な支援といたしまして、都道府県警察が行っている様々な業務委託を通じた財政的援助等を想定しているところでございます。 - 伊藤構成員 財政支援ですか。
- 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 例えば財政的支援です。
- 伊藤構成員 ここは分かりにくいので、警察が音頭をとって何を支援していくのかと疑問に思いました。もし修文するのであれば「一層の強化を図るとともに、被害者支援の充実を図るための指導・助言を行う」というあたりが分かりやすいのではないかと思います。
- 椎橋議長 ただ今の御提案に対して、警察庁ではどうお考えでしょうか。
- 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 検討させていただきます。
- 伊藤構成員 よろしくお願いします。
2点目ですけれども、資料2の38ページから39ページにかけてです。「第4 支援のための体制整備への取組」というところで、パブリックコメントとして地方公共団体の窓口に関心があっていろいろな意見が寄せられているというのはよく分かりました。
そこで、265番の中では、この基本計画の位置付けからすると、例えばコーディネーターの配置とかスーパービジョン体制の整備とか、そういった具体的なことを入れるのはなじまないというお答えだったかと思います。しかし、これだけいろいろなパブリックコメントとして地方公共団体の窓口に関心が寄せられていることを考えますと、やはりこういった人材育成とか機能強化について具体案が欲しいと考えます。各省庁で今後、パブリックコメントによる意見を「参考とする」となっておりますので、具体的に考えていただけるということでお願いしたいと思います。 - 椎橋議長 内閣府の方、今の点についていかがでしょうか。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 この点につきましては、内閣府としまして地方公共団体という、被害者の方々に一番身近な行政機関において、しかもいろいろなサービスを提供している機関でございますので、基礎自治体等におきまして総合的対応窓口の充実の促進を図るということは大変重要なことであると認識はしておりますし、また今後とも整備推進していかなければならないわけでございます。ただ、やはり地方公共団体という独立した主体でありますので、国の立場から地方自治体に対して、こうしろ、ああしろということを指示することはなかなかしがたいものがございます。その意味で、充実の促進あるいは体制の整備を要請するという書きぶりになっているわけです。
いずれにいたしましても、例えば人材の養成のためのトレーニングの提供する、あるいはグッドプラクティスと言える取組を実践されている自治体の情報を広く紹介するとか、そういった意味で後押しするための取組は実施してまいりますし、これは移管された後も警察庁においてやっていただけるものということで理解をしていただければと思います。 - 伊藤構成員 あと、最後の3点目ですけれども、資料3の12ページになります。細かいことですが「(3)性犯罪被害者等に対する自立支援及び定着支援」と書いてありますので、中身がどういうものかなと思って読んでいきますと、性犯罪被害者を含む相談者に対する支援として、どこがやるのかというところが「DVシェルターを運営するNPO法人等が」となっています。これが何かNPO法人だけでいいのかなというのがありまして、自立支援及び定着支援をする団体名として、これだけを例示するのはどうなのかと思ったのですが、この点はいかがでしょうか。
- 椎橋議長 厚労省の方、いかがでしょうか。
どうぞ。 - 厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室室長補佐 厚生労働省でございます。
この事業に関しましては、一応DVシェルターを運営する主体として代表的なものとしてNPO法人を掲げさせていただいておりまして、ちょっと細かいのですけれども、その後に「等」と入れていることでほかの主体も当然排除はしていないというところでございます。
それで、実態を確認しまして、仮にNPO法人が占めるシェアが相当数多いということであれば「NPO法人等」とする表現が適切かなと思いますけれども、もし同じぐらいのシェアでほかの運営主体があるようであれば、そこを例示に加えられないかどうかというものを少し検討させていただければと思います。 - 伊藤構成員 よろしくお願いします。
- 椎橋議長 よろしいでしょうか。
- 伊藤構成員 はい。
- 椎橋議長 ほかにいかがでしょうか。
中曽根構成員、どうぞ。 - 中曽根構成員 資料2の44ページの、施策番号は188番、文科省で、このパブリックコメントのところで「以上のような取組が書かれているが、犯罪被害者の気持ちを理解できている校長、教員、カウンセラーが全く育っていないので」と続いているのですけれども、地域性もあるかもしれないのですが、支援の現場で見ていますと、本当に理解をされて、実際に被害者の気持ちに立ってくださっている先生方が少ないと感じております。
本当に性暴力等も含む、生徒・児童の方も被害に遭っているケースがたくさんありますので、そういう方、被害者に対しての対応を、先生方に研修を積んでいただいて対応していただくようにお願いできないか。本当に具体的に研修をやっていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 - 椎橋議長 文科省の方、御希望を含めた御意見であったと思いますが、特に何か御発言はありますか。
- 文部科学省大臣官房総括審議官 正に研修等を通じて、研修を徹底したいとか、参加を強化するような形で、教育委員会等とも連携しながらきちんとやっていくように指導していきたいと思っております。
- 椎橋議長 ほかにいかがでしょうか。
大分貴重な御意見をたくさんいただきましたので、ここでこの議題につきましては問題を整理しまして、その上でこの議題について御了承いただくか、また、どういう形で御了承いただくかということについてお諮りしたいと思います。
事務局から今までの議論を整理していただきたいと思います。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 パブリックコメントを踏まえた検討のところでいただいた御意見といたしまして、更なる検討が必要なものといたしましては、まず海外の関係でございますが、こちらは今後の情勢を見て判断させていただきたいというふうになっているところでございます。
被害少年のところの書きぶりについて、兄弟姉妹について追記できないかという御意見を中島構成員からいただきまして、これは各省庁、改めて見直しまして、追記できるものは追記するということかと理解しております。
預保納付金の関係でございますが、こちらはPT等の進行状況も踏まえまして、今後、前向きな形での修正をするということでよろしかったでしょうか。
それから、警察における民間団体への支援の部分についての書きぶりについては、また警察庁のほうで御検討いただくということであったかと思っております。
自立支援及び定着支援の部分の書きぶりにつきましても、こちらは厚生労働省のほうで再度御確認をしていただくということであったかと理解しております。 - 椎橋議長 そうしますと、関係省庁で検討していただく部分がございます。これについて、再検討していただいて、もう一度やるか、それとも、再検討の結果を事務局で集約して、そして、どういう形の表現にするかということについては議長に一任していただくということでよろしいのかどうか。これについてお諮りしたいと思います。
大きな、どうしてもここはそうしなければ納得できないということであればもう一度議論するということになると思いますが、それほど大きな違いではないということであれば議長に御一任いただくという解決の方法もあると思いますが、この点についてお諮りしたいと思います。いかがでしょうか。
私の感覚としては、そう大きな違いではないと受け止めておりますので、このところは議長に御一任いただければと思うのですが、いかがでしょうか。よろしいですか。
(「はい」と声あり) - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、そのようにさせていただきます。そして、修文したところについては早い段階で構成員の方々にお知らせさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、もう一点、議題がありますので、その議題に移ります。「児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく被害児童保護施策に関する検証・評価について」でございます。
この点についても、まずは事務局から説明をお願いします。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。
それでは、資料7を御覧ください。前回の12月の会議におきまして、児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童の保護施策に関する取組状況について関係省庁から説明をしていただきまして、それらを踏まえて構成員の皆様で御討議をしていただいたところです。それらを基にいたしまして、事務局において児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童保護施策に関する検証・評価を取りまとめました。
項目立てにつきましては、前回会議において御了承いただいたところでありまして、大きく4つに分かれており、最後、1枚おめくりいただいた裏側のほうで「5 総括」という形でまとめさせていただいております。
また、検証・評価の対象とした施策にあっては、改正児童買春・児童ポルノ禁止法が施行された平成26年7月15日から平成27年末までに講じられたものということで、こちらは別添のほうの一覧にまとめております。
1枚目の裏側を御覧いただければと思いますが「5 総括」のところでは、児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童の保護施策が多方面にわたり行われていることは評価できるとする一方で、被害が潜在化しやすいことを念頭に置きつつ、引き続き施策の強化を図っていく必要があるとしているところでございます。
また、犯罪被害者等施策の枠組みにとどまらない事項ではございますが、今後、児童及び保護者のインターネット・リテラシーの向上等の予防啓発、教育・学習の充実を期待するというところで記載させていただいております。
以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、ただ今の説明を受けまして、御意見・御質問がございましたら、どなたからでも結構ですので、お願いしたいと思います。
森山構成員、どうぞ。 - 森山構成員 前回欠席したものですから、既に出ているかもしれませんけれども、被害児童に対する検証・評価はこれでよろしいかと思うのですが、最後の総括のところで、今後の児童及び保護者のインターネット・リテラシーの向上等の予防啓発ということで、正に被害に遭う前に子供さんに対して、そういう義務教育とか学校において、裸の写真を撮らせたり、そういうことをしてはいけませんよというものをきちんと教育の中で教えるのが一番大事なような気もしますので、そういう意味も含めて、総括のところに書いてあることを今後も期待しますので、学校教育の中、また家庭教育の中でもそういうことが、子供が巻き込まれないようにすることを社会的な機運として広げることが大事かと思います。
以上です。 - 椎橋議長 ありがとうございます。
そのほかにいかがでしょうか。
中島構成員、どうぞ。 - 中島構成員 資料7において「1 被害児童に対する保護活動」のところで、児童の認識が乏しいので、教育・啓発を行い、認識の向上を図るということを書いていただいたのは非常に重要であると思いますし、また「5 総括」においてインターネットのリテラシー等についても書いていただけたので、こういった要望が普及されるような書きぶりになっていたので、非常にありがたいと思っております。
今後の課題ですが、被害児童に対する保護施策の中心がやはり被害に遭ってしまった児童が中心で、一番被害が多いであろう高校生に対して啓発を行う施策が今のところないという現状だと思うのです。小学校・中学校に関しては法務省が通達しておりますけれども、高校生はこういう現状を全然知るすべがこの施策上は今のところはないので、今後こういった啓発に関する施策がより推進されていく必要があるのではないかと思います。
意見です。 - 椎橋議長 どうぞ。室長、お願いします。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 室長としてではなくて、私、今の内閣府の立場で、青少年インターネット環境整備法という法律を所管している立場として申し上げますけれども、確かに、森山構成員や中島構成員のおっしゃるとおり、広報・啓発あるいは予防という観点の施策が書いていないのは事実でございます。犯罪被害者等施策という観点からしますと、やはりどうしても被害に遭った方をどう保護するかという観点を中心に書かざるを得ない点は、致し方ない致しところでございますけれども、一方において、もちろん被害に遭わないことというのが一番重要なことであるのは御指摘を待つまでもございません。
私ども内閣府におきましても、関係省庁と連携をとりまして、まずは例えばこういった有害情報に接しないように、スマートフォン等にちゃんとフィルタリングをかけてください。また、そのことを保護者がきちんと認識してもらうように、保護者に対する広報・啓発というものも、昨年、第3次のインターネット利用環境の整備計画を策定いたしまして、その点を非常に強調しているところでございます。その点に関しましては、この内閣府だけではなくて法務省、警察庁あるいは文部科学省、総務省等においても、また携帯電話を売る販売店等を所管している経済産業省を通じましても、いろいろな意味で事業者にも呼び掛けをしてやっているところでございます。
また先般、議員立法で成立しましたリベンジポルノ等の被害というものを防止するための広報・啓発についても取り組んでいるところでございます。この中には、保護施策という意味でしか書いておりませんけれども、そういった施策についても取り組んでおりますので、必要に応じてまた情報提供をさせていただければと思っております。
よろしくお願いいたします。 - 椎橋議長 ほかにいかがでしょうか。
ただ今お二人の構成員から、被害に遭ったときにどうするかということだけではなくて、いろいろな啓発活動を通じて、犯罪が起こらないように予防することが大事であるという貴重な御意見もいただきました。
ただ、この案自体については特に御異論はなかったと思います。したがいまして、この児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく被害児童保護施策に関する検証・評価の案については、このとおり決定するということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり) - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、このとおり決定させていただきたいと思います。
これで本日の議題は終了ということになります。
最後に、事務局から今後の予定について説明をお願いします。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。
本日の会議におきまして、第3次犯罪被害者等基本計画の案を議長一任の部分を除きまして確定していただくとともに、児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童の保護施策に関する検証・評価の案を決定していただきました。したがいまして、あらかじめ皆様にお知らせしておりました2月16日の会議につきましては開催しないことということにさせていただきます。第3次基本計画で議長に御一任をいただいた部分につきましては、追って事務局から皆様に報告をさせていただきます。
今後の予定でございますが、3月に犯罪被害者等施策推進会議を開催し、第3次犯罪被害者等基本計画の案と、児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童の保護施策に関する検証・評価を決定する予定でございます。そして、3月末までには第3次犯罪被害者等基本計画を閣議決定することとしているところでございます。推進会議の有識者構成員の皆様に対しましては、後日改めて事務局のほうから推進会議開催に係る日程調整をさせていただく予定でございます。関係閣僚も出席となりますので、閣議開催日でございます火曜日・金曜日の午前中となる可能性が高うございますので、当該曜日の午前中の日程をできれば前広に空けておいていただければと思っているところでございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
ただ今の事務局からの説明に対して、質問等はございますか。よろしいですね。
本日をもちまして、昨年1月から始まりました第3次犯罪被害者等基本計画に関する当会議での検討は終了ということになりました。最後に各有識者構成員から、今までの会議を踏まえて御感想等を、一言ずつ御発言いただければと思います。
順番に、渡邉構成員のほうからお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。 - 渡邉構成員 最初のときにも申し上げましたけれども、犯罪被害者の遺族はこの中で多分、私1人ということで、犯罪被害者の実態を一番知っているのも私であると自負していますが、この会議の中の話し合いで本当に被害者の立場に立った、被害者の目線に立った、そういう話し合いができたのかなというふうに考えてみますと、ちょっと私には疑問が残るという会議でした。ただ、私の任期もあと1年ちょっとありますので、その間だけは精いっぱい務めさせていただきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
続きまして、伊藤構成員お願いいたします。 - 伊藤構成員 私は途中から会議に参加するようになり、7月からお世話になりましたけれども、大変ありがとうございました。
こういった会議は初めてなものですから、緊張しつつも、どうやって進められていくのか毎回新鮮な思いで参加しておりました。本当に皆様方が第3次犯罪被害者等基本計画ということで熱心に議論されて、各省庁の方も準備されて、こうやって練り上げていくのだなというのがよく分かりました。第1次から始まって、第2次、第3次と、こんな形で積み上げられてきた基本計画であり、被害者支援に関心を持って研究を進めている者としては大変勉強になる機会でした。
本当にありがとうございました。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
続きまして、飛鳥井構成員お願いいたします。 - 飛鳥井構成員 私も途中からの参加でしたけれども、いろいろと思いとか考えたことはこの機会にございました。
どうしても総論としてはネガティブなことを言う人はいないのですけれども、実際、一つ一つ良かれと思うことを各論で一つ一つの施策に落とし込むときには、やはりいろいろな議論、いろいろな障害があって、それが本当に年月をかけて一つ一つ解決をされてきたり、あるいは解決できないまでも前進させてきた。そういった積み重ねであると思います。
大分前に、第1次のときも少し委員会等で参加させていただきましたけれども、それとちょっと時間を置いてみると、やはりあのときはまだまだ本当に手つかずのことが何か形になっているなといった実感もございまして、時間はかかっても、これからさらにまた第4次、第5次と重ねる中で、今の課題もまた解決したり前進していくということを願っております。
どうもありがとうございました。 - 椎橋議長 ありがとうございます。
続きまして、瀬川構成員お願いいたします。 - 瀬川構成員 今日の会議は大変遅くなるのではないかと思っていましたが、予想に反しました。渡邉構成員もまだまだいっぱい言いたいことがあると思うのですが、お腹に納められたということで、敬意を表します。構成員あるいは専門委員の方の御努力の中でこういう形で終われたことは良かったと思います。議長に大変感謝していますし、参事官や事務局の方々もかなり努力されたので、こういう会議の終わりを迎えることができたのではないかと思っております。
いろいろと非常に参考になる意見もございましたので、私も今後に活かしたいと思っています。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
続きまして、中島構成員お願いいたします。 - 中島構成員 多分、第1回の基本計画からいるのは私だけかと思います。この第3次基本計画まで参加してきまして、やはりいろいろな面で進んできている面と、第1回から取り残している面も逆にあるかとは思うのですが、本当に大枠を作らなければいけなかった第1回の基本計画から少しずつきめ細かくはなってきていると思いますし、飛鳥井委員もおっしゃられましたが、ずっと私たちにとって懸案であった犯罪被害者のカウンセリングの公費負担について一歩前進できたことが非常にうれしく思います。
また女性の被害という点では、当初は計画にも入らなかったワンストップセンターができて、普及してきているということがあります。もちろん、一足飛びにはできない問題はたくさんあると思うのですが、この検討会で委員の方々、特に専門家や当事者の委員の方々、また省庁の方々と一緒に頭を突き合わせて考えていく中で、いろいろなことが推進できるのだということをまた改めて認識させていただいたと思います。
もちろん、積み残していることはあると思うのですが、今後、私どももそれぞれの現場で努力いたしますし、また省庁の方々と一緒により良い推進に向けて努力できればと思っています。
本当にありがとうございました。 - 椎橋議長 ありがとうございます。
続きまして、中曽根構成員お願いいたします。 - 中曽根構成員 多分、田舎から出てきているのは私だけなのかなと思っているのですけれども、支援の現場で支援をさせていただいていて、なおかつ一応、交通事故の被害者の遺族の立場から参加させていただきました。都会といいますか、被害者支援が非常に充実している地域もあれば、私のところではなかなかまだまだ支援が充実していない部分もたくさんあると感じて、支援の格差がまだまだあるのだということを感じながら会議に出席させていただきました。
ただ、この会議に参加させていただきながら、この会で決まったことが実際に支援をやっている中に活かされてといいますか、支援がより充実されてきているということを、警察においても検察においても保護観察所においても、いろいろな関連機関の中で感じてきています。そういう意味では、ここに参加させていただいて良かったですし、後々、また3次計画に進みながら、各省庁の皆様がまた一生懸命、被害者のことを考えていただいて、より良い基本計画がまたなされていき、そして、それが実際に実施されていくことを期待しています。
ありがとうございました。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
最後になりましたが、森山構成員お願いいたします。 - 森山構成員 私自身は、犯罪被害給付の検討会のときから、最後の検討会のときから入らせていただいて、その後、この第3次の基本計画についての会議にも参加させていただきまして、大変貴重な経験をさせていただきまして、ありがとうございます。
これから積み残された問題、まだまだありますけれども、特に警察庁におかれては今後しっかりと内閣府から引き継がれて、十分な犯罪被害者等施策の推進に頑張っていっていただきたいと思います。私自身、質問あるいは意見を述べた部分、一定程度御理解いただいた部分もありまして、私自身としては皆様に感謝申し上げます。
どうもありがとうございました。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
この4月1日以降、犯罪被害者等施策の取りまとめ業務は国家公安委員会が担うこととなっております。そこで警察庁から一言御発言をお願いしたいと思います。 - 警察庁長官官房総括審議官 委員の皆様、大変貴重なお話をありがとうございました。
私も最初に申し上げましたけれども、警察はどうしても被疑者を捕まえることがメインでずっと動いていましたが、被害者のほうに焦点を当てて、被害者のために何ができるかということに関してはまだまだ警察庁として足りない部分がございます。今回、4月1日から内閣府から国家公安委員会に業務が移るということで、現在、引き継ぎを順次させていただいておりますけれども、2月には都道府県あるいは政令指定都市の犯罪被害者等施策主管課の方を呼んで、初めての連絡会を開催するのですが、これも内閣府と合同でやることで、計画をさせていただいております。
不慣れな点が多々ありますけれども、是非、また皆様方の御見識とお力を得て、より良い施策が着実に推進できるように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
次に、事務局からも一言お願いしたいと思います。
まず、及川参事官からお願いします。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 及川でございます。
本日、基本計画案を皆様の御協力で確定していただきまして大変ありがとうございます。私は平成26年4月からこちらに参りまして、約2年間、会議の運営等をさせていただきました。会議の開催に当たりましては事前の準備や当日の進行などで皆様に御迷惑をおかけしたところもあったかと思いますけれども、何とか案の確定まで至ったということで、大変うれしく思っております。皆様には本当にいろいろと教えていただきながらやらせていただいたということで、改めて感謝を申し上げます。
この業務は4月から警察庁のほうに移管するということになりまして、内閣府のほうでこういった会議を開催するのも今日が最後かなと思っておりますけれども、また4月以降、会議の運営等に遺漏がないように、警察庁のほうにもしっかり引き継いでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
安田室長からお願いします。 - 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 安田でございます。
実は今回で終わるとは思っていなかったので、何を話そうかと考えてこなかったのでございますけれども、私も一昨年の1月30日からでしたので、内閣府に来させていただいて、犯罪被害者等施策を担当させていただいて丸2年になるわけでございますが、それ以前も多くの方が御案内のとおり、平成の初めぐらいから何回かにわたって犯罪被害者支援に関わってまいりました者としては、こうして第3次の基本計画の策定に関われたことを大変光栄に思っております。
とりわけ、この施策の中でもいろいろな問題提起をさせていただいて、実は施策が深化していくのはこれからなのかなという気もいたしますけれども、例えば潜在化しやすい被害者の問題、今までまだ光の当たっていなかった類型、あるいは属性の被害者の方々に対する取組の必要性という問題提起もさせていただいて、盛り込むことができましたし、あるいは民事的な被害者の権利、債務名義の実現という新たな課題も取り上げることができて、恐らくこれからの5年の間に何らかの成果がまた見えてくるであろうということ、そういったスタートにできたということは大変良かったのかなと思っているところでございます。
また、いろいろな方面で施策が深化してまいりました。深まってまいりましたので、これから特に被害者のための中長期的な支援という観点で考えますと、先ほども前文等で説明をいたしましたけれども、ほかの制度等との兼ね合い、つまり、犯罪被害者に固有の問題、あるいは被害者だから特に取り上げなければならない点をどういうふうに他の諸制度等と調整をしていくかという、ある意味では深まってきたからこそ見えてくる難しい課題もあるのかなと思っているところでございます。
またこれからは、今までは余りにもへこんでいたところがここまで施策が進んできたということを踏まえますと、それらの施策が本当に絵に描いた餅になっていないかどうかという点が重要かなと思います。その意味で、先ほど定量的・定性的という議論もしていただきましたけれども、やはりいろいろな意味できちんと施策が実施されているか、浸透してしいるか、あるいは全国にあまねく行き届いているかということをしっかりと見届けていく必要があると感じている次第であります。
そして、この犯罪被害者等施策というものは、私自身は国民的な行政であると思っておりますので、その観点から考えれば、やはり国民の皆様一般の認識、被害者でない方々にとっても、この施策があることが非常にいいことである。そういう意味での理解と共感をいただいて、国民の皆様全体で被害者の問題を考えていただける。こういった社会にならなければなりませんし、またそういう一つ一つの施策でなければならないと感じております。
いつまで在位しているか分かりませんけれども、とにかくこの3次計画がきちんと仕上げて世に送り出せて、また施策がますます充実・発展することを心より期待しているところでございます。本当に構成員の皆様方の御支援・御協力をいただきましてここまで来られたことに対して感謝を申し上げたいと思います。
ありがとうございました。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、最後に私からも御礼を兼ねて一言御挨拶を申し上げたいと思います。
私は、委員になって、そして議長という重責を担わせていただくということになりました。その後、会議を主宰していく中で、不手際なところ、至らぬところが多々あったと思います。反省するところが多いと思っておりますけれども、構成員の皆様の熱心な取組、それから、関係省庁の担当の皆様方の真摯な対応、そして、事務局の粘り強い準備、議論の整理等々の御蔭で、何とか第3次犯罪被害者等基本計画案の取りまとめをすることができたと思います。改めて皆様の御協力に感謝申し上げたいと思います。
なお、4月1日から警察庁が犯罪被害者等施策の取りまとめ役を担うということになりますが、関係省庁におかれては警察庁と連携・協力して施策の確実な推進に努めていただきたいと心より希望を申し上げます。本日決まりました第3次基本計画案が着実に実現されていく、そして、被害者支援が発展していくということを願いまして、私の御挨拶とさせていただきたいと思います。
本当にありがとうございました。
それでは、これをもちまして、第24回「基本計画策定・推進専門委員等会議」を終わります。
どうもありがとうございました。